インターネット診断・診療は可能か??
22/JUN/2006 看護情報学
追原早苗
私の友人(元彼氏)からの提案
ある日、彼に39℃の発熱と体の痛みが出現し、
私に電話が入る。私が持っていた薬を飲ませ、翌
日には回復。元気になったかと思うと・・・
「熱があってだるい時は
病院に行くのは辛い。イ
ンターネットで診断・処方
してもらいたい!!」
彼の言い分・・・
単なる風邪で受診する人が多いのだ
から、そのような人はインターネット診
断・処方で十分。むしろ病院に行かなく
て済むから楽。ただの風邪の患者が
病院に訪れないことで、3分間診療は
改善され、必要な患者に必要な診療
ができるのでは!
彼の考える方法・・・
名前、生年月日、住所、保険証の番号など事
前に必要事項を記入し登録
 症状のチェックボックスに☑
 診断、処方箋の作成
 Amazonが処方箋を郵送
 近くの薬局へ

そこで私は・・・
医師による診断は、問診だ
けでない。検査をしないに
しても、視診や触診、聴診
も重要。
診断には患者の訴えを
最も採用しているではな
いか!
さらに私は・・・
誤った診断をしてしまうかも
しれない。
それは同意のもととすればよ
い。患者だって改善しなけれ
ば病院に行く。Drだって誤診
するときがある。
でも私は・・・
すぐに処方箋が受け取れ
るシステムだと薬剤費がか
さむ。
現在でも受診すれば簡単に
処方してもらえるから、シス
テム的には今と変わらない
。
最後に私は・・・
ちゃんと視て触って聴いて
診断したい。とにかく医
療者は視たいの!
感情論ではなく、理論的、
論理的に話をしてくれ。
 是非、彼へ「インターネット診断、処方
は不可能」と理論的、論理的に説明し
たい。
 皆さんの意見を聞かせてもらいたい。
インターネット診断
 YAHOO!
JAPAN : 6,170,000件
 Google : 322件
⇒ただし、「インターネットセキュリティ診断」や「イ
ンターネット依存度診断」、「耐震診断」など‘診
断する内容’は雑多
YAHOO! JAPANでは
 インターネットによる発達障害チェックリスト
日本発達障害支援システム学会(JASSSDD)
システム革新・研究開発支援センター
http://www.jasssdd.org/WebAssessment/
インターネットで在宅健康診断:eヘルスバンク
日本ヘルスバンク
http://www.e-h-bank.jp/index.html

Googleでは
更年期インターネット診断
三宅婦人科内科医院
http://www.miyake-clinic.gr.jp/sindan1.htm

声の聴覚診断
東海大学医学部付属病院
http://www13.ocn.ne.jp/~jibika/voice.html

学術的には・・・?医中誌で検索

「インターネット診断」:0件
「インターネット」×「診断」で検索:963
⇒遠隔診断についての研究論文が多い

⇒「遠隔診断」で検索:65件
⇒その内容は「放射線診断」「病理診断」など多く
は医師が利用する「診断支援」
患者が利用できる「遠隔診断」は
ないのか?
ちなみに‘遠隔医療’とは
「映像を含む患者情報の伝送に基づい
て遠隔地から診断、指示などの医療行
為及び関連した行為を行うこと」
と定義されている。
それは、僻地のみでなく、地理的にわずかな距
離であっても、離れた複数の医療機関が情報を
共有しながら、個々の患者に対するそれぞれの
医療を完遂していく仕組みである。
e‐mailによる血圧管理システム
 昭和大学医学部衛生学教室、高橋英孝
先生の論文
 現在は運用されていないが、最終作業中
 このシステムの目的は、「健康診断で発
見された高血圧者を対象として、治療が
必要かどうかを判定する指標として用い
る」
利用契約
データセンター
利用料
企業、健康組合、健診機関
対象者へ
案内
利用報告書
レポート
異常データ
メールマガジン
血圧
記録
質疑応答
アドバイス
サマリーを
確認、判断
健康管理スタッフ
社員、健保組合員、受診者
アドバイザー(医師)
ただし・・・
「本システムは、利用者本人および利用者
の健康管理を行うものが血圧に関する判断
を行うことを支援するためのものである。し
たがって、診断や治療効果判定な
どの医療行為を直接行うもの
ではない。」
と明記されている。
家庭用伝送心電図の診断精度の評価




日本大学医学部内科学講座、小沢友紀雄先生の論
文
ナサ・コーポレーション(在宅管理ネットワークシステ
ム)のホームドクター「うらら」システムを利用
家庭からNTT回線などを通じて、心電図・血圧計・問
診機能などの情報が「うらら健康づくりサポートセンタ
ー」へ送信され、データ解析、報告書作成、被験者へ
のメッセージ作成が行われる
今回の検証では、心電図の第Ⅰ誘導は病院等で用い
られる12誘導心電図との診断結果の一致率は100%
に近いことが判明した
ただし・・・
「家庭用心電図は病気の心電図診断を前提
としたものではなく、それよりも、被験者が
記録送信したデータから、何らかの変化
を察知して主治医を訪れるタイミ
ングを緊急度別に判断したり、適切
な健康に関するアドバイスの資料
とする」
遠隔診療をめぐる法的諸問題
医師法第20条では「無診察診療の禁止」を規定してい
る
⇒1997年旧厚生省通達「直接の対面診療に代替できる
程度の患者の心身に関する有用な情報を得られる場
合には、遠隔医療は直ちに医師法20条に抵触するも
のではない」⇒公式に遠隔診療が可能となった

しかし「あくまで対面診療を補完するもの」
「急性疾患では原則として対面診療を行
うこと」などの諸事情も挙げている。
遠隔診療をめぐる法的諸問題②
患者に対する責任の問題
遠隔診療も「診療」の一環として行われるのだか

ら医師は患者に対する診療責任を負わ
なければならない
*遠隔診療における診療過誤
・患者の病状上適用でない(急性期など)
・機器に関する問題(使用方法、故障時など)
・診療内容(入力ミス、情報不足など)
ちなみに他国では・・・
欧米:
遠隔診療のガイドラインが策定され、実用の段階
看護でもガイドライン策定が進んでいる
 欧州:
プロバイダーが医療業界を媒体にして、ヘルスケ
アを提供しようと画策している
http://www.infoshopjapan.com/study/fs22157_analysis_of_the_r
ole.html

彼への説明
遠隔診断、遠隔診療には映像が
必要。やはり医療は視診が重要
。また、風邪などの急性疾患では
法律上「対面診療を行わなけれ
ばならない。
?
ご清聴ありがとうございました。
インターネット診断、診療について
皆様どのように思われますか?
参考文献
 滝沢正臣:遠隔診療の現状と展望、新医療29(9)、p148-151、2003
 古川俊治:遠隔診療をめぐる法的諸問題、新医療29(9)、p139-141、2003
 宮坂和夫:放射線科の遠隔医療診断ビジネス、新医療29(9)、p131‐133、
2003
 高橋英孝:e-mailによる血圧管理システム、医療とコンピューター、12(5)、
p7-13、2001
 家庭用伝送心電図の診断精度-「うらら」システムの第Ⅰ誘導での評価、
医療とコンピューター、13(11)、p22-28、2002
ダウンロード

PPT