太陽観測
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Ⅰ 太陽視直径による地球軌道の決定
1.研究目的
地球軌道の形状は円形に近いが楕円軌
道であり、季節により太陽との距離が変
化することにより、太陽の見かけの大き
さ(視直径)が変化する。この変化を年
間測定することにより、地球軌道の概形
を計測する。又、黒点の太陽面上の移動
の様子から太陽の自転周期を算出する。
2.観測方法
①屈折望遠鏡に太陽投影板を設置し、太
陽像を投影する。
②黒点の動きにより東西方向を決め、そ
の方向に対する垂線を設定する。
③太陽面全体がこの垂線を太陽直径分移
動する通過時間をストップウォッチで
計測する。(1日につき5回の観測の
平均をとる)
(下図1,2)
図 1 ( 1 0倍 )
図 2 ( 5倍 )
結果は
10 倍 図 よ り e = 0 . 0 1 8 6
5倍 図 よ り e = 0 . 0 1 5 0
となり、これは天文定数として知られる
0 . 01 67 1と 近 い 値 と な っ た 。
( ※ 参 考 資 料 h t tp :/ /w w w5 f. bi g lo be . n
e . jp /~ re g ul us _a l ph a- le o /h tm l/ t ai yo 0 0.
htm 太 陽 視 直 径 の 測 定 )
Ⅱ
太陽黒点の移動による太陽自転
周期の測定
1.研 究 目 的
太陽表面の黒点の移動の様子から
太陽の自転周期を求める。太陽緯度の違
う黒点のデータから太陽の緯度により自
転周期が異なることを確かめる。
2.観測方法
①望遠鏡を動かさず数十秒間隔で太陽
表面の黒点を撮影する。
②数日後、上記と同じ作業を行う。
3.自転周期の算出方法
3.データ処理
・ 視 直 径 = Δ T × ( 1. 00 27 3 8) × 15 " ×
c os δ - Δ T× 0. 04 10 6 7" × co s (2 3° 2 6 ′ )÷
c os δ の 式 に よ り 、 観 測 日 の 視 直 径 を 算
出する。
※ΔT:平均通過時間
δ:観測日の太陽の赤緯
4.結果と考察
・ 地 球 軌 道 : 太 陽 の 実 直 径 が 1 39 万 k mと
わかっているので、この値と視直径から
各観測日における太陽地球間の距離を算
出する。(下グラフ)
地球軌道の概略
15600.00
図を平均距離か
15400.00
らのずれを5倍
太 15200.00
陽
及び10倍した
ま 15000.00
で
の 14800.00
ものを作成し、
距
離
太陽との近日点
( 14600.00
㎞
距離、遠日点距
) 14400.00
離を推定し地球
14200.00
軌道離心率を算
14000.00
9 07 21 74 45 70 90 07 71 32 63 55
6 4
5 6 3
8
6 6
2 3
7 9
1
1 1 5
1 1
1
1 2 2 2 2 2 2 3 3 3 3 3
出した。
通日(日)
①同日の画像
データを重ねる
ことにより、写
真における東西
方向を求める。
②太陽面経緯度
図 トレー
シ
ン グ ヘ ゚ー パ ーを 使
用し、黒点の太
陽面
上の経緯度を決定する。
③前記①②を3日間隔の両日について
行い、経度変化を求める。
④観測時間の経過と経度変化から太陽
の見かけの自転周期Sを求める。
⑤地球公転の影響を取り除く補正を行
い、太陽の真の自転周期Pを求める。
⑥太陽面緯度の違う別の黒点について
①~⑤の作業を行う。
4.結果と考察
黒点A
黒点B
太陽面緯度 真の自転周期
11°
26.7日
22°
27.2日
この結果から、太陽の自転周期は、ほぼ
27日前後で、緯度が小さいほど早く回
る(赤道加速)が観測された。しかし、
ト レー シ ンク ゙ヘ ゚ー ハ ゚ー に よ る 処 理 の 不 正 確 さ か ら
正確に結論されたとはいえない。しかし、
今年、写真による黒点位置の決定が出来
たことは大きな進歩である。
Ⅲ
金星の太陽面通過による1天文
単位の測定
1.研究目的
6 / 6 の 金 星 太 陽 面 通 過 の デ ータ を 使 用 し
て、三角測量の原理で、1天文単位の距
離を算出する。
観 測 さ れ た 直 径 ℓ1 の 太 陽 面 像 中 の 金 星
シ ル エ ッ ト の ず れ を ℓ2 と す る と 、 地 球
上の2点間の距離ABを使って、太陽-
地 球 間 の 距 離 1 天 文 単 位 [ A .U .] は 次 の
式で求まる。
0. 7 2× ℓ 1× A B
1 [ A. U. ] =
0. 0 09 2× 0 . 28 × ℓ 2
ABの距離を左図の
ように太陽方向と垂
直な平面上の距離に
修正して代入して計
算すると
1[A.U.]=1.48×10 8 km
となり、天文定数として知られている
1 [ A .U . ] = 1 . 4 9 6 × 1 0 8 km
に非常に近い値を求めることが出来た。
◆感想
今年は天文現象が非常に沢山ある年で、
研究対象も例年に比べ多く、大変であ
ったが充実した研究となった。
【追加】
5/21の金環日食の様子も観測、撮
影をおこなった。その撮影データと観測
風景である
2 観測及び測定方法
金星の軌道はほぼ円なので 金星の最大
離隔=46°より 金星-太陽間の平均距
離 = 0. 72 [ 天 文 単 位 ] で あ る 。 よ っ て 、
太陽、金星、地球間の距離の比は下図1
のようになる。
地球
B
A’
金星
A
B’
0.28[ A.U.]
太陽
0.72[ A.U.]
図1
本校とチェコのウーバリーで撮影した同
時刻の金星像のデータを重ねる。
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