行動分析実習(7)
もろもろ問題集
関連ブログ「行動福祉心理学
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望月昭
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1
Question:
●赤ん坊の「抱き癖」を停止するには?
1)赤ん坊の行動への操作(母親の対応):
2)母親の行動への操作(母親への対応):
2
赤ん坊の「泣く」行動
先行状況
抱かれていな
い
行動
泣く
後続状況
抱かれる
即時的強化
●この効果をなくすには?
・消去? 罰?
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・「随伴性」の関係をなくす?
母親の「抱く」行動
先行状況
泣声あり
行動
後続状況
抱く
泣き声なし
一時的だが即時的環境変化
●この効果をなくすには?
・消去?
・罰?
・「確立操作」:「嫌悪刺激」をなくす
嫌悪的でないようにする
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討論用事例1:トイレに異物を
流してしまうケース
対象者:
施設居住歴10年. 27歳男性. 社会での職歴あり.
「盗癖」あり(賽銭泥棒、日常的会話可能.日中作
業は「箱づくり」.
問題となった行動:
恒常的な問題行動:トイレに異物を流す、
時折みられる行動:異食(くぎ)、盗癖、
5
トイレに異物を流す
1)何が強化になるのだろうか?
2)対応方法は?
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トイレに異物を流す
先行状況
トイレ正常
注目なし
行動
異物を流す
後続状況
トイレ洪水
注目あり
・職員の叱責
「叱責」が行動的に罰とは限らな
い.
思い込みより事実
・体罰
・他の利用者
からの非難7
職員の叱責行動を維持する随伴性の法則
先行状況
下水つまる
(あふれる)
行動
後続状況
叱責する
その時は
「反省する」
即時的に強化される
負の強化であれ即時的に強化される行動は影響を受
けやすい.
人は自分が何によって強化されているか気づかな
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いことが多い
対処の方法
・本人の行動随伴性の操作
消去?
罰?
・職員の行動随伴性の操作
消去?
罰?
・正の強化を用いる方法
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正の強化による対処
1)問題行動への直接の対処
2)より全般的な生活改善(行動の改善)
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討論用事例2
「自傷」のケース
●対象者:
19歳男性、自閉性障害、重度の知的障害、発話なし。
自宅居住、入退院を繰り返す、
問題行動:側頭部を拳で叩く、首筋をつまむ、
両側頭部に腫れあり、首筋には傷あり。
●これまでの対処
投薬/入院(入院時しばらくして自傷は低くなるが、
時間経過の中で増大、「拘束」(ひもで身体を縛る)
あるいは手袋で緩解し退院)/
退院時にも同じ(暫くは良いが時間経過の中で増大)
これを繰り返している状態。
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側頭部を拳で叩く
先行状況
刺激なし
行動
叩く
後続状況
刺激あり
看護師の対応
・身体的制止
・ことばによる制止
+「約束」
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病棟の看護師の対応
先行状況
行動
後続状況
自傷あり
制止・拘束
瞬間やまる
先行状況
拘束で自傷
なし
行動
「もう叩かない
と約束して」
後続状況
うなずく
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対応中の本人の行動
先行状況
行動
後続状況
約束+拘束
うなずく
解放される
先行状況
行動
後続状況
解放状態
自傷
強い制止
「約束した
のに!」
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自傷行動と痛み(刺激)刺激の関係の解除(消去)
→「手袋着用」
社会的強化の随伴性の解除
→自傷行動への消去?
→対処行動に対する確立操作
?
正の強化の使用
→
?
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紹介した事例に(異物ながし/自傷)に
共通する点
→行動をやめさせる操作が強化になっている。
→一時的・即時的な強化が周囲の行動を維持して
しまっている
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効果という点だけで「罰」の操作を考えるなら(中
島、2000「学習の心理」参照)
1.効果のある罰を使わなくてはならない。
(自傷:「やめなさい」は効果のある時のみ)
2.遅延の罰は効果がない
3.罰がくるかを知らせる信号を与えてはいけない
(罰がこない場面では一層その行動が増大する)
猫への「天罰」の例を想起
4.嫌悪刺激と正の強化子が混在していると、嫌悪
刺激だけでも反応が増加する場合がある
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行動分析的な対処の基本は、行動をな
くすことではなく、行動を増やすこと
(成立させること)である。
→歴史的にもそのような対処の方法がまず考えら
れた。(トイレットトレイニングの例など)
→自傷に関しても、基本的には(別の)行動を増
やすという方法が中心であった。
→「罰」(嫌悪的刺激)の使用は、深刻な自傷へ
の対処に使用された。
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第7回