演題番号
7
体表心電図を心筋活動電位波形より
構築するプログラム
田中義文
草津総合病院 麻酔科
要旨
体表心電図のシミュレーションは見掛けの正確さを求めて,
複雑さの一途をたどっているが,異常心電図の発生メカニ
ズムをプログラム上で理解できない弊害も生じている.そこ
で最も単純な体表心電図シミュレーションプログラムを作成
し,各種異常心電図を再現したので発表する.
演題番号
7
要旨
体表心電図は心筋活動電位の細胞外電位を計測する技術である。 世
界で始めて表心電図測定を成功させたアイントーベンは、 さらに、標準
四肢誘導に正三角形の法則を発見し、II = I + IIIの 性質を明らかにした。
その後ウィルソンらは単極誘導と称して、 aVR, aVL, aVFの標準6誘導を
提唱した。しかしよく考えると彼らの提唱している単極誘導は基本となる
双極誘導より派生する波形であり、決して真の意味での単極誘導では
ない。つまりいくら体表電極を多くして 心電図波形を計測しても心筋活
動電位である細胞内電位を算出できるものではない。
そこで、今回発想を逆にして心内膜側心筋の活動電位と心外膜側 心
筋の活動電位を指定し、それらの電位差を求めることにより 体表心電
図に似せた波形を作った。この方法で、心外膜側細胞内電位を 少し変
化させると、心肥大、T波の増強、ST上昇、ST低下など 異常心電図波形
をつくり出すことができ、心電図の理解に 役立つものと考えている。
体表心電図と心筋
活動電位の関係
原図:transfer.obj
心内膜側(プルキン
エ)電位と心外膜側
(一般心筋)との
興奮の時相で正常T
波やT波の逆転が生
じる。
原図:fig1.obj
(1)は逆転T波で心肥
大、心筋梗塞後、
心室性期外収縮
などで見られる。
(2)は正常T波である。
プルキンエと一般心筋細胞との2細胞モデル
無酸素状態による活動電位の変化
慢性虚血による静止電位の低下
A 正常心電図
B 左室肥大(高電位)
C 左室肥大
D 心室性期外収縮
E ST低下
F ST上昇
赤はプルキンエ,青は一般心筋活動電位を示す.
上は体表心電図シミュレーション結果を示す.
スプライン補間で曲線を作成した.
G 高K血症
H 低K血症
I アドレナリン投与
J Brugada Saddle
K Brugada様 Coved
L ジギタリス効果
結語:心内膜側活動電位から心外膜側活動
電位を引くだけで種々の異常心電図を再現
することができる.
参考データ:ブルガダ様心電図(自験例)
ダウンロード

演題番号 1-9-6