2015 年 6 月 1 日
答弁(宗務総長)「同朋会運動の再出発について」
教団としては、御遠忌後の宗会における御遠忌総括にかかる演説や、同朋会
運動推進に関する委員会から提出いただいた「同朋会運動の推進計画」が総括
である。そこで見出された「人の誕生」と「場の創造」という大きな視点は、
真宗教化センター構想実現に向けた歩みである。
「現在の教団・教学・教団の社会性」について、真人社が危機感をもって発
せられた状況と現代を比べてみると、宗門をとりまく環境は、宗務総長演説で
申し上げた通り「さらに厳しい」と言わざるを得ない。教えが伝わる関係性が
緩やかに減衰していると認識している。だからこそ、生きた教学によって同朋
精神を取り戻すことを宗務執行の基本方針に挙げた。
教化研修計画に掲げる「自己点検と課題の共有」について、演説で教化の現
場に最も深い関係を有するのが教区である。自己点検の視点は、単に寺に人が
集まっているのかというものではなく、あくまで「教区教化事業が組や寺院に
いかに寄与しているのか」にある。2014 年度に実施した「教区教化事業の見直
し点検シート」による自己点検は、推進員養成講座、組門徒会研修、帰敬式実
践運動、女性教化、人権学習・差別問題、青少幼年教化、教化伝道研修の7項
目である。これらの自己点検を通して、象徴的には「教区の事業が組に留まり、
寺や門徒に届かない」という課題が表れている。これらの状況を打開すべく、
三機関の総合力を発揮するための協議会実施、ウェイクアップセミナーや駐在
教導との連携、ポータルサイトの開設などの教化の現場に資していくための真
宗教化センターの先行業務を行ってきた。
答弁(宗務総長) 「不戦決議の誓いについて」
安全保障関連法案に対する宗派声明は、宗門の過去の歴史に真向かいになる
からこそ、宗門の責任として表明したものだ。その宗派声明を、より大きな声
にするためにも、宗・参両議会における「戦後70年決議」の必要性の提案で
あるが、宗務総長として、安全保障関連法案に対する声明を発し、その願いを
発信した。意とするところを十二分に受けとめて欲しい。議員一人ひとりが、
宗派の議決機関として積極的に議論となることを願う。
1995年の不戦決議以来の教団の歩みについての評価・総括について、
「不
戦決議」を採択した教団としての自覚を持ち、その願いのもとに教団自らを問
い続けていく歩みとして、宗派の施策・取り組みを進めてきた。具体的には、
過去の歴史を振り返り、戦争に関わり没していった方の具体的な「声」として
聞いていく機縁として春の法要中に全戦没者追弔法会を勤めている。また、宗
門近代史の検証の継続や遠松忌法要等をはじめ、非戦を唱えた僧侶の歴史の検
証、各地において非戦・平和の願いに促されて取り組みをしている諸団体との
連携を深めてきた。そして時に応じて表明する宗派声明もその一つである。当
然、今般7月に宗派主催で上演する演劇『太平洋食堂』の取り組みもその一環
として位置づけている。
これらの施策の根底にあるのは、
「不戦決議」の「惨事を未然に防止する努力
を惜しまない」という誓いであり、宗派の大切な精神として持ち続けなければ
ならないものであります。この精神に基づいていつの時代においても社会の状
況に応じた、「世をいのり世を厭う」積極的な発信を続けていくためには、「歴
史の検証」に止まらず、その歴史を教訓として継承していくという新たな視座
を持つことが、現代社会に立する宗門にとって必要なことである。
答弁(宗務総長) 「原発問題に関する声明について」
「原子力発電に依存しない社会の実現にむけて」、宗派として表明したことに
ついて、本山宗務所においては「原子力問題に関する公開研修会」を、宗務役
員を含め、広く門徒・一般市民の方々に向けて継続して開催している。これら
の学びを通した取り組みは、全国的に教化の一環として展開している。
本年3月11日には、第10回となる「原子力問題に関する公開研修会」を
開催し、全国の各地域で放射能から子どもたちを守る保養事業に取り組まれる
方々や、各地で原子力問題に対して様々な取り組みを行っている方々からのビ
デオメッセージを現在宗門が持つネットワークの一端として紹介した。これら
の取り組みは宗派が中央機関として一手に担うというものではなく、全国各地
で活躍している方々が有機的につながりあえる、ネットワークといった場の確
保も重要な視点である。
答弁(宗務総長) 「宗派声明・決議の具体化について」
声明や決議が広く浸透していかない現状について、昨年の宗務総長演説にお
いて、
「伝える」ということが、いかに難しい現状にあるかを知らされると同時
に、そこに、宗門の果たすべき役割の具体性があると述べた。
指摘のとおり、真宗教化センター構想は、
「人と情報を横につないでいく」こ
とが担うべき機能の一つである。情報が伝わっていくためには、ご門徒や地域
と直接かかわっていく別院・寺院・教会の教化の現場において、どのような課
題があり、何が求められているのかを聞き取っていくことが重要であると認識
している。もし、この「聞く」ということを欠いたならば、いかに崇高なこと
を述べようとも正しさの押しつけでしかない。
真宗教化センターを構成する教学研究所・解放運動推進本部・青少幼年セン
ターは、それぞれ固有の課題について取り組んできた歩みがある。現場の課題
を踏み外すことなく、三機関の総合力を発揮して発信する。
教学の問題と指摘された点について、同朋の交わりを開く真宗の教えにあず
かってきた私どもが、共に厳粛に受けとめなければならない。昨年の集団的自
衛権行使容認の閣議決定を受けて、今年の『同朋新聞』2 月号において池田勇諦
氏にお話しを伺った。池田氏は「信心」
「信じる」というのは自分を固めること
ではなくて、自分が破られることだと。そして、
「あなたが変われば世界が変わ
る。あなたが変われば、あなたの友だちにかける言葉もおのずから変わってく
るでしょう。あなたが変われば、あなたの世界が変わる。あなた一人が変わる
ことから始まっていくのです」と述べられた。誰かではなく、まず自分自身が
如来の教化を受けて変わっていくこと。そして、自らの足元、僧侶と門徒が「対
話」をもって交流を開らいていくこと、同朋としての人の交わりが開かれてい
くことを求めて止まない。
教学会議・課題別会議について、宗門の課題を教学と教化の視点をもって指
針を示すものである。定例懇談等において戦後70年の問題は、当然課題にな
る。また、他教団等への広がりについては、全日本仏教会や真宗教団連合など、
機会をとらえて呼びかけていく。
教学員等の構成や周知の取り組みについて、教団組織の機能を尽くして、課
題の広がりと深まりに、努めていく。
答弁(財務長) 「同朋会運動の再出発における財政改革の展望について」
財政改革の展望について、
「総括提起書」を破棄するということではない。あ
くまで、
「総括提起書」にある制度をそのまま導入するには、殊に各教区の経常
費御依頼の募財態勢が異なるため、統一したかたちを見出すことが非常に困難
であると申した。もちろん、
「総括提起書」に示す財政改革の願いの根幹である
「宗門人一人ひとりが宗門を担っていく財政」ということに関しては、変わら
ず取り組んでいかなければいけない課題であると強く認識している。どこまで
も宗門人一人ひとりが等しく宗門を担い、そのことにより門徒・僧侶・寺院・
本山の関係性を回復し、仏法の縁に触れることで、宗門を支える意識が醸成し
ていく活動を地道に続けていかなければ、本山へ懇志を差し出すことも机上の
空論となってしまう。
この視点をもって、2015年度予算編成においては、一ヵ寺一ヵ寺の活性
化を願う「真宗教化センター構想」を実動するための教学振興・教化推進を宗
務執行の主軸とする予算措置を講じた。また、本山へ参拝される方々を丁寧に
お迎えすることを基本として、宗務の方針を策定した。
今後も、改めて「教財一如」の視点から「宗門人一人ひとりが宗門を担って
いく財政」の構築に向け、まずはその足元を固める活動に力を注いでいく。
答弁(財務長) 「平衡資金の使用について」
平衡資金の本来の目的は、
「真宗大谷派」規則第70条第1項に規定されてい
るとおり、歳計の不足を補うためである。平衡資金は一般会計の一会計年度予
算相当の金額を確保すべきであるとの考え方に変更はない。
しかし、このたびの真宗本廟奉仕施設整備事業に対する平衡資金の使用に関
しては、本事業が、同朋会運動の大切な営みである真宗本廟奉仕を間違いなく
後世に手渡していく「本派の将来的展望に立った重大な事業」であり、この重
大な事業を遅滞なく遂行するため、事業に不足する10億円について、
「真宗大
谷派」規則第70条第3項の規定に則り、平衡資金の一部使用を内局として決
断し、議案として提案した。あくまでも、このたびの平衡資金の一部使用の提
案は、本事業の重要性を鑑みた上での決断であり、平衡資金に対する基本的な
考え方を変更したわけではない。今後も引き続き「一会計年度の予算総額と同
規模の確保」を目指す。
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2015 年 6 月 1 日 答弁(宗務総長)「同朋会運動の再出発について」 教団