第 49 回地盤工学研究発表会
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K - 03 (北九州) 2014 年 7 月
砕石パイルに関する模型載荷実験
砕石パイル
地盤の支持力
複合地盤
東京都市大学
学生会員
○松野遼太郎
東京都市大学
国際会員
末政 直晃
ハイスピードコーポレーション
正会員
堀田 誠
ハイスピードコーポレーション
正会員
小串 隼人
1.はじめに
2011 年に発生した東日本大震災では,浦安をはじめとする関東の沿岸部で広域に液状化が発生するなど,かつてない液状化
被害がもたらされた.東日本大震災を契機に住宅における液状化対策の重要性や重要構造物の耐震性の向上が再検討されている.
このような中で,小規模住宅の地盤改良工法として砕石パイル工法が注目されている.
砕石パイル工法では,まず軟弱な地盤を削孔しその穴に砕石を圧縮しながら詰めることにより砕石杭が造成される.掘削孔の
体積に比して多量の砕石を使うことにより,その砕石が掘削壁を押し広げ砕石杭周辺の土を密にすることができ,砕石杭が構造
物を支持するだけでなく,周辺土の締固め効果も加味できる.これらにより,現地盤と砕石杭とで複合的に構造物を支える地盤
改良体となることを目指すものである.材料に固化しない自然材料を用いていることから,除去が容易で環境にやさしい工法と
いえる.
本研究では液状化対策も同時に期待できる砕石杭について検討を行っている.その第一弾として,砕石杭により改良された複
合地盤の常時並びに地震時の支持力を評価することを目的とするものである.
2-1.複合地盤鉛直荷重載荷実験の概要
表 1 砕石杭打設ケース
使用した土層試料は,山砂と関東ロームを 1:1 で混合したものである.載荷実
験に用いた模型地盤の作製には透明なアクリルの円形土槽(直径 205 ㎜,深さ 250
㎜)を使用した.土槽側面には,境界条件の影響を少なくするためにシリコンスプ
レーを塗布した.模型地盤は 5 層に分けて作製され,1 層目は試料土 4kg を 10 分
間,2~4 層目は試料土 2kg を各層 5 分間,5 層目は試料土 1kg を 2.5 分間でそれぞ
れベロフラムシリンダーを用いて 50kPa で圧縮を行い,密度が一様となるように
地盤を層状に作製した(表 1)
.砕石杭のための削孔には,直径 20 ㎜の木工ドリル
ビットを付けたドリルを用いて土層中心に穴を空ける方法と,同じく直径 20 ㎜の
ステンレス製の筒を土層の中心に挿入して削孔する 2 種類の方法を用いた.削孔
した穴に 2 号珪砂を入れ,砕石杭用の模型ランマーで打撃することにより直径が
およそ 30 ㎜となるような砕石杭を作製した.
砕石杭の杭長と打設層数,
落下回数,
落下高さ,ランマーの重りの重量,砕石杭に使用した総砕石量を表 2 に示す.ま
た,地盤と砕石杭からなる複合地盤上に設置するフーチングには幅 100 ㎜×奥行
80 ㎜×高さ 50 ㎜のアルミ製のものを使用した.実験は同じ条件で作製した模型地
盤に対して,砕石杭の杭長や打設層数,落下回数,落下高さ,ランマーの重り重
量を変えて 12 ケース行った.
図 1 複合地盤鉛直荷重載荷実験結果
2-2.複合地盤鉛直荷重載荷実験結果・考察
杭長がそれぞれ 100 ㎜,170 ㎜,200 ㎜である場合の鉛直載荷試験結果を図 1 に示す.ここでは砕石杭用ランマーの重量や落
下回数を変えたケースが示されている.図の点線は,別途得られた未改良地盤に対する極限支持力を表している.また,ここで
は荷重沈下曲線の第一次降伏点を極限支持力としている.これより,改良地盤のほとんどのケースで未改良地盤より支持力を発
Model loading experiment about the rubble pile
Ryotaro Matsuno,Naoaki Suemasa
Tokyo City Univ.
Makoto Hotta,Hayato Kogushi Hyspeed Corporation.
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揮したことが分かる.このことから砕石杭を打設することで改良地盤はより高い支持力を発揮することを確認した.その中でも
今回の砕石杭施工地盤において最も大きい支持力を発揮したのは杭長が中間の 170 ㎜でドリル削孔を行ったケース E であった.
3-1.組み合わせ荷重載荷実験の概要
使用した土層試料は,鉛直載荷実験と同様のものである.模型地盤は 5 層に分け表 3 の条件で作製した.載荷実験に用いた模
型地盤には鉄製の円形土層(直径 400 ㎜,深さ 300 ㎜)を使用した.また,砕石杭の作製方法には砕石杭の鉛直荷重載荷実験を行
った際に一番大きい支持力を発揮し,再現性が高いと思われる直径 200 ㎜のステンレス製の筒を土層に挿入して削孔する方法を
用いた.削孔した穴に 2 号珪砂を入れて砕石杭用ランマーで打撃することにより砕石杭を作製した.その際,砕石量を 110g 程
度,打設層数 4 層程度,砕石杭打設用ランマー落下回数 5 回,落下高さ 7cm,ランマーの重り重量 766g とした.砕石杭の打設
後,組み合わせ荷重載荷装置により水平載荷を行った.地盤と接するフーチン
グの裏面には,紙やすり又はアクリル板に 2 号硅砂を接着剤で付けたもの又は
L字の金具を組み合わせ 2 号硅砂を接着したものを設置した.組み合わせ荷重
載荷では所定の鉛直応力を加えた後,水平載荷を行った.その際,水平荷重と
水平変位,鉛直荷重と鉛直変位をロードセル・変位計でそれぞれ計測した.
3-2.組み合わせ荷重載荷実験結果・概要
ケース H1~H4 のフーチングには紙やすりを接着したものを,ケース H5,6
のフーチングにはアクリル板に 2 号珪砂を接着したものを,ケースH7~9 に
はL字の金具を組み合わせ 2 号硅砂を接着したものを用いた.鉛直荷重はベロ
図 3 組み合わせ荷重載荷実験結果
フラムシリンダーにより一定圧力を加え,その載荷圧力はケース H1:126kPa,
ケース H2:188kPa,ケース H3,H4:63kPa,ケース H5,H6,H7:75kPa,ケ
ース H8,H9:63kPa,ケース H10:151kPa である.載荷実験では鉛直圧力を加
えた後,ジャッキを作動させることにより水平載荷を行った.図 2 より,鉛直
圧力が大きいケース H1,H2 では水平変位とともに水平荷重が増加し続けた.
これは,鉛直荷重による沈下量が大きく,このフーチングの埋没により生じた
側面地盤を水平に掘削したことから,支持力が漸増する結果となったためと考
えられる.ケース H3,H4 では降伏を迎えた後,荷重が一定となった.このケ
図 3
H-V 図
ースでも H1,H2 同様に沈下した分の側面をある程度掘削していることを確認
した.水平載荷時に沈下側面を掘削してしまうという問題が発生していたので,これ以降のケースは鉛直荷重を付与した後,そ
の沈下量に応じて掘削される部分の地盤を削ることを行った.その結果,沈下側面壁を掘削してしまう量は少なくなった.しか
し,H5,H6 には 2 号珪砂接着フーチングを使用していたため摩擦が大きく,載荷板底面に両面テープでつけていたフーチング
がずれてしまった.フーチングがずれてしまうのを防ぐために 2 号硅砂接着L字フーチングを使用したケースH7 ではフーチン
グがずれることはなかった.さらに,砕石杭への影響は大きく杭頭部が前ケースよりも大きくずれた事を確認した.H8,H9 の
ケースでは H7 と同様の載荷方法を用いたが,掘削される部分の地盤を削る作業の微調整を行った.その結果,砕石杭への影響
が H7 よりも顕著に表れたことが見て取れた.砕石杭上部 1cm~2cm は大きく載荷方向へずれたことを確認した.載荷後,地盤
を大きく掘削してしまっているように見えたが,これはフーチングが砕石杭を通り過ぎたことで鉛直支持力を失い沈下したこと
が原因であると考える.H-V 図作成のためより大きな鉛直荷重をかけた H10,更に H7~8 のケースでは水平荷重にピークが見
られた.グラフの形状が似ていることから模型地盤が同様の破壊をしたと考えられる.そこで比較的実験がうまくいったケース
H7~10 と鉛直荷重のみ載荷した結果より H-V 図を作製した(図 3)
.
4.まとめ
ケース H7~8 の組み合わせ荷重載荷実験において改良地盤の極限水平支持力が得られることが分かった.今後は,データ
を積み重ね,同複合地盤の支持力特性を明らかにしたい.
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砕石パイルに関する模型載荷実験 K - 03