Monthly column
~ 経営の教科書 ~
2012.06
Market Flash
2012.06
新 将命氏の「経営の教科書」という本をご紹介する。
日本経済は、まだまだ震災から立ち直れないままにもがき苦しんでいる。
その優れた技術を持って世界を席巻しようとしたテレビも見事に破れてしまった。
日本企業の経営者はやや方向性を失いつつあるように思える。
この「経営の教科書」には、経営の原点ともいうべき極意がぎっしりと詰まっている。今一度原点を
見つめ直すにはお薦めの本である。
「はじめに」から抜粋
「私はこれまでに社長職3社、副社長職を1社経験し、現在では様々な会社のアドバイザーを務め
る立場にある。今までは企業トップに10分ほど話を聞き、社内をざっと拝見すれば、『この会社は
伸びる』『ちょっと危ない』『かなり危ない』といったことがだいたい読めるようになった。なぜか。
それは、業種業界に関係なく、企業経営の根幹の80%は、ほとんどどの会社も同じだからだ。残る
20%は、変動要素である商品や流通や商習慣の違いであり、これは半年1年も勉強すれば習得で
きる類のものである。重要なのは根幹の80パーセント、すなわち「経営の原理原則」を身につける
ことなのだ。」
と述べている。「経営の原理原則」かなり難しい領域かと思われたが、本を読んでいくうちに、本当
に基本的・根本的な原則がそこにあった。
そのいくつかをここでご紹介する。
まず、生き残る会社、生き残る経営者についていろいろと書かれている。
会社の経営をトンネルにたとえて、「たとえ出口まで何キロもあったとしても、遥か彼方に一条の光
が見えていたら人はそれに向かって進むことができる。逆に、たとえ出口まで1キロしかなくても光
が全く見えていなければ人は進む気力がわいてこない。
経営者が、社員に対し自社の将来の姿を納得できる表現で示し理解させることができているだろう
か。この問いに対し社員の答えがノーであれば、それは方向性がないということである。」
「日本という国においてもいえるだろう。将来に対する漠然とした不安に襲われている国民がいま求
めているのは、日本という国の方向性である。だが、それを示してくれる政治家がいない。政治の貧
困を嘆く人は多いが、実は多くの経営者も社員たちに嘆かれているのである。・・・」
野田首相には耳の痛い話だ。
*本資料は投資判断となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘及び保険勧誘を目的として作成したものではありません。
本資料の内容は作成基準日のものであり、将来予告なく変更されることがあります。また、本資料は信頼できると判断した情報等をも
とに作成しておりますが、正確性、完全性を保障するものではありません。
*当社は、お客様との取引によりいただいた個人情報を、各種商品・サービスに関するご提案をするために利用することがあります。a
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「『俺についてこい』と無理やり引っ張っていくのは三流のリーダーである。そこには『やらされ感』し
かない。二流のリーダーは、説明して、説得して、それなりに納得させて人を導いていく。だが一流
のリーダーは違う。喜んで人がついていくのだ。なぜか。誰もが納得しうる”トンネルの先の光”を示
しているからである。先の光を示すと社員の今までの『やらされ感』は『やりたい感』に変化する。強
制動機は内燃動機となる。・・・」
この”トンネルの先の光“とは
「経営とはつまり、次の4つを行うことであり、この4つが経営者の仕事の95%を代表している。・・・
①「いまどこだ」
②「どうなりたい」
③「どうやる」
④「どうなった」
②の「どうなりたい」とは、「理念」と「目標」の2つからなる。「理念」は「向かうべき道」である。理念に
数字を入れると「目標」になる。
③の「どうやる」これが「戦略」である。「目標」を、今度は実際に何をどうやって達成するか。その方
法論を大枠で示したものが、「戦略」である。
その戦略を具体的に現場に細かく落とし込んだものが「戦術」である。
経営者が考えるべきことは「何を」そもそもやるのか・やらないのか⇒戦略
社員が考えるべきは「どのように」どうやるのか⇒戦術
④「どうなった」はいわゆるPDCAのC=事後評価に当たるものである。
「経営者がまず真っ先にやらなければならないのは、『理念・ビジョン』の策定である。次に、理念・ビ
ジョンに基づいた短期と長期の『目標』設定を行う。さらに、その目標を達成するための『戦略』を構
築し、社員にとって腑に落ちる表現でそれを『発信』する。この一連のタスクが、経営者の役割の中
核である。」
この本には、この戦略について、どう作っていくか、「生きた戦略の11条件」というものが詳しく書か
れている。
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そのほかの主な項目

経営者が心得ておきたい三つの「識」
知識
見識⇒知識に「自分なりの考え方」を加えたもの
胆識⇒見識+決断力+判断力

経営者があきらめなければいけない四つのとき

社員にとって悲しいこと四つ

経営者が仕事を任せられない四つの理由

社員の評価

社員の採用

ダメな会社の3K

後継者選び
カネを残す人は下、事業を残す人は中、人を残す人こそが上なり
1年単位でものを考えるならば、殻を植えよ
10年単位で考えるならば、木を植えよ
100年単位で考えるならば、人を育てよ (中国の故事)
などなど非常にためになる内容となっている。
今、日本経済は停滞している。本書にあるように、多くの経営者は戦術にはまってしまって、理念・
ビジョン、目標を明確に示せていないがために、周りの環境に左右されやすく方向性を失いやすい
体質になっているように思う。
今一度、会社の中長期経営計画を立て直してみてはどうだろうか。
そして、その計画を練る過程において、この経営の原理原則をしっかりと考え直してみることが会社
の体質強化につながるものと確信する。
*本資料は投資判断となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘及び保険勧誘を目的として作成したものではありません。
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なぜ一転して周辺地域トップが稼働に傾いたのか?
この夏の電力不足という理由に押しきられた。臨時的稼働というが、それでは夏が過ぎれば再び止
めるのか・・・決してそうはならないだろう。
「なぜ???簡単に引き下がってしまったのか?」 大いに疑問であり、大いに失望した。
日本全体でこの夏を乗り切ることをしなければならなかったのではないか。
もっと節電等を考えるいいチャンスだったのに、安易な道を選んでしまった。としか言いようがない。
案の定、野田首相はこれは一時的な稼働ではないと記者会見した。
「国民生活を守るため、再稼働すべきだというのが私の判断だ」と表明。「今原発を止めてしまって
は日本の社会は立ち行かない」と指摘、橋下大阪市長らが求めている夏季限定の再稼働は「国民
生活は守れない」と否定した。
同時に「関西を支えてきたのが(原発立地の)福井県とおおい町だ。敬意と感謝の念を新たにしな
ければならない」と強調。安全監視体制の強化に取り組んできたとして「東京電力福島第1原発事
故の時のような地震や津波が起きても事故は防止できる」と自信を示した。
福島の事故の教訓はどこに行ったのだろうか。
事故の原因も、事故の収束もなにも終わってない。原発に対する今後の方針も出ていない。まして
や独立した原発安全委員会すら設立されていない。
野田首相は、「国民生活は守れない」と言ったが、原発を動かして国民の生活の安全は守れるのだ
ろうか?
地元の方々には悪いが、職を守るためにもう原発を動かすのは許されないだろう。
福島の人たちの声がむなしいものに聞こえる。
何もかも有耶無耶なままで再稼働され、このまま再び原発依存に向かってしまうのだろうか。
この問題ははっきりと国民投票でも行って、国民の意思を問うべきである。そして、国民全体で責任
を負うべき問題ではないかと思う。ごくごく一部の地域だけの考えで実行する問題ではなくなってい
る。
原発事故の原因、活断層、安全対策、使用済み燃料処理、地元だけへの助成金、地元とは、独立
した行政組織、・・・・・問題は山積みであり、どれ一つに対しても答えは出ていない。
方向性を全く示さないままの再稼働は絶対に許されるものではない。
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経営の教科書 2012年6月