国民の思い込み
産科医の本音
お産の
「当たり前」 安全神話 「とんでもない」
日本の医療は海外
あるいは昔と比べ
て良くなった
妊娠・お産は昔か
ら営まれたもので
病気ではない
母児共に安全にお
産できて当然
何かあったとして
も病院なら適切に
対応してくれるの
で安心
深い溝
認識の
ズレ
不眠・不休のボランティ
アベースで日本の産科医
療水準をかろうじて維持
している
お産は大出血など予期せ
ぬ母児急変が起こりとて
も怖い
お産で母子に何が起こっ
たとしても当然
日本のお産体制はすでに
限界を越え、絶対に安全
なお産は不可能
50年間の日本の周産期統計の推移
分娩数:半減
母体死亡:約1/80に減少
新生児死亡:約1/40に減少
人工妊娠中絶:減少、いまだ年間約30万件
早産:増加 超早産:約2倍に激増
低出生体重児:増加
超低出生体重児:約30倍に激増
帝王切開激増
高齢妊婦:約2倍に増加
お産を支える産科医の減少
◆産婦人科医の約1/3はお産をリタイヤした高齢者
◆ 35歳以下の産婦人科医の大半は女性
◆女性産婦人科医は結婚・出産・育児でお産の現
場から離脱、10年たつとお産に関わっている医師
は約半数のみ
◆不妊、腫瘍専門医はお産に携わらない
お産する産科医は数字以上に少ない!
最新の分娩取り扱い施設医師数(日母):7324人
厚生労働省発表産婦人科医師数(H18年):10074人
周産期医療
の特殊性 24
時間救急医療危
険なお産
分娩の
集約化
周産期センター
の受け入れ限界
産科医の激減
大学病院
産科医減少
中核病院の
分娩中止
看護師内診問題
1人開業医
の終焉
分娩場所の激減 、妊婦のアクセス困難
三次施設の分娩激増と搬送受け入れ不可能
NICU不足で母体搬送が稼動しなくなった!
◆母体搬送拒否の理由の88%はNICU満床のためだが、NICU
ベット不足による慢性的満床状態
(過去の多田
班での目標必要数:2床/1000出生)
→新生児医療連絡協議会での再全国調査
NICUベット必要数:3(2.95)床/1000出生
「周産期母子医
療センターネットワーク」による医療の質の評価とフォローアップ・介入による改善・向上に関する研究(藤
村班)H19報告書:杉浦正俊(杏林大学)
藤村班全国調査NICUベッド必要数:3136床
(診療報酬届出NICU数:2032床)
(医療施設調査NICU数:2341床)
全国で795-1104床NICUベッドが不足
しかし、新生児科医不足のためにNICUの増床は不可能
世界の妊産婦死亡率(/10万出生)
(UNICEF 2000年)
世界平均
400人(1/250人)
アフリカ
アジア
830人
330人
(中南:520人、東南:210人、西:190人、東:55人)
セアニア
240人
ロッパ
オ
ヨー
24人
*シェラネバダ 2000人(1/50人)
日本はわずか7人、世界一?
妊婦の平均全循環血液量が約4000mlとすれば
単胎・経膣分娩では全身血液の 約1/4
単胎・帝王切開では全身血液の 約2/5
多胎・経膣分娩では全身血液の 約1/2
多胎・帝王切開では全身血液の 約2/3
の大出血をどんなお産の時も起こしうる
お産には突発的な大出血がつきもの
血液の切れ目が妊婦の命の切れ目なのに
平成22年までに全国の血液センターは22ヶ所
に集約化することがすでに決定
日本の妊産婦の
死に至るほどのリスクは250人に1人
お産で大出血のリスクは500人に1人
お産が怖いことは世界の常識、日本では非常識
日本の優れた周産期医療体制が崩壊すれば
妊産婦死亡は簡単に増加しうるのに
産科医師の賃金に見合わない過酷な労働と
産科医療に内在する母子のリスクによる医療事
故医療事故への刑事裁判の介入は
さらに産科医師数を激減させ
今や日本の周産期医療は崩壊寸前
交通事故死亡率・妊産婦死亡率の年次推移
( /10万人・出生)
25
2万人に
1人死亡
20
15
交通事故死亡率
妊産婦死亡率
10
5
0
1980
1990
2000
2005
日本の交通事故死亡率と妊産婦死亡率はほぼ同率!
これからの我が国のお産のあり方(私案)
妊娠・分娩の本来持つ危険性と発生率
ローリスク妊娠でも起る母子の危険性と発生率を
広く一般国民、マスコミへ周知徹底
NRPの義務化(産科・新生児科医、助産師、看護師)
医師、助産師、看護師が
同一施設内でチーム協
力
スキルミックスの導入
NP,PAの育成
院内助産システム
3交替制の廃止あるいはチーム継続ケア
オープン・セミオープンシステム
受け入れ病院のマンパワー整備と経済支援策
ブランチ医の収入確保システムの構築
産科医の待遇改善(労働時間、賃金)
無過失保障制度の導入
2種類の総合周産期母子医療センター
総合周産期母子医療センター(N型)
歴史的にはNICUを基盤とし、産科を併設した施設
早産未熟児救命には強いが超重症の母体救急は困難
総合周産期母子医療センター(M+N型)
歴史的には大学病院、総合病院を基盤とした周産期センター
救急救命センターを有し、脳外科医、心臓血管外科医の対応可能
成人女性のあらゆる異常、緊急に対応可能
母体救急にも対応可能な周産期医療体制(私見、2008年)
総合周産期母子
医療センター(N)
院内助産
システム
地域周産期母子
医療センター
総合周産期母子
医療センター(M&N)
母体救急周産期施設
救急救命センター
常勤麻酔科医
救急対応脳外科医
救急対応心外科医
中程度NICU
バースセンター
分娩取り扱い病院
院内助産システム
ハイリスク
中等度リスク
ローリスク
オープン
セミオープン
システム
院内助産
システム
診療所、助産所
通常の母体搬送
母体緊急救急搬送
このような体制を確立するための提言
一次分娩施設の復活、新規開設支援
看護師内診問題を解決し、お産のチームに看護師を導入(スキルミックス)
二次分娩施設の復活、マンパワーの充実
分娩をしていない産婦人科医(不妊、リタイア)の産直、外来ヘルプ導入
院内助産システムの導入(ゴールド助産師育成)
三次分娩施設からローリスク妊娠の負担削減
現状の新生児医数でNICUベッド増床
新生児NP(nurse practionar)の新生児医量への導入(スキルミックス)
母体救急可能周産期施設の新規認定
中堅産科医の離脱防止、若い産科医の育成
女性医師対策(ワークシェア、フレックスタイム)、労働環境改善
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日本の分娩はどうなるのか? 特に、ローリスク妊娠は