戦後中学校教科書の中の
惑星の記述の変遷
自然環境教育課程
地球環境プログラム 天文学専攻
07553032 真鍋 未来
はじめに

冥王星の騒ぎについて
太陽系の惑星の新しい定義には冥王星が入らない。
従来の考え方(明確な定義なし):
水・金・地・火・木・土・天・海・冥の9個
2006年8月16日定義案:
水・金・地・火・木・土・天・海・冥・カロン(冥王星の衛星)・
エリス(第10惑星?)・セレス(小惑星)の12個
8月24日採択の定義:
水・金・地・火・木・土・天・海の8個
教科書の内容が変わる

冥王星が惑星の定義から抜ける
2007年度から、教科書の内容に訂正が入る
→教科書は、時代の変化や科学の進歩によって
書き換えられたり、新たな内容が加わったりする
ことがある。
教科書の内容はどのように変遷していったか
調査手段・方法

調査する教科書・出版社の決定
・天文分野(惑星)
科学の進歩が著しいため、教科書の内容の変化が大き
いと期待される
・中学校の教科書
・東京書籍と新興出版啓林館(以下啓林館)
・戦後から現在まで
調査場所
平成4年検定以降の教
科書
→教育実践総合センター
(和歌山大学)
中学校教科書は
平成4,8,13,17年検定
のもの
(現行は平成17年検定、平
成18-21年度)

和歌山大学教育学部付属教育実践総合センター

戦後からの教科書
→教科書図書館(東京都)
中学校教科書は
昭和26,27,29,34,3
6,40,43,46,49,52,
55,58,61,平成元年検
定のもの
(啓林館は昭和29年検定
以降出版)
財団法人教科書研究センター付属教科書図書館
結果
水星・金星: 満ち欠けや動きが中心
 地球: 記述は昔はなかった
 火星: 惑星の中でも特に記述に大きな変化
 木星: 昭和55年以降輪が新しく追加された
 土星: すべての教科書にスケッチもしくは写真
 天王星・海王星
・冥王星: 記述は極めて少なかった

結果
水星・金星: 満ち欠けや動きが中心
 地球: 記述は昔はなかった
 火星: 惑星の中でも特に記述に大きな変化
 木星: 昭和55年以降、輪が新しく追加された
 土星: すべての教科書にスケッチもしくは写真
 天王星・海王星
・冥王星: 記述は極めて少なかった

火星の記述の変遷

東京書籍、啓林館の検定年ごとの火星の記述
(火星の外観・大気・季節・水の存在・生物の存在)
の変遷を表にした
東京書籍(昭和26年~平成17年)
時間
緑 暗緑
ある
ある
いる コケ?
赤茶
うすい
氷
・・・。
啓林館(昭和29年~平成17年)
時間
緑
月・岩石 鉄
うすい
極地
植物
二酸化炭素
水蒸気
・・・。
過去
変遷の理由

火星の場合は惑星探査機が大きく関係している
戦前の火星像
火星には運河網が
見える(ローウェル)
 運河網は人工的に
作られたものだ
→火星人

運河網
火星人のイメージ
戦後昭和39年(1960年代はじ
め)までの教科書の記述
例)
①東京書籍
昭和27年検定「改訂新しい
科学中学1年上」
②啓林館
昭和36年検定「中学新理
科3年全」

→火星生物につい
ての記述は肯定的
①
生物が住んでいるので
はないか
②
緑色に見える部分は植
物のはえている所
昭和39年、火星探査機マリナー4
号の登場

火星
マリナー4号が撮影した
画像
初めての
クローズ
アップ画像
イメージ
マリナー4号(火星の近
くを通り、火星を撮影)
表面の
クレーター
の様子
→火星に生物がいる
可能性は低い
昭和39年以降の教科書の記述

例)
青緑色に見
える模様があ
る
暗緑の部分は下等な
植物群
東京書籍 昭和43年検定
「新訂新しい科学3」
啓林館 昭和40年検定
「改訂中学新理科3年」
→火星生物についての
記述が否定的に
昭和46年、マリナー9号の登場

大渓谷、大火山の写真を
撮影
表面は月に似ている
オリンポス山
マリナー渓谷
例)
啓林館 昭和49年検定
→緑色という記述がなくなった
「理科2-A」

昭和50年、バイキング1号2号が
火星に軟着陸



火星表面の様子や地形・
気候を調査
生物の痕跡は見つからず
例)
表面は岩石から成り、
大きな火山地形もあ
る
生物の存在は確認
されていない
啓林館 昭和61年検定「新訂理科2分野上」
地面は小石のころがる
みわたす限りのさばくで
ある
東京書籍 昭和61年検定
「新編新しい科学2分野上」
平成8年マーズパスファインダーが
火星に軟着陸

洪水によって運ば
れたと予想される
石を発見
→啓林館 平成13年
検定「理科2分野
下」には”過去には
大量の水が存在し
ていたと考えられて
いる”という記述
マーズパスファインダー
の一部
探査機
ローバ
まとめ
火星に対する期待の度合い
教科書からみた火星に対する期待の度合い
大
生物はいるだろう
度期
教科書の記述は
待
科学の進歩とともに
変遷していく
下等な植物?
かつては豊か
だったかも
期待度
月のようだ
火山地形がある
小
1950
1960
1960
マリナー4号
1970
1970
1980
1980
年
1990
1990
様々な探査機
バイキング
マリナー9号 1号・2号
2000
2000
マーズ・パス
ファインダー
今後の課題




今回抜け落ちた東京書籍平成8年検定の教科
書の調査
戦前の教科書はどのような内容だったか
天文分野の惑星の範囲以外(宇宙の広がり、銀
河系など)の調査
あらゆる世代へのアンケート
ダウンロード

戦後中学校教科書の中の惑星の記述の変遷