第 16 章
平成18年度後学期 システム化学計測
章末問題
テキスト p.422 の問題2,4,6,8,10,12について,代表的な解答例を以下に示します。
多重式抽出では,最終的な水相の分率を faq として,解答しています。
従って,n 回抽出における 1 回の抽出の分率を faq とするならば,
最終的な faq は,1 回抽出の faq のn乗になります。
即ち,faq=faqn になる。
faq を混同しやすいので,
n




1


で統一したほうがよいでしょう。
faq 

Vorg 
 1  Kd

Vaq 

1
は 1 回抽出における faq になります。
Vorg
1  Kd
Vaq
2
いくつかの考え方があるが,ここでは分率を使ってみよう。
授業で説明したとおり,faq について,次式が誘導される。
faq 
1
Vorg
1 D
Vaq
(a) ここで,D=10,Vaq=100ml,Vorg=100ml より,
faq 
1
1  10
100
100

1
11
E(%)=(1-faq)x100=(1-
(b)
1
)x100=90.9 (%)
11
答 90.9(%)
D=10,Vaq=100ml,Vorg=50ml で2回抽出を行う。
faq 
1
1  10
50
100

1
6
E(%)=(1-faq2)x100=(1-
1
)x100=97.2 (%)
36
答
4
抽出後の水相と有機相の HA の濃度をそれぞれ Caq,Corg とする。
中和滴定では,NV=N´V´が成立する。
HA は一塩基酸なので,MV=M´V´になる。
ここで, M=0.040M,V=30.0ml,V´=25.0ml,M´=Caq とすると,
Caq 
0.040 X 30.0
 0.048 mol / l
25.0
抽出後の水相と有機相の物質収支より,次式成立。
Vaq・Caq + Vorg・Corg =0.200 mol/lx100ml
97.2(%)
第 16 章
平成18年度後学期 システム化学計測
章末問題
Vaq=100ml,Caq=0.048 mol/l,Vorg=25.0ml より,
Corg 
D
0.200 x100  0.048 x100
 0.608 mol / l
25
Corg 0.608

 12.7
Caq 0.048
答
6
12.7
問題2と同様に考える。
faq 
1
Vorg
1 D
Vaq
faq 
1
1  50
150
50
ここで,D=50,Vaq=50ml,Vorg=150ml より,

1
151
従って,水相に残っている鉄(Ⅲ)の量は最初の量の 1/151 になっている。
水相に残っている鉄(Ⅲ)のミリグラム量を Aaq とすると,
Aaq=0.25xfaq= 0.25 x
1
 1.66 x10 3 g  1.66 mg
151
答 1.66mg
8 多重式抽出の場合,ダイレクトに forg を求めるのは難しいので,faq を計算して,
forg=1-faq の式から求めるのがよい。
問題では抽出された溶質 S のミリモル数を求めることから,初めの量を A0 とすると,
A0=0.12x100=12mmol になる。
(a) Vaq=100ml,Vorg=100ml,Kd=8.0 とすると,
faq 
1
1  Kd
Vorg
Vaq
1

1  8.0
∴ forg=1-faq=1-
100
100

1
9
1 8

9 9
抽出されたミリモル数を A とすると,
A=A0xforg=12x
8
=10.7 mmol
9
答 10.7 mmol
(b)
多重式では,faq は次式になる。
n


1
faq  

Vorg
 1  Kd
Vaq







ここで,Vaq=100ml,Vorg=50ml,Kd=8.0,n=2より,
第 16 章
平成18年度後学期 システム化学計測
章末問題
2


2


1
1
 1 


faq 

 
50 
25

 1  4.0 
 1  8.0

100 

∴ forg=1-faq=1-
1
24

25 25
抽出されたミリモル数を A とすると,
A=A0xforg=12x
24
=11.52 mmol
25
答
(c)
11.5 mmol
(b)と同様にする。
Vaq=100ml,Vorg=25ml,Kd=8.0,n=4 より,
4


4


1
1
 1 


faq 

 
25 
81

 1  2.0 
 1  8.0

100 

∴ f
forg=1-faq=1-
1 80

81 81
抽出されたミリモル数を A とすると,
A=A0 x forg=12x
80
=11.85 mmol
81
即ち,抽出率は 98.75%である。
答
(d)
11.85 mmol
Vaq=100ml,Vorg=10ml,Kd=8.0,n=10 より,
10




1

faq  
10 

 1  8.0

100 

10
 1 


 1  0.80 
10
 1 
∴ forg=1-faq=1- 

 1. 8 
10
 1 
 
 1.8 
 0.997
抽出されたミリモル数を A とすると,
A=A0xforg=12x0.997=11.97 mmol
即ち,抽出率は 99.72%である。
答
10.
11.97mmol
水相の場合,体積は同じなので,faq がわかると,抽出後の水相の濃度は,初濃度に
faq を掛ければよい。
溶質 X の初濃度が 0.050mol/l,抽出後の濃度 Caq は,題意より 1.0x10-3 mol/l なので,
Caq=0.050xfaq から, faq=
0.001
 0.02
0.05
になる。
即ち,faq が 0.02 以下になるように,分配係数を決めればよい。
第 16 章
平成18年度後学期 システム化学計測
(a)
章末問題
多重式では,faq は次式になる。
n


1
faq  

Vorg
 1  Kd
Vaq







ここで,Vaq=50ml,Vorg=25ml,n=2より,
2






1
  1
faq  
25 

 1  Kd

 1  Kd

50 
2


2

2

   2 

 2  Kd 


faq≦0.02 より,
2
 2 

  0.02
 2  Kd 
1
x4  200  14.14
0.02
2+Kd≧
∴ Kd≧12.14
最小値は Kd=12.2 になる。
Kd の最小値を整数とするならば,Kd=13 になる。
答 Kd=12.2
(b)
Vaq=50ml,Vorg=10ml,n=5より,
5






1
  1
faq  
10 
Kd


 1  Kd

1
50 
5


5

5

   5 

 5  Kd 


faq≦0.02 より,
5
 5 

  0.02
 5  Kd 
5
1
 5  Kd 
 50

 
0.02
 5 


1
5 5
5  Kd  50 x5
 156250 0.2  10.93
即ち, Kd≧5.933・・・
∴
Kd≧5.94
Kd の最小値を整数とするならば,Kd=6 になる。
答 Kd=5.94
平成18年度後学期 システム化学計測
第 16 章
章末問題
12 クレイグ抽出において,n回移し換えを行ったときのr番目の試料管に存在する溶質の分
率は,次式の一般式で表される。




1


f n,r  n C r

Vorg 
 1  Kd

Vaq 

(a)
nr
Vorg 

 Kd

Vaq 


Vorg 
 1  Kd

Vaq 

r
Kd=100,n=5,r=0,問題では定義していないが,ここでは,Vaq=Vorg を考える。
 1 
f 5,0  5 C0 

 1  100
50
0
5
 100 
 1 
11

 
  9.51x10
 1  100
 101
(b) (a)と同様にして求めればよい。
 1 
f 5,1  5 C1 

 1  100
5 1
 1 
f 5,2  5 C2 

 1  100
 1 
f 5,3  5 C3 

 1  100
 1 
f 5,5  5 C5 

 1  100
5 2
53
 1 
f 5,4  5 C4 

 1  100
1
4
1
 100   1   100
9
8

 
 
  5 x9.51x10  4.76x10
 1  100  101  101
3
2
3
2
3
4
1
5
0
 100 
 1   100
5
4

 
 
  10x9.51x10  9.51x10
 1  100
 101  101
5 4
55
2
 100 
 1   100
7
6

 
 
  10x9.51x10  9.51x10
 1  100
 101  101
 100 
 1 

 

 1  100
 101
4
 100
3
2

  5 x9.51x10  4.76x10
 101
5
 100 
 1   100
1

 
 
  1x9.51x10  0.951
 1  100
 101  101
Kd=100 では,試料管5に溶質の 95.1%が移動することになる。
ダウンロード

環境科学 演習問題