PPC広告についての
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有限会社BOX
メディアディレクター 東條裕子
PPC広告とは
PPCとは、Pay Per Clickの略。検索連動型広告とも呼ばれ、
文字どおり、ユーザーの「検索ワード」に関連して広告を表示する
いま、もっとも効率的な(費用対効果の高い)広告手法と言われています。
下にグーグルの検索結果がありますが、
上(色のついた部分)と右横にズラッと出てくる、
3行広告(キャッチ12文字、説明文34文字)が、それです。
効率的なのは、考えてみれば当然。
ヤフーやグーグルで、何かを「検索する」ということは、
すでにそのことに「興味関心がある」、その情報を「探している」わけですから、
そこに、ドンピシャの広告が出てくれば、クリックする確率はかなり高い。
ほんの一昔前までは、広告といえば、
「ターゲットは、20代から30代の首都圏に住む独身女性」と、
だいたい、性別、年代、地域くらいでしたが、
具体的な「コトバ(キーワード)」で、ターゲットをギリギリまで絞り込めるのが、
PPC広告の、何よりの醍醐味です。
PPC広告の舞台裏
PPC広告の代理店は、おもに2つ。
グーグルのアドワーズと、ヤフーのオーバーチュアです。
そこでは、日々、コトバ(キーワード)が売買されています。
(※オーバーチュアのほうは、正確にいえば、イコール・ヤフーではありませんが、
広告が配信される検索サイトがおもにヤフーということです)
どちらも基本的なルールや機能は、ほぼ同じ。大きな違いはありません。
ここでは、グーグルのアドワーズについて、PPC広告の舞台裏がいったいどうなっているのか、
おもな機能やポイントを紹介しましょう。
●基本設定
まずは、広告を配信するにあたって、基本的なプランを設定しますが、
ここでは、おもなポイントして、以下5点をあげてみます。
1. 1日の予算
1日に払ってもいい上限額。これを超えて、広告が配信されることはないので安心です。
逆に言えば、1日の中で、昼までに予算に達してしまえば、
それ以降は翌日まで、広告はストップします。
1日1000円程度の予算でも、十分な結果、効果は得られます。
2. 配信エリア
世界中どこにでも配信できますから、たとえば、アメリカ在住の日本人に向けて広告をうつことも、
思い切って英語の広告をヨーロッパに打つことも可能。
さらに、日本でも、首都圏のみで配信など、細かく設定できます。
3. 配信時間
1日24時間配信しっぱなしでもいいですし、
ターゲットとする層や商品に合わせて、夕方5時~深夜2時までとか、土日だけ。
また、主婦がターゲットなら、平日の昼間のみなど、自由にスケジュールを組めます。
※ただし、デフォルトでは、1日24時間、連続配信になっています。
4. ネットワーク
どこに広告を配信するか、です。
たとえば、グーグル検索のみ、ということも可能ですし、
グーグルがパートナーを組む他の検索サイトに配信することもできます。
また、コンテンツネットワークをオンにするかオフにするかも重要なポイントです。
※詳しくは後述します(P7-8)
5. 配信ローテーション
広告は、一つだけでなく、何個か用意しておくのが基本です。
そのいくつかの広告を、どういう割合で配信するかを選びます。
※詳しくは後述します(P9)
ほかにも細かい設定はありますが、だいたいこんなところでOK。
自分のサイトさえ持っていれば、思い立ったが吉日。
アドワーズの開設費、500円さえ払えば、誰でも、すぐに、気軽に始められます。
キーワード設定
PPC広告の要です。たとえば、あなたがフリーのデザイナーで、
デザインのことなら本一冊語れる知識を持っていたとします。
そして、そのノウハウを、本なりPDFなりにしてネットで売ってみようとすると・・・・。
「あなたのノウハウを欲しいであろう人」が、
「検索ワードとして打つであろう言葉」を先回りして予測し、
その言葉(キーワード)に入札するのです。
※入札単価は9円から。「旅行」「ダイエット」「恋愛」「転職」など、
市場やニーズが大きく、検索数もライバル数も多いキーワードはビッグキーワードと呼ばれ、
高いものではワンクリック1000円を優に超えることもあります。
まず、「デザイン」「デザイナー」などは、すぐに思いつく基本キーワード。
ここに、さらに具体的な言葉を付け加えて、的を絞り込んでいきます。
「デザイン フォトショップの使い方」「デザイン イラストレーターの習得法」など。
「デザイン スクール」など、デザイナー学校に通おうとしている人に対してアプローチしても効果的。
もちろん、「デザイナーになりたい」「デザイナーになる方法」など、文章になっていてもかまいません。
これらをキーワードツールで検索すると、その言葉が、月間どのくらいの検索数があるのか、
競合広告主がどのくらいいるのか、平均クリック単価はいくらかなどが出てくるのはもちろん、
自分ひとりでは考えもつかなかったようなきーワードがたくさん出てきます。
以下、
実際には、
まだまだ多数続きます
「完全一致」と「部分一致」
キーワードを登録する際に、注意しておかなければいけないのが、マッチタイプです。
★完全一致
検索キーワードと、入札したキーワードが、完全に一致したときにのみ広告が表示されます。
★部分一致
検索キーワードの中に、入札したキーワードが部分的にでも含まれていれば広告が表示されます。
※もう一つ、「フレーズ一致」というのもありますが、今回は説明は省略します。
たとえば、「デザイン イラストレーターの習得法」を完全一致で登録すると、
「デザイン イラストレーターの習得法」で検索されない限り、広告は表示されません。
これを部分一致で登録しておけば、
「デザイン イラストレーター」でも表示される可能性は大です。
それなら全部、部分一致で登録しておけば、表示される可能性が増えていいじゃないか、
と思うかもしれませんが、それが、思わぬ落とし穴につながることもあるので要注意。
なぜなら、部分一致では、思わぬ検索で表示されることがあるからです。
というのは、たとえば「目玉焼き イラスト」(目玉焼きのイラストを探している人がいたとし
て)
と検索されたときに、
「イラスト」だけを部分一致とみなして表示される可能性もないとは言い切れません。
こうなっては、あなたが想定したシチュエーションとはまったく違うところに表示され、
表示されるだけならまだしも、クリックでもされたら、ただ、ムダにお金が出て行くだけです。
(その人が、たまたまデザインに興味があって購入につながれば結果オーライですが、、、)
しかも、注意しておかなければならないのは、
アドワーズの設定では、デフォルトで部分一致になっている、ということです。
アドワーズ側にしてみれば、当然、たくさんクリックされてお金が入ってくるほうがいいわけです
から、まんまとこれにひっかかってはいけません。
つまり、部分一致でいいものは部分一致、
完全一致にしなければいけないものは完全一致と、
それぞれの違いをきちんと認識して、使い分けることが肝心です。
※ただし、「部分一致の適用範囲」という概念があって、これは日々変わっていきます。
今までの経験上、最近では、たとえ部分一致で登録していても、
かなり関係性を重視して表示してくれるので、そこまで神経質になる必要はないかな、とは思います。
このように、PPC広告の大きなテクニックの一つは、
「見せたくない人には見せない」という工夫が必要だということです。
SEOであれば、いくらクリックされてもそれ自体はタダですから、
できるだけたくさんの人に見てもらったほうがいいわけです。
ところが、PPC広告では、クリックされるたびにお金が出ていくわけですから、
できるだけ「ムダな表示」「ムダなクリック」を減らすことも重要になってくるのです。
除外キーワード
そのために、「除外キーワード」という機能があります。
つまり、「この検索キーワードが入ったときには、うちの広告を出さないでね」
という指定があらかじめできるのです。
たとえば、先にあげた「キーワードツール」を見ても、
「デザイン」という言葉一つとっても、さまざまなカテゴリーがあることが分かります。
「空間デザイナー」になりたい人もいれば、「ファッションデザイナー」 になりたい人、
「家具のデザイン」に興味がある人など、
「デザイン」という言葉からは、さまざまな関連ワードがでてきます。
たとえば、あなたが「ウェブデザイン」のノウハウを売りたいなら、
これらの人は、ターゲットからは外れるはずですよね。
そこで、除外キーワードとして、
「空間」「家具」「服飾」「アパレル」「ファッション」など
除外したいキーワードを登録しておくのです。
慎重を期すのであれば、
ファッションデザインのブランド名なども登録しておくといいかもしれません。
つまり、「シャネル デザイン」という組み合わせは、検索されがちなキーワードでしょう。
ちなみに、「無料」というような言葉も、
無料で何かを探している人は、なかなかお金を払わないので、
除外キーワードに登録しておくといいと言われています。
こうしておけば、「デザイン」というキーワードに登録していたとしても、
服のデザイナーになりたい人が、「デザイン アパレル」といった言葉で検索してきたときには、
広告は表示されません。
コンテンツネットワーク
コンテンツネットワークとは、あなたが入札したキーワードとは関係なく、
アドワーズが、「勝手に」あなたのサイトに関連が高いであろうサイトに広告を流してく
れる機能です。
こういうところに勝手に配信される広告です
これも、一瞬、ありがたい機能のように聞こえますが、ちょっと待った!
というのも、こちらでまったく管理できないからです。
です。
キーワード登録のほうでは、もちろん、一つひとつのキーワードに対して、
言葉を変えたり、入札単価を上げたり下げたり、詳細なデータを見ながら
細かく調整ができるのですが、コンテンツネットワークでは、それができません。
さらに、これを知らなければエライことになるのは、
アドワーズの設定では、デフォルトで、コンテンツネットワークがオンになっていて、
しかも、その入札上限単価が、はじめに設定した値になっていることです。
どういうことかというと・・・。
たとえば、はじめの設定で、だいたいクリック単価は35円くらいにしようと決めたら
(上述したように、初期設定はおおまかな目安で、後々、キーワードごとに一つひとつ
細かくクリック単価は変えていきます)
コンテンツネットワークでも、クリックされるたびに、35円が課金されるということです。
基本的に、コンテンツネットワークのほうは、検索ワードには関連しておらず、
グーグルが、勝手にどんどん流してくれるので、
表示回数はキーワード設定のほうに比べて、かなり多くなります。
ところが、キーワードで的を絞っていないぶん、ユーザー側のニーズの密度は薄い。
つまり、それほど興味があるわけではないけれど、たまたまあるサイトにたどり着いた人に、
高いお金を払って、どんどんクリックされている、
という恐ろしい事態も起こり得ます。
もちろん、コンテンツネットワークも悪いわけではありませんが、
絶対に、クリック単価の設定を下げておくことを忘れてはいけません。
だいたい、高くても、15円くらいに抑えておけば、まぁ、流すだけ流してみるのもよしです。
また、今回は、説明は省きますが、
「このサイトに流して」という設定を自分でできる「プレースメント」という機能もあります。
広告文
アドワーズの広告は、3行広告とも呼ばれ、
キャッチ12文字、説明文34文字(制限文字数)でできています。
※一例
これだけで、お客さんをつかまえなければいけないわけですから、
当然ながら、この青色で表示されるキャッチが決め手になります。
この、わずか12文字で、いかに、ターゲットの心をくすぐるか、いかにクリックさせるか。
とはいえ、ここでももちろん、注意点はあります。
大胆な言葉であおりにあおって、「クリックさせるだけ」なら、ある意味簡単かもしれません。
しかし、繰り返しになりますが、PPC広告では、
いくらサイトに訪問してもらっても、購入につながらなければお金が出て行くだけ。
「ムダなクリックをさせない」ことも大切ですから、あくまでも、
ターゲットを絞り込みつつ、見てもらいたい人だけにクリックさせる巧妙なトリックが必要です。
そして、広告は必ず最低でも3つはつくって、
どれが一番クリック率がいいか、購入率がいいかを検討することです。
ここでまた、グーグルの「ありがた迷惑機能」があって、
デフォルトでは、広告の配信ローテーションは「最適化」となっています。
これは、成績のいい広告をどんどん優先して表示してくれる機能。
これも、そのほうがいいのでは、と思うかもしれませんが、よく考えてください。
そうなると、はじめにクリック率の高かった広告がどんどん表示され、
低かった広告は表示のチャンスすら低くなって、、、、、と。
フェアな統計が取れません。
そのため、少なくとも2週間くらいは、「広告をより均等に表示」を選んで、
どれが一番反応がいいかを見極めることが大切です。
結果データと広告スコア
広告配信が始まって、数時間もすれば、すぐに結果データが集まり始めます。
おもなポイントは、表示回数、クリック率、平均クリック単価、平均掲載順位などです。
1日や2日では、正しい分析ができませんので、最低でも2週間くらいは見てみましょう。
(※下記は、1ヵ月分のデータです)
←折れ線グラフは、
クリック率の推移
長く続ければ続けるほど、大切になってくるのが「広告スコア」です。
1~10段階で、自分の仕事に点数がつけられてしまうのです!
スコアが上がると、「優秀な広告・サイト」と見なされ、
掲載順位が上がるとともにクリック単価が下がります。
逆に、スコアが3以下ぐらいになってくると、「NG」とされ、掲載さえしてもらえないことがあります。
この広告スコアが、どんな基準でつけられるのか。
いろんなところで、いろんな人たちが、いろんな推測をしていますが、
これぞ、といった明確な答えは、アドワーズのみぞ知る。
公には、「入札単価×クリック率」とされていますが、
最近では、「キーワード」「広告文」「ランディングページ」の「関連性」も
非常に重要視されています。
つまり、ユーザー側から見たときに、
「そのサイトが本当に探している情報なのか」が問われるのです。
広告スコアをあげるテクニックとしては、とにかくクリック率を上げる
もしくは、一番簡単なのは、入札単価を上げる。
が、これを続けていると、当然、今度は資金のほうが厳しくなってきますので、
一時的な応急処置でしかありません。
いずれにせよ、結局、これといった王道はないので、
キーワード、広告文、ランディングページ、それぞれを細かく調整してくしかありませんし、
そうした試行錯誤の末、結果が出たときのおもしろさが、PPC広告の醍醐味とも言えるでしょう。
まとめ
以上、PPC広告について、ざっとおおまかに説明しましたが、百聞は一見にしかず!
実際に、自分のサイトで、自分の手で、やってみるのが一番。
何より具体的にその世界が分かるし、おもしろさも倍増です。
文中でも述べたように、PPC広告は、いまや企業だけのものではありません。
いえ、むしろ、小さな会社でも、個人でも、
アタマひとつ、がんばり次第で、大きく成功できる可能性を秘めています。
繰り返しになりますが、その特徴は・・・・
ターゲットをギリギリまで絞り込める
誰でも気軽に始められて、数時間後にはアクセスが集まる
結果がすべて数字で見えるので、確実な戦略が立てやすい
世界を相手に勝負できる
といったところでしょうか。
もちろん、「やーめた」と思えば、いつでもやめられるので(基本的に、アドワーズは後払いです)
ちょっとでも興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。
意外な世界が開けるかもしれませんよ!
※PPC広告の世界は、SEOと同じく、日々変わっていきます。
3ヶ月前には効果的だったテクニックが、すでに過去の話ということもしばしばです。
当レジュメは、2009年5月時点での話ですので、その点ご了承ください。
2009年5月23日
有言会社BOX 東條裕子
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の資料公開(東條 裕子さん)[PPTファイル]