我が国におけるバリアフリー推進施策
~移動等円滑化の促進に関する基本方針の改正について~
平成23年8月30日
中国運輸局交通環境部 消費者行政・情報課長 福 島
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
弘
1.バリアフリー化の推進のための基本方針の見直し
背景 全体認識
・これまでの取組によりバリアフリー化は目に見える形で進展。しかしながら、整備目標に照らせば、一部に
整備困難な施設等が残存する等、未だ、道半ば。スパイラルアップの考えの下、新しい整備目標を設定。
施 設
基本構想
<交通機関の進捗状況(21年度末)>
【全旅客施設】
・段差解消
・障害者用誘導ブロック
・障害者用トイレ
77.2%
94.7%
75.1%
【車両等】
・鉄軌道車両
・ノンステップバス
・福祉タクシー
・旅客船
・航空機
45.7%
25.8%
11,165台
18.0%
70.2%
バリアフリー対象施設の
拡大・深化
整備困難施設への取組、
地方部への展開、
新しい整備目標 等
基本構想作成数は順次増加して
いるが、必ずしも十分な数の構想
が作成されているとは言い難い。
【基本構想作成数(22.9月末)】
264市町村、353構想、620地区
<参考>
5000人以上の鉄軌道駅が所在する市町
村数 : 510
「地域のまちづくり」と一体と
なったバリアフリーの推進
基本構想の作成促進を
通じたバリアフリーの
まちづくり
心のバリアフリー等
①各地で児童・生徒を対象に「バリ
アフリー教室」等を実施。
② 「バリアフリー化推進功労者国
土交通大臣表彰」を創設
③高齢者・障害者等、施設設置管
理者等による「全国バリアフリー
ネットワーク会議」を創設
心のバリアフリー等
ソフト施策の有機的な推進
国民の理解・協力を得
るための一層の取組、
教育訓練の奨励策 等
1
2.バリアフリー化の推進のための基本方針の見直し
イント
ポ
○ 移動等円滑化の目標
旅客施設や車両、道路、公園、建築物等について、平成32年度末を期限とした新しい目標を設定し、バリアフリー化を一層推進。
(旅客施設について、「5000人以上/日」を「3000人以上/日」の施設に拡大。 ホームドア等についての整備目標を新たに設定)
⇒別紙参照
○ 職員等の教育訓練
施設設置管理者による職員等への教育訓練に関し、PDCAサイクルを取り入れたマニュアル整備や研修実施、更に、この過程
での高齢者・障害者等の当事者の参画を推奨
○ 重点整備地区における移動等円滑化の意義
市町村が重点整備地区について作成する基本構想の策定を促進するため、その重要性を強調するとともに、段階的かつ継続
的発展を図る「スパイラルアップ」の考え方を強く推奨。
基本構想の策定・フォローアップに当たり、地域の住民、高齢者、障害者等の当事者の参画を推奨。更に当事者等による提案
制度の活用を推奨。
関係スケジュール
平成22年12月~23年1月
平成23年1月18日
交換)
平成23年3月31日
パブリックコメント(期間約1ヶ月)
全国バリアフリーネットワーク会議(障害当事者、事業者等と直接意見
大臣告示
2
3.旅客施設、車両等(鉄軌道)
鉄軌道駅
現行
1日平均利用者数5,000人以上の鉄軌
道駅を、原則として、全てバリアフリー化
(約2,800駅)
<参考>
鉄軌道駅のバリアフリー化率
平成12年度:29% ⇒ 平成21年度:77%
鉄軌道車両
現行
約50%の車両をバリアフリー化
(約52,000両)
<参考>
鉄軌道車両のバリアフリー化率
平成12年度:10% ⇒ 平成21年度:46%
目標
目標
3,000人以上の駅を原則として全て
バリアフリー化
約70%の車両(約36,400両)を
バリアフリー化
この場合、地域の要請・支援の下、鉄軌道駅の構
造等の制約条件を踏まえ可能な限り整備
5,000人以上
約2,800駅
3,000人~5,000人
約650駅
ホームドア・可動式ホーム柵について優
先すべき駅を検討し、可能な限り整備を
促進
鉄道のサービス面、技術面、経済面を総合的に勘
案した上で整備
3
3.旅客施設(ホームドア・可動式ホーム柵)
現状
課題
●列車の扉枚数
札幌市東西線(19)
東北新幹線(8)
京都市東西線(17)
4扉車
JR山手線(2)
JR東西線(1)
扉
埼玉高速鉄道(7)
大阪市長堀鶴見緑地線(16)
つくばエクスプレス(20)
3扉車
大阪市今里筋線(11)
多摩モノレール(19)
ニュートラム(10)
舞浜リゾートライン(4)
六甲ライナー(6)
日暮里・舎人ライナー(13)
ポートライナー(12)
●列車の停止位置の精度
都営三田線(24)
仙台市南北線(17)
停
止
位
置
の
ズ
レ
東京メトロ千代田線(2)
東京メトロ南北線(18)
北陸新幹線(3)
東京メトロ丸ノ内線(28)
スカイレール(3)
東京メトロ副都心線(11)
アストラムライン(21)
東京メトロ有楽町線(9)
山陽新幹線(1)
東海道新幹線(3)
名古屋市桜通線(11)
東急目黒線(13)
京急空港線(1)
●狭い箇所への設置
階段
福岡市空港線(13)
福岡市箱崎線(7)
福岡市七隈線(16)
九州新幹線(11)
名古屋市上飯田線(2)
東京モノレール(11)
名鉄空港線(1)
ゆりかもめ(16)
リニモ東部丘陵線(9)
横浜市ブルーライン(32)
可動式ホーム柵
階
段
横浜市グリーンライン(10)
あおなみ線(11)
柱
可動式
ホーム柵
開口部のみに設置
シーサイドライン(14)
ゆいレール(15)
全国498駅に設置
(平成23年3月31日見込み)
●設置工事・費用
• 列車運行時間帯での工事が困難(夜間工事)。
• 可動式ホーム柵等を設置の際にホーム全体の大
規模な補強工事が必要。
• 多額の費用が必要。
4
3.旅客施設、車両等(バス・タクシー)
バスターミナル
現行
バス車両・福祉タクシー
現行
○バス車両
1日平均利用者数5,000人以上のバスター
ミナルを、原則として、全てバリアフリー化
(40施設)
<参考>
バスターミナルのバリアフリー化率
平成12年度:60% ⇒ 平成21年度:88%
• 平成27年までに、原則として総車両数約60,0
00台について全て低床化
• うち、約30%をノンステップ化
<参考>
バス車両のバリアフリー化率
低床バス
平成12年度:5% ⇒ 平成21年度:46%
ノンステップバス 平成12年度:2% ⇒ 平成21年度:26%
○福祉タクシー
約18,000台を導入
<参考>
福祉タクシーの台数
平成12年度:2,050台 ⇒ 平成21年度:11,165台
目標
3,000人以上のターミナルを原則とし
てバリアフリー化
5,000人以上
3,000人~5000人
40施設
19施設
目標
○バス車両
• 適用除外認定車両を除く、総車両数約50,000
台のうち、約70%(約35,000台)をノ
ンステップ化
• 高速バス等の適用除外認定車両の約25%
(約2,500台)を車いす利用者の円滑な
乗降を可能とする装置を導入等によるバリアフ
リー化
○福祉タクシー(UDタクシーを含む)
約28,000台を導入
5
3.旅客施設、車両等(旅客船)
旅客船ターミナル
現行
現行
1日平均利用者数5,000人以上の旅客船
ターミナルを、原則として、全てバリアフリー化
(7施設)
<参考>
旅客船ターミナルのバリアフリー化率
平成12年度:33% ⇒ 平成21年度:100%
目標達成
約50%の旅客船をバリアフリー化
(約1,000隻)
<参考>
旅客船のバリアフリー化率
平成12年度:0.0% ⇒ 平成21年度:18%
目標
目標
3,000人以上のターミナルを原則として
バリアフリー化
5,000人以上
3,000人~5000人
船舶
7施設
13施設
高齢化の進む離島との間の航路等に利用する公共
ターミナルについて、順次、バリアフリー化を実施
約50%の旅客船(約400隻)をバリア
フリー化
5,000人以上の旅客船ターミナルに就航する
船舶は、原則として全てバリアフリー化
これ以外の船舶についても、可能な限りバリアフリー
化(簡易な改修により乗船可能となる船舶を可能な限
り改修を実施)
6
3.旅客施設、車両等(航空)
航空旅客ターミナル
現行
現行
1日平均利用者数5,000人以上の航空
旅客ターミナルを、原則として、全てバリア
フリー化 (21施設)
<参考>
航空旅客ターミナルのバリアフリー化率
平成12年度:5% ⇒ 平成21年度:91%
目標
3,000人以上のターミナルを原則と
してバリアフリー化
5,000人以上
3,000人~5000人
航空機
21施設
10施設
約65%の航空機を、バリアフリー化
(約530機)
<参考>
航空機のバリアフリー化率
平成12年度:0.7% ⇒ 平成21年度:70%
目標達成
目標
約90%の航空機(約480機)をバリア
フリー化
7
4.公共施設、建築物(道路、信号機)
信号機
道路
<現行目標>
重点整備地区内の主要な生
活関連経路を構成する道路
※
を、原則としてすべてバリア
フリー化
平成21年度末整備率 約78%
今後、市町村の
基本構想作成に
よる重点整備地
区の増加に伴い、
対象施設も増加
<重点整備地区イメージ>
<現行目標>
重点整備地区内の主要な生活関連
経路を構成する道路に設置されて
いる信号機等について、原則として
すべてバリアフリー化(音響信号機
の設置等)
平成21年度末整備率 約92%
<新目標>
重点整備地区内の主要な生活関連
経路を構成する道路に設置されて
いる信号機等について、原則として
すべてバリアフリー化
<新目標>
重点整備地区内の主要な生
活関連経路を構成する道路
を、原則としてすべてバリ
アフリー化
8
4.公共施設、建築物(公園、路外駐車場)
都市公園
<現行目標>
都市公園の園路および広場(45%)、
駐車場(35%)、トイレ(30%)等をバリ
アフリー化
H21年度末整備率
園路及び広場 46%(全9万6千箇所中)
駐車場
38%(全8千7百箇所中)
トイレ
31%(全3万3千箇所中)
<新目標>
都市公園の園路および広場(60%)、
駐車場(60%)、
トイレ(45%)等
をバリアフリー化
路外駐車場
<現行目標>
特定路外駐車場※の40%をバリアフ
リー化
H21年度末整備率 41%(全3千百箇所中)
※特定路外駐車場
駐車用の面積が500㎡以上で、料金を徴収す
る路外駐車場
<新目標>
特定路外駐車場の70%をバリア
フリー化
9
4.公共施設、建築物(建築物)
建築物
床面積が2,000㎡以上の特別特定
建築物の約50%をバリアフリー化
平成21年度末整備率 約47%
※特別特定建築物
不特定多数の者が利用、または主に高齢者・障害者等が
利用する特定の建築物について政令で指定(物販店舗、
病院、福祉センター、一部官公署、金融機関、ホテル、特
別支援学校、その他)
床面積が2,000㎡以上の特別特定建
築物の約60%をバリアフリー化
地方公共団体が、条例により、バリアフリー化
義務付け対象の建築物の用途追加や床面積
の引き下げ、整備基準の強化が可能
(H22年10月現在 11県・6市区で条例制定)
10
各施設等の整備目標について(NO.1)
現状※2
現行の目標
(H22年3月末) (H22年末)
鉄軌道駅※1
鉄軌
道 鉄軌道 ホームドア・可
駅
動式ホーム柵
77%
38路線
449駅
鉄軌道車両
46%
バスターミナル※1
88%
新たな目標案
(H32年度末)
○ 3000人以上を原則100%
この場合、地域の要請及び支援の下、鉄軌道駅の構造等の制約条件を踏まえ可能な限りの整備
を行う
原則100%
○ その他、地域の実情にかんがみ、利用者数のみならず利用実態をふまえて可能な限りバリアフ
リー化
現行目標な 車両扉の統一等の技術的困難さ、停車時分の増大等のサービス低下、膨大な投資費用等の課題を
総合的に勘案した上で、優先的に整備すべき駅を検討し、地域の支援の下、可能な限り設置を促進
し
約50%
約70%
○ 3000人以上を原則100%
原則100% ○ その他、地域の実情にかんがみ、利用者数のみならず利用実態等をふまえて可能な限りバリア
フリー化
バス
乗合バス
ノンステップバ
ス
26%
リフト付きバス
等
-
旅客船ターミナル※1
100%
旅客船
18%
船舶
約30%
約70%
(ノンステップバスの目標については、対象から適用除外車両(リフト付きバス等)を除外)
現行目標な
約25%
し
○ 3000人以上を原則100%
○ 離島との間の航路等に利用する公共旅客船ターミナルについて地域の実情を踏まえて順次バリ
原則100% アフリー化
○ その他、地域の実情にかんがみ、利用者数のみならず利用実態等をふまえて可能な限りバリア
フリー化
約50%
○ 約50%
○ 5000人以上のターミナルに就航する船舶は原則100%
○ その他、利用実態等を踏まえて可能な限りバリアフリー化
11
各施設等の整備目標について(NO.2)
現状※2
(H22年3月
末)
現行の目標
(H22年末)
新たな目標案
(H32年度末)
航空旅客ターミナル※1
91%
原則100%
○ 3000人以上を原則100%
○ その他、地域の実情にかんがみ、利用者数のみならず利用実態等をふまえて可能な限り
バリアフリー化
航空機
70%
約65%
11,165台
約18,000台
航空
約90%
タクシー
福祉タクシー車両
道路
重点整備地区内の主要な生
活関連経路を構成する道路
78%
原則100%
移動等円滑化園路
46%
約45%
約60%
駐車場
38%
約35%
約60%
便所
31%
約30%
約45%
路外駐車場 特定路外駐車場
41%
約40%
約70%
約60%
都市公園
建築物
不特定多数の者等が利用
する建築物
47%
約50%
信号機等
主要な生活関連経路を構成
する道路に設置されている
信号機等
92%
原則100%
約28,000台
原則100%
原則100%
※1 現行の目標については1日平均利用客数5000人以上のものが対象
※2 旅客施設は段差解消済みの施設の比率。 また、現状欄の数値は一部速報値
12
5.基本構想
これまで、作成主体の市町村の取組を促すため、セミナー等を開催、作成費用を助成。構想作
成数は順次増加してきているものの、十分な数の構想が作成されているとは言えず、地域主体
による面的なバリアフリー化が必ずしも進んでいない。
【基本構想作成数(H23.6月末現在)】
270市町村、370構想、620重点整備地区(8頁参照)
<参考>
5000人以上の鉄軌道駅が所在する市町村数: 510
地域の実情に応じたバリアフリーのまちづくりと、地域の当事者の参画によるきめ細かなバリア
フリー化への取組を拡げるため、市町村のほか地域の当事者など関係者の取組を活性化。
作成した基本構想について、地域の高齢者・障害者等が参画しつつ、関係事業の実施状況等
を把握しながら成果の評価を行い、内容の段階的かつ継続的発展を図る「スパイラルアッ
プ」をより強く推奨
参考
【情報提供による作成機運の醸成】
全国各地の基本構想の作成状況やその内容について、より詳細な情報
を網羅的に一般に提供、構想作成に向けた各地の関係者の機運を醸成。
【提案制度の活用促進】
基本構想の提案のためのひな形や作成マニュアルを示すとともに、地方
機関に相談窓口を設置し、各地の当事者等による提案制度の活用を促進。
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6.心のバリアフリー等
施設等のバリアフリー化を推進することと
併せ、バリアフリーに関する国民の理解と協
力を得るため、「心のバリアフリー」の取組を
実施。
【職員の教育訓練】
•公共交通事業者等による職員への教育訓
練の促進。
【バリアフリー教室等】
•「バリアフリー教室」の実施
•「バリアフリーリーダー」を認定 等
【バリアフリーネットワーク会議】
•バリアフリー施策のスパイラルアップ
•学識経験者、高齢者・障害者等、施設設置
管理者が一同に会して意見交換
「心のバリアフリー」の取組を着実に実施す
るとともに、これまでの経験等を踏まえ、また、
障害者等を取り巻く新しい状況に的確に対応
すること等により、ソフト面のバリアフリー化の
取組等を推進。
【職員等の教育訓練】
施設設置管理者による職員等への教育訓練
・PDCAサイクルの中でのマニュアル整備
・高齢者・障害者等の意見反映・参画を推奨
【障害の多様な特性の明記】
外見上わかりづらい聴覚、精神、発達障害など障
害に多様な特性があることに留意する必要性を明
記
参考
【適切かつ優しい交通サービス等の提供】
教育訓練の実施状況を国への報告事項とし、優良
な取組を顕彰するなどの取組強化を検討。
【バリアフリー教育の取組強化】
小中学校の児童・生徒向けの副教材を作成し、全
国のすべての小中学校での活用に供する等、一層
の網羅的なバリアフリー教育の推進を検討。
【地方の当事者等とのネットワーク強化】
地方ブロック毎に「地方バリアフリーネットワーク会
議」を構築し、各地域における一層の連携を推進。
14
ダウンロード

「わが国におけるバリアフリー推進施策」4375KB