2004 年度前期
大学院演習 IV:政治地理学の理論
(Graduate School Seminar IV: Theories in Political Geography)
担当教員:山崎孝史(やまざきたかし)
研究室:文学部棟 358 教室
電話:06-6605-2407
E メール:[email protected]
オフィスアワー:木曜日午後 3 時から 4 時、事前
連絡があれば随時
I 担当教員のプロフィール
1961 年京都市生まれ、2004 年コロラド大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。専門は政治地理学および
沖縄研究、特に地政学、社会運動、アイデンティティ・ポリティクスなどに関心があります。
II 演習概要
本演習では、1980 年代以降活発化した英米の政治地理学の理論的・概念的展開とその日本での受
容について、日本語および英語論文の読解と内容に関する討議を通して理解し、政治地理学関連文
献を展望するプレゼンテーションと論文執筆を行います。第 1 週分を除き課題文献の抜刷もしくはマス
ターコピーを新サロンに常置しておきますので、各自でコピーしてください。第 1 週分の課題文献の抜
刷を山崎より寄贈されなかった人は、お手数かけますが各自で直接雑誌からコピーしてください。また、
各週の討議テーマや課題文献は学期途中で変更する場合があります。
III 演習の構成と評価
(1) 出席・参加:毎週の演習では教員・受講生間で課題文献の内容について討議します。必ず出席し、
積極的に討議に参加してください。遅刻が常習化する受講生や出席数が 2/3 に満たない受講生は
不合格とします。(評価配分 10%)
(2) リーディング・レポート:各週の授業日の前日午後 5 時までに、その週の課題文献を要約、論評、な
いし疑問点を提示した 1200 字以内のショート・レポートをテキスト形式の電子メールで山崎および
受講生全員に送付してください。但し、第 1 週分は山崎までで結構です(評価配分 30%)
(3) 展望論文:期末試験として政治地理学関係文献の展望論文(400 字詰めで 20 枚程度)を、学術雑
誌に投稿可能な様式で執筆してください。テーマと様式については追って指示します。(評価配分
60%)
(4) 評価:評点が全体の 60%に満たない受講生は不合格とします。
IV 演習内容(作成中:著者名がカタカナ表記されているものは翻訳)
第 1 週(5/6)
政治地理学展望:政治地理学で何ができるか?
課題文献 山崎(2001a、2001b)
第 2 週(5/13)
地政学1:繰り返された批判
課題文献 村上(1999)、竹内(1986)、福嶋(1991)、山野(1999)、岡田(2002)第 4 章、(参
考:竹内 1974)
第 3 週(5/20)
地政学2:新しい地政学
課題文献 オロッコリン(2000)、ラムリー(1998)、トール(1999)、福嶋(1997)、(参考:山崎
1998)
第 4 週(5/27)
場所1:場所の概念
課題文献 スリフト(1996)、ジョンストン(2002)第 2 章、マッシー(2002)
第 5 週(6/3)
場所2:概念援用の問題点
課題文献 山野(1992)、遠城(1998a, b)、Staeheli (2003)
第 6 週(6/10)
領域1:領域性
課題文献 ジョンストン(2002)第 6 章、上田(1986)、(参考:Sack 1986, Chapter 2)
第 7 週(6/17)
領域2:領域の政治的概念化
課題文献 Paasi(2003)、Yamazaki(2003)
第 8 週(6/24)
スケール1:地理的スケール
課題文献 高橋(1988)、山崎(in print)、Howitt (2003)
第 9 週(7/1)
スケール2:マルチ・スケールの視角
課題文献 テイラー(1991)第 1 章、Yamazaki (2004)
第 10 週(7/8)
政治的選好表明1:公共選択・選挙
課題文献 山崎(1999)、ミラー(1996)、高木(1986)、泉谷(1998)
第 11 週(7/15)
政治的選好表明2:社会運動
課題文献 香川(2004)、淺野(2002)、Valentine(2003)
第 12 週(7/22)
展望論文プレゼンテーション(予定)
発表者 阿部君、本岡君?
期末レポート:提出締切日 7月31日予定
V その他
後期は山崎の Ph.D.論文(Political space of Okinawa: Geographical perspectives on ethno-regional
integration and protest)をはじめとして事例研究(東京大都市圏におけるエスニックタウンの形成や豊郷
小学校をめぐる町長リコール運動など)を中心に方法論的な観点から政治地理学的研究の有効性につ
いて議論したいと思います。
VI 文献リスト(参考文献を含む)
淺野敏久 2002. ローカルな環境運動への地理学的アプローチ―中海干拓問題を手掛かりとして,地
理学評論 75-6,443-455 頁.
泉谷洋平 1998. 棄権率からみた国政選挙と地方選挙の関係―コンテクスチュアルな視点からの因果
分析,人文地理 50-5,83-97 頁.
上田元 1986. 領域性概念と帰属意識―諸概念の展開とそのメタ地理学的反省,人文地理 38-3,1-19
頁.
岡田俊裕 2002. 地理学史―人物と論争,古今書院.
オロッコリン,J.(滝川義人訳) 2000. 地政学事典,東洋書林.
遠城明雄 1998a. 都心地区の衰退と「まちづくり」活動をめぐって,荒山正彦・大城直樹ほか編『空間か
ら場所へ―地理学的想像力の探求』,古今書院,212-225 頁.
遠城明雄 1998a. 「場所」をめぐる意味と力,荒山正彦・大城直樹ほか編『空間から場所へ―地理学的
想像力の探求』,古今書院,226-236 頁.
香川雄一 2004. 社会運動論の系譜と地理学におけるその展開,地理科学 59‐1,26‐46 頁.
ジョンストン,R. J. (竹内啓一監訳、高田普久男訳) 2002. 『場所をめぐる問題―人文地理学の再構築
のために』,古今書院.
スリフト,N. (遠城明雄訳) 1996. 空間と時間における社会的行為の決定について,日本地理学会
「空間と社会」研究グループ編『社会-空間研究の地平―人文地理学のネオ古典を読む』,大阪市
立大学,100‐131 頁.
高木彰彦 1986. 選挙地理学の近年の動向—アングロサクソン諸国を中心として,人文地理 38-1,
26-40 頁.
高橋伸夫 1988. 分布のスケールについて,中村和郎・高橋伸夫編『地理学への招待』古今書院,63‐
72 頁.
竹内啓一 1974.日本におけるゲオポリティクと地理学,一橋論叢 72-2,169-191 頁.
竹内啓一 1986. ゲオポリティクの復活と政治地理学の新しい展開―ゲオポリティク再々考,一橋論叢
96-5, 524-546 頁.
テイラー,P.J. (高木彰彦訳) 1991.『世界システムの政治地理―世界経済、国民国家、地方(上)』,
大明堂.
トール,G.(成瀬厚訳)1999.批判地政学,現代思想 27-13,232-247 頁.
福嶋依子 1991. 地理学の方法論的反省と地政学,お茶の水地理 32, 1-8 頁.
福嶋依子 1997. 地政学展望—ゲオポリティークから批判的地政学まで,高木彰彦編『国際社会におけ
る現代日本の政治地理学的研究』(平成 7-8 年度文部省科学研究費補助金 基盤研究 A(1) 課題番
号 07308005 研究成果報告書),茨城大学人文学部,15-19 頁.
マッシー,D.(加藤政洋訳)2002.権力の幾何学と進歩的な場所感覚,思想 933,32-44 頁.
ミラー,B.(神谷浩夫・香川雄一訳) 1996. 集合行動と公共選択論,空間・社会・地理思想 1,68‐85
頁.
村上次男 1999 (初出 1993). 日本地政学の末路,空間・社会・地理思想 4, 50-56 頁.
山崎孝史 1998. Gearóid Ó Tuathail 批判的地政学:グローバル空間記述の政治,人文地理 50-5,
102-104 頁.
山崎孝史 1999. アメリカ大都市圏の政治的分節化と公共選択論―ティボー仮説をめぐって, 成田孝
三編『大都市圏研究 下』大明堂, 232-253 頁.
山崎孝史 2001a. グローバル化時代における国民国家とナショナリズム―英語圏の研究動向から, 地
理学評論 74-9, 512-533 頁.
山崎孝史 2001b. 英語圏政治地理学の争点, 人文地理 53-6, 24-47 頁.
山崎孝史 in print. グローバルあるいはローカルなスケールと政治, 水内俊雄編『空間の地政学(シリ
ーズ新地理学第 4 巻)』朝倉書店.
山野正彦 1992. コンテクストとしての「場所」の記述—最近の文化・社会地理学の動向,人文地理 44-5,
91-93 頁.
山野正彦 1999. 探検と地政学,人文研究 51(第 9 分冊),1-32 頁.
ラムリー,D.(高木彰彦訳)1998.序 地政学的コンテクスト,高木彰彦・千葉立也・福嶋依子編『アジア
太平洋と国際関係の変動—その地政学的展望』古今書院,1-18 頁.
Howitt, R. 2003. Chapter 10 Scale. In Companion to Political Geography ed. J. Agnew, K. Mitchell, and
G. Toal, 138-157.
Passi, A. 2003. Chapter 8 Territory. In Companion to Political Geography ed. J. Agnew, K. Mitchell,
and G. Toal, 109-122.
Sack, R.D. 1986. Human territoriality: Its ideology and history, Cambridge: Cambridge University
Press.
Staeheli, L.A. 2003. Chapter 11 Place. In A Companion to Political Geography ed. J. Agnew, K. Mitchell,
and G. Toal, 158-170.
Valentine, G. 2003. Chapter 26 Sexual politics, In A Companion to Political Geography ed. J. Agnew, K.
Mitchell, and G. Toal, 408-420.
Yamazaki T. 2003. Politicizing territory: the transformation of land struggle in Okinawa, 1956, 人文研
究 54 (第 3 分冊), 31-65 頁.
Yamazaki T. 2004. Dreaming of ‘liberation’ by riding on globalization: Oppositional movements in
Okinawa. In Globalization and its Outcomes, ed. J. O’Loughlin, L. Staeheli, and E. Greenberg,
337-360, New York: Guilford.
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2004年度シラバス - 大阪市立大学大学院文学研究科・文学部