放射線医療
― 診断と治療 ―
NPO法人放射線教育フォーラム
上腕骨骨折. X写真
骨折の診断に多くの場合X線検査が使われる
矢印の部分で骨折している
ことがよくわかる。
ころんで手をついたとき
肘が痛み、手を上げられない場合
骨折が疑われる。
日本手の外科学会「手の外科シリーズ 7」から画像引用
放射線医療 1.診断
• X線による病巣や骨折の診断は主としてX線
の透過力を利用している。
• X線の身体を透過する力は骨や筋肉などの
組織によって異なる。
• 身体を透過したX線をフィルムに感光させると
白黒の濃淡から
異常病変や骨折などを写し出すことができる。
胸部X検査
X線検査は
健康診断でも
使われている。
予め+の陰絵の光を当て
X線を当てる位置を
正確に決める
レントゲン検査による肺がんの発見
左肺
右肺
心臓
右の写真の1年前のもの
白くぼやけて見えるのが
肺がんの病巣
全身をカバーできるデジタルX線診断装置
パソコンに取り込んだ画像は電子メールによる送信が容易なため、どこからでも経験
X線循環器診断システム「Infinix Celeve-i INFX-8000V」
エックス線CT装置
人体の断面を画像にする装置
X線CTの原理
X線管
X線
人体
検出管
肺
心臓
CTで発見された5mmの肺がん
癌研有明病院HPより
らせんCT装置
装置が連続回転して撮影する
短時間で多数の断面撮影ができる
図はイメージ
血管内部の3D画像
PET検査
ペット検査といってもイヌやネコの検査ではなく、
×
ペットボトルの検査でもない。
× ×
PET検査とは検査名の頭文字をとった略語。
X線検査やCT検査は臓器などの形をみる検査
PET検査は細胞の活動状態を画像でみる検査
がんなどの診断に効果がある。
がん細胞はブドウ糖が好き
正常細胞
がん細胞
がん細胞
ブドウ糖
ブドウ糖に放射性フッ素を結合すると・・・
正常細胞
がん細胞
放射線を出すがん細胞になる
ブドウ糖+F F
脳腫瘍のPET診断画像
中央部左に大きな赤い部分に
放射性フッ素を結合したブドウ糖が集積している
PET診断はCT検査と組み合わせて行う
CT画像
CT・PET融合画像
PET画像
自治医科大学附属さいたま医療センター
放射性テクネチウムが骨に集まることを利用して
骨の病変や機能の状況などを診断する
エックス線の発見
ウィルヘルム・レントゲン(1845~1923)
1896年1月23日にレントゲンが撮った
妻Alfred von Kollikerの手のX線写真
放射能の発見
アンリ・ベクレル(1852~1908)
ポロニウム、ラジウムを分離
ラジウムが放射性元素
であることを利用し
がんなどの治療に
用いることを試みた
マリア・スクウォドフスカ=キュリー
Maria Skłodowska-Curie,
(1867年11月7日 – 1934年7月4日)
放射線医療
2.治療
手
術
がん治療
抗がん剤治療
放射線治療
放射線治療
• X線などをがん細胞へ照射することによって,
• がん細胞を死滅させる方法。
• 放射線治療では
• 放射線の透過力とともに
• 放射線の作用を利用する。
がん治療にX線照射
©(社)日本アイソトープ協会・佐々木康人
放射線照射はがん細胞が細胞分裂を
行っているときが効果的
• 細胞は分裂を行っているとき不安定
• このときに放射線が作用すると,
• 正常なコピーができなくなってしまう。
• 細胞分裂を際限なく行うがん細胞は
• 正常細胞より放射線の影響を受けやすい。
• 正常細胞は放射線によって傷つけられても,
• 損傷を修復させる力が強く,
• がん細胞よりも生き延びることができる。
放射線治療の理想
がん細胞には最大線量
正常細胞には最小限線量
がん細胞のみに
放射線をピンポイントで照射したい
放射線
しかし、がん細胞は身体の内部にある
放射線が正常細胞の組織を突き抜けないと
身 体
がん細胞に届かない
どうしたらよいか?
がん細胞
同じ線量の放射線を2回に分けて
別の方向から照射すれば
がん細胞が受ける線量は同じでも
正常細胞の負担は軽くなる
これから期待される放射線治療
• 近年,放射線治療の技術革新はめざましく,
• がん細胞へのピンポイント照射が可能となり,
• 副作用は軽減され、治療効果が向上。
放射線三次元ピンポイント照射
腫瘍
ガンマーナイフ
サイバーナイフ
ロボットアーム
放射線照射装置
岡山市岡山旭東病院
脳腫瘍
治療前
治療後
トモセラピー社が開発した
放射線治療装置
十和田市立中央病院 放射線治療装置「トモセラピー 」
トモセラピー
らせんCTで病巣を360度撮影
加速器放射線を360度照射
加速器
CT装置
加速器放射線の照射装置と
らせんCT装置を組み合わせてある
図:宇治武田病院
• 陽子や炭素の原子核を照射する治療も行われ,
大きな成果を上げている。
• それぞれ「陽子線治療」
•
•
「重粒子線治療」
とよばれている。
電子よりも重い粒子を加速器で高速に加速した
流れを重粒子線という
使われる重粒子には
陽子
ネオン
ヘリウム
シリコン
炭素
アルゴン
治療には炭素イオンが使われる
重粒子線がん治療装置
(独)放射線医学総合研究所)
イオン入射器
治療室
粒子加速器
がん細胞に集中的に照射
炭素イオンを光速の60~80%の速さに加速
基本的な装置と原理
治療室
(写真:(独)放射線医学総合研究所)
重粒子線による治療効果
食道の扁平上皮がん
治療前
治療後
写真提供:(社)日本アイソトープ協会 佐々木康人
放射線医療


― 診断と治療 ―
完
ダウンロード

放射線三次元ピンポイント照射 - NPO法人 放射線教育フォーラム