第 1編
調査研 究報告
橋梁路面 の凍結 とその抑制 (数 値 シミュレー シ ョン編 )
Road lcing on Bridges and its Control by Phase Change Material
(Part: Numerical Simulation)
宮 本 重 信
要
旨
これ まで に ,熱 容 量 が 小 さ い た め 結 露 凍 結 しや す い鋼 床 版 橋 路 面 を潜 熱 蓄 熱材 を封 入 す る こ
`
0,5)。
そ の 効 果 を設 計 時 に 予 測 す
とで地 盤 部 な み の 凍 結 にす る技 術 を開発 。実 用 化 して きた 勾め
1`
る た め 熱 収 支 に基 づ く数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン法 を確 立 して き た 。今 回 は そ れ を 汎 用 的 に 使
え るよ うに し,閉 断面 リブ鋼 床 版橋 な どで lヶ 月間適用 し,実 測値 による検 証 を行 つた。蓄 熱材 な
し ,パ ラ フ ィ ン系蓄 熱 材 で の 計 算 値 は 実 測 値 とほぼ 一 致 した 。亡 硝 系 で は 、熱 特 性 が 分 か らな
い こ とか ら、熱 特 性 を適 当 に試 行 的 に 与 えて 計 算 した 中か ら実 測 値 と比 較 的 一 致 す る も の を例
示 した 。蓄 熱 材 に アル ミ板 を挿 入 し熱 伝 導 を高 め た ケ ー ス ,水 を蓄 熱 材 と した ケ ー ス ,グ レー
チ ング コ ンク リー ト床 版 で の 計算 も行 い ,そ の効 果 を明 らか に した。
今 回は ,① 数値 シミュ レー シ ョンの演算速度 を速
める ②表計算 ソフ トExcclで 橋 の構造 と熱特性 を記
入すれば計算 で きる ③積雪 が少な い特殊なケ ー ス
キ ー ワ ー ド:橋 梁 ,路 面 凍結 ,結 露 凍結 ,融 雪 ,蓄 熱
材 ,相 変化 ,数 値 シ ミ ュ レー シ ョン
1.は じめ に
鋼 床 版 橋 の 路 面 は ,熱 容 量 が 小 さ い た め ,冬 期 に
結 露 凍 結 しや す く,圧 雪 にな りや す い 。この こ とが
しば しば 交通 事 故 の 原 因 とな って いる。
そ こで ,筆 者 らは ,潜 熱 蓄 熱 材 を封 入 した鋼 管 を
鋼 床版橋舗 装 の 中 に敷設す れば鋼 床版橋 の み が凍結
す る こ とはな くな る こ とを明 らか に し,実 際 の 橋 で
実 用化 した。そ の 効 果 を設 計 時 に予測 す るた め熱 収
支 に基 づ いて ,気 象台 の 日原 簿観 測 デ ー タ を読 み込
んで数値 シ ミ ュ レー シ ョンを行 い ,1週 間 につ いて
舗 装 表 面 温 度 ,積 雪 深 ,霜 付 着 量 か らの滑 り抵 抗 値
力°
が実 測値 と一致 す る こ とを明 らか に した 。
,
で も発散 しな い ④積雪深が 一 定以 上で除雪 を想定
し積雪 を一 掃す る ⑤ そ の 除雪時刻 を記録 し,そ の
時刻 に別 の タイプ の橋 で も積雪 を一 掃 し,橋 タイ プ
の違 いによる積雪 の違 いがで きる ⑥角型鋼管 の 中
に金 属板 を斜材 として挿入 し,熱 伝導率 の小 さい蓄
熱材 の熱伝導 を促進 できるよ うにす るな どの計算プ
ログ ラム の更新 を行 った。
そ のソフ トを用 いて ,1997年 2月
∼3月
7日
の lヶ
月間 ,天 菅生橋 で施 工 されたUリ ブ鋼床版蓄熱材 な
し,Uリ ブ鋼床版 パ ラフィン系蓄熱材封入 ,Uリ ブ鋼
床版亡硝 系蓄熱材封入 ,グ レー チ ング コンク リー ト
0 。 5 0 5 0
3 2 1
品
℃
2 1 ︲
全 天 日 射 量 Ⅳ 観
期 間 中 の全 天 日射 射 量 と気温
-1-
6日
福井県雪対策・建設技術研究所
度センサー
│
年報地域技術第 12号 19997
│
│
厚 さlm
熱移 動 促 進 板 の 有 /無
10
第 1層
25
第 2層
45
第 3層
12
第 4層
?=無
鋼管
熱 移 動促 進 板
鋼 管の 幅 (mrn)=
鋼管の薇厚 (mm)=
図-2 床版・舗装の断面 と計算領 域
ー
ヽ ′
1333imm
リブ間酔
リブ厚
∼
リブ高 き
:策 00
l●
6imm
240imm
コンクリ
さびた鉄板・
主桁間隔 │■ 11120001mm
床版下 :
■■:1=11:
:│ │
は ?)可 ′
/地 盤 :
,1111111::│:│:11:i:111
3 鋼床版橋 の断面 図
図…
表-1 橋梁・舗装の材料熱特 性
導手
熱容 量
固 体
凝 固
液 体
kca1/m^3
490
490
490
490
490
490
870
870
870
870
12∞
24615
870
085
疑固終 了
Hヒ 開 始
Tse
Tls
Iss
℃
℃
100
i00
490
870
100
100
100
100
100
100
100
100
420
870
490
適用
200
200
200
200
250
睦石骨材 SFRC
睦石 骨材 SFRC
250
第 3層
250
250
第
産石 骨 材
SFRC
4層
角型 錮 管
′く
ラフィン 三 菱電線工業
繁彗 熟 材
い
:00
100
2∞ ∞
49(
m
c
℃
490
層
TI●
‐
250
250
百硝 系
養熱 材
7
:OC
lCX
し,数 値 シ ミュ レー シ ョンの検証 とす る。
さ らに ,熱 伝 導 率 の 小 さいパ ラフ ィ ン系 蓄 熱材 で
はそ の 中 にアル ミ板 を挿入す る ことと過冷却 しな い
ゲル化 した水 を蓄熱 材 とす る ことでの効果 につ いて
,
数値 シ ミ ュ レー シ ョンか ら推 定 した。
2001
斜 材
25C
軍
lE
アルミ熱 伝
=促
遣
三う 化学 (法
)
アスフアル H● 露
福 井 地 方 気 象 台 で の 午 前 9時 ,午 後 3時 ,午 後 9時 の
一 日3回 の 観 測 値 か ら,比 例 接 分 計 算 によ って 求 め
た 。河 川 水 温 は 実 測 デ ー タ が な い の で ,期 間 中 6.5
℃ で一 定 と仮定 した。橋 上 の 風速 も実測値 が な いの
で ,こ こで は城 東 橋 で の 実 測 値 と福 井 地 方 気 象台 の
観 測 値 (地 上 )と の 比 較 か ら得 た 式 (城 東 橋 上 で の 風
2.計 算 条件
計 算 で の 気 象 条 件 は ,現 場 の 橋 か ら8.6kmの 距 離
にある福井地方気象台の 日原簿観測デ ー タを用 いた。
そ の 中 の気温 と全天 日射量 につ いて は図‐
1に 示す。
路 面温 度 に大 きな影 響 を与 え る 雲量 と雲 の 種 類 は
,
-2-
速 =0.287× 福井地方気象台 +0.513)を 準用 した 。
橋 面 の 気 温 は ,気 象 台 の 気 温 をそ の ま ま用 い ,橋 下
の 気 温 は ,橋 上 気 温 が 2℃ 以 下 で ,24時 で 0℃ ,7時
で 2.5℃ ,そ の 中 間 は 内挿 比 例 で 橋 上 気 温 よ り高 い
と仮定 した。
第 1編
調査研究報告
橋 の 構 造 と各 部 材 の 熱 特 性 は 図 -2,図 -3,表 …1に
2は 蓄 熱 材 封 入 の 断 面 で ,蓄 熱 材 な しで は
示 す 。図 ‐
蓄熱材 と角型鋼 管 をアス フ ァル ト舗 装 に置 き換 えた
もの にな る。グ レー チ ング コ ン ク リー ト床 版 は ,舗
装 と床 版 の 厚 さ ,熱 伝 導 率 ,熱 容 量 はそ れ ぞ れ 6cm,
21cm,1.98W/(mK),1.98W/(mK),2.05MJ/(m3K),2.
しか し,そ の 大 きな値 を用 い れば 凝 固終 了温度 を マ
イ ナス 10℃ ほ どに下げ て 実質 的 に有効 な潜熱量 を小
さ く しな けれ ば ,計 算 結 果 は実 測 値 と一 致 しな い 。
今 回 の亡 硝 系蓄 熱材 は材料 の分離 をゲル化 で 抑制 し
て お り,初 期 の ヒー トサ イ クル で は潜 熱 量 は低 下 す
るが ,以 後 は数 百 回 の ヒー トサ イ クル で も所 定 の 潜
熱量 が得 られ る との メー カ ー の 説 明 で ある。しか し
13MJ/(m3K)と した。
,
なお ,こ れ らの 図表 は表 計 算 ソ フ トExcclで の 入 力
をほぼ そ の ま ま用 いて い る。
熱収支 のモ デ ル式 の一 つで あ る長波長 の夜 間放射
に つ い て は ,山 本・Bruntの 式 を用 い た 。 そ の 他 の
モ デ ル式 は既 発 表論文 を参考 に して いただ きた い幼。
当該現場 で 使 用 した 蓄熱材 は融点 を下げ る工 夫 が さ
れ た特 殊 な もので ,使 用 法 も異 な る ことか ら潜 熱 量
の 低 下 が 生 じて い るのか も しれ な い°。
この よ うに ,こ の 現 場 の 亡硝 系蓄 熱材 の 熱特 性 が
明 らかで はな いので ,こ こで は ,熱 特性 を適 当に与 え
て 実測値 と比較的一致 したケ ー ス の一 例 を取 り上げ
舗装表面温度 と亡硝 系蓄熱材温度 のそれぞれ の実測値
7,図 ‐
8に 示 した。こ こで 想 定 した 熱
と計 算 値 を図 ¨
,
3.計 算 結 果
蓄 熱 材 な しで の 舗 装 表 面下 1011m(以 下 舗 装 表 面 と
4に 示 す 。結 果 は
い う)温 度 の 計 算 値 と実 測 値 を図 ¨
昼 間 の温度 で 実測値 が計算値 よ り高 いケースが 多 い
,
が ,ほ ぼ 一 致 して い る。
パ ラフ ィン系蓄 熱材 を封 入 した 舗 装表 面 と蓄 熱材
5,図 ‐
6に
の 温 度 の そ れぞ れ の 実 測 値 と計算 値 を図 ‐
示 す 。この 結 果 は ,蓄 熱 材 な しに比 べ 昼 間 の 温 度 で
実測 値 よ り計算 値 が 高 い点 な ど もあ るが ,ほ ぼ 一 致
して い る。パ ラフィ ン系蓄熱材 の 温度 では ,計 算値 も
実測 値 も融点 と凝 固点 で一 定温 度 を保持 して い る。
なお ,こ の亡硝系蓄熱材は ,パ ラフィン系 とは異な り
凝 固温度 と融解温 度 が著 しく異 な る ヒステ リシス を
有 す る 。そ こで ,室 内 で サ ンプ ル を冷 却 し ,そ の 温
特性 を表 ‐1に 示 す 。またパ ラ フイ ン系 と仮 定 した亡
硝 系 の 蓄 熱 材 のエ ンタル ピー を図 -9に 示 す。従 来 の
亡硝 系 の潜 熱量 か らすれば 、かな り小 さな 値 で ある。
な お ,パ ラ フ ィ ン系 と比 べ て 亡 硝 系 は 凝 固・融 解 の
開始 か ら終 了 まで の 温 度 幅 が大 き いわ けだが ,そ の
温度 の 幅 の 中 で は潜 熱量 は 一 定 で ある と仮定 して い
る。
蓄 熱 材 な し,パ ラ フ ィ ン 系蓄 熱 材 ,亡 硝 系蓄 熱 材
10に 示 し
封 入 の 各 タイ プ の 積 雪 深 の 計算 結果 を図 ‐
た 。また 蓄 熱 量 (エ ン タル ピ ー )を 図 -11に 示 す 。融
雪 効 果 は ,2月 H日 ∼ 12日 で は亡 硝 系 が 最 も優 れ
,
パ ラ フ ィ ン 系 ,蓄 熱 材 な し とな って い る。この 降 雪
度変化 か ら凝 固開始温 度 と終 了温 度 を推 定す る こと
に した 。融 解 温 度 領 域 は 明 瞭 で 分 か りや す い が ,凝
固温度 は再 現性 とそ の 領 域 が観 察 され なか った。さ
以 前 に ,最 高気 温 と全 天 日射 量 がそ れ ぞ れ 10℃ ,2M
J/ぶ と高 くて融 雪 と凍 結 の 負荷 が な い 日が数 日続 い
た た め ,融 解 温 度 が高 くて凝 固温 度 が低 い亡硝 系 で
らに冷 却 過 程 で は ,温 度 ご とに蓄 熱材 の 潜 熱 量 が 計
測 されて い な い。一 般 に冷房用 に使 って いる亡硝 系蓄
は ,パ ラ フ ィ ン 系以 上 の 蓄 熱 とな って い る(図 -11)。
そ の ことが亡 硝 系 の 融雪 を優 れた もの に した と考 え
熱材 の潜熱量は パ ラフ ィン系 の倍 ほ どとされて いる。
られ る。2月 19日 ∼ 20日 の 降雪 で は 2月 11日 ∼ 12日 に
5 0 5
3 3 2
― 蓄熱材 な し計算値
1
=
9C20
=
︱
︱
=
=
日
︲
︱
H
10
[
︲
︱
I
I
5
︱
︱
15
︲
︱
IL=
︱=︱︱
・ 蓄熱材 な し実測値
0
00\∞
ゆO\∞
-3-
∞0ヽ∞
”O\∞
図-4 蓄熱材な し鋼床版橋の舗装表面温度の実測値 と計算値
NO\∞
∞∞\倒
ON\倒
卜NヽN
N\N
N\゛
N\倒
倒゛ヽ銀
\N
N\∞
,
〇一ヽ銀
∞F
\倒
卜 \倒
,\倒
0”
ゆ中
\N
マ \倒
∞,
F
\倒
””\゛
OOヽN
0 アヽN
卜0\倒
回 Щ
OO\N
5
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
30
パ ラフィン系表面実測値
25
パ ラフィン系表面計算値
20
℃
15
10
OO\∞
0\ ∞
寸〇\∞
∞0\∞
NO\∞
FO\∞
倒\ N
卜Nヽ N
N\゛
N\゛
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0
0
\
,
∞OヽN
卜O\N
回8
Щ`
5 パ ラフィン系封入の舗装表面温度の実測値 と計算値
図‐
30
25
℃
20
15
10
5
0
OO\ ∞
めO\ ∞
マ0\ ∞
∞O\∞
0\ ∞
NO\∞
卜N\ N
,N\ N
∞
ON\ 倒
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∞N\ N
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卜 ,\ N
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︶ F\N
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F \N
,\倒
∞F
\N
,
”
\N
00\N
5
回 Щ
‐
6 パ ラフィン系 蓄熱材温度 の実測値 と計算値
図‐
比 べ 好 天 でな い ことか ら亡硝 系 とパ ラフ ィン系 は ほ
結果 は ,鋼 床 版 橋 蓄 熱 材 な しよ り凍 結 時 の 温 度 が 高
ぼ 同 じ効 果 とな って い る。 2月 22日 ∼ 24日 で は 蓄 熱
材 の 効 果 は見 られ な い 。これ は蓄 熱量 がや や 少 な い
く,パ ラフ ィ ン系蓄 熱材 を封 入 した もの とほ とん ど
同 じ温 度 で あ った。積 雪 深 につ いて もパ ラ フ ィ ン系
こと と降 雪直前 まで に降雪以外 で 蓄熱 が使 われ て し
とほぼ 同 じで あ った。
まった こ とによ る。
1999年 の 天 菅 生 橋 の 現 場 で は ,グ レー チ ング コ ン
ク リー ト床版 橋 は鋼 床版 の蓄 熱材 な しに比 べ 霜 の 付
路 面 で の0℃ 以 下 で の結 露 (霜 )量 の 計算値 を図…12
に 示 す 。蓄 熱 材 な しで は ,12回 の 結 露 結 果 とな って
い るが ,亡 硝 系 とパ ラ フ ィ ン 系 で は ,い ず れ もほぼ
結 露 凍 結 が み られ な い 。結 露 付 着 量 が 20g/ゴ を こえ
る と路面 の滑 り抵抗 はBPNで 乾燥時 の約 23∼ 37%に 低
下 す る 。。こ とか ら,蓄 熱 材 な しで は 結 露 凍 結 の 際
には ,ほ とん どのケ ー スで危 険 にな る ことに な る。
この 天菅 生橋 で は 蓄熱材 封入鋼 床版 に連続 してグ
着 と積 雪 は 明 らか に 少 な く,パ ラ フ ィ ン系蓄 熱材 封
入 よ りわず かだが凍 結 しやす い ことが数 回 の観察 で
み られ た。この 観 測 か らグ レー チ ング 床版 で の 計算
値 もほぼ 実測 値 に近 い と推測 され る。
次 に ,実 際 には 施 工 され て い な い が ,パ ラ フ ィ ン
系蓄熱材 は熱伝導 率 が0.16W/(mK)と 低 い ことか ら蓄
熱 材 の 中 にアル ミ ウム板 (厚 さ411nl)を 図 -2に 示 す よ
レー チ ング コ ンク リー ト床 版 橋 が施 工 され た。実測
値 は な い が ,こ の タイ プ の 橋 につ いて も数値 シ ミュ
レー シ ョンを行 った。そ の 表 面温 度 の 結 果 を蓄 熱 材
うに挿 入 し,昼 間 にパ ラ フ ィ ンが液 化 しや す い よ う
に した ケ ー ス の 数値 シ ミ ュ レー シ ョンを行 った。
な しの 鋼 床 版 の そ れ と比 較 して 図 …13に 示 す 。そ の
はやや 早 くな る ものの舗 装全体 のエ ンタル ビーはそ
―-
そ の 結 果 は ,昼 間 の 蓄 熱 で のパ ラフ ィ ン 系 の 液 化
4 -―
第 1編
調査研究報告
25
20
°
c15
10
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5
7 亡硝系封入の舗装表面温度の実測値 と計算値
図¨
25
20
℃
15
10
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口 Щ
5
図-8 亡硝系蓄熱材温度 の実測値 と計算値
れ ほ ど大 き くな らな か った。この ケ ー ス で の 各 断面
上 の 積 雪 状 況 の 例 を図 -14に 示 す 。蓄 熱 材 の 真 上 が
最 もよ く雪 が溶 け る と一 般 には想 像 され るが ,パ ラ
フ ィ ン系蓄 熱材 は熱 の 伝 わ りが悪 い こともあ って
,
鋼管 の側 面 と底 面 の 両方 か ら表 面 に流 れ る熱流 が大
き く鋼 管 の 角 上 の 部分 と蓄 熱材 が真 上 にな い部分 の
方 が積 雪 が 少 な くな って い る。さ らに ,ア ル ミ板 が
舗 装表 面 の 角 に あ る 図 -14の 左 側 の 方 が わず か な が
ら雪 が多 いの は ,雪 が降 る まで に伝 熱 的 に近 いパ ラ
フ ィ ン系蓄 熱材 が大 気 にム ダ に奪 われ ,冷 えて しま
う こ とに よ る と推 測 され る。こ う した こ とか ら,ア
ル ミ板 挿 入 の タイ プ は ,図 -10の パ ラ フ ィ ン 系 の 積
雪深 とほ とん ど変 わ らな い 結果 とな った。
これ も実 際 に施 工 され て い な い が ,過 冷却 が ほ と
0.6℃ で 凝 固す る水 を
ん ど生 じな い と して -0.5℃ ∼ ‐
蓄 熱材 に した場 合 を計算 した。水 の 潜 熱 で は雪 は溶
かせ な いが ,マ イナ ス とな る結 露凍 結 は抑 制 で きる。
-5-
200
150
MJ/nt
r 100
t 50
)v
(
I
0
-50
℃ 10
15
`
0
5
図 -9 蓄 熱 材 の エ ン タ ル ビー
20
ゲ ル化 した水 を これ まで 同様 に鋼 管 に封入す る と し
て 計 算 した。
そ の 場 合 の 舗 装表面 と結 露量 (霜 )の 計算結果 を図
-15,図 -16に ,蓄 熱 材 な し と比 較 して 示 した 。図 ‐1
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
14
12
10
守
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︲﹁引﹃Jい回眠
4
N
OOO
10 積雪深 の比較
図‐
m
J
5 42
m3
― 蓄熱材 な し
― パ ラフ イン系
0
1
寸O\∞
∞0\∞
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回 Щ
図-11 舗装・床版・蓄熱材 の総 エ ンタル ビー
140
一 二
120
100
蓄 熱材 な し
80
パ ラ フ ィン系
60
苦硝 系
40
g/ロ セo
一
一毒 一
一
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,
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〇一
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∞O\N
卜OヽN
OO\N
□ Щ
0
図-12 結露 (霜 )量 の計 算結果
5で は ,水 が凝 固 し始 め る とそ の 大 きな凝 固潜 熱 量
また ,潜 熱 量 の 大 きな水 が 多 い ことか ら凝 固 開始 以
で ,舗 装 表 面 温 度 の 低 下 が 止 ま って い る。以 前 の 野
後 は温度 は下 が らな い結果 とな って いる。そ の 結果
16に 示 す よ うに ,結 露 量 は大 幅 に 削減 され る。
図‐
外 実験 で も,鋼 床 版 橋 上 の 舗 装 が -3℃ ほ どにな る と
数 十 分 間 ,そ れ まで低 下 して い た 路 面 温 度 が 1℃ ほ
,
しか し,結 露 量 10∼ 20g/ゴ まで で 急 激 に 路 面 の 滑
ど上 昇 す る 現 象 が時 折 観 察 され た。これ は舗 装 の 中
のわ ず かな水 分 の 過冷却 が くず れ て凝 固す る ことに
り抵 抗 は低 下 し,そ れ 以 上 で はそ の 抵 抗 値 はそ れ 以
下 に は な らな い 。.8に とか ら ,結 露 量 の 削 減 効 果 ほ
よ る と筆者 は 推 定 して い る。今 回 は過 冷却 温 度 幅 を
どには 路 面 の 滑 りは 改 善 され な い 。な お ,こ れ は 福
井 の 気 象 によ る ことか ら,他 の 気 象 条 件 で は路 面 滑
小 さ く し ,-0.5℃ の 凝 固 開始 後 に0℃ に 戻 る こ とは
な い としたので ,舗 装温度 が上昇す る ことはない。
- 6 -
り抵 抗 で 大 きな効 果 が得 られ るか も知れ な い 。
第 1編
調査研究報告
30
一 蓄 熱材 な し計算値
25
― グ レー チイ ング床版計算値
20
℃
15
10
〇\ ∞
OO ヽ ∞
守0\∞
∞O\∞
国0\∞
F
O\∞
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口
00\N
図-13 グ レーチ ング コンク リー ト床版橋 と蓄熱材な し鋼床版橋 の舗装表面温度
で は な い。
1
まだ ,箱 桁 の 上 ,地 盤 部 の 上 ,Uリ ブ とバ ブ ル プ
レー トリブ の 違 い とか の 計算 結 果 につ いて ,実 測 値
1999/2/11
0.8
で検 証す るな どが残 って いる 。
0.6
しか し,既 に発表 した 開断面 リブ鋼 床 版橋 で の 10
日間 の数値 シ ミュ レー シ ョン とそ の温度 と積 雪深 で
の実測値 で の検証9今 回 の lヶ 月 の検討 で ,ほ とん どの
橋 で ,そ の 地 方 の 気 象 デ ー タ が あれ ば ,設 計 時 に 凍
結頻 度 を比較 で き る ことが示 され た もの と思 う。
計算 ソ フ トの 汎用化 とQuick Basicを Visual Bas
icに 変 換 す る 作 業 で は ,合 資会 社 共 栄 コ ンピ ュー
タ ー サ ンエ ンス の和 田敏 洋氏 にご協 力 を い ただ き
ま した。ここに記 して感謝 の意 を表 します。
14 積雪 の状況 (図 ‐2の 断面 と対応 )
図…
4.ま とめ
蓄 熱材 な し,パ ラフ ィ ン系蓄 熱 材封 入 の 開 断面鋼
床 版 の 路 面 温 度 。積 雪 深 。結 露 量 は ,気 象 日原 簿 か
らの気 象デ ー タ を用 いれば ほぼ 数値 シ ミュ レー シ ョ
ンで 計算 され る ことが分 か つた。
亡 硝 系蓄熱材 は実測値 か らそ の 熱特性 を逆 に推 定
す る と,福 井 市 よ り暖 か い 地 域 で の 結露 凍 結 抑 制 に
有効 な潜 熱 量 は ,冷 房 用 に 開発 使 用 され て い る 同種
の 蓄 熱 材 に比 べ 相 当 小 さ い もの で あ る と見 積 る こ
とが で きた。
グ レー チ ング コ ンク リー ト床版 ではパ ラフィ ン系
蓄熱材 を封入 した もの とほぼ 同 じ効果 と計算 され た。
水 を蓄 熱材 と した 計算 で は ,そ の 凝 固開始 後 はそ
の 大 きな潜 熱 に よ って ,舗 装 温 度 の 低 下 はぴ た りと
とま る。路 面 に付 着 す る霜 量 は相 当減 るが ,そ れ で
も20g/だ の 量 を こえ る こ とが か な りあ る ので ,路 面
滑 り抵抗 を下げ な い点 で の効 果 は福井市 内 で は十分
-7-
文
献
1)宮 本 重信・室 田正雄 :鋼 床 版 橋 路 面 の 蓄 熱 材封 入 によ る凍 結
抑制 の研 究 ,土 木学 会 論 文 集 ,No 574/VI-36,pp 73-83,19979
2)宮 本 重 信 :鋼 床 版橋 路 面 で の 蓄 熱 材 封 入 凍 結 抑 制 法 の 数 値
シ ミュ レー シ ョンによ る効 果 予測 ,土 木 学 会 論 文集 ,No 595/
VI -39,pp l17-125,19986
3)宮 本 重 信・室 田正雄 :蓄 熱 材封 入 によ る鋼 床 版 橋路 面 の 凍 結
抑 制 ―閉断 面 リブ鋼 床 版 橋 で の 計測 ,第 13回 寒 地技 術 シ ンポ
ジウム寒 地技 術 論文・報 告 ,vol 13,pp 121-125,199712
4)宮 本 重 信・室 田正雄 :鋼 床 版 橋 の路 面 凍 結 と蓄 熱材 封 入 によ
る抑 制 橋 梁 と基礎 lVo1 32,No 6,pp 25-31,19986
,「
5)宮 本 重 信 :自 然 熱源 によ る路 面 の 融 雪 ,凍 結 抑 制 に 関す る研
究
,名
古 屋 工 業 大学 学 位 審 査 論 文 ,第 10章 ∼ 第 13章 ,19993
ヽ坂
6)木 村 寛・′
」
,pp 18-23,19966
雄 :水 和 反 応 物 蓄 熱 材 ,冷 凍 71管 第 823号
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
30
25
L三型望翌霊聖聖_」
℃
15
「
10
(? s rrr d) F 6 6 O F <rr (r v rn (o F @ _ * 6 + rj1,;
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1. o d) o F (\
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15 水 を蓄熱材 に した場合の舗装表面の温度
図…
140
120
g/■
:
│
︱=︱== =i=︱︱
′︱
︱
︲ ︲
100
80
60
‐
│
井県雪対策・建設技術研究所年報地 域技術 12号 ,1999
9)宮 本重信 :自 然熱源 による路面 の融雪,凍 結抑制 に関する研究
,名
古屋工業大学学位審査 論文 ,第 13章 ,19993
-8-
OO\∞
そ の 2,福
ゆO\0
748‐ 749,19959
マ0\∞
年次学術講演会Ⅳ部 ,pp
8)室 田正雄 。宮本重信 :路 面情報 システムの研究
0\0
,土 木学会第50回
NO\0
7)木 曽忠幸・福原輝幸 :橋 梁路面の結露凍結に関する基礎的研究
,
16 水を蓄熱材 に した場合の結露量の減少
図‐
卜N\N
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「
第 1編
t硝
調査研究報告
系蓄熱材封入 による鋼床版橋 の凍結抑制実験
Experimental Study on Control of Road lcing on Steel Deck Bridges
10H20)
Using Phase Change Material(Na2SC)4・
宮 本 重 信・ 室 田 正 雄
要
旨
す で に、熱 容 量 が 小 さ い た め 結 露 凍 結 しや す い 鋼 床 版 橋 路 面 を潜 熱 蓄 熱 材 を封 入 す る こ と
で 地 盤 部 な み の 凍 結 に す る 技 術 を 開 発・実 用 化 して き た 1)2` 4)。 そ の 際 に 、最 も効 果 が 期 待
3、
され た バ ラ フ ィ ン系 潜 熱 蓄 熱 材 の 他 に 、融 点 の や や 高 い 亡 硝 系 潜 熱 蓄 熱 材 を Uリ ブ の 鋼 床 版
橋 の 舗 装 に 実 験 的 に 封 入 した 。そ の 観 測 デ ー タ を今 回 整 理 した 。放 射 冷 却 の 早 朝 の 最 低 路 面
温度 の シ ー ズ ン平 均値 は、パ ラ フィ ン系 の 3.0℃ に対 して 、亡硝 系 で 2.5℃ の上 昇 で あ つた。亡 硝 系
で は 、気 温 が 低 く 日射 の 少 な い 12月 ∼ 2月 下 旬 ま で は パ ラ フ ィ ン系 に 比 べ て 効 果 が 劣 った 。
しか し、3月 に な れ ば ほぼ 同 じ効 果 とな っ た 。昼 間 の 最 高 気 温 で 約 10℃ 、全 天 日射 量 日射 で 約
15M」 /(だ 日)以 上 で あれば 、パ ラフィ ン系 と 同 じ効 果 が得 られ る と推測 され た。
キ ー ワ ー ド:鋼 床 版 橋 ,結 露 凍 結 ,蓄 熱 材 ,相 変化 ,亡 硝
1.は じめ に
鋼 床 版 橋 の 路 面 は 、熱容 量 が 小 さ い た め 、冬 期 に
結 露 凍 結 しや す く、圧 雪 にな りや す い 。この こ とが
しば しば 交 通事 故 の 原 因 とな って い る。
そ こで 、筆 者 らは 、潜 熱 蓄 熱 材 を鋼 床 版 橋 舗 装 の
中 に 封 入 す れば 凍 結 直 前 で の 熱 容 量 が大 き くな り、
鋼床版橋 のみが 凍結す る ことはな くな る ことを 明 ら
か に し、実 際 の 橋 で 実 用 化 した 。この 技 術 につ いて
は 、使 用 して い るパ ラフ ィ ン系 の 蓄 熱 材 が 全体 工 事
費約4万 円/ゴ の約 半分 を占めて高価 で ある ことか ら、
よ り安 価 な 蓄 熱 材 が待 たれ て い る。
す で に、三 菱 油 化 エ ンジ エ ヤ リング (株 )と 三 菱 化
学 (株 )が 深 夜電 力 を使 って冷房 用 冷 熱蓄 熱 を行 うた
め に 開発 した亡硝 系蓄 熱材 をパ ラフィン系 と併せ て
実 橋 で三 度 試験 施 工 して きた。そ の 蓄 熱 材 の コス ト
はパ ラ フ ィ ン系 の 約 1/2程 度 にな る と思 わ れ る。
平 成 7年 度 の 最 初 の 試 験 施 工 (I桁 開 断面 リブ の 城
東 橋 )で は 、① 亡 硝 系 で は融 点 が 高 い た め 福 井 市 内
写真 -1 降雪時の蓄熱材の効果
り 日射 量 が 多 く気 温 も高 い 。こ う した 地 域 で は 、亡
硝 系蓄 熱 材 で も効 果 が得 られ るよ うに思 われ る。特
に、床 版 下 にUリ ブ が あ る 鋼 床 版 で は 、床 版 の 下 面
で の 熱移 動 を遮 断す るので 、先 の 断熱 材 を床版 下 に
の 12月 ∼ 2月 中旬 まで は融解 で きな くて効 果 が み ら
れ な い こ と② 気 温 が 高 くな る2月 下 旬 にな る と効 果
設 置す るの と同 じで効 果 が促 進 され る と思 われ る。
こ う した こ とか ら、天 菅 生 橋 (Uリ ブ鋼 床 版 )で の
が み られ 、3月 下 旬 ∼ 4月 で は パ ラ フ ィ ンよ り効 果 が
高 くな る こ と。③ 床 版 下 面 を断熱 す る と昼 間床 版 下
亡硝 系蓄 熱材 で の温度実測 か らの効果 を同地点 で の
パ ラフィ ン系 と比較 す る。
面 か ら熱 が逃 げ ず によ り高温 にな るた め、融 点 の 高
い亡硝 系 では効果 が顕著 になる ことが分か つたつ。
2.実 験 装置
わず か な 降雪 が あ つた 1996年 3月 12日 の この 現 場
の 写真 …
1は これ らをよ く表 して い る。この 写 真 で は、
2に 示 す よ うに角
蓄 熱材 は実 際 の 橋 で 図 ‐1、 写真 ‐
‐
型鋼 管 の 中 に封 入 し、図 1に 示 す舗 装表 面下 1 0nlmと
亡硝 系 で も床版 下面 を断熱材 で 覆 った亡硝 系 区間 で
は、パ ラフ ィン系 よ り積 雪 が 少 な い ことが 分 か る。
本 システム ヘ の 問 い合 わせが あった福井県 小浜市、
蓄熱材 の位置 に温度セ ンサー を設置 し自動計測 した。
写真 の 施工 のほ とん どはパ ラフ ィン系蓄熱材 で の
京 都 府 、愛 知 な ど は 、こ の 現 場 (福 井 市 内 )よ
-9-
施 工 と したが 、比 較 の た め一 部 に表 -1の 熱特 性 の 亡
硝 系潜 熱 蓄 熱 材 を用 い た。た だ し、亡 硝 系蓄 熱材 の
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
6 4 2 0 8 6 4 2 0 2 4 奮回
︲ ︲ ︲︲
・ ・
温度 ℃
図-1 蓄熱材封入の断面図 と温度セ ンサ ーの位 置
∞ ON寺 0∞ ONONttΦ ∞ oN● CO∞ 〇 倒 0銀 寺 Φ
O― ― ― ,「 NNOOOOo―
― ― ― ,NN0000
ゆ ― ― ゆ ゆ ゆ 。 OOOΦ Φ Φ Φ COOCOΦ ト ト トト
図-2 結露凍結前後 48時 間の温度変化 1月 15∼ 17日
30
25
20
15
震 10
℃ 5
0
-5
-10
写真 -2 蓄熱 材 封 入鋼 管 の設 置状 況
奮
EE
ハ フ フ ィ ン系
苦硝系
主要材 料
ハ フフ ィン
苦硝 ・水
凝 固温 度 ℃
3.1∼ 4.6
0∼ 75
融解温度℃
31∼ 46
7∼ 115
烈 鵡 率 W/CmK)
0.163
0.99
顕熱割肇y(cmlK)
1.74
3
図‐
Jた ♂
液体で の状態
3>=r
―
寸 寸 ゃ や ¨
"""倒
ゆ ゆ
倒
結露凍結前後 48時 間の温度変化 2月 23∼ 25日
しか し、そ の 最 高 温 度 は7.1℃ で 、ご く一 部 が 液 化
した状 態 に と どま った。このわ ず か な潜 熱 蓄 熱 と顕
熱 蓄 熱 量 が大 き い ことで 、亡硝 系 で も効 果 が得 られ
て い る と推 測 され る。
2月 23日 ∼ 25日 の 図 ‐
3に つ いて は 、蓄 熱 材 な しで
160
2#.
―
り、一 部 で液 化 が始 ま って い る こ とが 推 測 され る。
3.0(固 の
130
め め ∞ や 寸 で や
℃ とな り、十 分 液 化 して い る こ とが 分 か る。亡 硝 系
蓄 熱材 は 15日 13時 ごろか ら温度 上昇 の 速度 が緩 くな
4.2(醐
融解熱 量
∞
倒 倒
"¨
"゛
1 潜熱蓄熱材の熱特性
表‐
8
=RN888889'=9=RN8SO・
NNNN‐
NttNNNNNN倒
N
89'=賃
ゲル 状
の 最 高舗 装 表 面温 度 が 1月 15日 ∼ 16日 に比 べ 10℃ 以
凝 固 温 度 とそ の 温 度 範 囲 ご との 潜 熱 量 は 、正 確 に
上 高温 で あ る ことか ら、パ ラフ ィ ン系蓄 熱 材 で は約
計測 され た もので は な い 。
5℃ 以 上 にな る と急 激 に 温 度 上 昇 し、液 化 が 終 了 し
た こ とが 推 測 され る。亡 硝 系 蓄 熱 材 で は 、融 解 終 了
3.代 表 的な放 射 冷 却 での事例
放 射冷却 で 路 面温度 が冷 えた 1月 と2月 の48時 間 の
2と 図 …
3に 示す 。
代 表 的 な温度 変化 をそれぞ れ 図 ‐
2の 1月 16日 早朝 、舗 装表 面 下 1011m(以 下舗 装表
図‐
面 )の 最 低 温 度 は 、蓄 熱 材 な し、パ ラ フ ィ ン 系封 入 、
亡 硝 系封 入 でそ れ ぞ れ‐
3.3℃ 、‐
0.6℃ 、‐1.1℃ で 、
蓄 熱 材 の 効 果 が み られ た。パ ラフ ィン系 の 蓄 熱材 そ
の もの は 、前 日15日 の 昼 間 に融 解 温 度 を越 え て 5.4
-10-
温度 には 達 して い な い が 、1月 15日 ∼ 16日 に比 べ て 高
温 とな って い る。亡 硝 系蓄 熱 材 で の 融解 や パ ラ フィ
ンの凝 固融解 は温度 変化 が緩や か にな る こと か らそ
の 開始 終 了が分 か るが 、亡硝 系蓄 熱 材 の 凝 固 は温 度
下降 の緩和 が あま り明瞭ではな い。これは凝 固温度 が
か な り広 範 囲 で あ る と推測 され る。24日 7時 の 蓄 熱 材
な し、パ ラフ ィン系封 入 、亡硝 系封入 の舗装表 面温 度
‐
-2,7℃ 、
はそれぞれ -5.1℃ 、
2.8℃ で、
蓄熱材 の効 果 がみ
第 1編
調査研究報告
0蓄
各 亡硝系封入
点
0
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Nヽ∞
\
,F
∞
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0 ヽ0
,
\∞
0一
NO\∞
\
∞N\∝
0中\N
寺N\倒
00
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\∞
OOヽN
卜”
ヽ
Φ一
\,
,
ON\N
6 世 田,
・
図
+露
2
一
温度 ℃
3 結露凍結 (霜 )の 状況
写真 ‐
‐ ′くラフイン系封入
熱材な し
4̈ 1シ ーズ ンの凍結時の各舗装表面温度 と露点
られ た 。1月 15日 はパ ラ フ ィ ンほ どの効 果 が な か っ
くな った ことによ る。
3は 1999年 2月 26日 7時 25分 、この 現 場 の 状 況
写真 ‐
を示 す もので あ る。朝 日で 急 激 に 霜 が溶 け始 めて い
るが 、蓄 熱材 な し区間 で は霜 で 自 くな って いて 結露
凍 結 が 生 じて い る ことが分 か る。蓄 熱材 な し 区間 の
アス フ ァル ト舗 装 と異 な り蓄熱材封入 区間 は鋼 繊維
前 日の全天 日射量
前 日の最高気温
ONヽ∞
NO\0
一
N\0
∞一
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∞ ヽ∽
,
0一
\∞
∞NヽN
ゆN\倒
NヽN
,
ゆ一
ヽN
00ヽN
O︶
ヽN
00\N
∞0ヽN
卜〓
\一
封 入 区 間 と 同 じよ う に、霜 は 見 られ な い 。な お 、蓄
熱 材 な しで 結 露 の 著 し い 中央 部 以外 の 領 域 は 、箱 桁
Φ\
,\N
,一
ΦN
補強 コ ンク リー ト舗 装 で あ るためやや分 か りづ らい
が 、亡 硝 系蓄 熱 材 封 入 区間 に もパ ラフ ィ ン 系蓄 熱材
25
0
5 0□
2
磐卸論鼻量面 奮
た亡硝 系 で ほぼ 同 じ効 果 が得 られ た のは 、昼 間 の 日
射 で 高温 とな り融点 の 高 い亡硝 系 で の潜 熱蓄 熱 が多
図-5 凍結 前 日の全天 日射量 日射 と最高気温
で 下 面 が カ バ ー され て い る領 域 で あ る。
な るか ら正 確 で はな い が 、亡硝 系 で も結 露凍 結 に 関
4.1シ ーズ ンで の放 射 冷却 での効果
1996年 12月 25日 ∼ 1997年 3月 15日 の 1シ ー ズ ンの降
積 雪 の な か った 朝 7時 、蓄 熱 材 な しの舗 装 表 面 温 度
0.5℃ 以下 にな った 際 の 各舗 装 表 面温 度 を図 -4に
が‐
示 した 。な お 1月 に 8日 間 の 欠 測 が あ る。さ らに図 に
福 井 地 方 気 象 台 で の 朝 の 露 点 温 度 を記載 した。図 -4
か らパ ラフィン系蓄熱材 は最 も凍結 時 の温度 を上昇
させ 、平 均 で 3.0℃ の 上 昇 で あ る 。これ に比 べ て 亡
硝 系 は 12月 か ら2月 中旬 まで はパ ラ フ ィ ン系 と蓄 熱
材 な しの ほぼ 中 間 ほ どの温 度 で 、2月 下 旬 以 降 は ほ
ぼ パ ラ フ ィ ン系 と同 じ温度 にな って い る。亡 硝 系蓄
熱材 は 1シ ー ズ ン平均 で 2.4℃ の 温 度 上 昇 と い う結果
で あ る。
して はか な りの効果 が得 られ る と思 われ る。
潜熱蓄熱材封入 の本 工 法 では、凍結前 まで の蓄熱履
歴 が 問題 にな る。融点 が 高 く潜 熱 量 も大 き い 亡硝 系
では 前 日昼 だ けでな く前 々 日の昼 の影響 も受 けるが、
ここで 図 ‐
4の 凍結 日の 前 日の 全天 日射 量 と最 高気 温
を図 -5に 示 した 。お お むね 最 高気 温 で 10℃ 、全 天 日
射 量 で 15MJ/ゴ になれ ば 、亡 硝 系 で もパ ラフ ィ ン系
と 同等 の効 果 がUリ ブ鋼 床 版橋 で 得 られ る ことが 分
か る。
5。
おわ りに
本 報 告 で 、閉 断面 リブ を有 す る鋼 床 版 橋 で は 、昼
間 の 最 高 気 温 で 10℃ 、全 天 日射 量 が 15MJ/ぶ にな る
結露凍結 は舗 装表 面 が露点温度 以下 で 生 じる こと
か ら、各舗 装表 面 が露 点温 度 以 下 にな った か ど うか
をみ る と、蓄 熱 材 な しの場 合 は 17日 の な か で 1月 16
定 され た。
日と2月 25日 を除 い た 15日 が 露 点 以 下 で あ る。パ ラ
フ ィ ン 系 で は 2月 8日 の 1日 が 露 点 以 下 で 、亡 硝 系 で
は 2月 6日 と2月 8日 の 2日 が露 点 以 下 にな って い る。
別稿 にて、亡硝系蓄熱材 を含 め天菅生橋で の気象 日
原 簿デ ー タ を読 み込 んで の 数値 シミュ レー シ ョンを
行 った ので 参考 に して い た だ きた い。
気 象台 の 露点温度 と橋梁現 場 の 露点温度 が多少異
亡 硝 系潜 熱 蓄 熱材 は 、1947年 ア メ リカで マ リア・
よ うで あれ ば 、亡 硝 系 蓄 熱 材 で あ って も、パ ラ フ ィ
ン系 とほぼ 同 じ凍結抑 制 の効 果 が得 られ る ことが推
福井県雪対策・建設技術研究所 年報地域技術第12号
・テ レケス によって潜熱 蓄熱材利用 パ ッシブソー ラー
ハ ウス に 用 い られ た。しか し、過 冷 却 が著 し くて な
かなか凝 固 しな い ことと長期 間融解 凝 固 を繰 り返 し
て い る と水 と固体 に 分離 して しま う こ とか ら、そ の
後 使 わ れ な か った 。三 菱 化 学 (株 )ら は 、そ れ を抑 制
し、深 夜電 力利 用 の 暖 房 用 蓄 熱材 に 実用 化 させ て き
た 。さ らに、融 解 温 度 を下 げ て ヒ ー トポ ンプ併 用 で
冷 房用 蓄 熱材 と して 実用 開発 中 で あ る。そ れ を今 回
試験 的 に使 わ して い ただ い た。
「長 期 間 、温
な お 、こ う した 亡 硝 系 に つ い て は 、
度変化 の少な い ところに放置す れば どうであろ うか、
ゲル化 です べ て の 問題 が解 決 され る とは考 え られ な
い 」と私 ど もが 助言 を い た だ いて い る木 村 寛 理博 の
指 摘 が あ るい。
三 菱化 学 (株 )研 究 開発本 部筑 波研 究所 新 素材研 究
室 の垣 内博 行 氏 、三 菱 油化 エ ンジエ ヤ リング蓄 熱事
業 部 陶 昇氏 に ご協 力 い ただ い た。記 して感 謝 の 意 と
す る。
文 献
1)宮 本重信・室 田正雄 :鋼 床版橋路面 の蓄熱材封入 による凍結
抑制 の研究 ,土 木学会論文
集 ,No 574/Ⅵ -36,pp 73-83,19979
2)宮 本重信 :鋼 床版橋路面で の蓄熱材封入凍結抑制法 の数値
シミュレー シ ョンによる効果予測 ,土 木学会論文集 ,No.595/
111-39,pp l17-125,19986
3)宮 本重信・室 田正雄 :蓄 熱材封入 による鋼床版橋路面 の凍結
抑制 ―閉断面 リブ鋼床版橋で の計測 ,第 13回 寒地技術 シンポ
ジウム寒地技術論文・報告 ,vol 13,pp 121-125,199712
4)宮 本重信・室 田正雄 :鋼 床版橋 の路面凍結 と蓄熱材封入 によ
る抑制
「 橋梁 と基礎 JVo1 32,No 6,pp 25-31,19986
5)木 村寛・4ヽ 坂 雄 :水 輪反応物蓄熱材 ,冷 凍71管 第 823,pp
18-
23,19966
-12-
1999.7
調 査研 究 報 告
第 1編
包接水和蓄熱材封入 による鋼床版橋の凍結抑制実験
Experimental Study on Control of Road lcing on Steel Deck Bridge
Using Phase Change Material(Clathrate Hydrate)
宮 本 重 信
要 旨
す で に熱 容 量 が 小 さ い た め結 露 凍 結 しや す い 鋼 床 版 橋 路 面 を潜 熱 蓄 熱 材 を封 入 す る こ とで
地 盤 部 な み の 凍 結 に す る 技 術 を 開 発 。実 用 化 して き た 1)2)'3、 4ヽ 5)。 こ こで は 、これ ま で の パ ラ
フ ィ ン 系 の 蓄 熱 材 に 代 え て 、包 接 水 和 潜 熱 蓄 熱 材 を封 入 した 模 型 に よ る 野 外 実 験 を福 井 市 内
で 行 っ た 。そ の 結 果 、包 接 水 和 物 を水 に重 量 で 15%入 れ た も の で は 、早 朝 の 日 々 の 結 露 凍 結
時 の 路 面 温 度 は 1シ ー ズ ン 平 均 で 約 1℃ 上 昇 した 。しか し、そ の 効 果 は 、パ ラ フ ィ ン 系 よ り
劣 り、福 井 で は シ ー ズ ン 中 の 放 射 冷 却 時 の 路 温 を露 点 温 度 以 上 に 維 持 で き な か っ た 。ま た 、
包 水 和 物 を水 に 20%、
25%入 れ て も 15%の
も の と効 果 は 変 わ らず 、30%で は効 果 が 少 な くな
った。
キ ー ワ ー ド 鋼 床 版橋 ,結 露 凍結 ,潜 熱 蓄 熱 ,包 接水 和物
1.は じめ に
舗 装 表 面 に 下 10mmの 温 度 (以 下 舗 装表 面温 度 とい
鋼 床 版 橋 の 路 面 は 、熱 容 量 が 小 さ い た め 、冬 期 に
結 露凍 結 しやす い 。この 路 面 上 のみ が凍 結 す る こ と
が原 因 で 、しば しば 交 通事 故 が 生 じて い る。
う)が 放 射冷却 で0℃ 以 下 にな った朝 まで の 舗 装表 面
と蓄 熱材 の 温 度 変 化 につ いて 、代 表 的 な 日と して 19
99年 2月 8∼ 9日 を取 り上げ考 察 す る。
潜 熱蓄熱材 を封入 した鋼 管 を鋼 床版橋舗 装 の 中 に
敷 設 す れ ば 、鋼 床 版 橋 のみ が凍 結 す る こと は な くな
る こ とを筆 者 らは実 証 し、実 際 の 道 路 で 施 工 して き
た 。この 技 術 につ いて は 、使 用 して い るパ ラ フ ィ ン
角 型鋼 管
75× 45× 3.2
系 の 蓄 熱材価 格 が全体 工 事 費約 4万 円/ゴ の 約 半分 を
占め 高価 な ことか ら、よ り安価 な 蓄 熱材 を見 つ け る
こ とが待 たれ て い る。
そ こで 、日本鋼 管 (株 )が 主 に冷 熱 輸送 媒 体 材 と し
て 開発 を進 めて きた包 接水和物 がパ ラフィ ン系蓄 熱
材 の 代 替 にな るか ど うか を実験 した。
単位
図 -1 蓄熱 材封 入鋼 床 版橋
2.実 験 の方法
:IIn
模 型 断面 図
パ ラフィン系 と15w%か ら30w物 の濃度 の包接水和
物 を鋼 床 版 橋 模 型 (図 ‐1)の 鋼 管 に 封 入 し、各 種 の
模 型 を 野 外 に 置 い た 。(写 真 -1)。 比 較 の た め 蓄 熱
材 な しの 鋼 床版 橋模 型 を も設 置 した。そ れ ぞ れ の 舗
装表 面 下 1011mと 蓄 熱材 の 温 度 を 自動 計測 した。模 型
の 路 面 に10cm以 上 雪 が積 もった 際 には、実 際 の 道 路
がそ うで あ るよ うに除雪 を行 つた。
な お包 接 水和 物 の 熱 的 な特 性 につ いて は 、40.5wt
%で 凝 固点 は H.5∼ 12.3℃ 、潜 熱 量 は41∼ 45kca1/kg
で 、比 重 は ほぼ 水 と 同 じで あ る。熱 伝 導 率 は 、ほぼ
水 に近 い と思 わ れ る。濃 度 を下 げ た水 溶 液 で は 、凝
固点 は下 が るが 、潜 熱 量 も小 さ くな る。
3.代 表 的な結 露 凍結 で の 実験結 果
-13-
1 蓄熱材封入鋼床版橋模型2月 9日 8時 22分
写真 …
福井県雪対策・建設技術研究所
0 8 ヽ
︲
い
面 15%
ー PCM1
」
コ
一+ + 一
12
― 表 面 ノー マル
+表
年報地域技術第 12号 19997
5%
‐ 表 面 パ ラフ ィ ン
‐ PCMパ ラ フ ィン
表面 ノー マル
表 面 15%
PCM1 50/6
表 面 パ ラフ ィ ン
│
│
0 2 4
・
り0 いOヽ一〇
卜O 哺Oヽ一〇
OO nOヽ一〇
卜0 いO\一〇
い0 いOヽ一〇
い0 いOヽ一〇
一0 い0ヽ一〇
一0 ゆOヽ一〇
¨0 い0ヽ一〇
∞“ 0●ヽ一〇
〇〇 い0ヽ一〇
一0 一0\¨0
一0 一〇ヽ一〇
0N 一0ヽ¨O
一一
一0ヽ一
〇
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0
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〇
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〇
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一0ヽ一〇
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〇
倒一一0ヽ一
〇
0一︶0ヽ一〇
〇0 一0ヽ一
〇
∞0 ︶0ヽ一一
い0 一〇ヽ一〇
雷 田
い0 一〇ヽN0
∞〇 一〇ヽ製0
い0 00ヽN0
︶0 00ヽN0
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一
〇 〇0ヽ剣O
00 00ヽ銀0
∞N ∞OヽN0
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鋼N ∞OヽNO
一
N ∞ΦヽN0
0N ∞0ヽ゛0
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卜一
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00 ∞0ヽ”0
∞O ∞0ヽ劇0
古回
卜0 ∞0\NO
図-2 結露凍結 までの24時 間の温度変化
4 結露凍結 までの24時 間の温度変化
図‐
I・‐
5 4 3
・
,
PCM1 5%
15
¬
1
0
-1
い0 い0\一〇
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奮田
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‐
2
3 結露凍結 までの24時 間の温度変化
図…
5 結露凍結 までの24時 間の温度変化
図¨
2に パ ラフィ ン系 と包 接水 和 系 の 15%濃 度 の 蓄熱
図‐
材 とそ の 舗 装表 面 温 度 につ いて 示 した。2月 8日 の 昼
い 。これ は 、パ ラ フ ィ ン 系 で は 熱 伝 導 率 が 0.165W/
(mK)と 著 し く小 さい こ とによ る と考 え られ る。
間 には 蓄熱材 を封入 しな い鋼 床 版橋模 型 の 表面温度
は 26.1℃ に達 して い るが 、パ ラ フ ィ ン 系 と包 接 水 和
この 日の 朝 の 結 露 の 状 況 は 写 真 -1に 示 され る よ
うに、蓄 熱 材 な しで は路 面 が結 露 で 自 くな って い る
系 の そ れ はそ れぞ れ 21.7℃ 、17.4℃ に止 まって い る。
パ ラ フ ィ ン 系 の 蓄 熱 材 は 、4℃ で 一 定 値 を示 し、そ
が 、蓄 熱材 封 入 で は いず れ も結 露 は見 られ な い 。
包接 水和 系蓄熱 材 は水 に対 して重 量で 30%に した
状 態 が 15%に 比 べ 、そ の 潜 熱 量 が 大 き い 。そ こで 、3
の 温度 で 固体 か ら液体 に変化 して いる ことが推定 さ
れ る。相 変化 の 温度 が幅広 い とされ て い る包 接 水 和
0%の もの を 15%重 量 と比較 した の が図-3で ある。30%
系 で は 、蓄 熱 材 温 度 は一 定 温 度 とな る こ とな く、蓄
熱材 な しに比 べ ゆ っ く りとした温度 変 化 とな って い
重 量 の 包 接水 和 系蓄 熱材 は冷却 時 に 8.8℃ を3時 間保
持 して い る。温度 上 昇 時 は 日射 で急 激 に上 昇 す るた
る。夜 か ら朝 の 冷 却 で も.パ ラ フ ィ ン 系蓄 熱 材 は4℃
で 一 定 の 温 度 を深 夜 まで保 持 し、包 接 水 和 系蓄熱 材
め 見 え に く い が 、約 9℃ で 緩 や か な温 度 上 昇 とな っ
は 一 定温度 で はな い が蓄熱材 な しに く らべ ゆ った り
こ とは見 られ な い 。残 念 な が ら、30%重 量 の 包 援 水
と した 温 度変 化 とな って い る。舗 装表 面 の 最低 温度
で は 、蓄 熱 材 無 しで は ‐
4℃ で あ った が 、パ ラ フ ィ ン
和 系蓄 熱 材 が維 持 す る温 度 が 8.8℃ と高温 で あ るた
め 、夕 方 19時 には そ の 温 度 に 下 が り、23時 には そ の
0.8℃ 、包 接 水 和 系 蓄 熱 材 15%は -1.1℃ で 、蓄
系 は‐
熱 材 な しに比 べ 、そ れ ぞ れ と3.2℃ 、2.9℃ 高 温 で あ
温 度 が 維 持 で き な くな って い る。そ して 、30%重 量
の 蓄熱 材温 度 は、翌 日の2時 には 15%重 量 の もの と同
った。
また 、パ ラフ ィ ン系 で は蓄 熱 材 と舗 装表 面 とに 蓄
じ温度 にな って しま う。
この 例 で は 、昼 間 の 舗 装 温度 が か な り高温 にな っ
熱 時 の 昼 は 最 大 8.8℃ 冷却 時 の 深 夜 早朝 は最大 2.4℃
の 温 度 差 が 生 じて い る。しか し、包 接 水 和 系 蓄 熱 材
て い る ので 、そ うで な か った 例 と して 1月 4日 か ら5
4、 図 ¨
5を 挙 げ る。4日 の 昼 間 の 蓄 熱 材 な し
日の 図 ‐
で は 、蓄 熱 時 で 4.9℃ 、冷 却 時 で 1.2℃ の 差 にす ぎ な
の 舗 装 表 面 の 最 高 温 度 は 10.3℃ で あ った 。5日 の 朝
-14-
た い る。15%重 量 の 包 接 水 和 系蓄 熱 材 で はそ う した
第 1編
調査研究報告
,‐
1.2℃
,‐
1.7℃ で あ る 。最 低 舗 装 表 面 温 度
が 2.2℃ 高 い包接水和 系 15%で も結露 は生 じな い と推
測 され るので 、実務 的 には これ で も良 い こ とにな る
と思 わ れ る。な お 包 接 水 和 系 30%の 蓄 熱 材 で は 、8.8
℃ 以 上 に温 度 が上が らな い ことか ら図‐
3で のよ うな
一 定温 度 保 持 は見 られ な い 。
パ ラフィン
☆ 露点
c-3
∞”
\∞
1・
醤
面
0.5
0
:日
震0.5
-1
°
Cl.5
一
\∞
∞一
\∞
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卜 \N
,
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め \N
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回
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0,
\,
7・
ゆ\,
]
,F
回ロ
∞銀\国
-2
が 生 じな い と推 測 され た 。しか し、包 接 水 和 蓄 熱 材
で は ほ とん どのケ ー ス で 露点 以 下 にな って い る。
寸\∞
日 5
最 1
観測地 か ら500m離 れ た地点で の福 井地方気 象台 の
観 測 露 点 温 度 を図 -6に 示 した。そ れぞ れ の 舗 装 表 面
温 度 が 露 点 温 度 よ り高 けれ ば 、結 露 は 生 じな い 。従
って 、パ ラ フ ィ ン系 蓄 熱 材 で は 、い ず れ もほぼ 結 露
\∞
,
Φ
倒\”
2
トN\銀
,
ンは-0.H℃ で あ った。
倒N\N
トロ
\倒
30%は -091℃ 、ノヽラ フ ィ
マF
\倒
め られ な い こ とが 分 か る。さ らに、平 均 値 を求 め る
と、蓄 熱 材 な しは -1.77℃ 、15%は -0.78℃ 、20%は
0\N
25%に は 、効 果 差 は 認
∞ア
\倒
1シ ーズ ンでの 効果比較
月 13日 を除 いて 、ほぼ パ ラ フ ィ ン系封 入 と蓄 熱 材 な
しの 中 間 の温 度 に ま で 舗 装 温 度 を 上 昇 させ る
こ と が 分 か る 。た だ し 、理 由 は 分 か らな い が 、2
月 17日 と3月 13日 の 両 日に効 果 が み られ な い な ど不
安 定 な 点 が み られ る。図 -7か らは 、30%の もの が 最
\N
O,\一
,
0
\一
4 回Щ
・
積 雪 が な くて 蓄 熱 材 な しの舗 装表 面 温度 が -0.5℃
6と 図 ‐
以下 にな った 午 前 7時 の 各舗 装表 面温度 を図 …
7に 示 す 。図 -6か ら、包 接 水 和 系 15%は 、2月 17日 と3
-0.70て〕、25%は -0.739C、
蓄熱材なし015%
°
4.シ ーズ ン通 じて の効 果
も効 果 が 少 な く、15%、 20%、
0 ■
-1.0℃
2 1 0 1 2
一
一
,
日最 低 路 面 温 度
の 最 低 舗 装表 面 温 度 は 、蓄 熱材 な し、パ ラフ ィ ン 系 、
3.4℃
包接 水 和 系 15%、 包 接水 和 系 30%で 、そ れぞ れ ‐
1シ ーズ ンでの効果比 較
ラフ ィン系 よ り高 い ことと潜 熱量 がパ ラフィン系 よ
り多 い こと を生 か して 、蓄 熱材 をタ ンク に蓄 えて タ
ンク と舗 装表 面 とを熱 媒体 で 熱移送す る ことが 期待
で き るよ うに思 わ れ る。
5.ま とめ と展 望
福 井 市 内 の 気 象 で は、包 接 水和 潜 熱蓄 熱材 を鋼 床
版 橋 の 舗 装 に封 入 す れば 、放 射冷 却 時 にパ ラフ ィ ン
系 ほ どの効 果 は得 られ な い もの の 平 均 す る と約 1℃
舗 装表 面温度 を上昇 させ る効 果 が あ る ことが分 か つ
た 。た だ し効 果 が な い 日もみ られ た 。ま た 、パ ラ フ
ィ ン系 を封 入 した舗 装表 面温 度 は 、シ ー ズ ンの ほぼ
全 て の 放 射 冷却 凍 結 で 露点 以 上 で あ った が 、包 接 水
和 系 で は ほ とん どで 露点 以 下 で あ った。
水 で 薄 め る こ とに関 して は 、潜 熱 量 の 大 きな 30%
の 蓄 熱 材 で は 、夕 方 7時 か ら4時 間 8.8℃ と一 定 温
度 を保 持 す るが 、深 夜 には 温 度 低 下 し、早 朝 には 他
よ り効 果 が な くな る こ とが 分 か った。15%と 最 も水
の 多 い ものが水 の 少 な い30%よ り早朝 の 凍 結温度 を
上げ る効 果 が あ る こ とが こ とが 分 か つた。今 回 の 実
験 か ら蓄 熱 材 封 入 方 式 で は 、現 状 の 包 接 水 和 蓄 熱 材
を前提 にす る と実用 化 は 困難 で あ る と思 われ る。
む しろ30%の もの の 、融 点 が亡 硝 系 よ り低 くてパ
-15-
謝辞
日本 鋼 管 (株 )エ ン ジニ ア リング研 究 所 エ ネ ル ギ
ー 研 究 室 とNEDO(新 エ ネルギ ー・産 業 技術 総 合 開発
機 構 )に は 、開 発 研 究 中 の 包 接 水 和 物 を提 供 い た だ
い た 。さ らに模 型実 験 の 制作 に 際 して も多 大 な協 力
を い ただ い た。記 して 謝 意 とす る。
文 献
1)宮 本 重 信 ・ 室 田 正 雄
:鋼 床 版 橋 路 面 の 蓄 熱 材 封 入
に よ る 凍 結 抑 制 の 研 究 ,土 木 学 会 論 文 集 ,No
574
/11-36,pp 73-83,1997 9
2)宮 本 重 信 :鋼 床 版 橋 路 面 で の 蓄 熱 材 封 入 凍 結 抑 制
法 の 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る 効 果 予 測 ,土
木 学 会 論 文 集 ,No 595ノ Ⅵ -39,pp
3)宮
H7-125,19986
本 重 信 ・ 室 田 正 雄 :蓄 熱 材 封 入 に よ る 鋼 床 版 橋
路 面 の 凍 結 抑 制 ―閉 断 面 リ ブ 鋼 床 版 橋 で の 計 測
福井県雪対策・建設技術研 究所
第 13回 寒 地 技 術 シ ン ポ ジ ウ ム 寒 地 技 術 論 文・報 告
,vol 13,pp 121-125,1997 12
4)宮
本 重 信 ・ 室 田 正 雄 :鋼 床 版 橋 の 路 面 凍 結 と 蓄 熱
材封 入 によ る抑 制
,「
橋 梁 と基 礎 」
,Vo1 32,No 6,pp 25-31,1998 6
5)宮
本 重 信 :自 然 熱 源 に よ る 路 面 の 融 雪 ,凍 結 抑 制
に 関 す る 研 究 ,名 古 屋 工 業 大 学 学 位 審 査 論 文 ,第 10
章∼第
13章
,19993
-16-
年報地域技術第 12号 1999.7
第 1編
調査研究報告
ロロ
路 奪l融 雪水 による路面凍結の排水性舗装 による対策
Measures for Road― lcing Of Water Flowed from Remaining Snow
on Roadside Using Drainage Pavement
宮 本 重 信・ 道 辻 保
要 旨
片 勾配 区間 で は 、除雪 で 路 側 に積 まれ た残 雪 が昼 間 に溶 けて車 線 に流 れ 出す 。これ が翌 朝 に凍
結 して 交 通 の 渋 滞 や 事 故 にな って い る。そ の 対 策 と して 、路 側 部 の 舗 装 を排 水 性 舗 装 に し、溶 け
た水 を排水側 溝 に 流 し、車線 へ の 流 出 を防 ぐ ことを試験 的 に実 施 した。そ の効 果 を確 認 した。
キ ー ワ ー ド:残 雪 融 雪水
排 水 性舗 装
路側
除雪帯
1.は じめ に
片 勾 配 区間 の 車道 で は 、除雪 で 積 まれ た雪 が昼 間
に写真 -1の よ うに溶 け出す。これ が翌朝 に凍 結 して
交 通 の 渋 滞 や 事 故 にな る。これ は 、排 水 生 舗 装 を利
用 す れば 、建 設 費 も安 く将 来 の 維 持 管 理 な しで 防げ
る よ うに思 わ れ た の で 、福 井 県 大 野 市 花 山峠 で 、モ
デ ル施 工 を実施 した。
2.工 法 原 理
対 策 と して、日本道 路 公 団 で は路側 と車 道 の 間 に
溝 を切 って 、そ こに 水 を集 め て 、車 道 には 流 れ な い
よ うに して い る。しか し、自転 車 な どの通 る一 般 道
写真 ―1
路側 残 雪が溶 けて流 れ た状 態
路 で は走 行 の 支 障 にな る こ と と 目詰 ま りが 懸 念 さ
れ る。
また 、車 道 全 部 が排 水 性 の 舗 装 で あれ ば 、除 雪 し
た雪 か ら流 れ た水 が凍 結 して の 問題 は生 じな い 。し
か し、降 雪 時 の 排 水 性 舗 装 は 、地 盤 か らの熱 が 遮 断
され 凍 結 しや す い 。雪 も 早 くか ら積 も る。ま た 、融
雪剤 が舗 装 の 下 面 に流 れ て しま い 、融 雪剤 を従 来 舗
装 の 2倍 以 上散布 しな い と効 果 が得 られ な い と指 摘
され て い る。した が って 、少 な く と も県 内 の 多 雪 地
で は 問題 だ と思 われ る。
そ こで 、路側 の み を排 水 性 の 舗 装 に して 融 雪 水 が
流 れ 出 さ な い よ う にす る 方 法 (図 ‐1)を 考 え た 。こ
図 -1 概 念図
の 方 法 な ら走行 車線 で な いので 、凍 結 や雪 が 早 く積
追 い 越 し と本 線 、右 側 の 車 線 に まで 、融 雪 水 が 流 れ
る。そ こで 、路 側 の 表 層 を切 削 し、排 水 性 舗 装 を実
施 した (写 真 -2)。 も し も、舗 装 の 新 設 時 の 施 工 で
もる ことが 問題 にな らな い 。
3.試 験施 工
この 現 場 は 、カ ー ブ 区間 で 片 勾 配 にな って いて 、
1の 左側 の 路側 に 除雪後 の残雪 が溶 けて左側 の
写真 …
あ るな ら工事 費 は さほ どかか らな いで あろ う。また、
車 線 をオ ーバ ー レイ しな ければ な らな くな って も、
路側 部 の み をオ ーバー レイせず に済 ませ れば よ い と
思 わ れ る。施 工 も、地 元 業 者 で 施 工 で き た 。写 真 の
左側 の路側 に 除雪 され た雪 が溶 けて左側 の追 い越 し
*大 野土木事務所
と本線 、右側 の 車 線 に まで 、融雪水 が流 れ る。
-17-
福井県雪対策・建設技術研究所
写真 -2
写真 -3
年報地域技術第 12号 19997
写真 -4
路側 部 へ の排 水性舗 装 の施 工
路側 か らの融 雪水 によ る路 面 凍結
4.効 果
2月 9日 の 朝 はあち こちで路側 の 雪 が溶 けて路面 に
流 れ た も の が 凍 結 した (写 真 -3)。 しか し、この 現
場 は写 真 ‐4に 示 す よ うに、路 面 は乾 いて い て 、凍 結
は 生 じな か った。融 雪 水 で あ るか ら水 量 も少 な い の
で 、将 来 排 水 性舗 装 の 目が か な り詰 まって も路 面 に
流 れ る ことは な い よ うに思 わ れ る。
5.お わ りに
本 工 法 は単 純 で 明快 で 、効 果 も明 らか で あ る。コ
ス トも新設時 に実施すれば それ ほ ど費用 を要 しな い。
路 側 の 雪 か らの 融雪水 は降 雨 ほ ど多 くな い と考 え ら
れ る こ とか ら、舗 装 が か な り目詰 ま り しな い 限 り、
効 果 が得 られ る もの と思 われ る。
なお池 田拓 哉建設 省土木研 究所舗装研 究 室長 か ら
は 、車 線 部 で な い ことか ら耐久 性 よ り排 水 性 を優 先
させ て 、よ り空 隙 の 大 きな排 水 性 舗 装 に され て は ど
うか との 助 言 を い た だ い た。
-18-
路 側 融 雪水 の流 出 によ る路 面凍結 はな い
第 1編
調 査研 究 報 告
路面凍結情報 システ ムの研究
その 2
Study on Road Freezing Infomation System (Part.2)
室 田 正 雄・宮 本 重 信
要 旨
い
の
の
の予想デ ー タ とあわせて数値 シミュレー シ ョンで
の
、
を行
把握
気象庁
現況
路面状況
冬季
翌朝 まで の路面温度 、結露 量 を予測す る ことを試 みた。路面 の す べ り抵抗 を予測す るた め、水 を
多 く含 んだ雪 の圧雪 の形成 、結露量 と路 面 のす べ り抵抗 の 関係 を実験 で確認 した。現況 の路面状
況 を遠 隔地 で 知 るため、埋設型積雪セ ンサ ー や ビデ オカメラによる路面観測 な どを行 い 、知見 を
得た。こ うした ことで 融雪剤 の適正散布 を 目指 した
圧雪、
数値 シミュレーシ ョン
積雪感知、
結露、
融雪剤、
路面すべ り抵抗、
キー ワー ド:凍 結防止剤、
予測、
1.は じめ に
昨 年度 の 報 告 で は、路 面 凍 結現 象 の把 握 とそ の 観
測機 器 の 選 定 、予測 技 術 の重 要性 とシステ ム の 説 明
を行 つた。
冬 期 の 路 面 の す べ り抵 抗 は 、① 積 雪 と圧 雪 ②
路 側 な どか ら流 れ た 水 の 凍 結 ③ 空 気 中 の 水 分 の
結 露 の 三 つ に よ っ て 低 下 す る 。こ こで は 、圧 雪 が
水 分 を多 く含 ん だ 積 雪 で もで き る か ど うか 、路 面
結 露 量 と路 面 す べ り抵 抗 の 関 係 な どを実 験 で 明 ら
か に した 。そ して 、実 際 に 気 象 庁 デ ー タ な どか ら
路 面 の 温度 と結 露 量 、す べ り抵 抗 の 予測 を行 つた。
さ らに、現 況 路 面 の 積 雪 の 状 況 、塩 分 濃 度 な どを
ビデ オやセ ンサ ーで 遠 隔か ら感 知す る実験 を行 つて
得 た知見 を紹介 す る。
写真 -1 水分 を多 く含ん積雪 の圧雪
80
0
70
0
0
6
18:。
I。
1
° 06
0
路 面 の 結 露 (霜 付 着 )量 とす べ り抵 抗 につ いて は 、
D。
福 原輝 幸 らが 一 回 の 実 験 デ ー タ を示 して い る
0
。%
'0。
0 0 0
2 1
3.結 露 凍結 と路 面 の す べ り抵 抗
9° °
0
3
この 圧 雪 は 白 く透 き通 り、そ の 表 面 は氷 膜 で 、そ の
上 に水分 があつて 非常 にす べ りやす い もので あった。
:°
0
4
せ た 。写 真 -1は そ の 状 況 を 示 す 。そ の 結 果 、こ の
よ うに多 くの水 分 を含 ん だ積 雪 で も圧 雪 とな った。
0
5
水 分 をそ れ が 積 雪 か ら流 出す る限度 と思 わ れ る
50%と 多 く含 ん だ 降 雪 間 もな い 積 雪 の 上 を 、鉄 輪
にゴ ム を張 り付 けた模 型 車 輪 を繰 り返 して 走 行 さ
N
滑 り抵 抗 P
8
2.水 分 を含 ん だ積 雪 の圧 雪
10
20
0
8 : :° So€ooo6
30
40
,0●
.。 。 。
50
霜付着量 (g/ボ )
図 -1 霜 付 着 量 と滑 り抵 抗
そ の 路 面 の 結 露 量 とす べ り抵 抗 の 関係 の 確 認 とそ
の 際 の 路 面 温 度 との 関 係 を把 握 しよ う と実 験 を行
ァル ト舗 装 の 供 試 体 を 用 い た 。こ の 供 試 体 を低 温
室 で 冷 却 し 、こ れ を低 温 室 か ら出 して 電 子 天 秤 の
った。
上 に 置 い て 、表 面 の 結 露 量 を 計 測 し な が ら、路 面
の す べ り抵 抗 を振 り子 式 す べ り抵 抗 器 で 計測 した 。
今 回 の 実 験 で は 、密 粒 度 舗 装 の 表 面 をそ の ま ま
用 い た の で は 、す べ り抵 抗 器 で 計 測 値 の 再 現 性 が
得 られ な か っ た の で 、表 面 を少 し研 磨 した ア ス フ
-19-
低 温 室 で 供 試 体 の 温 度 を変 え て 実 験 を繰 り返 し
た 結 果 を 図 ‐1に ま と め て 示 した 。結 露 量 が 増 え る
福井県雪対策・建設技術研究所
と徐 々 に路 面 の す べ り抵 抗 は下 が った が 、結 露 量 が
年報地域技術第 12号 19997
20g/ぶ 以 上 にな って も、BPN(BritiSh Pendulum Num
管 理 で 最 も困難 な箇 所 と して い る高 屋橋 と した。こ
の 橋 は 、鋼 床 版 橋 で 、路 面 の 熱 容 量 が 小 さ い こ とか
bcr)で 約 26以 下 にな る こ とは な か った 。また 、結 露
ら結露 や圧 雪 にな りや す い 。
が付着す る以 前 のす べ り抵抗 が異 な る状態 か らス タ
ー トして も、い ず れ も結 露 量 が 20g/ぶ 以 上 にな る と
BPNで 26を 示 す よ うにな った。結 露 な しで の す べ り
抵 抗 のバ ラツキが路 面温度 によ って生 じるか どうか
につ いて 調 べ たが あ ま り明瞭 な関係 は得 られ なか っ
た。
表面 の研 磨 によ ってそ の路 面 のす べ り抵抗 が下 が
る こ とを心 配 した が 、結露 な しで BPNで 60を 示 して
い る こ とか ら、そ の影 響 は大 き くな らな か った も の
と思 わ れ る。
な お 、福原 輝 幸 らの実 験 で は BPNで 85で あ った路
面 が結露量 8g/1riで 一 定値 のBPN20に 急激 な低下 とな
って い る。しか し、筆 者 らの今 回 の 実 験 で は 図 -1に
午後 5時 に土 木事 務 所 が 翌朝 の 融 雪 剤散 布 を決 め
る 際 の 参考 にす る こ とを想 定 して 予知 を行 った。計
算 で 初 期 値 と して 与 え る 路 温 は 、電 話 回線 で 入 手 し
た午後4時 の もの を路 面 の 初期温度 と して入 力 した。
ま た 、鋼 床 版 橋 で は 床 版・舗 装 の 総 厚 が 薄 い の で 、
舗 装表 面下 10mmの 温度 で全 て を代 表 させ た。
路 面 温 度 と結 露 量 の 予 想 に は 、気 温 、風 速 、雲 の
高 さ (上 中 下 )ご と の 雲 量 、降 雨 量 、湿 度 (水 蒸 気
圧 )の 気 象 予 知 デ ー タ が必 要 とされ る。気 象 庁 は 平
成 7年 5月 か らこれ らの 予測 数値 を20k mメ ッ シュで
GPV(Grid Point Valuc)と して 公 開 して い る。午 前 9
時 の デ ー タか らの 予 想 値 が 、気 象庁 の 大 型 計算 機 で
数 値 シ ミュ レー シ ョンで予 測 され 、そ の 結 果 を 17時
示す よ うにそれ ほ ど急 激 で 大 きな低下 にはな らなか
には 気 象協 会 か らも得 る ことが で きる。気 象協会 は、
った。
気 象庁 の 予想値 を使 い アメダス地 点 につ いて も予想
を行 っ て い る。今 回 は 、気 温 に つ い て の み 、この 予
4.橋 梁部 の路温・結 露 量 の 予 測
想 値 を用 い た。
(1)条 件 な ど
路 面 予測 の 対 象 は、福 井 土木 事 務 所 が冬 期 路 面 の
計 算 は 、舗 装 表 面 で 、放 射 、対 流 、蒸 発 、降 雪 、
降 雨 と地 中か らの熱伝 導 を考 慮 した 式 に 基 づ いて 、
20
予測値
15
0 5 0
気 温 ℃
‐5
現 地計 測値
ヽ
R99ミ
世
寺卜
1/3∼
4
「
99日 ,寸 ト 99ミ マト _09ミ ー寺ト 99ミ マト 99ミ F守 ト
1/4∼ 5
1/5∼
「 6
2
図…
1/6´ V7
「
2/8-9
2/16´ ‐17
気温 の実測値 と予測値
一・
10
予測 下層雲 量
8
6
4
2
下層 雲 量 ︵
10分 比 ︶
│
気象台実測
ヽ
民奮
99ミ ー(卜 99ミ 寸ト 99N― せい 99R「 寸卜 99ミ ーマト 98日 ,寸 ト
1/3´V4
「
1/4-5
3
図…
1/5-6
1/6-7
下層雲量の実測 値 と予測値
- 20 -
2/8-9
2/16-17
第 1編
調査研 究報告
5
0
5
表 面 温度 ℃
0
マト 99ミ ,マ ト 99ミ r寸 卜 99ミ ーヾ卜
「 5
1/5-6
1/6-7
2/8-9
1/4∼
図 4̈ 舗装表面温度の実測値 と予測値
R99ミ rマ ト 99ミ
宙
1/3∼ 4
99A「 守ト
2/16-17
0
“ 0
g/ 2
m
民古
卜 99ミ =寸 ト
い 99ミ r寺 ト
寸い
―寸
99ミ ー寸卜 99日 ,寸 ト 99R― や卜 99日
R―
1/3-4
1/4-5
1/5∼ 6
1/6-7
2/8-9
2/16-17
5 舗装 に付着す る結露量予測値
図…
前進 差 分 法 で 求 め た。実測 の 気 象デ ー タ を用 いて の
鋼 床 版 橋 路 面温度 の 計 算値 は 、雲 量 とそ の 雲 タイ プ
協 会 の 局地 予 測 値 と実測 値 を比 較 して 示 した。予 測
値 は 、実 測 値 に比 べ 、気 温 が 昼 か ら夜 に 変 動 す る 16
が9時 、15時 、21時 の一 日3回 の 計 測 で あ る に も 関わ
時 で はか な り大 き くず れ る こと、早朝 にな るにつれ 、
この 誤 差 は 小 さ くな り、ほぼ 3℃ まで にお さ ま る こ
らず 、降 雪 と結 露 凍 結 の 繰 り返 した 10日 間 、非 常 に
よ く 一 致 した "。 そ の こ とか ら、計 算 式 は か な り検
証 され て い る とい え よ う。そ こで は 、気 象 日原 簿 に
記載 され た雲 の 種 類 か ら雲 底 の 高度 を推 定 し、夜 間
放 射 量 を求 め る 方 法 を用 い た 。しか し、気 象 庁 の 予
報 で は 、雲 の 種 類 は 上 層 雲 、中 層 雲 、下 層 雲 に 区分
され て い る ので 、そ の 種 別 に基 づ いて 夜 間放 射 量 を
求 め た 。2つ の 雲 が 重 な る場 合 に は 、地 上 か ら見 て
の 雲層 とそ の 量 を配分推定 した。夜 間放射 の 式 には、
山本・Bruntの 式 を用 い た。
とが 分 か る。
3は 、舗 装表 面 の 熱 収支 に比 較 的大 きな割 合 を
図‐
有 す る放 射 に最 も大 きな影 響 を与 え る下 層雲 の 雲量
を実 際 の 観 測 値 と比 較 した もので あ る。な お 、実 測
値 は 、15時 、21時 、9時 の 観 測 値 か ら内挿 して い る。
予 想 結 果 は 、1/4∼ 5と 1/6∼ 7は 良 い が 、他 の4回 は
実 測 とか な り離 れ て いる 。
舗 装 表 面 (表 面 下 10mm)の 路 面 温 度 に つ い て 、
4に 示 した 。そ れ ぞ れ の 日 ご との予測 最低 路 温 と
図‐
2.3℃ 、-0.9℃ 、0.4℃
実 測 最 低 路 温 計 算 値 の差 は‐
‐
1.1℃ 、0.3℃ 、
0.1℃ で 平 均 085℃ の 誤 差 で あ っ た 。
,
(2)代 表 的な予 測結 果 と実際 の比 較
この 橋 は 、降雪 時 には 融 雪 装 置 によ って 融 雪 され
るので 、ここで は 、結 露 凍結 (霜 )の 予知 を行 った。
降雨 (雪 )が な くて早朝路 面温度 が 2℃ 以下 にな った 1
999年 1月 か ら2月 中旬 を対 象 に した 。この 年 は か な
り暖 冬 で 、そ の 回数 は 6回 と 少 な か った 。この6回 に
つ いて 、予測 値 と実 際 に高屋 橋 で 観 測 した 値 につ い
て 以 下 に示 す 。 まず 、気 温 につ い て 、図 ‐
2に 気 象
-21-
これ は 、気 温 と下 層 雲 量 の 予測 値 に比 べ る と、良 く
一 致 して い る。
この 路 面 予測 の精 度 は、各地 点 ご とに路 面温度 を
気 象デ ー タか ら統 計 的手法 で予測す る方法 を用 い た
富 山県 で の 結 果 とあ ま り変 わ らな い よ うで あ る "。
統 計 的 な手 法 で は、過去 数 年 の 地 点 ご との路 面温 度
計測 デ ー タ を必 要 とす る ことか ら、熱 収 支法 の 数値
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
表 ‐3
12
積 雪 セ ンサ ー稼 動 判 定表
10
実
8
ョ
積雪
6
セ ンサ
度 4
℃
2
22〔
(71%)
積雪 な し
16:00
計
:9:00
22:00
1:00
4:00
60
乾燥
計
32
31S
(9%) (10%) (100%│
1601
∩ン
‐
2
ぬれ
673
‘U
うι
0
6
図…
積雪 あ り
ー判定
際
192(
7:00
時間
1月 6∼ 7日 の表面温 度 、実測 と計算値 (地 盤部 )
シ ミュ レー シ ョン法 の方 が労 力面 で は有利 な 方法 と
思 わ れ る 。しか し、今 回 の 予 測 数 は 、富 山 の そ れ
に比 べ あ ま りに少 な いので 正確 で はな い 。今 後 の 検
感 知 され る こ とにな る。自 らの光 が 受 光 で きれ ば 、
積 雪 と判 断 す る。誤 操 作 防止 に 受 光 が 一 定 時 間 継
続 す る こ と と、セ ンサ ー 本 体 に 設 置 され た 温 度 セ
ンサ ー が 一 定 温 度 以 下 で あ る こ とが 積 雪 の 前 提 条
討 に委 ね た い 。
路 面す べ りに影 響 を与 え る路 面 へ の 積算結露量 を
件 とな って い る。
この 埋 設 型 積 雪 セ ンサ ー を場 内 の 無 散 水 融 雪 融
図 -5に 示 す 。結 露 が か な り生 じる予想 結 果 とな って
い る。
雪 の 実 験 に 用 い た と ころ 、トラブ ル の な い 融 雪 運
転 とな っ た の で 、今 回 は 車 道 に この 安 価 な セ ンサ
ー を設 置 し、この 積 雪 セ ンサ ー の 正 確 さ を検 証 す
5
地盤 部路 面温 度 の 予 測
地盤 部 の 観 測 は 国道 416号 上志 比村 山王 の 道 路 上
で 行 つた。こ こは 周 囲 に 日射 や 夜 間放 射 を遮 る もの
が な い と ころで あ る (グ ラ ビア参 照 )。
地 盤 部 は 橋 梁 部 に比 べ て 凍 結 現 象 が起 こ りに く
い 。橋 梁 部 に比 べ 層 厚 の 大 き な 舗 装・地 盤 が 昼 間
の 熱 を蓄 え 、舗 装 表 面 の 急 激 な 温 度 変 化 を抑 制 す
る ことに した。
表 -3は 積 雪 感 知 セ ンサ ー が稼 動 した 1920時 間 中
の 積 雪 の 有 無 判 定 時 の 実 際 の 路 面 状 況 を積 雪 、ぬ
れ 、乾 燥 に 区 分 して 示 した も の で あ る 。融 雪 装 置
の 制 御 に この セ ンサ ー を使 う と、路 面 が 乾 燥 して
い る の に 積 雪 あ りと間 違 って 融 雪 装 置 が 散 水 す る
こ とが 融 雪 全 体 の 10%生 じる こ と に な る。この 場
シ ョン の 初 期 値 に は 、舗 装 の 深 さで 、1.5cm,20cm,
合 に は 、散 水 した 水 が 周 辺 で 凍 結 して 非 常 に 危 険
な 状 態 にな る。た だ し、この 32回 中 6回 は 凍 結 防 止
32.5cm,45cm,85cmの 温度セ ンサ ー か らの値 を用 い た。
典 型 的 な 日の 様 子 を図-6に 示す 。
剤 を誤 って 雪 と感 知 した 場 合 で あ った 。乾 燥 で の
誤 判 断 に 結 露 に よ る も の が あ る か ど うか は 、ビ デ
る か らで あ る 。した が っ て 、予 測 数 値 シ ミ ュ レ ー
オ カ メ ラか らの路 面 状 況 の 判 断 で は 分 か らな か っ
6路 面 の現況 把握
た 。こ の 調 査 結 果 か ら、この 種 の セ ンサ ー を散 水
(1)埋 設 型積 雪 セ ンサ ー につ いて
融 雪 に用 い る こ とは 誤 操 作 に よ る 危 険 な事 故 が 想
定 さ れ る 。した が っ て 、水 分 検 知 と合 わ せ て 行 う
筆 者 らは 、12年 以 前 に 県 内企 業 と路 面 の 上 か ら
光 を放 射 し、そ の 路 面 反 射 量 が 積 雪 時 に は 増 え る
こ と を利 用 して の 融 雪 装 置 制 御 用 の 積 雪 セ ンサ
ー を共 同 開 発 した 。融 雪 の 制 御 に 使 えば 大 幅 な 省
資 源 に な る こ とか ら、県 内外 で広 く使 われ て い る。
一 昨 年 、積 雪 を感 知 す る埋 設 型 セ ンサ ー が 、北
海 道 で 開 発 され た 。これ は 北 海 道 で は 家 庭 の 駐 車
場 用 に 使 わ れ る こ とで 量 産 され 、価 格 が 筆 者 ら と
こ とが 必 要 と思 わ れ る 。な お 、筆 者 ら と の 共 同 開
発 の積 雪 セ ンサ ー で 別 のハ イ グ レー ドな機 種 は、
水 分 セ ンサ ー を併 用 して 散 水 融 雪 に 使 用 して い る
ので 、このよ うな トラブル は生 じな い もの と思 う。
先 に 述 べ た 県 内 の 積 雪 セ ンサ ー は 、10年 近 く歩
の
道 無 散 水 融 雪 と車 道 散 水 融 雪 を組 み合 わ せ た 融
共 同 開 発 した 製 品 の 一 割 ほ ど と安 価 で あ る 。そ こ
で 、この 埋 設 型 の 積 雪 セ ンサ ー で 、路 面 積 雪 の 有
雪 装 置 を 3カ 所 運 転 して き た が 、幸 い に も、この よ
うな 危 険 な 誤 操 作 は 生 じて い な い 。これ は 、今 回
の 安価 な埋 設 型 のセ ンサ ー で は直 径 2.5cmの 狭 い 樹
無 の 判 断 を行 い 、そ れ が 実 際 に正 しか っ た か ど う
か を 調 査 し た 。こ の 積 雪 セ ン サ ー で は 、内 部 の
脂 板 上 の 光 の 遮 断 で あ る の に 対 して 、県 内 の 積 雪
セ ンサ ー で は直 径 30cmほ どの 路 面 の 赤 外 線 光 の 反
発 光 ダ イ オ ー ド光 が 天 空 に 向 か って 放 射 され 、路
面 の 高 さ に 設 置 され た透 明 の 強 化 樹 脂 板 を透 過 し
た 光 は 、そ の 樹 脂 板 上 に 積 雪 が あれ ば そ れ に 反 射
(2)ビ デ オ カ メ ラ設置 の注 意
射 を判 定 して い る ことによ る と思 わ れ る。
さ れ 、再 び 樹 脂 板 を透 過 し、セ ンサ ー の 受 光 部 で
- 22 -
積 雪 セ ンサ ー と路 面 温 度 予 知 に 関 わ り、この 現
第 1編
調査研 究報告
6
場 の ビデ オ カ メ ラ を設 置 して の 路 面 状 況 の 観 察 を
16
4
行 つ た 。ま た 、昨 年 は ビ デ オ カ メ ラで 得 られ た 映
像 を イ ン タ ー ネ ッ トで 事 務 所 で 見 て き た 。こ う し
12
8
10雰
6
濃
↓′ kヽ
4
照 明 は 必 須 とな る。カ メ ラの 性 能 に 応 じ十 分 な 光
量 で 路 面 を照 らす こ とが 必 要 だ が 運 転 の 妨 げ にな
0
路 面状 況 は夜 間 早朝 に悪 くな る ことが多 いの で 、
2
表 面温度℃
た 中 で 得 られ た知 見 を報 告 す る。
14
6魔
ト
2
4
0
2
2
っ て も良 くな い 。雨 風 用 の ワイ パ ー と 湿 度 が 高 い
とカ メ ラ室 が結 露 す るので 暖 房 器 具 も必 要 で あ る。
2:00
画 像 内 に 長 さ 、大 き さ の 分 か る も の 、ま た は 距 離
5:00
8:00
11:00
14:00
0
艤間
標 を入 れ て お く と画 像 内 の 情 報 を得 や す い 。画 像
確 認 に は リア ル タ イ ム の 情 報 も必 要 だ が 、そ れ よ
図-7 1月 30日 の塩分 濃度 の推移
り もそ の とき の 状 態 が 把 握 で き る よ う、そ の 場 の
の 観 測 値 を示 す 。散 布 直 後 に検 出 し出 し8時 間効 果
別 気 象 時 の 画 像 、例 え ば 乾 燥 、湿 潤 、積 雪 の 画 像
が続 い た と計 測 され た。
を呼 び 出せ る よ う に して 比 較 す る と良 い 。この 画
グ ラ ビア に 2月 14∼ 15日 の 観 測 値 (点 線 )と 実 没1
値 (一 点 鎖 線 )を 示 した 。散 布 直 後 の 5時 に 検 出 し
像 は雪 情 報 シス テ ム の デ ー タ と 同画 面 に 映 し出せ
るよ うにす る とそ れぞ れ の 情報 を生 かせ る。
た が現 地 で 塩 分 濃 度 計 を用 いて 計 測 した 値 と この
セ ンサ ー か ら推 定 した 塩 分 濃度 とに差 が 生 じた。
(3)ト ラ フ ィ ックカ ウ ンタ ーの 利 用
セ ンサ ー の 感 知 部 は 10cm×
5cm程 度 で 小 さ い 。散
このよ うに ビデ オ カ メ ラを設置すれば路 面 の 状況
布 剤 は 固 形 で あ り散 布 ム ラが あ るた め に 誤 差 が 生
は ほぼ 把 握 で き る。しか し重 要 な の は交 通 に支 障 を
じた と考 え られ る。この 誤 差 を 生 じ させ な い た め
に 路 面 数 ゴ をセ ンサ ー に 見 立 て て い る 方 式 もあ る
きた して な い か ど うか で あ る。そ こで 交 通 量 を 目安
にす る ことは一 つ の 方 法 で あ る。交通 に支 障 が 発 生
すれ ば 速 度 は遅 くな り交通 量 が 少 な くな る。トラ フ
ィ ックカ ウ ンタ ー な るセ ンサ ー は通 行 台数 と速度 が
自動観測 で きる ので一 時 間 当た りの 交通 量 が計算 で
き る。道 路管 理 の 新 た な指 標 と して利 用 で き る点 は
多 い 。な お 、大 雪 で 電 車 利 用 にな る こ とや 休 日で の
交 通 量 の 減 少 が あ るので 、この 点 で の 取 り扱 い が 問
題 とな ろ う。
4)。
7.路 面温 度 か らの必 要塩 分 濃度 の算 出
凍 結 防 止 剤 散 布 の 必 要 な 時 間 お よび 量 が 前 日夕
方 に 判 断 で き る と便 利 で あ る。しか も凍 結 して か
らで は、間 に合 わ な い こと もあ る'。
イギ リス運 輸研 究所 のMarilyn BURTWELLら は前
述 の よ う にセ ンサ ー で 路 面 の 残 留 塩 分 量 を正 確 に
測 定 す る こ とは 難 し い と して 、路 面 の 水 分 量 を 固
(4)電 気 伝 導度 計 測 によ る埋 設 型 塩 分 濃 度 セ ンサ ー
の利 用
現 況 路 面 上 の 塩 分 濃 度 を把 握 す るた め に 塩 分 濃
定 して 予 測 路 温 によ り必 要 塩 分 量 を求 め る 提 案 を
6)。
行 って い る
固 定 さ れ た 水 分 量 と は 0.5ミ リ
度 セ ンサ ー の 性 能 確 認 を行 った 。このセ ンサ ー は 、
2.5℃ と 予 想 され る と した とき 以 下 の 式 に
温 度 が‐
電 気 伝 導 度 が塩 分 濃 度 に 依 存 す る こ と を利 用 した
も の で あ る 。こ の 電 気 伝 導 度 の 感 知 部 は 、絶 縁 さ
よ って必 要塩 分 濃度 お よび散 布 量 が導 かれ る。
れ た 二 重 の 金 属 輪 で 構 成 され 、そ の 表 面 が 舗 装 表
面 の 高 さ にな る よ う に 路 面 に埋 設 す る 。表 面 に 水
な どが あ れ ば 、そ の 物 質 の 電 気 伝 導 度 。誘 電 率 が
このセ ンサ ー を現地 に設置す る前 に塩分濃度 とこ
の 電 気 伝 導 度 との 関係 を求 めて お いて 、現 場 の 電 気
伝 導 度 か ら塩分 濃 度 を推 定 した。
この 図 -7に 1月 30日 の このセ ンサ ーで の 塩 分濃 度
あ る 。こ こ に 翌 朝 の 路 面 の 最 低
塩 化 ナ ト リ ウ ム の 凝 固 曲 線 の 傾 き =-0.6(℃
/
%)
(-2.5℃ )/(-0.6(℃ /%))≒ 4.2%
必 要散布 量 : X
計 測 され る 。これ ま で は 、路 面 上 の 乾 燥 、ぬ れ 、圧
雪 な どの 判 定 用 に 使 わ れ て い た 。塩 分 濃 度 を 計 測
す る に は 、感 度 が 良 す ぎ る の で 、メ ー カ ー に 改 造・
提 供 して い ただ い た。
(500g/ゴ )で
厚
X/(500+X)=4.2/100 .・ .X=21.9(g/」 )
グ ラ ビア には 2月 14∼ 15日 の 実 測 路 面温度 か ら必
要 塩 分 濃 度 を実 線 で 示 した 。実 測 塩 分 濃 度 と比 べ
た と き そ の 半 分 で 賄 え る こ とが わ か る 。現 在 、散
布 の 標 準 散 布 濃 度 レバ ー は 40g/ゴ にな って い る。
- 23 -
福井県雪対策・建設技術研究所 年報地域技術第12号 19997
そ こで 実 際 の 散 布 量 と以 下 の 条 件 で 仮 定 して 計 算
し比 べ た。
(1月 31日 ∼ 3月 1日 まで の 期 間 )
実 際散布 した 量
る と福 井 県 で は か な りの 融 雪 剤 の 節 約 とな る
で あ ろ うと推測 され た。
近 年 、自 動 車 道 路 の 整 備 で 、ス キ ー 客 な ど で
雪 道 に 不 慣 れ な 関 西 。中 京 か ら の 自 動 車 の 流 入
:
散 布 回 数 20回 =800(g/ボ
路 温 に 合 わ せ た 適 正 濃 度 ×散 布 回 数 20回
40(g/ゴ )×
)
:
Σ 散 布 日 の 適 正 濃 度 × 20回 =300(g/ゴ )
路 温 に 合 わ せ た 適 正 濃 度 × 必 要 散 布 回 数 22回
が 増 え て い る 。こ う し た こ と で 、冬 季 の 路 面 管
理 の 重 要 性 が 一 層 増 え て い る 。こ の 報 告 が 少 し
で も役 立 つ ことを願 う。
最 後 に 、こ の 研 究 に 当 た り ご 協 力 い た だ い た
:
Σ 散 布 日 の 適 正 濃 度 × 22回 =340(g/ぶ )
これ に よ り、最 適 な 塩 分 量 で 散 布 す れ ば 現 在 よ り
も少 な い 量 で 賄 え る こ とが わ か っ た 。必 要 な 340
(財 )日 本 気 象 協 会 北 陸 支 部 、例 市 岡 組 、北 海
道 の 木 村 電 機 製 作 所 、(株 )テ ク ノ ヒ ー トに 謝 意
g/ぷ を散 布 回 数 22回 で 割 る と 約 15g/ボ 。安 全 を
を 申 し上げ る。
道 路 保 全 課 、福 井 土 木 事 務 所 、勝 山 土 木 事 務 所 、
考 慮 して も 20g/ぶ で 十 分 と 考 え られ る 。これ は
約 -2.3℃ ま で 凍 結 を 防 止 す る 。た と え そ れ を 若
干 下 回 ろ う と も滑 り抵 抗 の 急 激 な 低 下 は な い の で
心配 は少 な い 。
以 上 に よ れ ば 、福 井 の ほ とん どの地 域 で 凍 結 防
止剤 散布 量 を削減 で き る こ とにな る。
この 方 法 と前 述 の 数値 シ ミ ュ レー シ ョンで路 面
温 度 の 予 知 を組 み 合 わ せ る こ とで 、適 切 な 融 雪 剤
の 散布 を前 日夕方 に指 示 で き る。
文
献
1)木 曽忠幸 :橋 梁路面 の結露凍結 に関す る基礎的研究,土 木学
会第50回 年次学術講演会pp 748∼ 749,19959
2)宮 本重信 :橋 面 の温度 ,積 雪 ,結 露 の数値 シミュ レー シ ョ
ンと蓄熱封入 の効果,福 井県雪対策・建設技術研究所年報「地
域技術」第 11号 ,pp l∼ 9,19987
3)富 山県 :路 面凍結予測手法等 の 開発業務委 託報告書 ,平 成 7
年3月 ,pp 99
4)蝦 名 ほか :建 設 省 東 北 地 方 建 設 局 青森 工 事 事 務 所 ,薬 剤
8.ま とめ
散布 と路 面塩分濃度 の測定方法 ,第 10回 雪 と道路 の研 究発
以 上 を要約 す る と次 によ うにな る。
① 水 分 を多 く含 ん だ 雪 で も 車 が 通 行 す る と圧 雪
になる。
② 路 面 に 付 着 す る 結 露 (霜 )量 が 20g/ゴ に な る ま
で は路 面 の す べ り抵 抗 は低 下 し、それ以 後 はBP
Nで 26と なる ことが分か つた。
③ 橋 梁 部 や 地 盤 部 な どの 構 造 を反 映 した 熱 収 支
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り 、気 象 庁 の 気 象 デ
ー タ を午 後 5時 に 取 り込 ん で 、路 面 温 度 、路 面 の
す べ り抵 抗 値 は 予 測 で き た 。橋 梁 部 で は 翌 朝
ま で の 最 低 温 度 の 実 測 値 と予 測 値 は 冷 え た 6回
の 平 均 の 誤 差 は 0.85℃ で あ っ た 。気 象 庁 や
気 象 協 会 の 気 温 や 雲 量 予 測 値 が か な りは ず れ
る こ と に 比 べ 、そ の 値 を 用 い た 路 面 温 度 は 、
比 較 的 一 致 す る 結果 とな った。
④ 埋 設 型 積 雪 セ ンサ ー は 、車 道 に 設 置 した 実 験
で 乾 燥 時 に 誤 って 積 雪 と判 断 す る こ とが 積 雪 判
断全体 の 10%生 じた。
⑤ 電 気 伝 導 度 計 測 に よ る 埋 設 型 塩 分 濃 度 セ ンサ
ー は 、あ る 程 度 使 え る 。しか し、融 雪 剤 が 固 形
で あ る と散 布 にム ラが 生 じる た め 、感 知 部 が 小
さ くて 誤 差 が 生 じる ことが あ る。
⑥ 予 測 さ れ た 路 面 温 度 か ら融 雪 剤 散 布 量 を 決 め
- 24 -
表会 ,pp 31∼ 38,1998
5)Marilyn BuRTWELLイ
ギ リス運 輸研 究 所 :英 国 の 路 面
凍 結検 出器 の評価 ,第 10回 PIARC国 際登記道路会議技術報
文 ,pp.179,(社 )雪 セ ンター,19991
第 1編
調査研究報告
すべ り防止舗装 の 開発研究
その 2
Technical Study of Anti… skid Pavement(Part.2)
室 田 正 雄・ 宮 本 重 信
要 旨
県内で産出する珪石骨材などを用 いたすべ り防止舗装のすべ り抵抗性、
耐久性、
騒音の追跡調査を行った。
キ ー ワー ド:す べ り防止舗装、シ リカサ ン ド、ニ ッケ ル スラグ、小粒径骨材露 出、騒音調査
1.は じめ に
昨年度 、数種 類 の す べ り防止 舗 装 を施 工 した 1)。 勝
山市北谷 町 の国道 157号 で シ リカサ ン ドアス フ ァル ト
舗 装 、ニ ッケル ス ラグ アス フ ァル ト舗装 、ホ ッ トロー
ル ドアス フ ァル ト舗装、ニ ッケルス ラグホ ッ トロー ル
ドアス フ ァル ト舗装 を施 工 した。南条町 、武 生市 の 国
道 365号 では配合 を変 えた シ リカサ ン ドアス フ ァル ト
舗装。越前町 の県道 では小粒径骨材露 出イ ンター ロ ッ
キ ングブ ロ ック (ILB)、 シ リカサ ン ドアス フ ァル ト舗
装 を施 工 した。これ らの耐久性 、機能性 を追跡 調査 し
写真 …1
た 。そ の 具体 的 な項 目は 、外 観 、磨 耗 量 、す べ り抵 抗
勝 山シ リカサ ン ドア スフ ァル ト舗装
三
三
≡
≡
≡
≡三
二│::三 ││111:│:│=三 │=│::│三
│=│:│││=│││││:│
│三
(BPN、 DFT)、 騒 音 で あ る。舗 装種 ご とに報 告 す る。
=三
=二
2.観 測
(1)シ リカサ ン ド(勝 山、武 生 、南 条 、越 前 町 )
a)外 観
写真 1は 勝 山の施 工 後 18ヶ 月程度 の外観 で あ る。
三 度 目 の 冬 を越 した 。シ リカ サ ン ドは ア ス フ ァル
トが 程 よ く とれ て シ リカ骨 材 が う ま く露 出 して き
て い る。磨耗 が進 んで も この 状態 はず っ と続 く。
写真
写真 ‐2
南 条 シ リカサ ン ドア ス フ ァル ト舗 装
写真 ‐3
武 生 シ リカサ ン ドア ス フ ァル 卜舗 装
2は 南 条 の 10ヶ 月 目 の様 子 。勝 山 同様 、シ リ
カ骨材 が露 出 してす べ り抵 抗 が 高そ うに見 え る。
写 真 中央 付 近 の 左 車 線 は細 か い シ リカ の 配 合 だ が
そ の まわ りの 荒 い 配 合 に比 べ て 黒 っぼ くな って い
る 。ア ス フ ァル ト分 が 少 し多 か っ た の で は な い か
と考 えて い る。
写真 3は 武 生市 内 の 剥がれ て しまった シ リカサ ン
ド舗 装 。既 設 舗 装 に ク ラ ック が た くさ ん 入 つ て お
りそ の影 響がす ぐに上 まで現れ た と思われ る。15mm
と 薄 いので 通常 の 密粒 度 アス コ ン50mmな ど と比 べ
b)耐 久性
て 影 響 が 出やす い。
-25-
福井県雪対策 。
建設技術研究所
表 ‐1
0.80
シ リカサ ン ドの耐久 性
密粒度
荒。
改質
細配合
荒配合
磨耗量
4mm
5mm
6 mm
5mm
磨耗幅
1.2rn
0.9rn
1.2rn
0.8m
流動量
4mm
4mm
2mm
4mm
項
目
年報地域技術第 12号 19997
Jo.ru
$ozo
施 工後 9ヶ 月
n
ヶ月後 に 磨 耗 量 調 査 を行 っ た 。シ リカ サ ン ド舗 装
0
は動 的 安 定 度 が低 く重 交 通 が 多 い と ころで は難 し
改 質 アス フ ァル トを使 用 した もの を施 工 した 。表 1
1
: △ 改質 Ⅱ型パインダー
∬郡 岬糎
南 条 の シ リカサ ン ド舗 装 につ いて 4ヶ 月及 び 9
い と言 わ れ た こ と も あ り、配 合 を荒 く した ものや
``
×
│ ↑ヽ
】
上
)│` :`
・
1蔦
計響
計 I I卜、L
$oos ││▲
S o.oo ,聾
I璽
配貪
合平
│ │\兆
\
10
20
30
40
50
60
70
速度 (km/h)
図‐1
す べ り抵抗
南条 シ リカサ ン ドア スフ ァル ト
に9ヶ 月後 の 最 大 磨 耗 量 と最 大 流 動 量 を表 す 。磨 耗
量 とは わ だ ち 部 にお いて 施 工 直 後 の 舗 装 面 よ り下
2
6
0
6
今 後 の 観 測 が 待 た れ る 。な お 、こ こ は シ リカ の 施
4
6
に劣 る と い え るが 現 在 の と ころ 大 きな差 で は な い 。
6
6
っ て い る 。そ の 点 に つ い て は 密 粒 度 よ りも耐 久 性
8
6
サ ン ド舗 装 の どの 配 合 も磨 耗 量 にお いて 大 き くな
0
7
と同 時 期 に 施 工 した 密 粒 度 ア ス コ ン に 比 ベ シ リカ
2
7
あ る 。そ の 最 大 値 を 表 した 。これ に よ る
4
7
父<ごじ ミてヽ中目
(mm)で
6
7
が つ た 深 さ (mm)、 流 動 量 とは 盛 り上 が っ た 高 さ
:ロ シリカA(改 質 Ⅱ型)
8
5
工 前 に レ ベ リ ング を行 っ て い る。レ ベ リ ング を し
を‐
6
5
な い 上 に 舗 装 状 態 も悪 か っ た 武 生 で は 、剥 が れ 、
変 形 が 多 数 見 られ た 。な お 、名 古 屋 市 内 で は 表 面
│
,こ
20
30
が 摩 耗 した セ メ ン トコ ン ク リー ト舗 装 に この シ リ
40
50
60
70
80
走行速度 (km/h)
図 …2
カ サ ン ド薄 層 オ ー バ ー レイ が 使 わ れ て い た が 、交
騒 音測 定 シ リカサ ン ドア ス フ ァル ト舗 装
通 量 もか な りあ っ た に もか か わ らず 、数 年 経 過 後
シ リカサ ン ドは 10%程 度 の 空 隙 が あ る こ とか ら
で も この よ うな 剥 が れ は見 られ な か った 。た だ し、
特 殊 な接 着 コー トが 使 わ れ た か ど うか は 分 か らな
排 水 機 能 も有 して い る と思 わ れ る 。実 際 雨 の 日 の
い。
観 察 で は 少 しば か り表 面 水 が 少 な い よ う に 思 わ れ
c)す べ り抵抗 値
た。これ もす べ り抵 抗 の 向 上 につ なが る。
す べ り抵抗 値 は英 国式 スキ ッ ドレジス タ ンス
d)騒 音 測 定
テスター (BPN)と ダイナミックフリクシ ョンテスター
排水性舗装 と呼ばれ る開粒度 アス コ ンは最近 では 専
(DFT)と で 測 定 した が 、こ こで はDFTの み を示 す
ら低騒音舗装 と呼ばれ るよ うにな って きた。シ リカサ
(図 1)。 低 速 か ら高速 の 全 て の 走行 で 密粒 度 に比
ン ド舗装 も空隙があることか ら騒音の低減効果 も期待
べ 、この シ リカサ ン ド舗 装 の す べ り抵 抗 値 は大 き
で きる。図 2に 密流度 との比 較 を示 した。これ によ る
い 。新 設 時 の す べ り抵 抗 基 準 値 (案 )2)と して 時
とシ リカは どのタイプ も2∼ 3dB程 度 の低下が認 め ら
速 60km/hで 0.40と して い る。これ によ る と密粒 度
れ る。実 際走 ってみて もそ の違 いが分 か る。図 3に は
で も0.6を 示 して い るが シ リカサ ン ドで は 0.65と よ
排水性舗装 のデ ー タ も併記 した。排水性舗装 と同程度
り安 全 な こ とが わ か る。す べ り抵 抗 が 高 い と い う
で あ る ことが 分 か る。
こ とは 制 動 距 離 が 短 くな る こ とで あ り安 全 な道 路
といえ る。
- 26 -
第 1編
調査研 究報告
0 5 0
︵
?︶
●こ ハヽ
てヽ中 出
50
30
40
50
00
70
80
走 行速 度 (km/h)
図 ‐3
騒 音 測定 ‐シ リカ と開粒 度 ―
写真 ‐4
勝 山 ニ ッケル ス ラグ アス フ ァル ト舗 装
写真 ‐5
勝 山ホ ッ トロー ル ドア ス フ ァル ト舗 装
(2)ニ ッケル スラグ、ホ ッ トロール ド(勝 山)、 小粒径 骨
材 露 出 (道 口)
a)外 観 、耐 久性
写真
4,5に 勝 山 のニ ッケル ス ラグ とホ ッ トロー
ル ドの 様 子 を示 す 。ニ ッケ ル ス ラグ は 施 工 当初 と
あ ま り変 わ らな い 。ホ ッ トロー ル ドも骨 材 が し っ
か り食 い 込 ん で お り飛 び は見 られ な い 。写 真
6は 6
ヶ月経 過 の 越 前 町 の 小粒 径 骨 材 露 出 ILBを 示 した。
心 配 され た ILBの 散 逸 もな く機 能 を十分 果 た して い
る よ うで あ る。
b)す べ り抵 抗値
図
4に 勝 山 の 舗 装 の す べ り抵 抗 値 を示 した 。ホ
ッ トロー ル ドは 低 速 走 行 域 で は 高 い が 、高 速 走 行
域 で は 急 激 に 低 下 して い る 。な お 、す べ り摩 擦 測
定 車 に よ る 報 告 3)で は 、速 度 は 不 明 だ が 、最 も抵
抗 が大 き い とな って い る。DFTに よ る測 定 方 法 によ
る 問題 な の か 、原 因 は 不 明 で あ る。
同 じホ ッ ト ロー ル ドで も ニ ッケ ル ス ラ グ 入 りは
す べ り抵 抗 値 は 高 速 走 行 で も低 下 の 度 合 い が 小 さ
い 。こ こで は 、通 常 で あ れ ば 最 も 低 い は ず の 一 般
に 使 わ れ て い る 密 粒 度 が 、す べ り防 止 舗 装 よ りも
高 い 。こ の 原 因 と して 、この 現 場 の 密 粒 度 の 配 合
がギ ャ ッ プ気 味 で うま く効 いて い る こ と、施 工 後 2
年 経 過 で ア ス フ ァル トも とれ 、骨 材 の 一 番 良 い 状
態 が 出 て き て い る こ とな どが 挙 げ られ る。今 後 の
写真 …6
観測 に注 目 した い。
小粒 径 骨 材露 出ILBは 外 観 上 ほ とん ど変 わ って い
な いので 昨 年 の 報告 を参 考 に され た い 。
- 27 -
越 前 町骨材 小粒径 :LB
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
0.90
い交 差点であることの視認性 の向上を図っている。
ILBの
85
デザ イ ンを生か し交通安 全 を図 った効果 は昨 年報 告
■
0。
した 1)。
通
彗
翻
::::
3.ま とめ と今 後
(1)ま とめ
::::
シ リカサ ン ドアス フ ァル ト舗 装 につ いて 以下 の こ
とが 分 か つた。
・ 耐久 性 は密粒度 アス コ ンよ り若 干 悪 い 。
。す べ り抵抗 値 は高 い 。
::::
0
10
20
30
40
50
60
70
・ 排 水性 が若 千 あ る。
速 度 (km/h)
図‐4
・ 排 水性 舗 装 と同 じ程 度 の 騒 音 低減 効 果 が あ る。
すべ り抵抗値ニ ッケル スラグほか
ただ、薄 層 で ある ので 、下 層 の舗 装 の影 響 を受 けや
す いので 気 を つ け る必 要 が あ る。
0 5 0 5
9 8 8 7
︵
?とこ ミ て▲撫田
そ の 他 の 舗 装 につ いて 以下 に 示す 。
・ ニ ッケ ル ス ラグ舗 装 は耐 久性 、す べ り抵 抗 性 に優
れ て い る。
・ ホ ッ トロール ド舗 装 の す べ り抵抗 性 は低速 走行 で
は高 い が 、高速 走行 で は劣 る可 能 性 が あ る。騒 音
があるものの、
逆 に交通安全 に生かす手立て もある。
● 刻/Jル ´アズフ
ァルト
□ 密粒路面
△″ 勿 7 2゛
・
×オメ′ブ メ
・ 小粒 径 骨材露 出イ ンタ ー ロ ッキ ングブ ロ ック も耐
久 性 、す べ り抵 抗 性 が 高 い 。視 認 性 も高 い ので 交
差点な どに交通安全 を図れる舗装 として有効である。
(2)今 後 の予 定 と謝 辞
70
20
30
40
50
60
70
80
走行速度 (km/h)
図 ‐5
次年度 にお いて も引 き続 き追跡調査 を行 う予定 で
あ る。本 研 究 は 、道 路 保 全 課 交 通 安 全 の 担 当者 な ど
か ら、路 線 に 沿 つて危 険 な 区間や交 差 点 で の 安 全 対
策 で、新 し い 方法 を考 えて欲 し い との 依頼 か ら始 ま
騒 音測 定 ニ ッケル ス ラグ ほか
2
7
8
6
通事 故 の 多 い箇所 で は 、そ の現 場条 件 に適 した 舗 装
と して 、今 回提 案 の 舗 装 の一 つ が選ば れ る もの と思
4
6
う。この 調 査 に 当 た り、本 庁 道 路 保 全 課 、勝 山土 木
事 務 所 、武 生 土 木 事 務 所 、朝 日土 木 事 務 所 、大 有 建
0
6
6
5
︽g m3 ミ てヽ枷 闘
った。また全 国 で 確 立 され た技 術 を県 内産 の 珪石 な
どを使 って県 内 バ ー ジ ョンにす る試 み で もあ る。交
設備 中央研 究 所 には 多 大 な協 力 を得 た。ここに記 し
2
5
て 感謝 とす る。
10
20
30
40
50
60
70
80
走行 速 度 (km/h)
図 …6
騒 音 測定
参 考
:LBほ か
文 献
1)室 田・宮本 :す べ り防止舗装 の 開発研究 ,福 井県雪対策・建
設技術研究所年報「地域技術」,第 11号 ,pp.23∼ 26,1998
2)市 原薫 。小野 田光 之 :路 面 のす べ りとそ の対策 、技術 書院
c)騒 音 測 定
図 5,6に 測定結果 を示す。ニ ッケルス ラグはシ リカ
サ ン ド並み、ホ ッ トロール ドは密粒度 よ りも若千悪 い。
ILBは さ らに うる さい結果 とな って い る。ホ ッ トロー
ル ドや ILBは 閑 静 な住 宅 地 で は不 向 きだ が 、この 騒
音 効 果 を利 用 して 交 差 点 に 設 置 す る と良 い と思 わ
れ る。富 山市 内 で は ホ ッ トロー ル ドに着 色 骨 材 を使
- 28 -
,1997
3)西 沢 昌添 。森 田徹・斉藤硯 :各 種 アス ファル トの混合物 の追
す べ り抵抗性 につ いて,舗 装,PP.10∼ 15,198111
跡調査―
第 1編
調査研究報告
歩道無散水融雪工事 の コス ト縮減 について
(県 立武生 高校前歩道の事例 )
Study on the Curtallment ofthe Cost of Snowmelting Facilities with Radiation Tube on a Sidewalk
加 賀 久 宣・ 室 田 正 雄・ 宮 本 重 信
*・
十
広 部
厚 夏 海 晃 ―
要
旨
県内市街地 の主要な道路は、
車道 に地下水 を散水 した融雪がされて いる。この融雪 の井戸か らの水を、ま
ず歩道に埋設 した放熱管 に流 して歩道を融雪 し、
やや冷えた水を今度は既 設の車道散水装置につなげて車道
を散水融雪する。融雪路面 の積雪 の有無を感知する積雪セ ンサーで運転制御すれば、歩道部 の融雪で負荷が
多 くなっても、
井戸設備 を大きくすることな く支障のない融雪ができると思われる。この リフォームであれ
ば、安価 に歩道 の無散水融雪が施工できる。そ こで、武生高校前歩道 にて試験施工 を行った。そ の設計・施
工を通 して得 られた知見を報告する。
キ ー ワー ド:歩 道無散水融雪 ,セ ッ ト融雪 ,コ ス ト縮減 ,珪 石 コンク リー ト舗装 ,路 面埋込型積雪セ ンサ ー
1.は じめ に
卜とな る 車 道 散 水 区 間 歩 道 の 無 散 水 融 雪化 工 法 の
冬 期 間 にお け る 歩 行 者 空 間 の 確 保 の た め 、歩 道
確 立 を 目的 と して 、武 生 高 校 前 歩 道 に て 試 験 施 工
の 無 散 水 融 雪 施 設 の 整 備 が 求 め られ て い る。しか
を行 っ た 。そ の 方 法 お よ び 設 計・施 工 を通 して 明
らか にな った知 見 を報 告 す る。
し、融 雪 施 設 の な い 既 設 歩 道 を改 修 して 新 た に 無
散 水 融 雪 施 設 を整 備 しよ う とす る 場 合 、熱 源 の 確
保 な ど も必 要 で 、か な りの コ ス トを要 す る こ とか
ら、都 心 部 で の 地 下 水 三 度 使 用 の セ ッ ト融 雪 を除
2.工 事概 要
けば 、この 種 の 工 事 は 福 井 県 内 で は 行 わ れ て い な
い 。この セ ッ ト融 雪 を大 幅 に コ ス ト縮 減 で きれ ば 、
か ら汲 み 上 げ た 地 下 水 の 一 部 を分 岐 して 歩 道 に 埋
設 した 放 熱 管 に 流 し歩 道 部 の 融 雪 を行 った 後 で 、
都 心 部 で な く と も一 般 的 な 市 街 地 で も整 備 され る
歩 道 部 放 熱 管 をバ イ パ ス させ た 地 下 水 と歩 道 部 放
と思 わ れ る。
熱 管 に 流 した 地 下 水 と を再 び 合 流 させ 車 道 に 散 水
さ て 、市 街 地 の 県 道 の ほ とん ど に は 、車 道 散 水
融 雪 施 設 が 設 置 さ れ て い る 。そ こで 、こ の 車 道 散
水 融 雪 装 置 を利 用 して 、コ ス ト縮 減 を 図 り、歩 道
に無 散 水 融 雪 施 設 を設 置 す る こ と を検 討 した 。車
今 回 の 試 験 施 工 の 概 要 を図 ‐1に 示 す 。消 雪 井 戸
す るセ ッ ト融 雪 で あ る。汲 み 上 げ た 地 下 水 をす べ
て 歩 道 部 放 熱 管 に流 して か ら車 道 散 水 しよ う とす
道 に 散 水 装 置 の あ る 歩 道 で は 、車 道 散 水 用 の 消 雪
る と、歩 道 部 放 熱 管 で の 管 路 抵 抗 が 大 き くな りす
ぎて ポ ンプ の 特 性 上 車 道 散 水 量 が 落 ち て しま うた
め、バ イ パ ス 管 路 を設 けて い る。
井 戸 お よ び 水 中 ポ ンプ をそ の ま ま利 用 して セ ッ ト
セ ッ ト融 雪 の 場 合 、一 般 に 歩 道 部 に は 放 熱 管 を
融 雪 を組 む こ とが で き る た め 、新 た な 熱 源 も 要 ら
ず 、比 較 的 低 コ ス トに歩 道 の 無 散 水 融 雪 化 を実現
組 み 込 ん だ 表 面 タイ ル 仕 上 げ の プ レキ ャ ス ト融 雪
パ ネル を使 用 す る 例 が 多 い 。この 融 雪 パ ネル で は 、
で き る。
現 場 工 期 の 短 縮 が 実 現 で き る と 同 時 に、将 来 の 水
道 。ガ ス エ 事 に も融 雪 パ ネ ル を取 り外 す こ とで 再
利 用 で き る な どの メ リ ッ トが あ る 。しか し、こ の
融 雪 パ ネ ル を使 う とコス トが 高 くな り今 回 の 試 験
施 工 の 目的 を達 成 出来 な くな るおそ れ が あ るた め 、
さ ら に 、本 研 究 所 が 開 発 し、都 心 部 で 実 用 普 及
して きた ハ イ グ レー ドな 舗 装 表 面 と工 期 短 縮 を優
先 した 融 雪 パ ネ ル 方 式 で は コ ス トが 高 い の で 、今
後 一 般 市 街 地 用 に 普 及 させ る に は 、低 コス トの施
工 法 の 開発 が必 要 と思 われ る。
こ う した 考 え か ら、本 年 度 、出 来 る 限 り低 コ ス
今 回 の工 事 で は歩道 部 を現 場施 工 に して い る。
*武 生土木 事務 所道 路 保 全 課
- 29 -
年報地域技術第 12号 19997
福井県雪対策・建設技術研究所
E いい ” 撃 含 × E い 埋聰 軍題
u部ζ壇熱 ′
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ヨК ︶畑K騒緯富
図輝 脈師耀剌ね梃経巌橿 経値剤悩
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- 30 -
I曹
第 1編
調査研究報告
(1)改 修 前 (車 道 散水 融 雪 )
チ レ ン 管 の 場 合 、通 常 は 溶 接 金 網 を ス ペ ー サ ー に
よ っ て 路 盤 上 の 所 定 の 高 さ に 浮 か せ て 敷 設 し、そ
a.車 道 部
300m×
幅員 9m=2,700m2
の 金 網 に 配 管 を結 束 線 で 取 り付 け て い く方 法 が 採
単位 面積 散 水 量
られ る。放 熱 管 の 舗 装 か ぶ り厚 は ス ペ ー サ ー の 高
全体 散 水 量
0.366L/min.m2
0.366L/min・ m2× 2,700m
さ を変 え る こ とで 調 整 で き る。この 方 法 で 配 管 し
散 水 面積
て い く場 合 、図 …1で 示 す 1回 路 の 長 さ (1回 路 当
=988L/min.m2
た りの長 手 方 向 の 長 さ )を で き る だ け長 く とる よ
(2)改 修 後 (セ ッ ト融 雪 )
う に した 方 が 、配 管 す る の に 面 倒 な 曲 が り部 の 数
a.車 道 部
散 水 面積
300m× 幅 員 9m=2,700m2
が 少 な くな り配 管 工 数 が 減 る た め 、目的 で あ る コ
単位 面積 散 水 量
0.25L/min.m2
ス トの 縮 減 に つ な が る と 思 わ れ る 。しか し、コ ン
全体 散 水 量
0.25L/min.m2× 2,700m2
ク リー ト舗 装 の 場 合 、5m以 下 ご と に 収 縮 用 の 目地
=675L/1nin.m2
が 必 要 とな る こ とか ら、1回 路 の 長 さ は 5mに 制
限 され て し ま っ た 。しか し
b.歩 道 部
1回 路 の 長 さ を 5mに
融雪 面積
285m× 融 雪 幅 0.8m=228m2
した こ とで 、わ ざ わ ざ 現 場 で 配 管 しな くて も、工
放 熱管 種
ポ リエ チ レ ン 管 (13A)
場 で 放 熱 管 を溶 接 金 網 に 取 り付 つ け現 場 に 運 搬 し
放 熱管 間隔
0.lm
35 mm
て並 べ て い く とい う方 法 を採 れ るよ うにな った (写
放 熱管 かぶ り厚
真 ‐1)。 こ の こ と に よ り、結 果 と して 、現 場 工 期
の 短 縮 お よ び 品 質 の 安 定 に つ な が っ た 。ま た 、工
歩道単位面積流量 O.6L/min.m2
歩道 全流 量
136.8L/min
場 で 効 率 よ く配 管 作 業 が で き る よ うにな った お か
放 熱管 入 口温 度
14℃
げ で 、施 エ コ ス トの 削減 に もつ な が った。
歩道 での融雪能 力
200W/m2(2cm/hに 相 当 )
3.放 熱管 工 事
今 回 、放 熱 管 工 事 で 問 題 に な っ た の は 、配 管 材
質 と配 管 の 敷 設方 法 の 2点 で あ った。
まず 、配 管 材 質 に つ い て で あ る が 、歩 道 部 放 熱
管 に 使 え る 管 材 と して は一 般 に 鋼 管 とポ リエ チ レ
ン管 の
2種 類 が 考 え られ る。ポ リエ チ レ ン管 は 熱
伝 導 率 が 小 さ い た め 、歩 道 で の 融 雪 能 力 が 鋼 管 を
使 用 した 場 合 と比 べ て 約 30%程 度 落 ち る とい う欠
点 が あ る 。ま た 、約 120℃ で 軟 化 す る た め に 舗 装
を ア ス フ ァル トにす る こ とは 出来 な くな る。しか
し、ポ リ エ チ レ ン 管 は鋼 管 に 比 べ て 材 料 費 が 40%
程 度 安 く尚 か つ 施 工 性 が 良 い こ とか ら コ ス トダ ウ
ン に な る こ と 、ま た 、車 道 散 水 の こ と を考 え る と
む しろ 歩 道 部 放 熱 管 出 口で あ ま り水 温 が 下 が り過
ぎ な い 方 が 良 い こ と、そ して ポ リエ チ レ ン管 で も
歩 道 上 で 200W/ぷ の 融雪 能 力 は確 保 で き る こ と、
な どの理 由か らポ リエ チ レン管 を採 用 す る こ と と
した 。この た め 、舗 装 は 後 述 す る よ う に コ ン ク リ
ー ト舗 装 とな った。
次 に 、配 管 の 敷 設 方 法 に つ い て で あ る 。ポ リ エ
-31-
1 放 熱管 工 事 の様 子
写真 ‐
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 1999.7
珪 石 Co(16-20-8)
珪 石 Co(16-20-8)
C-40
元
設V∪
∨
V∪ `
∪
2
図‐
舗 装構 造
4.既 存 水 中ボ ンプ の能 力検 討
この 方 法 で は既 存 の 消 雪 井 戸 と水 中 ポ ンプ をそ
の ま ま利 用 す る こ と に な る た め 、設 計 の 段 階 で 井
戸 お よ び 水 中ポ ンプ の 能 力 を確 認 して お く必 要 が
あ る 。こ の 現 場 の 場 合 、改 修 前 (車 道 散 水 融 雪 )
の 単 位 面 積 散 水 量 は 0.366/(min・ ピ )、 全 体 散
水 量 は 988/(min・ ゴ )で あ っ た 。 し か し 、改 修
後 (セ ッ ト融 雪 )の 配 管 路 で は 歩 道 部 放 熱 管 の 管
路 抵 抗 が 増 え るた め に水 中 ポ ンプ の 揚 水 量 は 30%
以 上 落 ち 込 み 、単 位 面 積 散 水 量 が 0.25/(min・ ゴ )、
全 体 散 水 量 が 675/(min・ ぶ )と な る こ と が 分 か
っ た 。ち な み に 建 設 省 北 陸 地 建 の 路 面 消 。融 雪 施
設 等 設 計 要 領 で は 、散 水 温 14℃ 、路 面 露 出 率 80%
の 条 件 で 必 要 散 水 量 0.29/(min・ ゴ )と な っ て
い る 。ま た 、改 修 後 の セ ッ ト融 雪 で は 、歩 道 部 で
一 旦 融 雪 して 温 度 低 下 した 地 下 水 を混 ぜ て 車 道 に
散 水 す る こ とにな る 点 も考 慮 す る と、改 修 後 の0.25
/(min。 ご )と い う散 水 量 で は 改 修 前 ほ ど う ま く
車 道 の 雪 が 融 け な い と も考 え られ た 。散 水 量 を 増
や す に は 、歩 道 部 放 熱 管 の 1回 路 の 長 さ を短 く し
て 放 熱 管 で の 管 路 抵 抗 を減 ら して や れ ば 良 い が 、
2 舗 装 工 事 の様 子
写真 ¨
そ うす る と先 述 した理 由で 放 熱 管 工 事 の 施 エ コス
トが 上 が っ て し ま う。この た め 、今 回 の 工 事 で は
ク リー ト舗 装 要綱 p.42)。 表 層 工 と して舗 装厚 は 10
車 の 乗 り入れ 部 はす べ て コ ンク リー ト舗 装 。
多 少 の 路 面 露 出率 低 下 はや む を得 な い もの と して 、
cm。
とにか く コ ス トを最優 先 させ た形 とな って い る。
そ の 他 は景観 を考 えて 10cmの うち 1.5cmを 弁柄 薄 層
舗 装 と した 。放 熱 管 の か ぶ りは 3.5cmと な る。コ ン
5.舗 装 工事
ク リー ト骨 材 は珪石 を使 い 熱伝 導 率 を高 めて い る。
配 管 を終 え た 後 、コ ン ク リ ー トを打 設 した 。こ
(1)舗 装 上 の注 意
舗 装 の 断 面 構 造 を図 ‐2に 示 す 。既 設 歩 道 で あ る
の 際 、コ ン ク リー トが 配 管 と金 網 の 下 に も十 分 入
ことか ら、まず 既 設歩 道 の 取 り壊 しか ら始 まる。
り込 む よ う注 意 す る必 要 が あ る。ま た 作 業 中 に 配
路 盤 を整 正 した あ と配 管 を行 う。前 述 した よ う に
管 がず れ て 舗 装 か ぶ りが 薄 くな らな い よ うに も注
5mお き に
意 しな け れ ば な らな い 。十 分 養 生 した 後 、弁 柄 薄
収 縮 目地 を設 け て い る (参 考 資 料 :セ メ ン トコ ン
層 舗 装 を か け る が 、こ こで もか ぶ りを考 え 設 計 を
コ ン ク リー ト舗 装 は 目地 が 必 要 な た め
- 32 -
第 1編
調査研 究報告
超 え て 厚 く して は な らな い 。も ち ろ ん 表 面 排 水 が
た ま らな い よ う に 気 を つ け な けれ ば な らな い が サ
ー ビス 余 盛 は い らな い 。そ こで 厚 さ 管 理 と して プ
ラス側 に も制限 を設 けた い 。
目地 を設 け るが メイ ン管 はそ こ を縦 断 して い る。
この影 響 につ いて は今 後 観 測 して い きた い 。
(2)反 省 点 と今後
今 回 、珪 石 骨 材 の コ ン ク リ ー ト打 設 は プ ラ ン ト
の 都 合 で 何 回か に 分 けて打 設 せ ぎ る を得 な か った。
そ の た め か時 に仕 上げ が雑 にな る部 分 が見 られ た。
コ ン ク リ ー ト打 設 は 一 回 で ま とめ て 行 い た い 。上
3 埋 込 型積 雪 セ ンサ ー
写真 ‐
に 化 粧 舗 装 をす る とき は下 の コ ン ク リー ト面 もき
れ い に 仕 上 げ な け れ ば な らな い 。時 に は 左 官 仕 上
げ も必 要 か も知 れ な い 。また ベ ー ス コ ン と して 二
しか し、車 道 融 雪 路 面 を感 知 す る 首 振 り型 の 積
回 打 設 も考 え られ る。この 利 点 と して 配 管 を所 定
雪 セ ンサ ー は 、2百 数 十 万 円 の 価 格 で 高 い 。そ こ
の 位 置 に正 確 に 設 置 で き る ことが あげ られ る。
で 、これ ま で の セ ッ ト融 雪 で は 、歩 道 の 無 散 水
今 後 取 り組 ん で み た い 舗 装 と して 以 下 が あげ ら
融 雪 路 面 を 感 知 す る 固 定 式 積 雪 セ ン サ ー (価 格
れ る 。ア ス フ ァル トコ ン ク リ ー ト舗 装 は 、高 温 で
50万 円 ほ ど )を 制 御 用 に 用 い て き た 。こ の 方 式
あ る た め 管 材 と の 取 り合 わ せ が 難 しか っ た 。最 近
で も こ れ ま で の セ ッ ト融 雪 で は 問 題 は 生 じ て
で は 中温 化 技 術 や 常 温 舗 装 も開 発 され て い る 。目
い な い。
地 無 しで 施 工 で き る メ リ ッ トを 生 か す た め 取 り組
以 上 二 つ の 積 雪 セ ンサ ー は 、い ず れ も県 内企 業
み た い 舗 装 で あ る。また 歩 道 舗 装 にお い て 排 水 性
と本研 究 所 の 共 同 開発 に よ って作 られ たセ ンサ ー
の 向 上 は 快 適 さ を もた らす 。珪 石 を骨 材 と した 開
で メ ンテ ナ ンス も県 内 企 業 で 容 易 で あ るが 、今 回
粒 度 ア ス コ ン、珪 石 骨 材 の 樹 脂 舗 装 な どが 考 え ら
は 試 験 的 な 点 と コス ト縮 減 を優 先 させ て 、住 宅 の
れ る 。この ほ か 舗 装 の や わ らか さ 、景 観 上 の 配 慮
融 雪 装 置 用 のセ ンサ ー と して 北 海 道 で 量 産 され て
な ど融 雪 とは 関 係 な い もの の 人 と直 接 接 す る と こ
い る 路 面 埋 込 型 積 雪 セ ンサ ー を試 験 的 に用 い る こ
ろ で あ る の で 、これ は す べ り防 止 舗 装 との 研 究 と
と と した (写 真 -3)。 価 格 は
も合 わ せ 考 え て い き た い 。技 術 資 料「 さ ま ざ ま な
る 。この セ ンサ ー は 実 際 の 道 路 や 歩 道 で 使 わ れ た
舗 装 」も参 考 に され た い。
こ とは な い と思 わ れ る が 、本 研 究 所 の 実 験 で は 何
1個 8万 円程 度 で あ
回 も使 用 して お り、あ る 程 度 信 頼 性 が あ る こ と を
5.融 雪制 御 用 セ ンサ ー の見 直 し
県 内 の 車 道 散 水 融 雪 は 、今 回 の 現 場 の よ う に 降
確 認 して い る 。今 回 の 試 験 施 工 で は 、セ ンサ ー の
信 頼 性 を 高 め る た め に 、歩 道 路 面 にセ ンサ ー を 2
雪 セ ンサ ー で 制 御 され て い る 例 が 多 い 。この 場 合 、
個 取 り付 け 、2個 の セ ンサ ー の ANDで ポ ンプ ON、
セ ッ ト融 雪 に 改 修 後 もそ の ま ま既 存 の 降 雪 セ ンサ
ORで ポ ンプOFFと な るよ うに した。
ー を使 っ て 制 御 して も良 い が 、出 来 る な らば よ り
地 下 水 の 節 約 につ な が る、融雪 路 面 の積 雪 の 有 無 を
6.ま とめ
感 知 す るセ ンサ ー に 変 更 す る こ とが 望 ま しい 。ま
今 回 の工 事 で は コス トダ ウ ンを第 一 に考 え た た
た 、この 積 雪 セ ンサ ー で 車 道 融 雪 を感 知 させ る な
め 、多 少 の 性 能 低 下 は 犠 牲 に して い る と ころ が あ
ら、路 面 の 融 雪 が 完 了 す る ま で 、降 雪 後 も 融 雪 運
る 。そ こで 、コ ス トダ ウ ン に よ る 利 益 と性 能 低 下
転 が 継 続 され る こ とか ら、今 回 の よ う に 車 道 の 融
に よ る損 失 を比 べ る こ と に よ っ て 、今 回 の 工 事 方
雪 能 力 が 低 下 して も、支 障 は 全 く生 じな い で あ ろ
法 を評 価 す る 必 要 が あ る 。も し、性 能 の 低 下 が 総
う。
合 的 に考 え て さ ほ ど問題 にな らな い と確 認 で きれ
ば 、今 回 の 工 事 方 法 は 低 コス トエ 法 の 1つ と して
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号
普 及 して い くと思 わ れ る。
本 年 度 は 工 事 の み を行 い 実 際 に運 転 を行 う こ と
は 出 来 な か っ た た め 、来 年 度 以 降 、特 に 以 下 の 3
点 に注 目 しな が ら、観 察 を して い きた い 。
1点 日 と して 、今 回 の 工 事 で は 歩 道 部 を現 場 施
工 と した た め 、放 熱 管 の 舗 装 か ぶ りを設 計 どお り
に精 度 良 く施 工 す る こ とが 難 し く、多 少 か ぶ りが
厚 くな った り、かぶ りにム ラが で きて しまった。
そ こで 、この こ とが 歩 道 上 で の 融 雪 能 力 に どれ く
らいの影 響 を与 えたか 確 認 した い 。
2点
日 と して 、今 回 の 工 事 で は 車 道 散 水 量 が 改
修 前 に比 べ 30%以 上 減 少 す る こ とが 分 か つて い る
が 、これ によ る影 響 につ いて も観察 して い きた い 。
3点 日 と して 、今 回 は 制 御 に 家 庭 用 の 路 面 埋 込
型 積 雪 セ ンサ ー を使 っ て い る が 、この セ ンサ ー で
問題 な く運 転 して い け るか確 認 して い きた い 。
な お 最 後 に、今 回 の 試 験 施 工 が 本 庁 道 路 保 全 課
の 、市 街 地 にお け る 安 価 な 歩 道 無 散 水 工 法 を 開 発
して ほ し い 、と い う依 頼 に基 づ き行 わ れ た こ と を
記す。
- 34 -
19997
第 1編
調査研究報告
蓄熱材タ ンク方式 による地盤 部路面 の融雪の研:究
その 2
Study on Snowmelting System with Heat Strage Tank on Road ( Part2
加 賀 久 宣
要 旨
蓄 熱材 タ ンク 方 式 によ る融 雪 シス テ ム が 、冬 期 の 交 通 上危 険 な坂 道 や カ ー ブな どの地 盤 部 路
面 の 融 雪 装 置 と して 使 用 で き るか ど うか 検 証 す る実 験 を行 っ た 。蓄 熱 材 に は凝 固 。融 解 温 度 が
3∼
5℃ のパ ラ フ ィ ン 系蓄 熱 材 を使 用 した 。そ の 結 果 、トー タル の 降 雪 量 が 10cm程 度 まで の 寒 波 に
対 して は 、融 雪 に 時 間 は要 す る もの の、この 方 式 で 対 応 で き る こ とが 分 か った。しか し、そ れ以 上
の 降 雪 量 が あ る 寒 波 に対 して は、この 方 式 で は完 全 に 融 雪 しきれ ず 雪 が 残 って しま う こ とが 分
か った。この た め 、この 方 式 は シー ズ ンを 通 して の 本 格 的 な融 雪 装 置 と して は使 う こ とが 出来 な
い こ とが 確 認 で きた。
キ ー ワ ー ド:蓄 熱材 タ ンク方 式
地盤部路面
融雪
1.は じめ に
潜熱 蓄熱 材
パ ラ フ ィン系蓄熱材
は蓄熱材の量 をかな り多 くしなければな らな い と思 わ
鋼床版路面 の凍結抑制技術 の 1つ として実用 化 で き
れ る。す なわ ち、この 方式 を地盤部路面 の融雪 に使 う
るか ど うか検 証す るた め、昨年度 、蓄 熱材 タ ンク方 式
場合 は、鋼 床版路 面 の凍 結抑制 に使 う場合 と比 べ て 、
によ る凍 結抑 制法 の 実験 を行 った 1)。 この 方 式 は 、既
集 熱 (蓄 熱 )能 力が落 ち、そ の うえ 蓄 熱 材 の 量 が増 え
に実用化 している蓄熱材封入 による凍結抑制法
2)と
同
る と い う問題 が 出 て くる。そ こで 、シーズ ンを通 して
じく、蓄熱材 に蓄 えた 太陽熱 によ って凍結 を抑制す る
実験 を行 う ことに よ って 、地 盤 部路 面 の 集 熱 (蓄 熱 )
方法 で あるが、蓄熱材 に蓄 えた太 陽熱 をよ り効率 的 に
能 力および適切 な蓄熱材 の量 につ いて検 討 を行 った。
使 うためにその放 出 に制御 を加 えているとい う点で蓄
2.実 験 装置
熱材封入 による凍結抑制法 と大 き く異な って いる。こ
の ため昨 年度 の実験 で も、蓄熱材 タ ンク方式 による凍
地 盤 部 路 面 に 見 立 て た模 型 は大 き さが 3.6ゴ (3m
結抑 制法 で は、幾 つ か の 施工上 の 問題 は残 る ものの、
× 1.2m)で 、熱 伝 導 率 を良 くす るた め に、厚 さ 10cm
蓄熱材封入 による凍結抑制法よ りも少ない蓄熱材 の量
の路盤 の上 に厚 さ15cmの 珪石骨材 コ ンク リー ト舗 装
で シー ズ ンを通 して鋼床版路面 のほぼ す べ ての結露凍
と して い る。また、舗 装 内 には、表 面 か らのかぶ り厚
結 を抑 制 で きる ことが確 認 され た。
さ40mmの 所 に 15Aの 黒 ガ ス管 が 15mmピ ッチ で コ
本年度 は、この蓄熱材 タ ンク方式が坂道や カ ー ブな
イル状 に敷設 してある。配管 は往路 と復路が 交 互 にな
どの地盤 部路面 の融雪 に使 えるか どうか検 証す る実 験
るよ うに して路面 の温度 む らができるだけ少な くな る
を行 った。この方式 を地盤部路面 の融雪 に使 う場合は、
よ うにした。路面 の 中央部 には埋込型 の積雪セ ンサー
鋼床版路面 の凍結抑制 に使 う場合 と比 べ て次 の 2つ の
を設置 した。鋼床版路面 を地盤部路 面 に変更 した 以外
点 で 不利 にな る と考 え られ る。まず 、この方 式 で は路
は 、実 験 装 置 、蓄 熱 材 (パ ラ フ ィ ン 系 、融 解 温 度 3.1
面が太 陽熱 の集熱器 とな るため、冬期 の弱 い 日差 しで
∼4.6℃ )、 ポ ンプ の制御方法 とも昨 年度 の鋼床版路 面
も路 面温度 が十 分 に上 昇す る必 要 が ある。しか し、地
の凍結抑制実験 の とき と全 く同 じであるので、そ の他
盤部路面は熱容量が大 き く鋼床版路 面 よ りも温度が 上
の 詳細 つ いて は省略す る 1)。 先述 の とお り、融雪 を 目
が りに くいため、
地盤部路面では鋼床版路 面 の よ うに
的 とする場 合 は蓄熱材 の量 をかな り増やす必 要がある
シーズ ンを通 して安定的 に蓄熱材 に蓄熱 できないお そ
と考 え られ た が 、これ につ いて も既 存 の タ ンク を使
れ が あ る。次 に、放射冷却 による結露 凍結 は 日中 の 晴
用 した 関係 で 昨年度 の 凍結抑制実験 の とき と同 じ量
天 と交 互 にや って くるため凍結抑制 を目的 とす る場 合
(H.1□ /路 面 ゴ 、
潜 熱蓄 熱 量 1443kJ/路 面 ぶ )と した。
には蓄熱材 の量 をさほ ど多 くす る必 要はなか ったが、
降雪 は通常 2,3日 続 くため融雪 を 目的 とす る場合 に
- 35 -
3.実 験結 果 と考察
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
0 5 0 5 0
o鰍 壺 w m m 出 o 2 2
1 ︲
o
o
Eε 颯 闘 進
︵
⊇︶
咽籠 ︵
□ 降目の深 さ (m)
□ 放熱量 (K」 )
■ 蓄熱量
(K」 )
墨ミ:遅 ミ塁塁SSSSミ SSSSSttg、 ミSヽ S湯 ヽ民ヽ長民ミミミ(ミ ミミミミミミミミミミミSSSSSS
:SSSSヽ SSSSS:三 ミ
図-1 蓄熱材タ ンクの放蓄熱量および降雪量
ク内 の 蓄熱材 は十分 に潜熱蓄熱 され て い た。そ して 、
(1)実 験 結果
図 …1は 、平 成 H年 ]月 1日 か ら2月 28日 ま で の
当 日9時 か ら21時 まで お よび 当 日21時 か ら翌 日9時
路面 に埋め込 まれた積雪セ ンサ ー が積雪 を感知 し放 熱
まで各 12時 間毎 の 蓄 熱材 タ ンクの熱 の 出入 りお よび
運転が開始 され る と、比較路面 に雪が 積 もって い く一
方 で 、実 験 路 面 上 の 雪 は きれ い に融 雪 され た (写 真 ‐
降 雪 量 を表 して い る。この 期 間 は 、1月 8∼ 10日 、29
1)。 しか し、い ず れ の 降 雪 (寒 波 )の 場 合 も、蓄 熱
∼ 30日 、2月 2∼ 4日 、12∼ 13日 、20∼ 21日 に 冬 型 の
材 の量が少な いため に、放熱運転 が始 まる と比較的早
気圧 配 置 とな り、ま とまった 降 雪 が見 られ た。この 5
い段 階 で 潜熱蓄熱 を使 い果 た し、そ の後 も降 雪 (寒 波 )
回 の 降 雪 (寒 波 )に 対 し、いず れ の 場 合 も事 前 にタ ン
が続 くと次第 に実験路面 上 に も雪 が積 も り始 め、
積雪
状況は比較路面 と変わ らな くなって い った (写 真 -2)。
次 に、冬型 の気圧配置が緩 み雪が融 け路面が露 出 して
くる と、晴天 を利用 して 蓄 熱運転 が行 なわれ た。先 の
5回 の 降雪 (寒 波 )で は 、いず れ の 場 合 も融 雪 途 中 で
蓄熱材 の潜熱蓄熱 をす べ て 使 い果 た して しまったが、
それぞ れ次 の 降雪 (寒 波 )ま で の 数 回 の 晴天 日で 再 び
十 分 に潜 熱 す る ことがで きた。
以 上 よ り、今 回 の 実験 で 使用 した蓄 熱材 の 量 (11.1
2/路 面 ゴ )で あれ ば 、温 度 が 上 が りに く い 地 盤 部 路
写 真 …1
融 雪 状 況 (2/221:00)
面 の集熱器 で も、
寒波か ら次 の寒波 まで の数 回 の冬 の
晴 れ間を利用 して安定的 に潜熱蓄熱 できる こと、また、
同 じくこの蓄熱材 の量 で あれば 、
放熱運転 を行 うと比
較的早 い段階で潜熱蓄熱 を使 い切 って しまうため本格
的 な降雪 には 対 応 で きな い こ とが 明 らか にな った。
(2)放 熱 運 転
図 ‐2は 、2月 2日 夜 か ら4日 朝 ま で 続 い た 降 雪 の
中 で、タ ンク内 の蓄 熱 が無 くな る3日 朝 まで の 放 熱運
転時 にお ける蓄熱材温度お よび融雪能 力 (上 面 へ の放
9910
写 真 -1
蓄 熱 材 タ ン ク破 錠 状 況 (2/39:00)
熱 出 力)等 の 変化 を示 して い る。融 雪 能 力、全放 熱 出
力 お よび下面 へ の熱 出力は、路面入 口温 度 を実測値 で
- 36 -
第 1編
調査研 究報告
6
力(上 面 ヘ
℃
W/m2
5
②全放熱出力
―
Ⅲ…③下面への熱出力
W/m2
④路面入口温度 ℃
一
・
‐ ‐ ‐‐
‐ ____・
・
、
⑤書熱材温度 ℃
―
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2 放熱運転時 における融雪能力等の変化
図‐
与えて、
別に実測値で検証されたモデル式により求め
であれば 、これ よ りもかな り少な い量 の蓄熱材 の潜熱
ている
蓄 熱 量 で も対 応 で き る と思 われ る。
3)。
運転開始前 の タ ンク内 の蓄熱量 と運 転開始後 の タン
ク の 累 計放 熱 量 か ら判 断す る と、2日 の21時 頃 か ら3
(3)蓄 熱 運 転
日の 4時 40分 頃 まで の 約 7時 間 40分 にわ た って 潜 熱
図‐3は 、実験期 間 中 に蓄熱運転 が行 われた 日か ら
蓄熱 による放熱運転が行われ て いた と考 え られ る。こ
潜熱蓄熱 の みが行 われ た5日 間 を選 び、それぞ れ の 日
の時 間帯 の 融雪能 力は70W/ボ か ら38W/ボ まで徐 々 に
の 12時 か ら16時 まで の 路 面 平均温 度 と、そ の 日の 蓄
低 下 して い るが 、平 均 の 融 雪 能 力 は 53W/ボ で あ り、
熱運転で蓄熱す る ことができた潜熱蓄熱量の関係 を示
これ が 本 シス テ ム で のパ ラ フ ィ ン系蓄 熱 材 の 潜 熱
した もので あ る。一 般 に、蓄熱運 転 は 最 も路 面温度 が
蓄熱 による融雪能力と考えてよい。ちなみに昨年度 の鋼床
上 昇 す る 14時 付 近 を中心 に 12時 頃 か ら16時 頃 にわ
版橋 路 面 の 実験 で は 、融 雪能 力 は40W/ゴ 程 度 で あ っ
た つて行 われ るため、この時間帯 の路面温度 とそ の 時
たか ら、
地盤部路面では多少融雪能 力が 上が る ことが
の蓄熱材温度 との温 度差が蓄熱量 を大 き く左右す る。
分 か る。潜 熱 蓄 熱 を使 い 切 っ た 3日 4時 40分 以 降 の
しか し、この5日 間 は潜 熱 蓄 熱 の み が行 わ れ た ので 、
顕 熱蓄 熱 によ る融雪 で は、融雪 能 力 は平 均 30W/ざ ま
タンク内の蓄熱材温度は蓄熱運転 中融解温度近辺 にお
で 下 が って いる。また、融雪能 力 に 占め る全 放 熱 出力
さまってお り、5日 間 ともほぼ 同 じで あ る。この ため、
の割 合 が急 激 に減 り、下 面 (地 面 )か らの 熱 出 力 の 割
そ の 日 の 蓄 熱 量 (潜 熱 蓄 熱 量 )は 、図 -3の よ うに 蓄
合 が増 えて くる。
熱 運 転 時 間帯 の 路 面 平 均 温 度 の み に よ って 決 ま っ
本 システムでのパ ラフィン系蓄熱材 の潜熱蓄熱 によ
て くる と考 えて よい。
融 雪 能 力 53W/」 は 、時 間 当た り約 0.5cmの 融 雪 に相
当す る。この ため、今 回使用 した量 の 蓄熱材 の 潜熱蓄
1200
◆
E1000
熱 で 約 3.8cm(0.5cm/時 間 ×7時 間 40分 )の 融 雪 が で
旧
き る こ とにな る。今 冬 一 番 雪 の 多 か った 1月 8∼ 10日
ミ 800
は 3日 間 で 約 75cmの 降 雪 が あ つた が 、この 雪 をす べ
洒 6∞
て 今 回 の 方法 の みで融雪す る と して 単純 に計算 す る
饉
欄 400
饉
費 2∞
と、実 験 で 使 っ た 量 の 19.7倍 (75cm■ 3.8cm)、 す な
わ ち 219イ /路 面 ゴ (11.12/路 面 ゴ × 19.7)と い う 多
量 の 蓄 熱 材 が 必 要 とな り、また 150時 間 (6.25日 )の
融雪 時 間 を要す る ことにな る。しか し、実 際 の 道路 で
は、途 中 で 除雪 が入 った り、日中 の 日射 によ る融雪 が
あった りす るので、今冬 のよ うな雪 の少な い シー ズ ン
- 37 -
。
/
つ
y=224.7x-12569
R`=0.9434
0
7
8
9
1o
ll
12:∞ ∼ 10∞ の 路 面 平均 温 度 (℃ )
図-3 路面平均温度 と潜熱蓄熱量の関係
福井県雪対策 。
建設技術研究所
k」 /腱 [層
田m2
10000
8000
年報地域技術第 12号
19997
■■潜熱蓄熱量(k」 /路 面m2)①
輔総放熱量(k」 /路 面m2)②
一 タンク内の潜熱蓄熱量(k」 /路 面m2)③
―一自然積雪深(cm)④
――融雷による残雪深(cm)⑤
200
6000
4000
2000
0
-2000
-4000
-6000
-8000
一一ヽ∞0
い0ヽ∞0
一●ヽ∞0
一〇ヽ∞0
∞0ヽい0
一0ヽ∞0
∞倒ヽ剣0
卜∞ヽ銀0
0Nヽ銀一
いNヽN0
一製ヽN一
∞Nヽ﹃0
ヽNヽN0
一
”ヽN0
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一一
ヽN0
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ヽN0
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マ一ヽ製0
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一一ヽ製●
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〇0ヽ銀0
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い0ヽ剣●
マ0ヽ銀0
∞0ヽ銀0
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一0ヽN0
一
めヽ一〇
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●
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一一ヽ一一
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一〇ヽ一〇
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0●ヽ一〇
い一ヽ一
●
一0ヽ一〇
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●
NOヽ一
〇
一0ヽ一
〇
一
∞ヽN¨
0∞ヽ銀一
-1∞ ∞
4 蓄熱材増量時の予想蓄熱量および残雪深等
図‐
以 上の点 をもとに して、タ ンク 内 の蓄熱材 の量 を先
か った 。今 後 は 、除 雪 が 行 わ れ る まで の 補 助 的 な 融 雪
と した場 合 に シ ー
装置 、また は圧 雪 防止 の 方 法 と して利 用 で きな い か検
ほ どの (2)で 求 め た 219イ /路 面 ゴ
ズンを通 してどれくらい蓄熱できたのか、
今冬のデー
討 して い く予 定 で あ る。
タをもとに概算 したのが図-4で ある。本融雪 システ
ムによる残雪深および 自然残雪深 も合わせて示 して い
参
考
文
献
る。なお 、残 雪深 で は 、実 際 の 道 路 で 考 え られ る 除雪
1)加 賀久宣、
宮本重信 :蓄 熱タンク方式による鋼床版橋路面の
や車 の撹拌効果 による融雪 な どは考慮 して いな い。図
凍結抑制 福井県雪対策・建設技術研究所年報 第H号
か ら、
温度 が上が りに くい地盤部路面 の集熱器 ではい
pp.27-32
くら蓄熱材 の 量 を増や して も、寒波 か ら次 の寒波 まで
の数回 の晴天 日で蓄熱 できる蓄熱量 には限界があるた
め 、1月 8∼ 10日 や 2月 2∼ 4日 の よ うな 降 雪 に 対 し
2)宮 本 重 信 、室 田正雄 :蓄 熱材 封入 によ る鋼 床 版路 面 の 凍 結抑
制
福 井県 雪 対 策・建 設技 術 研 究 所 年報
3)宮 本重 信 、藤 野 間幸 英 、久 保 俊 章
て は、す べ て の雪 を融 かす ことがで きず 、雪 が残 って
道 融 雪 のセ ッ ト化
しま う ことが分 か る。また 、2月 中旬 ぐ らい までで考
第 1号 pp 32∼ 57
え る と、潜 熱 蓄 熱量 は最 も多 い ときで 6500kJ/路 面 ゴ
程 度 で あ る。これ は 50ι の 蓄 熱 材 の 潜 熱 量 に 相 当す
るた め 、蓄 熱 材 の 量 を50で /路 面 ゴ 以 上 に 増 や して も
蓄 熱 で きず 無駄 にな る こ とが分 か る。
4。
ま とめ
この 融雪法 が シー ズ ンを通 して 効果 を発揮す るた
めには、
蓄熱材 の潜熱蓄熱 による融雪能力か ら考 えて、
219イ /路 面 ゴ の 蓄 熱材 が必 要 で あ る ことが 分 か った。
しか し、蓄 熱 能 力 か ら考 え る と、50ι /路 面 ゴ の 蓄 熱
材 の量が地盤部路面 による蓄熱 の 限度 であるため、本
格的な融雪装置 としては使 う ことができな い ことが分
-38-
第9号 pp 3∼ 19
無散 水 歩道 融 雪 と散水 車
福 井県 雪 対 策・建 設 技 術研 究 所 年 報
第 1編
調査研究報告
積雪時の災害 に対 する建物の安全性の研究
その2
― 建物 の水 確 保 対策 につ いて一
Study on Safety of Bu‖ dings against Disasters ln Snow Season(Part2)
加 賀 久 宣・山 崎 守
要 旨
地震などの災害に対 しては、いかに水を確保するかが大変重要な問題である。とりわけ積雪時 の災害 では、
雪 と寒 さによる交通障害な どによ り外部か らの水供給 をあまり期待出来な いと考えられるので、
必要最小限
の水を確保出来るようにあ らか じめ対策 してお くことが重要である。そ こで今回は、
災害時 にお ける水確保
の た め に個 々の 建物 で 準備 して お くべ き対 策 等 につ いて 述 べ る。
1.緒 言
てお けば よいのか 明確 な基 準がな い こともあ り、個 々
積 雪 時 に地 震 な どの 災害 が起 こっ た らどうな るの
の建物 では この 問題 に対 して何 も対 策 をとっていない
か、特 に建物 に的 を絞 り、そ の安 全性 につ いて H9年
ことが多 い 。この点 か らも、積 雪時 の 災害 に対 して 安
度 よ り調査研究 を行 って いる。H9年 度 は特 に建物 の
全性 が確 保 され て いる とは 言 えな い。
避難 施設 を取 り上げ 、現 状 と問題 点 を調査 した。そ し
そ こで ここで は、災害時 にお ける水確保 のために個
てそ の 中 で、屋外避難 階段 が雪で埋 もれて使用 出来 な
々の建物 で準備 してお くことが望 ま しい対策 について
か った り、避難 回の扉 が積 雪 で 開 け られ な い な ど、積
具体 的 に述 べ た い。これ は 日本建築学会水環境委 員会
雪時 の災害 では建物か らの初 期避難 に関 して多 くの間
の「非常 時 にお ける適 正 水 配分 の検 討 WG」 が ま とめ
題 が あ る ことを具体 的事例 を上げ て 示 した。また、そ
た もの を参考 に して いる。大 き く上水 確保対策 と雑用
れ らを解決す るには、
建物管理者 の 防災意識 の高揚 は
水確 保 対 策 の 2つ に分 かれ て い る。
言 うまで もな く、建 物側 (ハ ー ド側 )で の 対 応 が必 要
2.水 確 保 の た めの具体 的対策例
不 可 欠 で あ る ことな どを提 言 した。
積雪時 の災害 に対す る建物 の安全性 を検討 してい く
(1)上 水確 保 対策
場合 、上 述 した 初期避難 に関す る事項 の次 に考 えなけ
給 水栓 、弁類 の整 備
れば な らないのが、
建物 の避難所 としての機能 である。
①受水槽 へ の給 水 引込管 (直 圧 )の 途 中に給水栓 を取
すなわ ち、
学校 の体育館や公 民館 な ど災 害時 に避難所
り付 ける。これ によ って、災害 で 受水槽以 降 の給 水
として指定 されて いる建物 が、本 当に積雪 寒冷期 に長
設備 に損傷 を受 けた時や 、建物 内 の給水設備 の復 旧
期 にわたって避難生活 を送 るのに耐 え うる機 能 をハ ー
が水道本管 の復 旧よ りも遅れた 時な どに、
給水 引込
ド的 に有 して いるか とい う問題 で ある。例 えば 積雪寒
管 か ら直 接 水 の 供給 を受 け る こ とが 出来 る。
冷期 の 避難 生活 で は 当然何 らか の 暖房 が必 要 で ある
②受水槽や高架水槽本体 に給水栓 を取 り付 ける。これ
が、予算 の 問題 もあ って、ス トー ブゃ 毛布 の 備蓄す ら
によって、
揚水管や給水管 な どの配管 設備が損傷 し
不十分 で ある の が現実で あ り、ま してや災 害時 で も使
て使 えな い時 に、水槽本体 か ら直接給水す る ことが
え る暖房 設備 を備 えた 建物 (避 難所 )は な い と言 つて
出来 る。
良 い。これ 1つ とって も積雪時 の災害 に対す る安全性
③ 受水槽 や 高架水槽 の接続配管 に緊急遮 断弁 を設 け
が確 保 され て い る とは とて も言 い難 い。また、阪神大
る。感震器 か らの信号で 遮断弁 を閉 じる ことによっ
震災 ではあ らためて 避難生活 にお ける水確保 の重 要性
て、
配管 系統 の損傷部 か ら水槽 の水が抜 けて い くの
が ク ローズア ップ されたが、
積雪時 の災害では この 問
を防ぎ、
水槽 の貯水 を確 保す る ことが 出来 る。
題 は よ リー層 深 刻 にな る と思 われ る。この た め、地域
④ 屋外 に受水槽 へ の送 水 口を設 ける (図 -1)。 これ に
と して だ けで な く、個 々 の 建 物 (避 難所 )と して も水
よつて、
給水 ポ ンプ車か らの給水 を屋 内 の受水槽 ヘ
確保 の 問題 に対 して 具体的な対策 をしてお くことが重
直接送 る ことが出来 るよ うにな る。送水 回は積雪時
要 で あ る。しか し、具体 的 に どのよ うな対策 を行 な っ
で も給水ポ ンプ車が近 づ ける場所 に設けなければな
- 39 -
福井県雪対策。
建設技術研究所 年報地域技術第12号 1999.7
らな い 。
雨 水 や河 川 の利用
⑤建物内 に受水槽 とは別の、
災害時用 の備蓄水源 を設
⑮雨水貯留槽 を設 け、
雑用水 として使用す る。場合 に
ける。地下 の二重ピ ッ トな どの空間を水槽 として利
用する ことが考え られる。
⑥ ペ ッ トボ トル等の容器 で水 を備蓄 してお く。多量 の
容器を置 くための広 いスペースを必要 とする。また、
定期的 に水を交換 しなければな らない。
容量アップおよび予備配管の整備
⑦受水槽 の容量 を大 きくして水 を確保す る。ただ し、
普段 の使用時に死水 にな りやすい。
③送水 日か ら揚水管又は給水管 へのバイパス管 を設け
よってはろ過装置が必要 である。
⑮建物 の池 、プ ー ル、消防用水、蓄熱槽等 の水源 を雑
用水 として利用す る。場合 によってはろ過装置が必
要 で ある。
湖 、海等 の水源 を雑用水 として利
①近隣 の河川、池 、
用す る。ろ過 装置が必要 である。
排水再利用
⑬雑排水を繰 り返 し再利用できるよう雑排水処理 シス
テム を設 ける。
る (図 …1)。 これ によって、受水槽が使 えな くな っ
3.結 言
た時、受水槽 をバイパス して給水車か ら揚水管又は
給水管 へ直接水 を供給す る ことが出来 るようにな
バル ブや配管設備 のち ょっと
①②③③⑨⑩ のよ うに、
した工 夫 で行え る対策 については、
避難所建物 の標準
それ以外 の対策
仕様 とす ることが望 まれ る。しか し、
る。
⑨揚水管か ら給水管 へ のバ イ パス管 を設 ける (図
1)。
これ によって 、高架 水槽 が使 えな くな った時 、高置
水槽 をバイパス して給水ポ ンプ車か ら給水管 へ 直接
対策 を行 つために普
法 については、コス トの 問題や、
段 の使 い勝手が悪 くなって しまうな どの問題があ り、
標準化するのは難 しいと思われる。
に水 を供給す る ことが 出来 るよ うにな る。
⑩揚 水 ポ ンプ 出 日か ら給水管 へ のバ イ パス 管 を設 け
る (図 ‐1)。 これ によ って 、揚 水 管 が損傷 を受 けて
使 えな くな った 時、揚水管 をバイ パス して給水 ポ ン
⑨高架水槽バイパス
プ車か ら給水管 へ 直接水 を供給す る ことが出来 るよ
うにな る。
災害用水源 および非常用設備の整備
⑩揚水管バイパス
①災害時専用 の受水槽 を設置す る。屋内 の機械室等 に
設置す る場合は屋外 の給水ポ ンプ車か ら直接水槽 に
市水
給 水 で きるよ うに送水 口を設 け る。また、水槽本体
④送水ロ
には給水栓 を取 り付 ける。
⑫ 上記⑤ の備蓄水源等 の貯水 をろ過す るためのろ過装
置 を設置す る。先述 のよ うに備 蓄水源 の 水 は、用 途
によってはそ のままで使 えな い こともある ので、ろ
過 と消 毒 の設備が必要 で ある。
③受水槽バイパス
⑬災害時用 の井戸 を設 ける。関係諸官庁 との打 ち合わ
せが必要で あるが、
通常井戸 を掘れな い地域 で も災
1
図…
害時専用 ということであれば許可 され る可能性があ
る と思 われ る。井水 が飲用不 適 の 場合 、ろ過 装置 が
あると良 い。
参
⑭災害時用 のエ ンジ ン付揚水 ポ ンプ を設置す る。停電
考
文
献
1)(社 )日 本 建 築学 会 環 境 工 学委 員 会 /水 環 境 小委 員会 、非
常 時 にお け る適 正 水 配 の検 討 WG、 第23回 水 環 境 シ ンポ
ジ ウム 、災 害 時 にお け る水 確 保 ― 建築 。設 備 計 画 の立 場
時 で も通常 の給水設備 を使 う ことが出来 る。
か ら一
(2)雑 用水確保対策
- 40 -
第 1編
調査研 究報告
基礎杭利 用地熱空調 システ ムの研究 開発
Development of Air-Conditioning System Using Underground Thermal Energy Collected by Foundation Pile
加 賀 久 宣 ・ 西 畑 正 一 *1・ 多 田 幹 男 ホ
*1・
*2.清 水 政 浩 *3
小林 ―郎
坂井俊 也
1
要 旨
建物基礎杭を土壌 との熱交換器 に兼用利用するとい う基礎杭利用地熱融雪 (パ イプ。
イン・パイル融雪)
の技術を使った地熱空調システムの実験を行った。
その結果、このシステムは杭の熱交換能力と空調負荷 の
バランスが良ければエネルギー消費量の削減につながること、また、
建物の条件によっては トータルコス ト
の面 で も従来 の空調 システムよ り優 位 になる可 能性がある ことが分か った。
キ ー ワー ド:パ イプ 。
イ ン・パ イル融雪
地熱空調 システム
1.は じめ に
エ ネ ルギ ー消費量削減
は、
基礎杭 に戻 る と杭壁 を通 して土 壌 と熱 交換す る こ
地下熱 を利用 した空 調 システムの研究 が全国
近年、
で 行 われ て い る。これ は、夏期冷房 時 に土 壌 を ヒー ト
とによって冷や されて、再 び 冷却水 として 循環 を続 け
る。同様 に、暖房時 は基礎 杭 内 の水 を ヒー トポ ンプの
熱源水 として 使用す る。ヒー トポ ンプか ら熱 を奪われ
ポ ンプ の 放 熱源 (ヒ ー トシ ンク )と して 利 用 し、冬期
暖房時 には土 壌 をヒー トポ ンプの採熱源 (ヒ ー トソー
温度低下 した 熱源水 は、
杭壁 を通 して土 壌 か ら熱 を受
ス )と して利 用す る ことで 、省 エ ネルギ ー や地球温暖
け取 り温 め られ て、
再び ヒー トポ ンプの熱源水 として
化防止 に貢献す る空 調 システム を実現 しよ うとす る も
ので あ る。この シス テムでは、当然 なが ら土 壌 と熱 を
循環 を続 け る。
ヒー トポ ンプや冷凍機 を熱源機器 とす る空調 システ
や り取 りす るための地熱交換器が必 要 で あ り、これ ま
ム を採用す る場合、以前は温度が安定 して い る地下 水
で にさまざまな 形式や構造 の地熱交換器 についてそ の
を冷却水 または熱 源水 として 用 い る ことで 、かな り効
性 能実験 が行 われ て きて い る。しか し、日本 で 地熱利
用 の 空調 システムの実用化 を考 える場合、土 中 に埋設
率 の 良 い運転 を行 う ことが可能 で あった。しか し、地
下水 の汲み上げ規制が行われ るよ うにな ってか らは、
す る地熱 交換器 の設置工事費が高す ぎるためにシス テ
ム全体 の建設 コス トが跳ね上が り、ライ フサ イ クル コ
ヒー トポ ンプや 冷 凍機 の 熱源 は、外 気 (空 気 )や 冷 却
ス トの面 で どうして も既存 の空調 システム に劣 って し
塔 による冷却水 を用 い る ことが ほ とん どである。技術
の進歩 によ り、空気 を熱源 とす る機器 で も最近 で はか
ま うと い う問題 が残 って い る。この ため、日本 にお い
な り運転 効 率が向上 しては い るが、地下水使用時 ほ ど
ては、地熱空調 システムは研 究的意味合 いで導入 され
て い るケ ー ス を除 いて 、実用化 されて いる例 は ほ とん
の 高 い効 率 は望 めな い。また、寒冷地 にお いて 外気 を
どな い と言 って よ い 。
熱源 とす る場合は、
依然 として冬期 の外気温低下 による
暖房能力 の低下および除霜時の運転停止 による室温低
そ こで 本研究 では、建物基礎杭 を地 中 との熱交換器
として兼用利用す る という基 礎杭利用地熱融雪 システ
ム (パ イ プ 。イ ン・パ イ ル 融 雪 )1)の 技 術 を用 い る こ
熱空調 システムな らば 、
地下水使用時 の運転効率 には
い
な
ものの、
及ば
外気 や 、冷却塔 によ る冷却水 を熱源
とによって経済的 に実用化可能な地熱空調 シス テムが
とす る場合 よ りも高 い運転効率、すなわ ち空 調 に要す
成立 し得 るのではな い か と考 え、基礎杭利用地 熱空調
システ ム の 性能 を実験 で 確 認 す る こと と した 。
るエ ネルギ ー の 削減 を期 待 す る ことが 出来 る。
図 1に 基礎杭 利 用 地 熱 空調 シス テム の 概 念 図 を示
す。冷房時 は基礎杭 中空部 に貯 めた 水 を循環 させ て 熱
源機器 で ある ヒー トポ ンプの冷却水 として使用す る。
2.実 験 装 置 と実験 方法
ヒー トポ ンプか ら熱 を受 け取 つて温度上昇 した冷却水
*1(社 )福 井県 管 工 事 設備 工 業協 会
下 の 問題 が残 って い る。しか し、今 回 の基礎杭利用地
今 回、土壌 との熱 交換器 とな る基礎 杭 には、基礎杭
利用地熱融雪 システムの実験で使われた内径310mm、
外 径 450mm、 長 さ22mの コ ンク リー ト杭 2本 をそ の
*2ホ ク コ ンア ー ス テ ク ノ (株 )*3三
-41-
谷 セ キサ ン (株 )
福井県雪対策・建設技術研究所 年報地域技術第12号 19997
まま使用 した。また、
本研究所敷地内 の屋根融雪実験用
冷 房 、暖房実験期 間 とも変更 しなか った。杭 内 の 水 循
住 宅 (木 造 平 屋 )の 一 室 (約 30ボ )を 使 い 、この 部
環 につ いては、冷房時 は温 まった冷却水 を杭 の上 部 に
屋 を空調 の対 象 とした。この システムの熱源機器 で あ
戻 し、
杭 の底部か ら冷 た い冷却水 を取 り出す よ うに し
る水冷 ヒー トポ ンプチ ラー は、市販 されて いる機器 の
た。また暖房 時 はそ の逆 で 、杭 の底部 へ 冷 えた熱源 水
中 で 最 小能 力 の も の を選 定 したが、使用 した 2本 の杭
を戻 し、
杭 の上 部か ら温 か い熱源水 を取 り出せ るよ う
の想定 される熱交換能力 に対 しては過大な能 力 の機器
バ ル ブ切 替 え した。
とな った。このため、杭 の 熱交換 能 力 に合 わせ た空調
本研 究 で空 調 の対 象 とした部屋 の 空調負荷 は、そ の
運転 をす るには、チ ラー を頻繁 に発停せ ざ るを得なか
ままの状態 では今 回使用 した2本 の杭 の熱交換能 力 に
った。室内 の空調機 は天丼 吊型 フ ァ ンコイル ユニ ッ ト
対 して 大 きす ぎる と思 われ た。このた め、室 内側 の 壁
2台 お よび床 置 フ ァン コ イル ユ ニ ッ ト1台 の 計 3台 と
に断熱材 を貼 つた り、断熱材 による間仕切 りで空調 面
した。主 な機器 の仕 様 を 図 1中 に示す 。
積 を変 えた りして、空調負荷 を調整で きるよ うに した。
冷 房 実 験 期 間 は 平 成 10年 7月 下 旬 か ら9月 中旬 、
部屋 の温度 は室内に設置 したサ ー モスタ ッ トとファン
コイル の 3方 弁 によ り制御 で き るよ うに した。
暖 房 実 験 期 間 は 平 成 10年 12月 中旬 か ら11年 3月 上
旬 とした。1日 の運転 時間 は、一 般 の就 業時 間 と合 わ
主な温度測定点 を図 1中 に示す。配管 内水温 は測温
せ て基 本 的 にAM8:30か らPM5:30ま で と した。平 日
抵 抗 体 で 計 測 した 。杭 内部 の 水 温 は T熱 電 対 で 計 測
は原則 として毎 日運転 し、土 日、祭 日等 は運 転 しな い
した。また、運 転効 率 を求 め るた め にチ ラー の 消 費電
もの と した。
力 も測 定 した。
冷却 水 (熱 源 水 )の 循環 流 量 は 25L/minに 設定 した
(杭
1本 当た り12.5L/min)。 これ は杭 中空部 の 水 が
3.実 験 結 果 と考察
1
日の運転で約 4回 転す る流量で ある。この流量 は杭壁
で の熱交換効率 を考 える と大 き い とも思われ たが、
選
(1)冷 房 実験
図 2は 冷房実験期 間 にお ける杭 へ の放熱量 (杭 放熱
定 したチ ラー の凝縮器 、蒸発器 の水量使用範 囲 および
量 )お よび杭 内部 の水温変化 を示 して いる。杭 放 熱 量
空調負荷 を考慮 して決 定 した もので ある。この流量 は
は室 内 の冷房負荷 に左 右 され る。この 図 にお いて 毎 日
°
冷温水循環ホンプ
冷却水 (熱 源水 )
°
循環ホンプ
°・
ホンフチラー
水冷ヒート
● 関
温度 センサー
‐
3.9五
冷暖房 切替 バ ルプ
‐
6.7m
-9.2m
‐
12.4m
名
称
仕
様
冷 却 水 循 環 ポ ンプ
冷却能力 9.okW カロ熟能 力 11.2kW
圧縮機 出力 2.2kW
φ 25× 33L/min× 12m× 0.25 kW
φ 32× 33L/m in× 25m× 0.75 kW
フ ァ ン コイル ユニ ッ ト
ギさ /りに,]百
水 冷 ヒー トボ ンプ チ ラ ー
冷 温 水 循 環 ボ ンプ
=フ
]
‐
18.lm
‐
21m
一
4650ノ 4700 kca1/h
建物基 礎杭
図 1 概念 図お よび実験装置
-42 -
調査研 究報告
第 1編
45
■■杭への放熱量 kWh/日
40
― 杭内平均水温 ℃ ①
一―杭内水温(水 深 -21m)℃ ②
35
30
25
20
15
10
5
0
::::::::::::::33::::::::::::::::ξ ::::::38:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
図2 夏期冷房運転 における杭放熱熱量 および杭 内水温変化
の杭 放熱量 にかな りの違 い が見 られ るが 、これ は、毎
日か ら29日 まで は室 内 の冷 房負荷 を少 な 目 に して 杭
日の天気や気温 の違 いによる冷房負荷 の変化 のみ に依
放熱量 を抑 えた こともあ り、かな り理想的な水温 回復
る ものではな く、
今 回 の実験 で 用 いた 2本 の杭 に対す
を して い る。しか し、7月 30日 か ら8月
る適正な杭放熱量、
言 い換 えれば適正な冷房負荷 を見
間、冷房負荷 を増や して 杭放 熱量 を最 高 で 128kWh/日
出す ため に、断熱材 の 間仕切 りで空調面積 を 日毎 に変
に上 げ る と、運 転 終 了時 で 杭 底 部 水 温 は 最 高 39.2℃
えて冷 房 負荷 を意 図的 に操 作 した た めで あ る。
まで上昇 した。冷却塔 による冷却水供給温度 は定格条
H日
まで の
この 図か ら、基礎杭利用地熱空調 システム の冷房期
件 にお いて 約 32℃ で あ るた め 、杭 底 部 水 温 の上 昇 は
間 における杭 内 の水温変化 について次 のよ うな ことが
最高 で も32℃ まで に抑 えな ければ冷房運 転 にお け る
分か る。朝 の冷房運転 開始 とともに杭 内 の水温 は徐 々
このシス テム の運転効率 の優位性がな くな って しま う
に上 昇 を始 め、夕方 の 運転終 了時 にピ ー ク とな る。運
゛
転終 了後 か ら杭 内水温 はす くさま低下 を始 め、翌朝 の
と考 え られ る 。この 点 か ら言 う と、7月 30日 か ら8
月 H日 まで の 運 転 は、杭 の 熱 交換 能 力 に対 して 冷 房
運転 開始 までにそ の 日の運転開始時 の水温近 くまで温
負荷 が明 らか に過大 である と判 断 で きる。次 にお盆 休
度 を回復す る。このよ うな杭 内 の水温変化 を月曜朝 か
み を利用 して 杭 内水温 をあ る程度 回復 させ た後 、8月
ら金曜 夕方 まで繰 り返す。土 日は運転停止 となるため、
17日 か ら30日 まで の 2週 間 、1日 の杭 放 熱 量 が 平 均
金曜夕方 の運転終 了後か ら翌週 月曜朝 の運転開始 まで
47kWh程 度 (1本 当た り23.5kWh)と な る よ う冷 房
杭 内 の水温 は低下 し続 け る。この 約 2日 半 の 間 に、金
負荷 を調整 して運 転 を行 った。この期間 の杭 内水温は、
曜 日の運転 による水温 上 昇分 と、月曜か ら木 曜 の夜 間
本空調 システムにとって理 想的 と思われ る経時変化 を
だけでは回復 させ きれず に毎 日少 しずつ蓄積 されて い
してお り、
使用 した杭 の熱交換能 力 に対 して杭 放熱量
つた 水温 上昇 分 とを回復 させ 、翌週 月曜朝 の運転 開始
がほぼ適 当であった と考え られる。この期間 の 1日 の冷
時 にはその週 の 月曜朝 の運転開始時 の水温近 くまで に
房 負 荷 は 平 均 31.lkWh(26,746kcal)で あ り、これ は、
な る。このよ うな水温変化 を冷 房期 間 中繰 り返す。こ
南側 中間階 の一 般事務所 で あれば お お よそ 25ボ 分 の
の ことか ら、空調負荷 に対 して杭 の本数や杭 の熱交換
冷 房負荷 に相 当す る熱量で ある。2)3)す なわ ち 今回 の
能 力 にかな りの余裕 が ある特別 な場合 は別 として、こ
実 験 条 件 (杭 の 循 環 流 量 、杭 の 形 状 、土 質 等 )の 範 囲
の システム には、
残業 による時間外運転が あま りな い
にお いて 、杭 1本 に対 し南側 中間 階事 務 所 約 12.5ぶ
こと、また、土 日のよ うに ま とまった空 調運 転停 止期
程度 の期 間冷房負荷 を負担 させて も、
杭 内水温 は シー
間が確 保 で き る と い う条 件 が必 要 にな って くる。
ズ ンを通 してほぼ理 想的な水温変化 を持続 してい く こ
次 に、杭 放 熱 量 と杭 底 部 (水 深 -21m)の 水 温 との
関係 に注 目す る。冷房運転 の場合 、杭底部 か ら水 を取
とが可 能 と思 われ る。
杭 の熱交換能力に対 して杭放熱量がほぼ適 当だった
り出 して いるので、
杭底部水温がチ ラー に供給 され る
と考 え られ る 8月 17日 か ら28日 ま で の うち 、24日
冷 却 水 温 度 とほぼ 等 し くな る と考 えて よ い 。7月 21
と27日 の冷房運転時 にお ける杭 内水深 方 向 の 水温 分
-43-
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
布変化 を図 3お よび 図 4に 示す。また、この両 日の冷
この 両 日は 1日 の トー タル の 杭 放 熱 量 が と も に 約
房運転時 の杭 へ の放熱出力 (杭 方熱出力)お よび土壌
50kWhで ほぼ 同 じで あ つ た。また 、杭 上 部 へ の 冷 却
へ の放熱出力 (土 壌方熱出力)等 の変化 を図 5に 示す。
水戻 り温度 とその時 の杭 内平均水温 との温 度差 にもほ
とん ど違 い は な か った 。しか しな が ら、図
3の 24日
の運転 では、運転 開始 にともな い温 か い冷却水が杭 上
部 に戻 り始 めると杭 内 の水 との間 に温度 の境界面が形
成 され、そ の境界面が時間 の経過 とともにだんだん杭
下方 へ 移動 しい く様子が見 られたの に対 し、図 4に 示
す 27日 の 運転 で は 24日 ほ どは っき りとした温 度 の 境
界 面 が現 れ な か った 。これ は 、24日 が 月曜 日で あ る
ために土 日の運転停止 の間 に温度上昇 した二次側配 管
系統 内 の 保有 水 を冷やす た めの立 上が り負荷 が大 き
03/248:40 H}3/249:10 -3/249:40
ー8/2410:40
Ю-3/2410:1い コ
く、図 5に 示す よ うに27日 よ りも運 転 初期 にお け る
,3/24:1:1008/2411:40o3/2412:1008/2412:4008/2413:10
+8/2413:40,8ノ 2414:10+3/2414:40+8/2415::0,3/2415:40
03/2416:,0(卜 8/2416:40+3/2417:1003/2417:30
杭放熱 出力が大 きか った ことが関係 して い る。すなわ
ち、運 転 初 期 だ け に 限 る と、24日 は 27日 に 比 べ て チ
図3 杭 内の水温分布 (8/24冷 房運転時 )
ラーの発停頻度が少 な い運転 とな り杭 上部 に戻 つて く
る温 か い冷却水 の量が多か つたため に、温水 の淀みが
出来やす くな り温度 の境界面がよ りはっき り現れた と
K
冽
3R
-38
考 え られ る。また 、図 5か ら分 か るよ うに、一 般 的 に
-67
-96
運転開始時 のよ うに杭放熱出力 の大 きさが急激 に増加
す る と、土壌放熱 出力がそ の杭放熱 出力 に見合 う値 に
-124
安定す るまで にある程度 の時間遅れ を生 じるため、
杭
-153
に戻 つた冷却水 の熱が土壌 へ逃げず に杭 内 に溜 ま りや
-181
す くな るが、この ことも運転初期 にお ける温度境界面
-21
08/278:3508/279:05‐ 3/279:3503/2710105‐
の 形成 に深 く関係 して いる と思われ る。次 に、図 5に
3/2710135
,3/27:1:0503/271i:35,3/27:2105t8/2712:35o8/2713105
示す よ うに、運転 開始 か ら 1時 間近 くが経過 して立上
+3/2713:35‐ 3/2714:05‐ 8/2714:35+3/2715:05+8/2715:35
-CH 8/2716:05o3/2716:35‐ 8/2717:0508/2717:30
が り負荷 がな くな る と、両 日とも杭 放熱 出力は運転終
図4 杭 内の水温分布 (8/27冷 房運転時 )
了 まで 5.6kW付 近 に 安 定 しな が ら推 移 して い つた。
5
0
3 ℃ 3
8W6
︲ k︲
14
― ①杭への放熱出力(3/24)kW
12
―
一②杭への放熱出力(8/27)kW
10
― ③土壌への放熱出力(8/24)kW
8
6
― ④土壌への放熱出力(3/27)kW
4
― ⑤杭内平均水温(3/24)℃
2
⑥杭内平均水温(8/27)℃
0
-2
O倒¨
卜
00¨
卜,
0一一
0,
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一”
,
6ス▼一 一
0寸¨
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XYO ,
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OO
,
ON¨
OO
OO¨
00
0一¨
∞O
-4
図5 杭 へ の放熱 出力お よび土壌 へ の放熱 出力
第 1編
調査研究報告
3の 24日 の 運 転 で は 、立 上 が り負 荷 の
杭 へ の 放 熱 量 が適 正 で あ った 8月 17日 か ら28日 まで
影響 で形成 された温 度境界面が杭下端 まで達 し杭 内 の
の 2週 間 の 運転 では 冷却水 温度 が平 均 27.2℃ で 推 移
水が 一 旦す べ て 入れ替わ る と、
杭 内 の水温分布 は徐 々
し、この 期 間 の 平均 のCOPは 3.40で あ った。
この た め 、図
に水 深方 向 にほぼ 直線 的な温度勾配 に変わ り、そ の後
は運転終 了までほぼそ の温度勾配 を維持 しなが ら推 移
して い つた 。図 4の 27日 の 運 転 で も、これ と同 じよ
(2)暖 房 実験
図 7に 暖房実験期間 にお ける杭 か らの採熱量 (杭 採
うな 水 温 分 布 の 変 化 が 見 られ た 。24日 の 運 転 で は 、
熱量 )お よび杭 内部 の 水温変化 を示す。放 熱 と採 熱 の
杭 内水温分布がほぼ直線的な温度勾配で推移 して いる
違 い はあれ、
杭 内部 の水温 は冷房実験 の 時 と同 じよ う
とき、
杭 上 部 に戻 つた 冷却水 は杭下部 に達す るまで に
なパ タ ー ンで 変 化す る ことが 分 か る。
平 均 2.2℃ 冷 却 され て い た。また 、27日 の 運 転 で は平
暖房運転 では杭 上 部か ら水 を取 り出 して い るので、
均 2.4℃ 冷 却 され て い た。24日 の 方 が冷却 温度 が小 さ
杭 上 部 (水 深 -lm)水 温 が チ ラー に供給 され る熱 源 水
5に 示 す よ う に、24日 が 月曜 日で 運
温度 に近 い と考 えて よ い。また、チ ラー は 一 般 的 に暖
転 中 の杭 内平均 水 温 が木 曜 日で あ る27日 よ りも約 2
房運転時 の蒸発器 の凍結 を防 ぐため、熱源水 の蒸発器
℃ 低か ったため、
杭 内水温 と土 壌 との温 度差が小 さ く
出 口温度 が4℃ 以下 にな る と安全装置が働 いて機械 が
な り土壌 放熱 出力が 27日 よ り小 さ くな ったた めだ と
止 まるよ うに設定 され て いる。この た め、チ ラー に供
思 われ る。
給 され る熱源 水温度 、す なわ ち杭 上 部水温 は、蒸発器
い が 、これ は 図
a00
4.2
で の 出入 口温度 差 を考 慮 して 最低 で も9∼ 10℃ を切
4.0
らな い よ うに しな ければ な らな い。この点か ら考 え る
38
と、2月 22日 か ら26日 まで の 1週 間 の 運 転 は 、杭 の
3.6
熱交換能 力 に対 して杭採熱量がほぼ適 当であった と思
3.4
われ る。この 週 で は、運転 中 の杭 上 部水 温 はそ の 日の
運 転 終 了時 近 くで も9℃ 以 下 にな って い な い 。また 、
3.2
杭 内水温は翌 日の運転開始 まで に前 日の運転開始時 の
3.0
水温近 くまで回復 し、土 日で 前週 月曜 の運転開始 時 の
2.8
水温 まで完全 に戻 つて い る。この週 の平均杭採熱量 は
2.6
32.5kWh/日 (杭 1本 当 た り16.3kWh/日 )で あ っ た 。
2.4
15
20
25
30
35
また、室 内側放 熱量は平均39.5kWh/日 (33,970kca1/日
40
冷却水温度 ℃
)
で あ った。これ よ り、今 回 の 実験 条 件 の 範 囲 で は 、杭
図6 冷房実験 における冷却水温 度 とCOPの 関係
1本 に対 して 南側 中間階事 務所 24ゴ 相 当 の暖房 負荷
を負担 させ られ る ことに な る。2)3)
図 6は 、
冷房運転 を行 った 日の冷却水平均温度 と成
図 8は 、暖 房運 転 を行 った 日の 熱源 水 平均温 度 と
績 係 数 (COP)の 関係 を示 した もので あ る。通 常 COP
は蒸発器側 の冷水温度 と凝縮 器側 の冷却水温度 との 関
COPの 関係 で あ る。本 実 験 の 条 件 で は 、運 転 中 の 熱
源 水 温 度 が 1℃ 高 くな る と、COPは 約 0.056高 くな る
係 によ って決 まって くる。しか し、本 実験 の 冷房運転
ことが 分 か る。この た め、例 えば運転 中 の 熱源水 平均
で は 、蒸 発 器 側 の 冷 水 温 度 が往 き9℃ 還 り15℃ と期
温 度 が 10℃ (COP2.9)か ら15℃ (COP3.18)に 上 が
間 中 ほぼ 一 定 だ った た め、図 の よ うにCOPは 冷 却 水
る と、チ ラー の 消費電 力量 は約 9%削 減 され る こ とに
温度 のみで 決 まって くる と考 えて よ い。これ よ り、本
な る。また 、杭 採 熱量 が適 正 で あ った と思 われ る2月
実験 の条 件 では、運 転 中 の 冷却水温度 が 1℃ 低 くな る
22日 か ら26日 までの
とCOPが 約 0.085高 くな る こ とが 分 か る。この 結 果 、
平 均 10.6℃ で 推 移 し、この 期 間 の 平 均 の COPは 2.93
例 えば 運 転 中 の 冷 却 水 平 均 温 度 が 30℃ (COP3.17)
で あ った。
(COP3.59)に 5℃ 低 くな る と、チ ラ ー の
消 費電 力量 は約 12%削 減 され る こ とにな る。また 、
4.ま とめ
か ら25℃
-45-
1週 間 の運転 で は熱源水温 度 が
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
■■杭からの採熱量 kWh/日
――杭内平均水温 ℃ ①
― 杭内水温(水 深 -lm)℃ ②
100
RQtQ(Qて く
図7 冬期暖房運転 における杭採熱量および杭 内水温変化
空調面積が与 え られ る と、それ に対 して必 要な杭 の本
y=0.0558x+2.3427
数 は夏期冷房 時 の 負荷 によ って 決 め られ る ことが分
かる。このため、冬期暖房 では幾分杭 の本数 に余裕 の あ
る運 転 にな り、熱源水平均温度 を上記 の値 よ りも高 く
維 持 で き る可 能性 が あ る。また 、冷却 水 平 均温 度 が 1
℃ 低 くな る と冷 房 運 転 の COPは 約 0.085上 昇 し、熱
源 水 温度 が 1℃ 高 くな る と暖房 運 転 のCOPは 約 0.056
上 昇す る ことも分 か つた。以 上 は、あ くまで も今 回 の
杭 の形状や
実験条件 の範 囲内 で成 り立 つ ものであ り、
循環流量 な どの条件が変わ ると多少違 った結果 にな る
2.4
8
9
10
11
12
13
14
15
と予 想 され る。しか し、今 回 の 実験 によ って 、この シ
16
熱源水温度 ℃
ステムが性能的 には十分 に実用化 の可能性 の あるシス
図8 暖房実験 における熱源水温度 とCOPの 関係
テ ム で あ る ことは 確 認 で きた と思 われ る。
実験 の結果か ら明 らかになった点 をまとめると次 の
の 2つ の点 を明確 に して い く必要がある と考 える。1
なお 、今後 は本空調 システム の 実用化 の ため に、次
つ は、それぞれ の条件 に応 じた基礎杭 熱交換器 の性能
よ うにな る。
空調 の対象 を南側 中間階事務所 と想 定 した場合、
杭
で あ る。言 い換 えれば 、建物 によってそれぞ れ 異 な っ
の 熱交換 能 力か ら考 えて 夏期 は杭 1本 当た り12.5ゴ
て くる杭 の 形 状 、本 数 、地 盤 、空 調 面積 、空 調 負 荷 パ
相 当 の期 間冷房負荷 を負担 させ る ことがで きる。この
タ ー ンな どの条件 に対 し、
杭 内 の水温が シー ズ ンを通
とき 、冷 却 水 温 度 は 平 均 27.2℃ で 推 移 しCOPは 3.40
して どのよ うに変化 してい くか個 々に予測 できる必 要
とな る。また 、冬 期 は杭 1本 当た り24ゴ 相 当 の 期 間
が あ る。これ によって 、本 空調 シス テム で 空調 を行 っ
暖房負荷 を負担 させ る ことがで き、この とき熱源水温
た場合 の シー ズ ンを通 して のCOPの 変化や エ ネルギ
度 は平 均 10.6℃ で 推 移 して COPは 平 均 2.93と な る。
ー 消費量 を設計段階 で把握 できる ことになる。そ して、
RCの 建 物 で は 、通 常 10ゴ か ら20ゴ 程 度 に 1本 の 割
例 えば空調 に使 う杭 の本数 を何本 に増やす とシー ズ ン
合 で杭 がある と考 え られ るので、実験 によって 得 られ
を通 して の 冷却 水平均温 度 が何℃ 低下 してCOPが い
た杭 1本 当た りの空調面積 は現実的な数値 で ある。し
か し、3階 建 て 以 上 の 建物 で は、そ の す べ て の 空調 を
くつ上が リエ ネルギ ー 消 費量が これだ け削減 され る、
この システムだけで行 うのは難 しく、
部分的な空調 に
は、他 の 空調 システム (外 気や冷却塔 による冷却水 を
な らぎるを得な い ことになる。次 にこのシステムでは、
冷温 熱源 とす る ヒー トポ ンプ、吸収式冷温水機 、パ ッ
といった さまざ まな検討が できる ことにな る。2つ め
- 46 -
第1編
調査研究報告
ケ ー ジエ ア コ ンな ど)の エ ネル ギ ー 消 費 量 で あ る。本
空調 シス テム と全 く同 じ空 調負荷 条件 の も とで 他 の 空
調 シス テ ム を運 転 した 場 合 、シ ー ズ ンを通 して のエ ネ
ルギ ー 消費量が どうな るか 予測 で きる必要が ある。こ
の場合 のエ ネルギ ー 消費量 とは、全負荷相 当時間 を想
定 しそれ に最大負荷時 の消費 エ ネルギ ー を掛 けて求 め
るよ うな概算的な ものではな く、時 々刻 々変化 して い
く空調負荷 を入カデ ー タ として空 調 システムの運転 状
態 をシミュレー トす る ことによ り求 め られ るよ うな精
度 の ものである。これ ら 2つ の ことを明 らか にす る こ
とで、は じめて この システム と他 の空調 システム のエ
ネルギ ー 消費量や経済性 を個 々の建物 ごとに詳細 に比
較検 討す る ことがで きるよ うにな る。そ して 、そ の 結
果 、本空調 システムの方 が優位 とな る建物 で あれば採
用 され て い く可能性 が あ る と考 え る。
謝辞
この研 究 は、(財 )福 井県 産 業 振 興財 団 の 企 業共 同
研 究支援事業 によ り、福井県雪対策 。
建設技術研究所 、
(社 )福 井県 管 工 事 設備 工 業協 会 、
三 谷 セ キサ ン (株 )
お よび ホ ク コン ア ース テ ク ノ (株 )の 共 同 で 行 われ た
もので あ る。本研 究 に当た り、アク ト設備 計画 手鹿廣
一 氏 、影 長 設 備 計 画 影 長 伯 実 氏 、ダ イ キ ン空 調 (株 )
梅 田勲 氏 に助 言 を頂 い た。記 して 謝意 とす る。
参 考 文
献
1)宮 本重信 :自 然熱源による路面の融雪・凍結抑制システ
ムに関する研究 第6章 基礎杭利用地熱融雪の概念・
設 計 。施 工 。運 転 例 名古屋工業大学博士論文
pp.33∼ 64
1999
2)空 気 調和・衛 生工学会 :空 気 調和 衛 生工学便覧第 12版 3
空気調和 設備 設計偏 pp 64∼ 651995
3)空 気調和・衛 生工学会 :都 市ガ ス によるコー ジ ェネ レー
シ ョンシステム 計画・設計 と評価 pp.1411998
4)森 野仁夫 :鋼 管杭 による土壌採熱実験 と性能予測手法 の
適用性 の検 討
清水建設研究報告第 63号 平成 8年 4月
pp 63∼ 74
- 47 -
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
寒冷地あるいは橋梁での基礎杭利用地熱融雪の数値シミュレーション
Numerical Simulation of Snow… MeLing System Using Underground Thermal Energy
Co‖ ected by Foundation P‖ e in Cold Regions or on Bridges
宮 本 重 信
加 賀 久 宣
竹 内 正 紀
要 旨
の
に
し地
熱 を集 熱 す る 融 雪 シ ス テ ム につ い て 、杭 1本 当
構 造 物 基 礎 杭 を熱 交 換 器 兼 用 利 用
た り の 融 雪 負 荷 面 積 を 福 井 市 よ り小 さ く し 、高 熱 伝 導 舗 装 と積 雪 セ ン サ ー を 用 い る な
らば 、寒 冷 地 札 幌 市 で も融 雪 可 能 で あ る こ と を 数 値 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で 示 した 。福 井 県 内
の 橋 梁 の 基 礎杭 を用 いた融雪 システム について も、融雪 のシミュ レー シ ョンを行 った。
キ ー ワー ド 基礎杭 、
地熱、融雪、
凍結 、
数値 シミュ レー シ ョン
橋梁 、
1.は じめ に
すでに筆者 らは建物 の基礎杭 を熱交換 に兼用
1)を 開発 し、
して の融雪 システム(図 ‐
福井県 内
3カ 所 で 施工・運転 させ て いる。
地熱利用 で 環
電気融雪なみ の建設費
境 に優 しいだけでな く、
で、
ンプの
維持管理は循環ポ
電気代だけである
ため安価 な ことが実証 され た。ここで は、北海
散水 し
道 のよ うな寒冷地 と散水融雪 のよ うに、
た水が凍結する ことが問題 となる橋梁での可能
性 について検討 した。
特 に、ノズル点検 のために散水 した水が深夜
に凍結 した ことが交通事故 を招 いた とされ、
道
路管理 に瑕疵があ った との判決が最高裁 で 昨
年出 された。福井県 では、冬季路面 の安全性 に
一層 の努力を行 う こととなった。
2.地 盤温度 な どが 融雪 に及 ぼ す影響
1993年 1月 か ら現在 まで融雪路面 の積雪 を感
(安 山岩骨材 コ ンク リー トの約 2倍 の熱伝導率)
を用 いて い る。シー ズ ン初 めの地盤温度 は約 1
5.8℃ で あ る。この 実 際 の 融 雪 は、
杭 の 集 熱部
と融雪面 の二つの熱交換をつないだ熱解析 に基
づ く数値シミュレー ションの結果 とほぼ一致 し
地
た υ
。また、連続融雪 で は杭 が周 りの杭壁 。
4 3 2
る。融雪 の配管 はポ リエ チ レン管 で 10cm間 隔、
舗装 のかぶ りは3cm、 舗装は珪石 コン ク リー ト
図-1 システム概念 図
降 雨 換 算 の融 雪 能 力
知する積雪セ ンサ ーで運転 し続けて いる駐車場
の本融雪 システムは、
PHC杭 (長 さ35m、 内径270
11m)で 、
杭 1本 当た りの負荷 面積 は8.9ボ /本 で あ
mm/hr
1`
盤か ら集熱す る熱 流束は、
融雪開始後か ら中の
一
では
水が 巡するま
冷水が杭 に入 り急激 に増え
配 管間隔 10cmか ぶ り3cm
珪 石骨材コンクリート
続 け、一巡 後 は周 囲が冷 えて次第 に低下す る。
そ
融雪 に使用す る熱流東 は一巡 までは一定で、
24
48
72
96
運 転 継続 時間 hr
2
図…
*福 井大学 工 学部機械 工 学科 教授
- 48 -
システム概念 図
120
144
第 1編
調査研究報告
0 0 0 0
0 0 0
6 4 2
の 後 徐 々 に 低 下 す る。融 雪 に 取 り出す 熱 量
と地 熱 の 集 熱量 は次 第 にバ ラ ンス す るよ う
よ る低 下 は 小 さ くな る結 果 が 得 られ た 。ポ
リエ チ レン管 を鋼 管 にす る と融雪 面 の 熱 抵
30
25
20 0本 システムでの残 垂
mm
15 一 雨量換算2mm/h融 雪
での 融雪
10
∞ 一\寸
∞\寸
ON\∞
∞ 一\∞
∞\0
蜂
0N\劇
♂ヾ﹃
9
0倒\ 一︲
・
3
り \ 9
9
.1
ゆ,
\一
0N\劇 一
ゆ ”\劇 一
得 られ る。
札 幌 市 で の 1シ ー ズ ン(1993∼ 1994年 )の
降 雪 デ ー タ に基 づ き 、放 熱 管 を鋼 管 に し面
Ю\N ︺
田
\
Щ
エ チ レ ン管 よ り高 くな り、高 い 融 雪 能 力 が
3 札幌市での地熱融雪数値 シミュ レーシ ョン
図…
C
い る。融 雪 能 力 降 雨 換 算 2nlm/hrの 電 気 融 雪
に比 べ て 、本 シス テ ム の 融 雪 能 力 は 少 しず
15
つ の 降 雪 で あれ ば 上 回 り、雪 が 止 む 間 に杭
3m40
5
積 を小 さ くすれば 、
電気融雪 を上回る。
0
寸N\∞O
寸一
\∞O
00\∞O
”劇\NO
一”
\劇O
”∞\一〇
一N\一
〇
一”
\O
,
F∞\N
一
補 強 コ ン ク リ ー ト舗 装 を 融 雪 部 の 条 件 と し た 。
杭 1本 当 た りの 負 荷 面 積 を か な り大 き く した た
め 、融 雪 能 力 が 2 cm/hrの 電 気 融 雪 に 比 べ 大 雪 で
一N\N一
10年 で 約 60cmと 最 も 積 雪 の 多 か っ た 1993∼
1994年 の シ ー ズ ン を 対 象 に し た 。放 熱 管 は 鋼 管
15cm間 隔 ,か ぶ り4cm珪 石 骨 材 を 用 い た 鋼 繊 維
1時 間ごと
1993-1994
”一
\N一
32.8m,30本 )を 用 いて 、橋面 とそ の 前後 取 り付 け部 の
融雪 (杭 1本 当た りの 負荷 面積 35.5ゴ /本 )を 想定 した 数
値 シ ミュ レー シ ョンを行 い 、融 雪 後 の 残 雪 深 と杭 内
部 平 均 水 温 を 図 ‐4に 示 し た 。計 算 期 間 は 、こ こ
システムでの残雪
‐ 2cm/h融 雪での残雪
□\Щ
橋 梁 で は 、径 の 大 き な 鋼 管 杭 が 多 い の
で 、これ まで の 建 物 杭 とは 地 熱 の 集 熱 な ど
が 異 な る。そ こで 、福 井県 坂 井 町 の 清 永 橋 で
の 橋 台 基 礎 杭 (鋼 管 径 800mm貯 水 有 効 杭 長
杭 内平 均水】
0本
内部 水 温 は 回復 す る。大 雪 で は杭 内水 温 が
低 下 して 電 気 融 雪 に 及 ば な い が 、そ れ で も
徐 々 に溶 け る。な お 、杭 1本 当た りの 負 荷 面
3.橋 梁での数値 シミュ レーシ ョン
降 雪比重を01で 計算
綱 争 ■ ■ 8 6 4 2 0 2¨4
熱管 下40cmの 温度 を福井市 内 では4℃ で一 定
と した が 、札 幌 市 で はそ の 温 度 を0℃ と し、
杭 頭 部 の 地 表 面 (建 物 下 )は 断 熱 と仮 定 して
。。
。。
。﹃2
。
。
3
21
積負荷 は福井市 と同 じ条 件 で シミュ レー シ ョ
ン した結 果 を融 雪後 の 残 雪 量 と杭 内部 の 平
3に 示 した 。な お 融 雪 放
均 水 温 につ いて 図 ‐
ゆN\ ︸”
5
0
抗 は 小 さ くな り、最 初 の一 巡 まで の 融 雪 能
力 は か な り大 き くな る。二 巡 後 も、融 雪 で
使 わ れ る 熱 量 と集 熱 量 のバ ラ ンス点 が ポ リ
4 2 〇 2一4 6
・
約 2/3に 低 下 す る 。そ こで 、杭 1本 に 負 担 さ
せ る融 雪 面積 を 1/2に す る と、初 期 の 融 雪 能
力 は変 わ らな い が 、融 雪 能 力 の 時 間 経 過 に
0
1 8許
い ので 、そ の ま まで は 融 雪 能 力 は福 井 市 の
5
3
ョンした結果 を上述 の福井市 で の事例 と比 較
2に 示 した。札 幌 市 で は地 盤 温度 が低
し、図 ‐
。
4
にな る ことが分か つて いる。
こ こで は 、札 幌 市 の 地 盤 温 度 を 10.5℃ と
想 定 し、連 続 融 雪 条 件 で 数 値 シ ミ ュ レー シ
4 福井県坂井町橋梁基礎杭利用での
図‐
地熱融雪数値 シミュ レーシ ョン
はや や 劣 る 結 果 とな っ た 。しか し、車 道 は除 雪 区 間
で あ る こ とか ら、この 程 度 で 安 全 で 快 適 な道路 とな
る もの と考 え られ る。また 、径 の 小 さな コ ンク リー
ト杭 に比 べ る と、杭 断面 に対 して 杭 周 囲長 が 小 さい
か ら熱 ス トックは大 き い が 、地 熱 で 集 熱す る割 合 は
劣 る。した が っ て 、杭 内 水 温 は低 下 しに くいが 、一
旦 低 下 す る と回 復 しに くい。そ の ことか ら大 雪 の 後
の 図‐
4の 杭 内水温 の 回復 は 図-3の それ に比 べ て 遅 い。
そ こで 、昼 間 にポ ンプ を運 転 し、太 陽熱 で 回復 させ
る ことな どが考 え られ よ う。
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号
4.ま とめ
地 温 の 低 い地 域 で あ つて も、また橋 梁 の よ うな 鋼
管杭 で も、融雪 面 の 熱抵 抗 を小 さ くす る こ とや 杭 一
本 当た りの 負荷 面積 を適正 に とれば 、十 分 な融 雪 が
可能 で あ る と計算 され た。
本 シス テム で は 、① 橋梁 で しば しば 生 じる融 雪 用
に散 水 され た水 が 凍 結 す る とい った トラブル が 少
な い こ と、② 散 水 ノズル点検 な どに比 べ 管 理 が容 易
な こ と、③ 地 下 水 を用 い な い ので 環 境 に優 しい こ と
の3つ の メ リッ トが あ る。さ らに、橋梁 基 礎 杭 と融 雪
規 模 な どの条 件 によ って は、建 設 費が地 下 水 利用 の
散 水融雪 よ り安価 にな る。
こう した ことか ら、福 井県 三 国土木 事 務 所 と福 井
県 道路 建 設課 の 協 力が得 られ た ので 、本 シス テム の
橋梁 で の 施 工 を平成 H∼ 12年 度 に行 う予定 で ある。
文
1)竹
献
内正紀 ,木 村照夫,宮 本重信,坪 田諭治 :基 礎 くい利用地熱融雪
法 の開発 と数値 シミュレー シ ョン,空 気調和・衛生工学会論文集
,No 52,pp 59-69,1992
2)宮 本重信 ,竹 内正紀 ,木 村照夫 :基 礎杭利用 による地熱融雪法 の
設 計 施 工 運 転 と数 値 シ ミ ュ レー シ ョ ン ,土 木 学 会 論 文 集
,No 609,/Vl,pp 99-110,199812
- 50 -
19997
第 1編
調査研究報告
雪の保存実験 と雪利 用 についての考察
Experiment on snow preseⅣ ation and discussion of snow utllization
in Fukui district
杉 森 正 義 ・加 賀 久 宣・ 室 田 正 雄
要 旨
福 井 地 域 に お け る 雪 の 保 存 と利 用 を 目 的 に 、雪 保 存 に つ い て の 課 題 の 検 討 と 、簡 易 な
容 器 に よ る雪 の 融 解 実 験 を行 っ た 。容 器 は 発 泡 ポ リス チ ロー ル 材 に よ り組 み 立 て 、上 面 を発
泡 ス チ ロー ル 材 の 蓋 、シ ー ト材 料 で の 包 み込 み な どの 断熱 方 法 と した。そ れ らの 方 法 で は 、上 面
が オ ー プ ンの 場 合 よ り融 解 量 は 5分 の 1以 下 、最 良 の 方 法 で は 10分 の 1に な る こ とが 分 か
っ た 。これ に よ り、各 種 断 熱 方 式 に つ い て の 効 果 の 比 較 が で き た 。融 解 に 関 す る気 象 的 要 因
を気 温 に 代 表 させ 、融 解 は お お む ね 気 温 に 比 例 す る と い え る。容 器 の 底 面 か ら空 気 の 流 入 が
あ る と融 解 は 大 き くな り、雪 の 保 存 上 は これ を 防 ぐ必 要 が あ る。
保 存 す る雪 の 確 保 と、効 果 的 な 断 熱 が で きれ ば 、福 井 地 域 で も 雪 の 長 期 保 存 が 見 込 め る。
キ ー ワ ー ド:利 雪・親 雪
雪 の保 存
断熱方法
断熱材料
図 ‐1に 示 す 。明治
1.は じめ に
断熱 シー ト
29年 以 来 100年
余 の記 録 が
福井地域 にお いて も利 雪・親雪 へ の 関心が持たれて
あ り、
年 による変動があ る。古 い時代 では雪が多か った
いる 。全 国的 には 雪 を長期 保存 し、雪冷 熱 の 空調 へ の
といわれ る ことがあるが、明治時代後 半 の記録 では 少
利用 や 、雪 中 に野菜や穀物 を保存 して熟成 させ 、付加
な く、あては ま らな い 。昭和
価値 を高 め る等 の利雪 の成功事例がみ られ る。しか し
雪な どか ら豪 雪 の 18年 周期 説 も聞かれ るが、それ を
福井は積雪地域 としては低緯度地 にあ り、
気温が高 く、
肯定す る根拠 はな い。近年 の暖冬傾 向 につ いて い うな
雪 も年 によって 多寡が あるので、
利雪 へ の取 り組 みが
躊躇 されて いる。ともあれ 雪保存 につ いて の基礎 的研
20年 代 な ど、少雪傾 向が
継続 した ことが あるが、近年 のそれ はおよそ 10年 に
究 が遅れて い るので、今 回は利雪研究 の前段 として 雪
わた り、
過去 の事例 を上 回 つて いる よ うで あ る。この
保存 についての検討 と実験 を行 った。
先 どうなるか については暖冬化 に向か うという説が多
福井 にお ける利雪 に関す る研 究 では、
利用す る側 か
38年 や 昭和 56年 の豪
らば 、過去 にお いて も昭和
い ものの、
地球 の長 い歴史か らは断定 できない。
らの野菜等 の雪 中保存 の研 究が あ る 1)。 雪 の利用 とし
次 に、積 雪 状 況 の 各地 の 比 較 を図 ‐2に 示す 。図で
て は 、古 くは氷 室 が あ り、近 年 の 単 発 的 な 雪 の 利 用
は、年最大積雪深 の極値 を縦 軸 に、平年値 を横軸 に し
では、
荒島岳 の東斜面 の渓谷 にたまった雪 を和 泉村 の夏
て 各地 の記録 を示 して ある。平年値 は、西暦 で
場 の イ ベ ン トで使 った事例が ある。福井県 内 で も優れ
を丸 めた 30年 間 の平均 で あ り、
現在使われて いるの
たスキ ー 場 があ り、一方 カ ン トリスキ ー を楽 しむ 動 き
は、1961年 か ら 1990年 の 間 の 記録 で、福井 で
もみ られ る
は 7 6cmと な って い る。2001年 になれば 平 年値
2)。
利雪 と親雪 は区分で きない ものであ り、
雪 を地域 資源 と して 多様 な角度 か らみ る ことが必 要
である。
10年
の値 は変 わ るは ず で あ る。
図 で 原 点 か らの傾 き は 、σ=(極 値 )/(平 年 値 )
で あ らわ され 、
福井 では 青森や札幌な どの寒冷地 に比
2.雪 保存か らみた福井の気候 的特質
べ て 大 き くな って い る。この ことは年 による変動が大
2.1.福 井地域 の積雪の記録
き い こ とを意 味 して いる。福井 は克雪 の面 では た まに
降積 雪状況 は、山岳地 や平野部 な ど、位 置 または 地
襲 われ る豪 雪 に備 えな ければ な らず 、一 方 、雪 を利用
形 によって違 うが、
福井地域 を代表 させ るもの として、
す る面か らは、
雪 が少な い ときには どうす るか とい う
福井市 で の 年最大積 雪深 の記録 (福 井地方気 象台 )を
逆 の 悩 み が発 生す る こ とにな る。
-51-
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
0
5
E o︶
︵
拘
100
駄
50
EE 騰 印澤 K豪 =
︵
∞ ∞ ∞ ∞
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∞ O〇 一
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︵
,
。鰤mmm価鰤獅醐。
m9
0
︵X く
図 -2
"識
∞0〇 一
福 井 の年 最大積 雪深
2345
年 最 大 椰
∞∞〇 一
∞∞0 一
∞卜の 一
∞ 卜0
,
∞0〇 一
〇O〇 一
∞い0 一
,
0い0 ア
∞寸 0
∞寸 0
,
∞∞〇 ︸
図 -1
0め0
,
∞N O r
∞倒0 一
∞ 0一
,
∞ 0一
,
∞0〇 一
∞0 〇 一
∞0∞ 一
0
6
寒
(ハ V)
図 -3
年 最 大積 雪深 の各 地 の比 較
7
候
8
9
10
11
期
和 泉 村 の積 雪の 記録
2.2.和 泉村 の積 雪状 況
利雪 の面 では毎年安定 した雪が欲 しい。候補地 して、
特別豪 雪地域 または 山間地 が あげ られ る。そ こで 、和
10年 間 の年 最大積 雪深 と 日降雪
最小および平均は、
量累計 をみてみる。10年 間 の最大、
泉村 にお ける過去
262cm,90cm,140cm、 日降雪 量 累計 が
年最大積 雪深 が、
,844cm,315cm,504cmと な って いて 、や は り和泉村 で は
毎 年 あ る程 度 の 雪 が あ る ことがわ か る。ス キ ー 場 の
駐 車 場 で は 、降雪 の 度 に広 い 範 囲 にわ た って 除雪 を
す るわ け で あ り、これ を効 率 よ く集 め る ことが で き
れば 、利 用 の 道 が 開 けそ うで あ る。
写真 -1.九 頭 竜 スキ ー場 駐 車場
―- 52 -―
第 1編
2.3.日
調査研究報告
射 お よび気 温 の特 質
融雪 を促 進 す る 要 因 には、太 陽 日射 、気 温 、雨 水 等
が あ り、この うち太 陽 日射お よび 気温が大 き く関 係す
る。雪 の 長期保存 を行 うため には、これ らの 要 因 を い
か に遮 断す るか が重 要 にな る。まず 、日射 と気温 につ
いて 地域 によ る違 い を大 まか にみ て み る。
1)緯 度 によ る 日射 の強 さの違 い
福井 、青森 お よび札幌 の緯度 は表 -1の 通 りで ある。
冬至
太 陽 の入射 角 を θとす る と、地 上で の 日射 の 強度 は、
春分
太 陽 か らの 直射 量 にSin θをか けた もの とな る。太 陽
図 -4
南 中時 の 各地 の Sin θの 値 をみ る と、時期 によ って か
Sinθ 値
わ り、図 -4の よ うにな る。各 時 期 の 札 幌 の 値 を 1と
す る と、福 井 は冬 至 で はお よそ 1.3、 春 分 また は秋
1.01で あ り、
夏場 ほ ど差 は小 さ くな る。つ ぎ に、昼 間 の 時 間 を 日の
出か ら 日の 入 りまで の 時 間幅 と して 比較 す る と、図
-5の よ うにな り、福 井 と札 幌 で は春分 を挟 んで逆 転
︵
‘︶
分 で はお よそ 1.1、 夏至 で はお よそ
E 12
古
10
す る。以 上 の こ とか ら、春 か ら夏 にか けて は、福 井 と
8
札 幌 の 日射 強度 の 差 は あ ま りな い といえ る。
6
2)各 地 の 日射 量
月
地上で の実際 の 日射量は、
天候 の影響 を受 けるので 、
実測 によるほかはな い。各地 の平年値 の記録 は表 -3
図 -5
各 地 の昼 間時 間
のよ うにな って いる。全般 的 にい う と、日本海側 で は
表 -2
太 平洋側 に比 べ て わず か に少 な い よ うで あ る。
各 地 の 日あた り平均 日射 量 (MJ/m2)
(1974∼ 1990年 の 17年 平均 )
表 -1各 地 の 緯 度 、緯 度
(気 象 台 の位 置 、
標 高 は露場 )
地
名
福
井
緯
度
標
高
月
福井
青森
札幌
1
5.9
5,41
5.93
2
8.0
8.7
12.1
12.3
N
8.8 m
3
40° 49′
N
2,7m
4
N
17.2 rn
5
17.9
17.9
41R, m
6
16.2
18.4
7
17.2
174
8
16.5
気温 は緯度 と標高 によ って まず 違 う。また、地球 的
9
12.9
規模 でみ る と、大 陸 の 西側 と東側 で は西側 で 高 く、東
10
側 で 低 くな って いる。ともあれ 、わが 国 の 各地 の気温
1
青 森
長
野
´争
本L 幌
3`°
︵υ
03′
36°
40′ N
12.7
︵ン
∩ン
0ン
4.3
12.1
12.0
И什
- 53 -
年 平均
17.2
う´
は不 利 にな る。断熱 の 方 法 が重 要 にな る。
′
,
ので、気温が高 い ことは 当然なが ら雪 の保存 の ため に
ハυ
雪 の融解 において気温 の影響は雪温 との差 に比例す る
9″
をみ る と、緯度 お よび 標 高 によ る違 い は明 白で ある。
1
17.6
κυ
3)各 地 の気温
15.0
H.9
福井県雪対策・建設技術研究所
表 -3
年報地域技術第 12号
19997
表 -5容 器 の実験 条件
各地 の気温
日平均気温 の 月平 均 (℃ )(30年 平均 )
月
福井
1
青森
札幌
長野
番
号
1.2
No l
2.7
‐4
-0.5
‐
0.1
6.4
,
2.6
‐
4.6
″
1.7
設置位置
側
上
壁
面
No 2
日向
発泡スチロール
ミラー シー ト傘
3
No 3
日陰
発泡スチロール 発泡 スチ ロー ル
10.4
No 5
日向
発泡スチロール ブルーシー ト
No 6
日向
発泡スチロール オープン
19.6
No 7
日向
発砲スチロール ミラー シー ト
3
5.9
4
12.5
5
17.5
6
21.2
‘U
オープン
′υ
日陰
発泡スチロール
7
25.4
20.9
20.2
23.5
No 8
日向
発泡スチロール 断熱 シー ト
8
26.7
22.9
21,7
24.8
No1 0
日向
発泡スチロール 発泡スチ ロール
9
22.1
18.4
17.2
19.9
10
15.9
12.0
10.5
6.2
4.3
7.2
であるので、
含水状態 は飽和 に達 して い るもの と見な
1.0
1.4
1.7
した。底面 に断熱材 として の発泡 スチ ロー ル を使わな
9.7
8.2
7.6
,
14.5
+断 熱シー ト
︵υ
9“
年平均
′
12
使用 した雪 は、この 時期 に野外 で放置 されて いた もの
い ことに代 わ る断熱方法 は、容器 の底 に水槽 をお き 、
氷 (雪 )含 み の 水 を入 れ る こ とで 処 置 した 。しか し、
3.雪 保 存 の 実験
この ままで は底 面か らの空気 の 流れ を遮 断す る こ と
3.1.実 験 方法
がで きず 、雪 の融解 にかな り影響 して いる ことがわ か
図 ‐6に 示す発泡 スチ ロー ル 製 の容器 に雪 を入れ 、
った ので 、容 器 全 体 を シー トで くるみ 、さ らに シー
上 面 をシ ー トな どで 覆 い 、融解 量 を観測 した。観測 の
時 期 は 、1999年 2月 後 半 か ら 3月 前 半 で あ る。場 所
巌
鍮豪支
'411,■
は福井市 内 の 当研 究所敷地 内 で あ る。使用 した 雪 は、
■
1
200
敷地内通路除雪 の堆雪 または福井市近郊 の 山間地か ら
運 んだ もので ある。容器表面 の 熱 の遮 断 は、発泡 スチ
,
ロールの蓋、または 3種 類 のシー トで覆 うことに した。
シー トの種 類 は表 ‐4に 示す もので 、名称 は 一 般 的
な呼称 としてお く。容器 の要 件 、す なわ ち設置場所 お
よび容 器 表面 の 処 置 方 法 は 表 -5の 通 りで あ る。
融解 量 は重量変化 で 測 る こと とし、そ の た め に、容
金網 を敷 き、
器 の底面は発泡スチ ロール の板 を使わず 、
図 -6
実験 装 置
溶 けた水 が速 や か に流 下 す るよ う した。
熱伝 導 率 は熱流 板 と温 度 測 定 とによ った。反 射 率
は 日射 量 と、シ ー ト上 面 の正 味放 射 量 の 比 較 によ る
概 算 で あ る。価 格 は 、単位 量 の 見積 を参考 に した。
表 -4 表 面 シ ー ト
名 称
厚み
熱伝 導 率
Irlm
lV/mK
ミラーシート 0.4
0.06
断熱シー ト
004
6.1
0.55
くυ
0.04
価格
円/m2
nv
ブルーシート 0.22
反射率
0.65
120
1,600
写真 -2.実 験状 況
2340
-54-
第 1編
調査研究報告
卜に雪 を包 み込 んで シ ー ト全体 を冷 や した。
観沢1結 果 において傾向が違って いそうな ことがあるが、こ
Q ‘Σ\ つΣ ︶
劇 寒 田K 畑
。 5 0 5 0
“ 5
3 3 2 2 1 ︲ 5 0
0
2
表 …5の No7の 容 器 にお いて 、南側 に位 置 す る容 器
︵
p ︶ 頭 ぼ コ眸 田
5
1
側面 で熱流 を測定 した。さらに、
そ の面 および反対側 (1ヒ
0
︲
側 )の 側 面 の 表 面温 度 を測 定 した。
5
・
これ らについて、
図¨7に 示す (福 井気象台 ;気 象月報 )。
0
量
5
4.福 井 で の 1999年 2月 ,3月 の 気 温 お よび 日射
一
\寺
O倒\∞
0゛\∞
寸F
\∞
∞\∞
N\∞
で製\N
∞”
\N
倒一
\倒
0\倒
Щ回
この 年 の 気 温 及 び 日射 は、お よそ 平 年並 み とい う こ
とがで き る。
図 -7
5.実 験結 果 と考 察
気温 、日射 (1999福 井 )
今 回 の実験はかな り精度 が粗 い もので あるが、以下
結 果 を報告 す る。
の ことの追求 は して いな い。なお容器 を雪で満た した
1)融 解 量
表 -6に 実験 条件 各種 につ いて の 融解 結果 を示す 。
ときの雪 の重量 はお よそ
19kgで
、平均密度 は比重
量 で0.63で あ る。
融 解 量 の 測 定 は重 量変 化 (kg)で 測 定 した。測 定 の
時 間 幅 は い ろ い ろ で あ る ので 、一 時 間 あ た り、か つ
2)容 器 の断熱 条件 と融解 量
平米 あた りと し、なお か つ 熱 量表 現 、す な わ ち W(ヮ
雪 の融解 には気温が主要な要件で ある ので 、気温 を
ッ ト)/m2で 表 して い る。1時 間 あた り lkg/m2
バ ラメ タ ー と して 融 解 結 果 を 図 …8(1)∼
の 融解 量 は、
93W/m2に 相 当す る。逆 の表 現 で は、
示 す。
100w/m2
詳細な熱収支 に関す る計算は さてお いて 、
最 も計測容
で は 1時 間 あた り 1平 米 あた り1.0
(8)に
8k gの 雪 が 溶 け る こ と にな る。観 測 時 の 気 温 は 、
易な気象要素である気温 との関係 を意図 しての ことで
測 定 時 間 中 の一 時 間毎 の値 の 平均 、日射 量 (短 波 長 )
ある。す べ ての事例 にお いて 融解量 は気温 に対 して右
は、10分 間隔測 定値 の 平 均 で あ る。No7容 器 の側 壁
肩 上 が りの 関係 が認 め られ る。日中 の 気 温 が 高 い こ
の 熱流 は、同 じく 10分 間 隔測 定値 の 平 均 で あ る。
と と、融解 の もう一つの主 要な要 因 で ある 日射が強 い
一 連 の実験 の最初 に容器 に雪 を満た し、お よそ 朝 9
こ ととは相 関が ある ので 、今 回 の結果 か らも、気温 を
時 と 16時 の 1日 2回 、もしくは
12時 頃 を含 めた 3
回測定 し、翌朝 9時 の時点 で 雪 の量が少な い と見 られ
Tと す る と、融解量は Tnに 比例 し、nは 1よ り大で
あ るいえそ うで ある。しか し、
今 回だ け の 実験 では n
る容器 については雪 を補充 した。雪 を補充 した場合 に、
の値 を議 論 す る ことはで きな い。
表 -6
開始時刻 終了時刻 時間幅 平均気温 日射量
H
10/30 3/4/13/06
3/5/16/25
W/」
W/面
W/ボ
79
8.2
21
91
14.8
534
56
294
159
9.2
12
101
164
215
159
137
―-
No10
W/ゴ W/ぽ
W/ゴ
39
102
13.12
152
48
5.69
37
14
79
215
271
101
19.01
90
44
221
290
141
13.41
106
34
2.63
34
166
5.26
91
34
413
No8
No7側 壁
347
87
55 -
0ン
ス付
3/5/9/18
W/ぶ
261
3.33
16.25
W/ぶ
∩ン
う乙
3/5/8/41
W/ぶ
14.1
‘υ
34/161126
No7
‘υ
4
うZ
314/13/106 3/4/16/26
2.6
No6
‘υ
2/27′ 10/00
No5
‘υ
うZ
3/4′
"σ
N03
うZ
2/26/16/03
16103
2.23
И争
21261H145
No2
うZ
nン
犯01141
Nol
0ン
0ソ
4
箆 6/9/20
W/ぶ
℃
雪の 融解 実験 結 果
30
41
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 1999.7
◆
5
10
気
(°
(°
(7)No 8容 器
日向 。上 面 断熱 シ ー ト
日向 。上 面 ブル ー シ ー ト
。
6
0
5
N06BOX◆
。
1
0
気
1温
5
気
1温
5
10
気
上面 オー プ ン
日向 。
20
(3)No 3容 器
日陰 。上 面発 泡 ス チ ロール
0
温
15
(℃
)
(8)No1 0容 器
日向・上面発 泡 スチ ロール
+断 熱 シー ト
。。。。。
。。 。。
86 42 ∞ 8 6 4 2
︵
劇箋 駐選
■\3 ︶
15
C)
◆
15
C)
(5)No6容 器
10
(°
温
`
●
(°
︵
劇髪 駐諷
モ\3 ︶
気
◆
0
2
◆
15
。 獅5
。
0。
5
2
︲m 5
5
◆
0
3
◆
C)
日向 。上面 ミ ラー シ ー ト傘
N010BOも
0
4
◆
(°
(2)No 2容 器
︵
劇箋盤選
■\3 ︶
饉
◆
0 ∞ ∞ ∞ ∞ 0
∞ 0
■箋 腱 選
︵
t\3 ︶
劇護
t \3 ︶
。 0 0 0 5
。。
m
5
5
鰤
5
知
5
4仙3
2
︲
︵
婆
上面 オープ ン
日陰 。
°
15
C)
温
(4)No5容 器
(1)No l容 器
1温
0
15
C)
温
気
10
気
5
5
◆
◆
0
0
0
◆ ◆
0 0
∞ ∞ ∞ “ 2
0 ∞ 0
∞ 5
5
︵
劇籠 墜 理
■\ 三 ︶
0
∞ 。 ∞ 5
5
︵
颯餞 駐 饉
t\3 ︶
N05BOX
■籠駐 墨
︵
t\3 ︶
。
5
。
5
120
5
気
10
15
温 (° C)
(6)No7容 器
日向 。上 面 ミ ラ ー シ ー ト
図 -8
融解 量 と気温 の 関係
次 に 断熱方法 の それぞ れ の効 果 を比較す る。表 ‐6
3)日 向 と 日陰 の違 い
に示す融解量 について便宜的 に最大値 と最小値 を除 い
観測 時例 は少 な い が 、表 面 をオ ー プ ンの ま ま 日向
た 平 均 を取 り、結 果 を表 ‐7に 示 す 。こ こで は 、表 面
に お い た No6容 器 と 日陰 にお い た No lの 容 器 の
をオ ー プ ンに したNo 6の 融解 熱量 に対 す る比で あ ら
比較 がお も しろい。No lは 低 い 屋根 のひ さ しの下 に
わ して いて 、値が小 さい ものほ ど断熱 の効果 が優れ て
お い た もので あ り、日中 の 時 はNo6容 器 の 方 が は る
い る ことにな る。
か に融解 が大 き い が 、夜 間 の 場 合 は逆 にNo lの 方 が
融解 が大 き い 。この 理 由は 、No6の 場 合 は夜 間 の 長
- 56 -
第 1編
表 -7
調査研究報告
5)熱
各 種 容器 の 断熱効 果 の比 較
収 支 の検 討
雪 の融解 に関係す る要 因 の寄与 の程度 を見 るため、
容 器 No6(表 面 オ ー プ ン)に つ いて 熱 収 支 の 検 討 を
断 熱 の効 果
容器 番 号
No1 0
0.11
行 う。容器 中に流入す る熱量 を径路別 にみ る と次 の よ
No 8
0.21
うにな る。
No 3
0.22
No 7
0.28
太 陽 か らの 日射
No 5
0.4
気 温 によ る熱伝 達
No l
0.52
側 壁 :側 壁 材 を通 した熱 伝 達
No 2
0.62
下 面 :下 面 材 か らの熱伝 導 また は 長 波長 放 射
No6
1.0
表 面 :長 波 長 放 射
この うち、表 面 の 長 波 長放 射 は無視 し、また、下 面
か らの熱 の流入 は、
先 に述 べ た理 由で無 い もの とす る。
波長放射 は雪 面か ら上空 に放 出され るのに対 して、屋
さて、日射 による融解 は、
積雪表面 の アル ベー ドを
根 の あるNo lで は、屋根 の材料 か らの放射が あ って、
αとす る と、日射 量 の (1-α )が 雪 面 に 吸収 され る
融解 を促 進 させ て い る と い え る。
と して 扱 う。
雪 の融解 に関す る気温 による熱 伝達 は、
舗装面 の熱
4)融 解 量 の空気 の 流 れ によ る影 響
伝 達 に使 って い る
3)次 のユル
ゲ ス の 式 を使 う。
Hr=hj(T∽ ―Ty_0)
U≦ 5(ln)
今 回 の実験 の初期 の うちは、容器 の周辺 をシー トで
包み込 む ことを しなか った。この ときの実験結果 をNo
7の 容 器 につ いて 、先 の 図 -8-(6)と の 比 較 で 示
す と図 -9の よ うにな る。両者 の観 測期 間 の気 温 が違
hj=3.95U+ 5.8
U>5
hj=7.13U078
うので直接 の比較はで きな いが、全体 的傾 向か ら推測
す る と、容器周 囲 の シー トがな い場合 の 結果 は、シー
ここで、hjは 熱伝達率 (W/m2K)、 T∽ は気温 (k)、
トが ある場合 の融解 量 の 3倍 以 上 になって い る。この
Ty=oは 雪 の温 度 (k)で あ る。
差は底面 での空気 の流れ による融解 と見 る ことがで き
る。3倍 とい う数字 に意 味 はな い が 、空気 の 流れ が あ
側壁か らの熱伝達 lu07の 容器 で測定 した値 (表…6に
表 示 )を 使 う。
以 上 に よ り、表 ‐6の No6の 観 測 値 に 対 して熱 収
れば融解が促進 され る ことを定性的 に示す ことがで き
支 による算 出熱量 との 関係 をみ る と図…10の よ うに
た。
250
な る。こ こで 、α値 は、か な り汚 れ た古 い 雪 で あ るの
0
0
速 は、気象月報 による観測 当 日の平均風速 を使用 して
●
0
5
いる。理 論値 と実験 値 が一致 す るな らば 図‐10で は
●
“
‐
F
0
直線 関係 にな るはず で ある。結果 をみ る とバ ラツキは
一▲
0
5
量 ハ
0
0
︵
唱籠 墜饉
t \3 ︶
で 、α=0.7と して い る。ユ ル ゲ ス の 式 に 関す る 風
あるが、
観測値 を熱収支計算 でお よそ説明で きる とい
え る。
0
。
5
10
気
温
15
(℃
6)発 泡 スチ ロール の熱伝 達
20
発泡 スチ ロー ルは有用な 断熱材 であ り、これ の特性
)
●下面の空気の流れ遮断
を見 て お きた い 。No 7容 器 の 側 壁 で 表 面温度 と熱 伝
▲下面 の空気 の流れ あ り
達 を観測 期 間中連続測定 したので、これ をもとに発泡
図 -9
融解熱量の比較 (No7容 器 )
スチ ロー ル側壁 の熱伝達 の様子 を検討す る。表面温度
- 57 -
福井県雪対策・建設技術研究所 年報地域技術第 12号 19997
測 定 はサ ー ミス タ ー 素子 を使 用 し、発 泡 ス チ ロー ル の
表面下
600
3mm程 度 の 位 置 に 埋 め 込 み 、接 着 剤 とガ ム
テ ー プ で 固 定 した 。熱 伝 達 は 、25c
・
m2の 板 状 の 素
E 500
子 を容器 の裏面 に両面テ ー プ で 固定 し、
側壁 か ら雪 に
≧
400
流入す る熱量 を直接測 るよ うに した。発泡 スチ ロー ル
埋
300
側 壁 の 厚 み は 5cmで あ る。
饉
200
事例 として 図-11に 気温、
発泡スチ ロール側壁 (容
悧K 10°
0
器 の 南側側壁 と北側 側壁 )の 表 面温度 、お よび 南側側
200
壁 の熱流 の様子 を示す。気温 の変化 に従 って側壁 表面
理 論
温度 と熱流 も変化 して い る。そ こで、この結果 か ら発
図 -10
泡 スチ ロー ル 板材 の 熱伝 達 の 様 子 をみ て み る。
400
値
(W/ボ
)
融解 量 の熱 収 収 支 計算
No6
容器
日向・上面 オ ー プ ン
35
30
25.0
20.0
25
20
15.0
15
10.0
10
5.0
5
0.0
0
0 9 o9 倒N
OO¨
O〇一
∞一
0 9 00 0 N
〇Q oQ 寸 一
〇 O OQ O 一
〇〇¨
〇 〇¨倒
oQ 0 9 ∞
,
O Q OQ O ”
OO¨
OO¨Φ
O O¨OO¨
寺
oQoQ 倒
09oO o
O O¨
OO¨
N゛
oQ O Q O N
oQ o Q ∞ 一
,
OO¨
O O¨
寸一
〇Q 09 o
〇 〇一
〇 〇一N 一
o0 0 9 ∞ ,
〇 9 09 0
0 0一
〇〇¨
寺
0909 0
00 09 N
3/4
︵
p︶ 撻 嘔
貧糧 \ 3 ︶ 颯 療
35.0
30.0
-5.0
600
-5
3/5
図-11容 器側面での熱流 囃
板材 につ いて伝導 による熱 伝達 は次式で表 され る。
日向・上面ミラーシー ト
定 義 で あ り、一 定 とな るはず で あ る。3月 4日 の 観 測
開始 直 後 一 時 的 に λに 相 当す る値 が 大 き くな って
q
=
Sλ
TS Tb
d
(2)
い る。この とき は太 陽直 射 が強 く、光 の 透 過 に よ る
熱流 が あ った とも考 え られ るが、検 討 は して いな い。
W
q
熱伝 達 量
S
面積 (m2)
Ts
Tb
表 面 の 温 度 (K)
d
表 面 と裏 面 の 幅 (m)
λ
熱伝 導 率
それ以降 はお よそ 0.02W/mKで 一 定 ともいえるが、
バ ラ ツキ が み られ る。この理 由は 、発 泡 ス チ ロー ル
板 材 の 裏 面 (雪 に 接 す る側 )で 雪 と板 面 との 間 に空
裏面 の 温 度 (K)
隙 が で きた こ と、さ らに、熱伝 達 素 子 と雪 との 間 の
空 隙 が 考 え られ る。した が って 、図 -12の 縦 軸 は、
(W/moK)
観察 期 間 中 にお いて qと Tを 連 続 測定 した。裏 面 の
温 度 は 雪 に 接 して い る た め0℃ とみ な し、dq/Ts
の 関 係 を とる と 図 ‐12の よ う に な る。qは 単 位 面 積
熱伝 導 率 と しな いで 、定 義 を曖 味 に した 熱伝 導 度 数
と して い る。と もあれ 、発 泡 ス チ ロー ル 材 に よ る断
熱 の 状 況 をお よそ把 握 す る ことが で きた。
当 りで 表 現 して い る の で 、dq/Tsは 熱 伝 導 率 λの
- 58 -
第 1編
調査研 究報告
︵p
5 0
2 2
E\ζ ︶
︵
γ ‘or
× 毎 悩錮 車
30
︶
15樫
10
5 0
3/4
円
ヨ
3/5
図 -12発 泡 スチ ロール 側壁の熱流特性
6.各 種 断熱 方法 の比 較
つ。
・ブル ー シ ー ト
以 上の結果 をもとに、
今 回使用 した 各種材料 の 断熱
の効 果 を調 べ る。効果 は、雪 をオ ー プ ンの ま まに放置
した 場 合 との 比 較 で 調 べ る。算 出 は 、表 ‐6の 結 果
No 5容 器 の上 面 につ いて
108ノ /293=0.37
の最大値 、最小値 を除 い た平均値 を使 い 、容器 の上 面
・ミラー シー ト
にお ける熱流の比較 によって行 う。容器上面 の熱流は、
No 7容 器 の上 面 につ いて
68.3/293=0.23
No 7の 容 器側壁 で の測 定値 を差 し 引 い
全熱流 か ら、
た。側 壁表 面 の 温度 は南側 と北側 で は違 い 、熱 の 流入
・断熱 シ ー ト
量 も違 うであろ うが、全体 として 大 き くないので 北側
No 8容 /容 器 の上 面 につ いて
表 -8
側 壁 の 向 き によ る表面温 度
52///293==0.18
3月 4∼ 5日 間の平均温 度
側 面 の位 置
温度 (℃ )
南側
9.1
倶J
気温
No 2容 器 の上 面 につ いて
176/293=0.6
‘υ
1ヒ
3)日 除 け法 (傘 )
7.雪 の長期 保 存 につ いて
10.8
夏場 のいつ まで保存 で きるか については、当初保存
と南側 の 差 を考 慮 して い な い 。た だ し、表 ‐6の 熱 流
した 雪 の量 と断熱 の方法 によって決 ま り、実際 に行 っ
値 は単位 面積 当た りであるので、容器上面 の面積 と側
て こそ結果 が分か る もので あるが、実施 に先立 ち概 略
壁 の 面積 比 を考 慮 しておか な ければ な らな い 。
の見込みが必要 であるので 、今回 の実験 か ら予測 方法
No6の 容器 の上 面 の実 流 入 量 を求 め る と、
まず 、
293W/m2と
a
な る。
1)発 泡 スチ ロー ル (蓋 材 )+ミ ラー シ ー ト
No1 0で 上 面 の実 流入 量 は 18.7W/m2と
と して 次 に述 べ る。
表面 をオー プ ンの ままの状態での熱流入量 を推定
す る。これ には、気象条件 を予測 した詳細 な熱収 支 の
な る。
よ つて 、雪 の オ ー プ ン状態 との比 は、
計算 がで きれば望 ま しいが、さ もな くば 、日平均気温
を代表 させ て、それ と融解 量 との 関係 を調 べ てお く。
b
18.7/293=0.064と な る。
(2)シ ー ト材 料
各種断熱方法 とオー プ ンのままとの比較 を して お
く。
上 同様 それぞれ の容器 とNo6の 容器 との比 較 を行
- 59 -
以 上 につ いて は今回述 べ たよ うな 実験 を積 み重ね 、
福井県雪対策・建設技術研 究所
年報地域技術第 12号
結 果 の 精 度 をあげ る ことが 必 要 で あ る。
19997
参
しか し、雪 の長期保存 につ いては次 の注意が必要 で
あ る。
考
文
献
1)小 林恭一・坪内均・倉内美奈・稲木幸夫 :雪 貯蔵 における野菜
p79‐
の品質変化、
(1993,
福井県農業試験場報告、
第 30号 、
87、
3)
・長 波 長 放射 によ る融解
容器 内 での空 間 を通 して の放射 による伝達 で あ り、
°
今 回 の実験 では触れ て いな い。対馬 らによれば 、トン
ネル 内 での雪保存 にお いて 、トンネル壁面か らの熱 の
流入が意外 に多 き い とい う。これ には シー トや 断熱材
で ある程度 防 ぐ ことがで きるが、
意外 な見落 としが あ
る とされ て い る。
2)前 田博司。他 :ク ロカンマ ップ 2、 p144‐ 156(加 賀 。越前
)、
白山
書房、(1997.3).
3)宮 本重信 :鋼 床版路面橋 の蓄熱材封入 による凍結抑制 の技
レー
ショ
ン編、
ミュ
福井県雪対策・建設技術研究所年報、
術開発、
数値シ
pll-16,(1998)・
第 10号 、
4)対 馬勝年 (研 究代表者 :雪 氷 の資源 エネルギ ー利用 と雪氷
技術 の産業利用 に関す る研究、(財 )日 本積雪連合、日本積
・空気 の 流 れ の 防止
No161、 (平 成 10年 9月 )
雪連合資料、
今回 の実験 で も空気 の流 れが融解 を促進す る ことが
他 に次の資料 を参照 している。
定性 的 に言 えた。空気 の移 動 を押 さえ る ことは、行 う
平成 11年 1月 ∼ 4月
福井県気象月報 、
に難 いが、くまな く目張 りす る ことが最 良 の方法 で あ
理科年表
ろ う。
気象庁 :日 本気候表 (そ の 1)、 (平 成 3年 3月 )
福井県和泉村役場積雪観測資料
・保 存 す る雪 の 量 と形状
体積 は 3乗 に比
通常 ,表 面積 は長 さの 2乗 に比例 し、
例 す る。した が って 、量 が大 き く、円形 に近 い ほ ど表
面積 と体 積 との関係 で永 く保 存 で きる こ とにな る。
8.ま とめ
雪 を利用す る ことにつ いて、まず福井地域 で 雪 を ど
の程度長期間保存 で きるか どうかが問われ るので、
他
地域 との気候 上 の 比較 を大 まか に行 い、さ らに、雪 の
融解 実験 を行 い 、断熱方法等 につ いて 検 討 を行 つた。
以 上 を ま とめ る と次 の通 りで あ る。
1.福 井 は雪寒地域 としては低緯度地域 にあた るが 、
他 の地域 と、日射 によ る 違 い は あ
雪 の融解 につ いて 、
ま りな い 。
2.発 泡 スチ ロール お よび シ ー ト材料 につ いて 、断熱
の効果 を調 べ た。板 のよ うに厚 み のある 断熱材 の使用
が望 ま しいが、断熱 シー トまたは ミラー シー トの よ う
に、表 面 の 反射 のよい もので覆 えば 、断熱 の効 果 は何
もな い 場 合 の 5倍 程 度期 待 で き る。
3.い ろ い ろな雪 の保存方法 または断熱方法 につ いて、
長期 にわ た る効 果 を調 べ る必 要 が あ る。
4.福 井 にお いて も、断熱 をよ くすれば 雪 を長期 間保
存 す る ことが 見 込 め る。
最後 に、富 山大学対馬勝年教授 に本研究 につ いて ご
助 言 を得 て い る ことを記 し感 謝 申 し上げ た い 。
-60-
第 1編
調査研 究報告
景観 シミュレー シ ョン技術研究事業
その 4
Study on Landscape Simulation (Part 4)
山 崎 守・ 室 田 正 雄
要 旨
景観 に配慮 した土木 施設が求め られるなかで、
事業推進 に当たっては景観 シミュレー シ ョン技術
が有効かつ効率的な手法 となる。
平成 10年 度はマニュアル を作成 した。
キ ー ワ ー ド:景 観 シ ミュ レー シ ョン、コン ピュータ ー グ ラ フイ ックス、マニ ュアル
る。最初 に作 業 メ ニ ュー が表示 され 、そ の 中 では 以下
1.は じめ に
平成 7年 度 において CG作 成技術 の習得 と CG作 成
に示す項 目が表示 されて い る。
機器 の購入 を行 った。平成 8年 度 では様 々 なケ ー スで
各項 目の 内容は内部 で リンクされて いる。
例 えば「分
CGを 作成 し、基礎 的な資料 の収集 を した。平成 9年
野別表」で作業 中 に分か らない ところが発生 した場合、
度 は 一 般 の職員 に も簡単 に景 観 シ ミュ レー シ ョン技
「演 習 」や「用 語 集 」を辿 って 再 び そ の 基 礎 を学 習 し
術 を使 え るよ うにす るた め の 方 法 を検 討 し、マ ニ ュ
た後 、も う一 度「分 野別 表 」の 作 業 途 中 にな った 箇 所
10年
に戻 つて作 業 を続行す る。ある い は画像合成す る際 の
アル を試作 した。そ して最終年度 にあた る平成
度 で「福井県景観検 討 マニ ュアル 」の初版 を発行 した。
画像 素材 が欲 しくな った時 は「素材集 」を辿 って イ メ
今 回 このマニ ュアル につ いて 報告 す る。なお 、本 マニ
ー ジに合 った 画像 を検索 し、目的 の画像 を取 り出 した
ュアル を収録 した CD―
ROMは 土木事務所 を中心 と
作業 を続行す る といった ことが 容易 に出来 る。
後、
以下 に各項 目について解説す る。
して既 に配布 してある。
2.成 果 の まとめ
(1)は じめ に
研究成果 の総 まとめ として今 回 の検討 マニ ュアル を
発行 したわ け で あ るが 、それ らの 中身は、平成 7∼
1
当マニ ュアル の全般的な使 い方や注意点 を記述 して
いる。
0年 度 間 に派遣研 究員制度等 を利用 し、多種多様 な景
観検討委員会 の資料作成等 に参加 させていただいた成
果 で ある。以下 にそ のマニ ュアル の構成 と解 説 を記載
した。これ まで報告 して きた年報 を併せて参 照 いただ
きた い。
3.マ ニ ュアルの構成
ROMに 納 めて いる。また、
作業 ソフ トとして Adobe社 製「PhotoDel
uxe forビ ジネ ス 」を使 用 す る。な お 、マ ニ ュ
アルは県庁 LANな らび にイ ンター ネ ッ トのホーム ペ
マニ ュアルは紙 と CD―
ー ジ上 に も掲載 して い る。
パ ソ コ ンに CD―
ROMを セ ッ トす ると自動的 にマ
ニ ュアルが立ち上が る。
マニ ュアルはイ ンター ネ ッ トブ ラウザ上 に表示 され
-61-
ヽ│ヽ ‐
ギ │■ 壺螢二
福井県雪対策。
建設技術研究所 年報地域技術第12号 19997
じ られ るので、内容 は記述・説明画像 とも簡 略化 し作
(2)演 習
初心者 。
初級者 の ため、フ ォ トモ ンター ジュを 中心
に、Adobe社
製「PhotoDeluxe
業手順 のみ を示 して いる。
for
ビジネス 」の基本操作 を学ぶ コー ナ ー である。
(4)知 識集
起 動・終 了、範 囲 の 選 択 、色 調 等 の 変 更 、レイ ヤ ー
景観検討 を行 う際の参考資料 として役立 つ と思われ
の使 い方 の 5つ の基本編 と、具体例 を使用 した 2つ の
る雑誌・書籍や各学会論文 の タイ トル と概略 の一 覧。
実践編 か ら成 っている。
2D・
初級者向けに言葉 を選び、
解説 も平易 を心 がけた。
テス トで もほとん ど問 い合わせがな く最後 まで演習 を
3DCGの
様 々な ソフ トの操作 を解説 した もの
や色彩 の原 理 を解 説 した もの、ワー クシ ョップ 。ア ン
ケ ー トの進 め方 を紹介 した もの等で ある。
終 える ことが 出来た。
また、
作業 のポイ ン トや記述だけでは分 か りに くい
(5)素 材集
画像 を合成 。
修 正 して い く際 に、作成 イ メー ジにあ
ところは、
音声付 き動画 による解説 を参照で きるよ う
った画像 をそ の都度準備す るのに苦労す る。特 に OA
に して 補助 した。
この 演 習 に於 いて は、特 に「選 択 範 囲」と「 レイ ヤ
機 器 が まだ 普 及 して い な い 現 在 、所 属 内 に ス キ ャ
ー 」の 理 解 を深 め る と作 業 効 率 が 上 が り、また 、あ
ナーがない等画像のデ ジタル化が出来ない場合も多い
らゆる場面で役 に立つはずなので繰 り返 し練習 して い
と思 われ る。
ただ きた い。
そ こで、マニ ュアル上か ら検索 し、自動的 に作業 ソフ ト
上 で 開 く ことが 出来 るよ うに した。既 に 不要部 分 の 透
(3)分 野別表
゛
す くに作業 にかか りたい職 員 の ため のコー ナ ーで 、
ジ■メ多 ■
31機 置 =全
1演 習 へ 1用 語 の説 明 1景 観設 計 の 知識
籠♂ │=雲
保
1道
O●
に作業 の難 易度 を取 った表 にな って いる。表 の 中には
当研究所等で派遣研究員制度 の活用等 によ り今 まで に
路建設
':電
計 │1lI
蓄積 した 多数 の事例 を分類 してプ ロ ッ トして いる。
添付 ソフ トの使用だけで作業 を完結でき
各事例 で、
ll基
るもの にはマークを付 け、
作業 に取 りかか る際 の 目安
と して い る。
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川%‐ 1野 開智 警1繋
1事
柱邑 │
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この コー ナ ー は既 に作 業 内容 が理解 で き る職 員 を対
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工
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横軸 に河川 。
道路 といった土 木建築分野 名 を、縦 軸
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象 と して お り、詳 しす ぎ る説 明 はか え って 煩 わ し く感
最初に戻る 分野別表へ 1演 習へ 1用 語の説明
■
凛
演習は、基本テクニックの習得と具体的な実践とがあります。
│
1景 観設計の知識
`む
基本編
基本 1:PhotoDebxeの 起動と保存、終了
基本21選 択範囲作成のための各ツール
‐
義1 絲
・・,S,II= ′′
11:`.I‐
謎
ィ
鱗
基本 3:カ ラーの設定方法
基本4:色 調の変更・修正
ノョップ中で 提 案 した 各 アイテ ア
│ワ ー クニ
基本 5:レ イヤーのしくみと使い方
実践編
実践1:不 要な物体を肖1除 する
実践2レ イヤーを使つた色変えシミュレーション
オ,嘴 蜻
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12澤 彙嘔輌輌
澳弾口01ヨ率│==I
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- 62 -
│プ ロジェクター に映 し出され たデサ イン
画 面 左 手 前 の パ ,'コ ンで操 作 中
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劇︱ ■■■■■■■■==■11111﹁剥劇
一 通 り基礎が出来ている職員以 上 を対象 に して い る。
'輛
第 1編
調査研 究報告
明化処理 をして いるので簡単な操作 で作業 中の画像 に
マニ ュアルのテス トの時 にも用語 については質問が
多 く、分か りやす い正確 な記述 に配慮 した。
合成 出来 る。
道路や橋等土木構 造物 の他 、信号機・ガ ー ドレー ル
等 の 付属構 造 物 、人や 車 とい った 添 景 、椅 子 。
文房具
(7)委 託
非常 に幅広 く深 い知識 を求 め られ る検 討、操作難易
等 の 内装 、空や レンガ と い った 背景・材質 とい う具合
度 の 高 い検 討 、労 力や時 間・費用がそ の効果 に比 べ て
で 分類 して いる。
しか し物 には 方 向性が あ り、一つの物 で も多方 向か
らの画像 を用意 してお く必要があるが、サ ンプル 数は
まだ少な いので 今後充実 して い く必 要があ る。
過大 になる検討 については委託 した方が良 い場合があ
る。そ こで 主 に県 内で活動 して い る景観 検 討関連事業
所 を紹介 して い る。内容 は社 名 、代 表 者 名 、連 絡 方 法
と標 準価格表 、制作例等 で ある。制作例 をイ メ ー ジ 図
として見 られ るのは配布 に電子形態 も採 ったのが 良か
(6)用 語集
色相・明度 といった 景観 関連 の用 語 、特 に CG作 成
で頻 出す るカタカナ 語 を中心 に解説 した。マニ ュアル
った と思 う。景観検 討 に有効 な方法 で あるパ ー ス、模
型 、CG、 ラン ドスケ ー プデザイ ンの各 分野 に分 け て
一 覧 して いる。
では専門用語が分か らな くて も記 述通 りに操作すれば
一 通 り作 業 で きるよ うに作成 した。しか し、よ り高度
(8)困 つたな
な作業 を行 いた い場合や、作業 に関連す る人達 とコミ
当マニ ュアル を使用 していて分か らな いことが発生
ュニケー シ ョンを取 る場合 は、や は り言葉 が分か る と
した時 に近 くの職員 に問 い合わせて もらうため に作成
スムーズ に進む。
した一 覧。
摯
一一一綸
,│● 崎,■ 4ぶ D■ 疑課診
よ り現 場 に近 い ところで活用 して もらうため に、各
妙轟
1申
土木事務所 よ り代表者 に出席 して もらいマニュアルの
講習会 を開 い た。また、当研 究所 で は H7年 度 よ り C
2
「自動選択ツール」
背景に色が着いている場合は、
で抜き取
りたくないところを選択後、選択範囲を反転して、コピーします。
道路
道路 ―車止 め
道路 ―乗り物
道路 ―信号機
道路 ―添景
道路 ―電柱
道路 ―ガー ドレール
道路 ― 白線
道路 一標識
内観 一椅 子
内観 ―テーブル・机
内観 一時計
内観 一小物
内観 ―棚
内観 一文房具
G研 究会 を開催 してお り、そ の会員 について も広 く知
識 を共 有 して い る。そ うい った職員 の一 覧 である。
今後 の改訂版 も、まず一覧 の職員宛 に配布す る予定
河川
街灯
橋梁
植物
人物
線路
で いる 。
(9)建 設 省版 景観 シ ミュ レータ
背景
塀・擁壁
その他
建設 省 総合 プ ロジ ェク トの 課題 にあげ られ 、そ の 成
果品の一部である3Dモ デラー兼レンダラーである。
鯉 檬 帯 帯卑 峰 醗 繁 扉 I機 麒 繭 1勁 ジ リ
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福井県雪対策・建設技術研究所
背景 に した 2次 元画像 と合成す る ことが出来、また
経過年数 による退色 をシミュレー トした り都市計画 シ
年報地域技術第 12号
19997
今 回発行分 には含 んで いな い。そ こで 自ず と 2DCG
を中心 に説 明 して いる。
ミュ レー シ ョンを行 える等、特徴的 な機能 を有す る。
さて、2DCGす なわち フ ォ トレタ ッチ ソフ トにつ
バー ジ ョンア ップ も頻繁 に行われ、
安定性が増 した
いて は現在 多 くの ソ フ トが ある。国産 の、出来れば県
ことや操作 の容易性等 を評価 し、
利用 を促進す るため
産 の ソフ トを探 し多数試 したが、操作 の容 易 さや簡便
さ。
価 格 、景観検 討 関連事 業者 とのデ ー タ のや りと り
収録 した。
等 を考 慮 して 、現在 は Adobe社
eluxe forビ
4.留 意点
昨年度 まで の 計画 に比 べ て変更・追加 した項 目は多
数 あるがそ の主な ものにつ いて紹介す る。
製「PhotoD
ジネス 」を採用す る こととした。
また、第 1回 の 、
県 内土木事務所 を対 象 と した マニ
ュアル 配布 の 際は 当ソフ トをセ ッ トとして添付 した。
マニ ュアルだ け の配布 ではす ぐに作業 にかかる ことが
(1)導 入部の変更
出来 ず 熱 意 が 落 ち て し ま う し、景 観 検 討 す る と い
速やか に作業 を始 め るため、ある いは作業準備や手
「分野別表」の他 に「進捗度別表 」
順 を整理す るため に、
う作業 自体 が広 く普及す るまでの間、そ の有効性 を少
と「役 立 ち度 表 」も整 理 で き次 第 、追加 して い く予 定
考 えた。
しで も多 くの職 員 に知 って貰 うためにも必要である と
である。
5。
今後の スケ ジュール
基本 はそ う変わ る ものではな いはず だか ら、
今後 よ
(2)委 託 につ いて
現在 は発注者・事業所相 互 の共通 の価格体系はな い。
そ こで 、実際 に景 観検 討作業 を行 つている各事業所 に
り使 いやす い ソフ トが現れればそ ち らに移行 して も良
いで あろ うし自然だ と思 う。
出来れば 、現在 ではツー ル として難解 で 未熟で ある
価格表 を作成 して も らった。
求 め る 品 質 の も の が 幾 ら く ら い か か る の か 、出
が、3DCGソ フ トを組み入れ て い きた い。
室 田は、新 たな景観検 討
直接 の担 当者 で あ る山崎 。
来 上がった ものが価格 として適正なのかが不明瞭だっ
事 例や 良 い 素材 が現 れ た り、ソ フ トの 変更 。バー ジ ョ
た。また、
発注要領や仕様書 のよ うな もの も無かった。
ンア ップ した 時な どに、更新 をす るつ も りな ので 、事
要望等 の収集 にご協力 いただ きた い。
例 の提供や苦情 。
発注 者側 か ら見 る と、直接 の依頼 先が分 か らな く、
景観検 討 を業 とした事業者側 としては、形態が個 人
営 業 の と ころ が多 く、決 まった価 格 とい うもの を持
また 、内容 と して は景観検 討 模 型 の 型紙 も含 めて い
っていな いところが ほ とん どであった。
きた い と考 えて いる。
そ こで 今 回 、各 事 業 所 バ ラ バ ラ な が ら も、比 較
また、実際 の利用 に際 しては紙版 も便利 なので PD
の た め の 価 格 表 を作 成 して も らった 。勿 論 今 回 の
設
価格表 が 固定 され た もので はな く、今後 とも現場 。
F形 式 で も配布 して いる。各 フ ァイル をダ ウ ンロー ド
計 内容・求 め る 品質 によ って価 格 は変動す るので、受
等 の PDF閲 覧 ソ フ トで開き、印刷 してお くことをお
注価格 の打 ち合わせがな くな る ことはない。
勧 めす る。
一 方 、職能 として の地位 向 上 の ため、また業界 の 窓
して Adobe社
製「AcrobatReader」
「福井県景観検討 マニ ュアル」の入手方法だが、
さて、
口として、協会や組合 とい った形で組織化す るの も方
研究所 のホームペー ジを見て も らうか当研究所宛 ご連
策 で あ ろ う。今後 、意 欲 のあ る事 業所 を一 覧 で きるよ
絡 いただ きた い。
うにす る と共 に、価 格 表 を 一 定 の フ ォー マ ッ トに改
最 後 に熱 心 に ご 指 導 い た だ い た大 阪 大 学 の 笹 田
先 生 、マ ニ ュアル の テ ス トや 事 例 の 提 供 に ご協 力 い
良 して 積算 で きるよ うに整 えた い。
た だ い た CG研 究 会 員 の 方 々、マ ニ ュアル作 成 に 多
大 な ご 協 力 を い た だ い た 杉 森 比 呂恵 氏 に 謝 意 を 申
(3)ソ フ トの選定等 について
作業 ソフ トの選定 にあた り、3DCGは エ ンジン・
イ ンター フェイス とも成熟 してお らず時期 尚早 として
-64-
し上げ る。
第 1編
調査研究報告
単純プ ール型 コンク リー トブ ロ ック階段式魚道の評価
―― 光川 における施 工事例 よ リー
a Valuation of a sirnple Stream Pool Type concretebrock rnade Fishway―
a Case oflkari River―
竹 内 一介
要 旨
河川の床固め工である落差工に設置する魚道を開発 した。
魚道形式は階段式で景観面よりもより高いそ上効
「
率と施工性、
経済性を追求 した。 (以 下本魚道を 単純プール型 コンリー トブロック階段式魚道」と呼ぶ)本
魚道は、
魚がそ上するために良い条件の水の流れを発生させ、
アユとその他在来魚がそ上できることが実証され、
さらに魚道設置区間に生息する魚の種類 と個体数が増加した ことがわかった。
本魚道は、
魚の生息生育環境と
なる河川形態を多様化させ河川に生息する生物の多様性を向上させると評価できる。
キ ー ワー ド
:
落差工、
魚道、階段式魚道 、
単純プ ール型 階段式 コンク リー トブ ロ ック魚道
1.は じめ に
c)魚 道整備方針
河 川 の 床 固 工 で あ る落差 工 に 設置 す る魚道 を開発
した。魚 道 形 式 は階 段 式 で 景観 面 よ りもよ り高 い そ
上 効 率 と施 工 性 を追 求 した。 (以 下「単 純 プ ー ル 型
・施工を簡潔にするために階段擁壁部を特注による欽 製品ブロ
ックによって組み立てる。
(魚 道のプレキャス ト化)
。越流部を中央に設定し、
その両側にプールが生じるようにする。
コ ン リー トブ ロ ック階段 式魚道 」と呼 ぶ )福 井県 内 の
・ 標準的な落差工 に対 して汎 用 できる構造 とす る。
2級 河 川 一 光 川 にお い て 導 入 され 、平 成 8∼ 9年 度 に
・ 越流部 は、泡が立たず か つ 滑 らかな 流れ とな るよ う
4基 が 完 成 した 。本 魚 道 につ い て 、魚 が そ 上 す る た
に、下流 に向けて滑 らかな切 り欠き形状 とす る。
め に 良 い条 件 の 水 の 流 れ を発 生 させ て い る こと を確
d)独 自性
認 し、さ らに実 際 の 魚 の そ 上状 況 と魚 道 設置 によ っ
・ 階段壁を2次 製品ブロックによって組み立てることによっ
て 変 化 した 魚 類 の 生息 分布 状 況 を観測 し、そ の 結 果
か ら当魚道 のそ 上 効果 と魚 道 の 設置 が河川環境 の 向
上 にお よぼす効果 を評価す る。
て施工性、
経済性が向上した点。
・ 魚 道 の 各 プ ー ル の 深 み は流れ の 作用 によ って 自動
的 に維持 で きる点。
・ 魚道 の下流 に魚溜 ま りとなるプール を設 けた点。
2.単 純 プ ー ル型 階段 式 コンク リー トブ ロ ック魚道 の
下流 に深みがある ことはそ上魚 の集魚効果 を期待で
設計
きることであ り、
魚 にとってそ上を開始する入 口を容
(1)設 計 内容
易 に見 つ ける ことが出来、さらにそ上の跳躍 の態勢に
今 回考 案 した 魚 道 の 内容 とそ の独 自性 を下記 によ
り解説す る。
a)魚 道型式
入 る場所が用意 された ことになる。
e)階 段プ ール 間落差高の設計
プ ール タイプ階段式魚道
そ 上 アユ の跳躍高度 は0.40mが 平均 で ある とい う文
b)基 本方針
献デ ー タが あ る ことか ら、プ ー ル 間落差 を0.40m以 下
。景 観 面 よ りもよ り高 い そ 上 効 率 と施 工 性 を追
求
に 設 定す る必 要 が あ る。本 魚 道 で は プ ー ル 間落 差 を
す る。
0.20mに 設計 した 。
・ 垂 直 落 差 約 1∼ 25mを 有 す る 標 準 的 な 落 差 工 の
改良 を対 象 とす る。
越流流速 を計算す る と、プ ー ル 間 の水位差 の設定 は
h=0.20mで あるか ら下記のよ うになる。
・ 耐久性 が高 い。
越流部 の流速 は、
・ メンテナ ンス 不要である。
-65-
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
V=√ (2gV3)〓 1.14耐 scc(h=0.20mの とき)
施工者
対 象魚 と して い る ア ユ 、マ ス の 突 進 速度 と比 較 して
(b)そ 上対象魚
みれば 、
来 の魚
福井県福井 土木事務所
アユ 、自由な移動 を必要 としている在
アユ(体 長 8cm)1.40耐scc>1.14耐 sec
マス(体 長 20cm)2.40耐 sec>1.14m/scc
とな り、本 魚 道 の 階 段 落 差 は ア ユ 、マ ス に とって そ
上可能で ある と考 え られ る。
写真 1 施 工 前 (3号 落差 工
写真 2 完成 (3号 魚道 )
A助 面
回凶
図
A― A― A'断
平面 図
3 -光
川 にお ける完成魚道の結果 を用 いての 魚道
2次 製 品コンクリー トプロック
の流れの評価
(魚 道 階段 壁 用 )
圏圏圏 Aタ イブ ,囃 流部月
用(天 喘癬 │)
圏機撥 Bタ イプ すりつナ
す ぐれ た 階 段 式 魚 道 の 流 れ の 条 件 は 、表 1の 13項
ブ
1国目Cタ イ
圏
取
工3月
“
付 現 場 llコ ンク リー ト
図 1 設計図
目 と考 え る 。評 価 項 目 ご と に 対 比 し て 完 成 魚 道
の 効 果 判 定 を行 っ た 。
(2)一 光川の施 工事例
上 述 の 魚 道 設 計 に基 づ き、福 井県 内 の2級 河 川 一
光 川 にお いて 平 成 7年 度 か ら平 成9年 度 にか け て 合
計 4基 の 落差 工 に魚道 が実 施 施 工 され た。
(a)工 事概要
2級 河川
河川名
福井県福井市大丹 生
箇所
工事名
一 光川
(県 単)河 川局部改 良工事
工 事 内容
落 差 工 改 良・全 断 面 魚 道 設 置 4基 (平 成 7
年 度 1号 魚 道 完 成 、平 成 8年 度 2号 魚 道 完 成 、平 成
写真 3
9年 度 3号 、4号 魚 道 完 成 )
- 66 -
広 くか つ深 さのあるプ ール
調 査研 究 報 告
第 1編
表 1 す ぐれた階段式魚道の流れの条件 と完成魚道 の効果判定
No,
条件項 目
◎良好 ○ほぼ良好 ×不十分
一 光川魚道 の効果判定
評価
1
呼 び水 が入 り口にあ る こと。
魚道 の入 り口と呼び水 は同一 とな る構造である。
◎
2.
漁道 の位置が 上下流 の澪筋 と合致す る
漁道 の上下流が深み (魚 溜 ま り)が 維持 され るよ うにな
◎
こと。
って いるので 、
漁道 の流れ と上下 流 の澪筋が 一 致す る
構造 で ある。
4.
5
漁道 の入 り口に深み (魚 溜 ま り)が ある
水流 によ り自動
漁道 の下流 に深み (魚 溜 ま り)を 設 け、
こと。(休 息 と助走 の場 とな る。)
的 に維持 され るよ うにな っている。
漁道 の途 中途 中に休息プ ー ルがある こ
各プ ー ル は設置 1年 を経過 した時点で も埋塞せず
と。(休 息 と助走 の場 とな る。)
深みが保た れて い る。
漁道 を上 り切 った所 に も深み (魚 溜 ま
深 み を設 けな か った。
×
階段落差 を20cmに 設定 している。
◎
充分な大 きさのプ ールが ある。
◎
階段落差 の越流部 は水平でな く不定形
全 断面 を越 流 させ るので はな く、中央 に越流 部 を設 け
○
にす る こと。(中 央部 を20cm程 下げ
て い る。
てお く。)
本堤 コ ンク リー トに つ いて は天端 をカ ッ トして 中央 部
◎
◎
り)が ある こと。
一 つ一 つ の 階段 落差 が40cm以 下 で あ
6
る こと。(越 流 流速 が対 象魚 の 突進速
度 と跳躍 力 を上 回 らな い た め に)
7.
プ ールが落差水流 の減勢 に必 要な大 き
さを持 つ こと。
のレベルを下げる改良を要する。
9.
階段落差 の越流部 は下流側 を切 り欠 け
越流 部 は滑 らか な切 り欠 き形状 で あ る。
◎
水流が泡だ らけにな らな い こと。(泡
2次 製 品 コ ンク リー トブ ロ ック の 滑 らか な切 り欠 き構
◎
が多 い と魚 は浮 力・推進 力が取れず に
造 によ り、越 流 によ る泡 の 発 生 は最 小限 に抑 え られ て
泳げな い。)
い る。
水流が舌Lれ な い。そ上ル ー トとな
明確 か つ 滑 らかな流 線 (水 道 の道 筋 )が 中央 に発 生 して
る流線 (水 流 の道筋 )が 明確 に生 じて い
い る。
してなめ らかな水流 にす る。
10.
◎
る こと。(魚 の 目指す方 向を失わな い
ために。)
うι
景観は良 いか。
人工的ではあるが好感 を得 られ る。景観 を実現で き
○
た。
維持管理 を必要 として いるか。
プー ルは中央部 と両サイ ドに埋塞 しき らず 一 定規模 の
深みが 自動的 に維持 されている。側壁寄 りに砂礫 が堆
積 して いるが、
適度な砂礫 の川底 を形成す る ことに役
立 って いる。耐久性 につ いては追跡検証 を要す る。
- 67 -
○
福井県雪対策・建設技術研 究所
年報地域技術第 12号
図3
写真 4明 確 か つ 滑 らか
19997
1号 魚道 を6時 間の間 にそ上 した魚
以 上 の 効 果 判 定 によ り、本魚 道 は 中小河 川 の 落 差
工 に設置す る魚道 と して 良好 な水 の流 れ を生み 出す
魚道 である と評価す る。
最25
4.魚 のそ上試験
(1)試 験方法
約 6時 間 の 間 に上 流 へ 上 り切 った 魚 の 種 類 と個 体
数 を水 中カ メ ラ と水 上か らの 肉眼 によ って 目視観測
した。
ゞヾ ヾ ゞ ごがご 、
ゞご ざ ござ ご ざ
゛
図4
3号 魚道を6時 間の間にそ上 した魚
5.魚 の生息分布調査
(1)観 測方法
魚 の生 息分布 を調 べ るため に次 の3種 類 の方法 を行
った。
・ 魚道 内 の潜水 目視観測
・ 陸上か らの 目視観測
・ 投網 。さ し網 による捕獲
(2)魚 の生息分布調査結果
図2
生息 が確 認 された魚種 とそ の 生息分布 は表 2の とお
そ上観 測 装置
りで あ った。この結果 によ り、魚道 を設置 した 区間 に
アユ が上 って きた ことがわかる。アユ と同 じ回遊魚 で
あるシマ ヨシノボ リ、ス ミウキゴ リにつ いて も魚道 内
で 数多 く見 られ るよ うにな った ことによ り、これ らハ
ゼ類 も本魚道 によ りそ上 しやす くな った と思われ る。
写真 5 そ上観測場
(2)結 果 と考 察
結果 は図3.図 4の とお りで あ った。本魚 道 は ア ユ がそ
・
・…・… 17綱 110鱗
表2
上で き る魚道 で あ る。
-68-
―― ―
いた
め
E定
相111rl分 む―――― 相‖ tFく い
魚の生息分布調査結果
第 1編
調査研 究報告
示 して いる かわ か る。理 由は、2号 魚道 の越流落差 は2
(3)魚道のプ ール 内に生息す る魚
魚道 の プ ー ル 内 に生 息 して いる魚 を潜水 目視 観測
によ って 種類 と個体 数 を調査 した 結果 が 、図5、 図6で
― 光川
ある。
mを 超 える他 の魚道 に比べ最 も大 きな落差 を有 して い
るため と考 え られ る。
魚 道 ブ ール 内 にい た ア ユ の個 体 数
︵
日︶
騒量暉C■区製〓掏腱雷
ロ プール 1
■ プール2
ロ プール3
■ プール4
写真 6
ロ プール 5
■ プール6
ロ プール 7
■合計
ロブール
1
■ ブール 2
ロ プーフ
レ3
■ブール4
ロ プール 5
■ ブール6
ロブール7
図 5、 図 6よ り、魚道 の プ ー ル 内 に多 くの魚 が 生息
して いる ことが確認 され た。この ことは魚道設置 によ
って 当河 川 内 に生 まれ た プ ー ル が これ までなか った
。
。3
。3
03
。3
。3
。。
場2
18
︲
0
2号 魚道
2号
3号
4号
40
40
10
10
20
30
30
20
20
30
30
して いる と考 え られ る。す なわ ち、本魚道 はか つて 施
工 された流路 工 による河床 の平坦化 と落差下部 のコン
ク リー ト水 叩 き化 によって 失 われ た「淵 」を再 び 提供
30
す る効 用 を持 つ ことがわか った。す なわ ち、本魚道 は
30
210
■合計
「淵 」として魚 の す みか も しくは避難 場所 として 機 能
60
70
そ 上 機能 だ けで な く一種 の「淵 」造成 の 形 で生 息場 と
魚道番号
図5 各魚道 のプール 内に いた アユ の個体数
しての機能 を合わせ持 って いる。本魚道 は河川形態 の
多様化 をもた らし河川環境 の向上 に貢献 して い る。
。 0
。 。
。 獅 ¨ m 5
。 2
5
螂 0
5 0
0
5
3
4
4 3
6.魚 道の評価
(1)魚 道 の流れの評価
本魚道 は中小河川 の落差 工 に設置す る魚道 として良
好 な水 の流れ を生み出す魚道 である。
(2)そ 上試験結果 による評価
ハゼ 類がそ 上出来 る魚道 である。
本魚道 はアユ 、
(3)魚 の生息分布調査結果 による評価
魚遭
2号
魚■
3号
魚■
4■
魚遺
'■
ハゼ 類 の生 息域 が増大
本魚道 の 設置 によって アユ 、
図6 各魚道のプ ール 内に いた 魚の種類 と個体数
した。魚 道 内 の プ ー ル は「淵 」と して魚 の す み か とな
下 流 か ら上流 まで の す べ て の 魚道 内 にアユ が確 認
って い る。本 魚 道 は河 川 内 に淵 を再 び 提 供す る効 用
され た ことか ら、す べ て の 魚 道 をア ユ がそ 上 出来 た
があ り、
河川形態 の多様化 による河 川環境 の 向 上 に貢
と判 断 で きる。
献 して いる。
図 6を 見 る と2号 魚 道 内 に 最 も 多 く の ア ユ が 留 ま
って い る こ とが わ か る 。この こ とは 、2号 魚 道 は 他
の魚道 に比 べ 比較 的そ 上 しに くい魚道 で ある ことを
7.洪 水によるコンクリー トブ ロック階段壁の破損について
1998年 9月 15日
の豪雨により護岸天端にせまる水位の洪水が
福井県雪対策・建設技術研究所 年報地域技術第12号 19997
コンクリー トブロック階段壁が破損した。
発生し、
階段壁はブロ
部側端 部 に 間詰 コ ンク リー トをス ロー プ状 に打設す
ックごと脱落したり欠けたりした。
全体的に越流天端が磨耗し
る ことで 耐久性 を高める と思われ る。
て階段壁 のコンクリー トが痩せてきている。1∼ 4号 魚道の破損
8
状況は表 3の とお りであった。
ま とめ
単純 プ ー ル型階段式 コン ク リー トブ ロ ック魚道 は、
魚がそ上す るために良い条件 の水 の流れ を発生 させ る
ことがわか った。さ らに、魚 道 の 効果 の判定 を完成 さ
せ るた め に、そ上観 測 と魚 類 生息 分布謂査 を行 った。
そ の結果 、
対象魚 として い たアユ とハゼ 類がそ上出来
る魚道 で あ る ことがわか った。また、魚道 の 設置 によ
って生 息す る魚 の種類 と生息 域が拡大 し、かつ魚道 の
プール内が魚 の生息場所 になっていることもわかった。
以 上 の 結果 よ り、本魚道 は、落差工 に設置す る魚道 形
式 として良好 であ り、また魚 の 生息生育 環境 とな る河
川形態 を多様化 させ 河川 に生息す る生物 の多様性 を向
破損状
写真
上 させ る と評価 で きる。ただ し、洪水 の 土石 流 によ る
表 3
階段ブロ 全壊したブロ 半壊した 破損計
ックの数 ックの数(内 脱 ブロック
落流下した数
の数
)
破損の
割合
‘υ
77
(0)
16
2号 漁道
57
16(7)
13
29
4(3)
4
8
51%
30%
0(0)
2
2
7%
3号 漁道
4号 漁道
考
27
の連結 を強化す る必 要があ る。
今 回考案 した魚道 は、福井県 内 の 小河川 にある典型
21%
1号 漁道
破損が避 け られな いため、ブ ロ ック の埋 め込み と互 い
的な落差 工 に魚道 を設置す る ものである。単純 プ ール
階段式 コ ンク リー トブ ロ ック魚道 は景観性 よ りも経済
性 、施 工性 を優 先 させ た汎用 型 の魚道 で あ る。魚道 を
必要 として いる既設落差 工のほ とん どは標準設計 に基
づ く画一的な形状 を して いる ことか ら、本魚道 が ほ と
察
階段壁としてコンクリー トブロックを採用したが、
土石流に
よつて脱落する恐れがある。
ん どの落差工 に適用可能である ことが容易に理 解 でき
る。
コンクリー トの越流天端は土石流によって削られやすい。
越流天端にコンクリー トをむき出しにして使用することは耐
久性 に乏しいことがわかった。
最後 に、一 光川 の魚道工事 を行 った福井土木事務所
の関係者 の努力 に敬 意 を表す るとともに本研究 に対す
る理解 と協 力 に感謝す る。
改良方法として次のことが考えられる。
さし筋によリコンクリー トブロックの脱落を防ぐ。
参 考 文 献
左右のコンクリー トブロックを鉄筋によって互いに連結する。
(1)福 井県雪対策・建設技術研究所 :地 域技術第 H号 41P,
1998.7 31
2分 流していた流れを中央部のみ1本 の流れ にして、
土石流
(2)福 井 県 雪 対 策・建 設 技 術 研 究 所 :地 域 技 術 第 10号 45P,
の階段壁への衝突を和 らげる。
1997 7.31
階段壁コンクリー トブロックの越流天端に石を組み込んで、
(3)福 井 県 武 生 土 木 事 務 所 :一 光 川 通 常 砂 防 工 事 調 査 設
耐摩耗性、
耐久性を高める。
計 業 務 委 託 報 告 書 、1997H
よって、
階段壁コンクリー トブロックは脱落する恐れがあるの
(4)福 井 県 武 生 土 木 事 務 所 :一 光 川 通 常 砂 防 工 事 調 査 設
計 業 務 委 託 報 告 書 、19963
で、
基礎とのさし筋および左右のブロックどうしの連結を行う
(5)中 村 俊 六 :魚 道 の は な し、1995山 海 堂
ことが有効と思われる。
また、カ ー ブ区間 に設置 した 魚 道 につ いて は、水衝
(6)広 瀬 利 雄 、中 村 俊 六 編 著 :魚 道 の 設 計 、1991山 海 堂
- 70 -
第 1編
調査研 究 報 告
単 純 プ ール型岩組階段式魚道 の評価
―孫谷川 における施 工事例 よ リー
a Valuation of a simple Stream Pool丁 ype slrnple rockmade Fishway― a Case of Magotani River―
竹 内 一 介
要
旨
砂防河川の床固工である落差工に設置する魚道を開発 した。
渓流環境に適用させるために階段壁は岩組みで
「
ー
構築させ、
単純にプ ルを配置 した階段式魚道(以 下 単純プール型岩組階段式魚道」と呼ぶ ある。本魚道は、
)で
福井県内の砂防河川孫谷川にお いて平成9年 度3基 が施工された。本魚道は、
魚がそ上するために良 い条件 の
水の流れを発生させ、アユ とその他在来魚がそ上できることが実証 され、さらに魚道設置区間に生息する魚 の
種類が増加 したことがわかった。その結果か ら、本魚道は、
魚 の生息生育環境 となる河川形態を多様化させ河
川に生息する生物の多様性を向上させると評価できる。
キ ー ワー ド
:
落差工、
魚道 、階段式魚道 、
渓流環境 、
単純プ ール型岩 組階段式魚道
。遊泳魚だ けでな く底生魚 の湖 上 も可能 とす る。
1.は じめ に
砂防河川 の床固工である落差工 に設置す る魚道 を開
発 した。渓流環境 に適用 させ るために階段壁 は岩組み
(d)魚 道整備方針
・ プ ー ル を階段 状 に 平行 に 配 置 し、中央 部 の 高 さ を
で 構 築 させ 、単純 に プ ー ル を配置 した 階段 式魚 道 (以
下 げ て主 流 量 を流 し、こ こ を遊 泳 魚 の そ 上ル ー ト
下「単 純 プ ー ル 型 岩 組 階 段 式 魚 道 」と呼 ぶ )で あ る。
とす る。
本魚道 は、福井県 内 の砂 防河 川孫谷 川 にお いて 平成 9
・ 両 サ イ ドには コ ン ク リー ト張 りと石 張 り構 造 に
年 度 に 実 施 施 工 され 3基 (7∼ 9号 魚 道 )が 完 成 した 。
よ つて 斜 曲面 ス ロー プ を設 け、ここを底生魚 のそ上
本魚道 3基 の前後 には前年度すで に評価 を済 ませてい
ル ー トとす る。
る「 自然 渓 流 プ ー ル 型 階段 式 魚 道 」が 前 6基 (1∼ 6号
魚 道 )、 後 6基 (10∼ 15号 魚 道 )設 置 され て い る。魚 が
・ 階段 壁 に 自然 石 を使 用 し、基礎 部 を コ ンク リー ト
で 固定す る。
そ上す るために良 い条件 の水 の流れ を発生 して い るか
・ 中央 の 越 流 部 には 、泡 が立 たず か つ 滑 らか な流 れ
どうか と、
魚道設置 によって変化 した 魚類 の 生息 分布
とな るよ うに、コ ンク リー トによ って 滑 らか な 曲
状況 を観測 し、そ の結果 か ら本魚道 のそ上効果 と魚道
面 を持つ 階段壁 をつ くる。
の設置が河川環境 の 向上 におよぼ す効果 を評価す る。
(e)独 自性
。遊泳魚 は もちろん、
底生魚 のそ上 をも可能 に した。
2.単 純プ ール型岩 組階段式魚道 の設計
・ プー ル タイプ と水 路 タイプの折衷型である。
(1)設 計 内容
・ 魚 道 の 下 流 の 上 り 口 に 深 み を設 け 、か つ 自動 的
今回考案 した魚道 の 内容 とその独 自性 を下記 によ り
解説す る。
(a)魚 道型式
に深みが維持 できるよ うな形 状 に した。
下流 に深みが ある ことはそ上魚 の集魚効果 を期待で
プ ールタイプ階段式魚道、
水路 タイプ斜
曲面ス ロー プ式魚道 の合成
(b)対 象 とする魚
きる ことで あ り、
魚 に とってそ上 を開始す る入 口を容
易 に見 つ ける ことが出来 る。
アユ とハゼ・カ ジカ類 の底生魚
(c)基 本方針
。渓流景観 のイ メー ジを再現す る。
・ 垂 直 落 差 約 1∼ 1.5mを 有 す る 標 準 的 な 落 差 工
の改良 を対象 とす る。
・ 砂 防施設 としての強固 さを持 つ。
・ メンテナ ンス不要な魚道である。
図-1 漁道の基本形
-71-
福井県雪対策・建設技術研 究所
また、上 部 に深みが ある ことは上 り切 った魚 が浅 く速
年報地域技術第 12号
19997
(3)孫谷川の施 工事例
上述 の魚道設計 に基 づ き、
福井県 内 の砂 防河川孫谷
い流れ によって 再 び押 し流 されて しまわな いために必
川 にお いて 平成9年 度 3基 が完成 した。
要 である。
本魚道 の独 自な形状 は、図 1の よ うにそ の基 本形 を
(a)工 事概要
表現 す る ことがで きる。
河川名
砂 防河川
(2)階 段プ ール間落差高の設計
箇所
福井県今庄町孫谷
工 事名
通常砂 防 工事
そ 上 ア ユ の 跳 躍 高度 は 0.40mが 平均 で あ る とい う
孫谷川
落差 工 改 良・全 断面 魚 道 設 置 18基 (平 成 8
文 献 デ ー タが あ る こ とか ら、プ ー ル 間 落 差 を0.40m
工 事 内容
以下 に設定す る必 要が ある。本魚道 ではプ ー ル 間落差
年度 6基 完成 、平成9年 度 6基 完成 延長 3km
)、
l号 ∼6号 、10号 ∼ 15号 :自 然 渓 流 プ ー ル
を0.22mに 設計 した 。
越流流速 を計算す る と、プ ール 間 の水位差 の設定 は
型階段式魚道 (す べ て 完成)
7号 ∼9号 、16号 ∼ 18号 :単 純 プ ー ル 型 岩
h=0.22mで あるか ら下記 のよ うにな る。
組階段式魚道 (7号 ∼9号 のみ完成)
越流部 の流速は 、
V=√ (2gV3)=1.20耐 sec(h=0.22mの とき)
福井県武 生土木事務所
施工者
対象魚 として いる アユ 、マスの突進速度 と比較 してみ
(b)河 川流況
計 画 高 水 流 量 Q=99.2ぷ
れば、
ヤ マ メ(1年 魚 )2.40耐 scc>1.20溜 scc
/scc、
A=124
、I=1/100
流量測定値
アユ(体 長 8cm)1.40耐scc>1.20耐 scc
Q=1.92ボ /scc、 V=110耐 /sec(1995年 10月 12日 1号 落
マス(体 長 20cm)2.40耐 sec>1.20ゴ sec
差 工 にて )
ウグイ(体 長 15cm)1.60耐 sec>1.20ゴ sec
Q=0.30ボ
/scc、
V=0.60J/scc(1997年 6月 25日 1号 落 差
とな り、本魚 道 の 階段 落 差 は ヤ マ メ、ア ユ 、マ ス 、ウ
工 にて)
グイ に とってそ上可能である と考 え られ る。
Q=0.57耐 /scc、 V=0.66ぶ /scc(1998年 8月 5日 1号 落 差
工 にて)
Q=0.26ボ /scc、 V=0.65ぶ /scc(1997年 9月 3日 4号 落 差
工 にて)
Q=0.29ボ /scc、 V=0,74耐 /sec(1997年 10月 18日 4号 落
差 工 にて )
Q=0.54ボ /scc、 V=0.67ポ /scc(1998年
8月 5日
7号 落 差
工 にて)
Q=0.48耐 /scc、
V〓 0.63ぷ /scc(1998年 8月 5日
H号 落 差
工 にて)
(c)そ 上対象魚
アユ 、自由な移動 を必要 としている在
来 の魚
A― A断 面
B― B断 面
縦 断図
図-2 設 計 図
写真 1 施工前 (7号 落差 工 )
- 72 -
第 1編
調査研 究報告
設 計値 は 1.20m/sccで あ るか ら、越 流流速 の測 定値
はほぼ設計値 に等 しい結果が得 られた。設計 どお りの
越流流 速 が実現 して いる。よって 、プ ー ル間落差 を
0.22mに 設定 した ことは妥当であると評価 できる。
(2)プ ール内の土砂堆積状況 と維持管理 について
プー ル内の土砂堆積状況 を測定 した結果 を図 4に
必要な場所 の深みは維持 されてお り、閉塞する
表 した。
ことはない と評 価 できる。また、プール の縁部で コン
クリー ト底よ りも土砂底 の方がふさわ しいと思われる
場所 に土砂が堆積 しているという生物 の生息にとって
写真 2 完成 (7号 魚道 )
好 ましい現象 も見 られる。洪水時 に土砂が フラ ッシュ
され一定規模 の深み にされているもの と考え られる。
よってプール内の土砂の浚渫を行わなければな らない
ような維持管理作業は不要 であると評価 できる。
7号
落
差
エ
写真 3 両サイ ドに斜 曲面 ス回―プ を設 けて い る
3
完成 した 魚道の水理測定
S二
1:100
(1)各越流部の越流流速の設計値 と実測値
3
\
\
\
\、
\\ \
図4 プ ール 内の土砂堆積厚 さ (cm)
一
3螂
図3 越流
流流速
各越 流 部 の 越 流 流 速 の 平均 値 は 1.36m/sccで あ る。
4
孫谷川 における完成 魚道の結果 を用 いての 魚道 の
流れの評価
゛
す くれ た 階 段 式 魚 道 の 流 れ の 条 件 は 、表 1の 13
項 目 と考 え る。評 価 項 目 ご とに対 比 して完 成 魚 道
の 効 果 判 定 を行 った。
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
表1 すぐれた階段式魚道の流れの条件と完成魚道の効果判定
No,
条件項 目
呼 び水が入 り口にある こと。(魚 が集
1
◎良好 ○ほぼ良好 △不十分
孫谷川魚道 の効果判定
評価
魚道 の入 り回と呼 び水 は同一 となる構造で ある。
◎
漁道 の位 置 が上下流 の澪 筋 と合致 す る
漁道 の上下流が深 み (魚 溜 ま り)が 維持 され るよ うにな
◎
こと。
って いるので 、
漁道 の流れ と上下流 の澪筋が 一 致す る
まってきた所が漁道 の入 り口であること。
)
2.
構造 である。
3.
4.
6.
漁道 の入 り口に深み (魚 溜 ま り)が ある
漁道 の下流 に深み (魚 溜 ま り)を 設 け、水流 によ り自動
こと。(魚 集効果 がある。)
的 に維持 され るよ うにな っている。
漁道 の途 中途 中 に休息プ ー ルがある こ
各プールは設置 1年 を経過 した時点 で も埋塞せず
と。(休 息 と助走 の場 とな る。)
深みが保たれている。
漁道 を上 り切 った所 にも深み (魚 溜 ま
深み の構造 を設 けたが、
魚溜 ま りとな るよ うな大 きな
り)が ある こと。
深み ではな い。
一つ一つの階段落差が40cm以 下 であ
階段落差 を22cmに 設定 して いる。
◎
プ ー ルが落差水流の減勢 に必 要な大 き
中央越 流部 の 両脇 に充 分 な大 き さのプール が発 生 して
◎
さを持 つ こと。
い る。
階段落差 の越流部は水平 でな く不定形
全 断面 を越 流 させ るので はな く、中央 に越 流部 を設 け
にす ること。(中 央部 を20cm程 下げ
て い る。
てお く。)
本堤 コ ンク リー トに つ いて は天端 をカ ッ トして 中央部
◎
◎
△
る こと。(越 流流速が対象魚 の突進速
度 と跳 躍 力 を上回 らないために)
7_
◎
のレベルを下げている。
9.
10.
11
階段落差 の越流部は下流側 を切 り欠 け
越流部 は コン ク リー ト構造 によって 滑 らかな切 り欠き
してなめ らかな水 流 にす る。
形状 に して い る。
水流が泡だ らけにな らな い こと。(泡
越流部 は コンク リー ト構造 によって滑 らかな切 り欠き
が多 い と魚 は浮 力・推進 力が取れず に
形状 にな っているので、
越流 による泡 の発 生は最小限に
泳げな い。)
抑え られて い る。
水流が乱れな い。そ上ル ー トとな
明確 か つ 滑 らか な流 線 (水 道 の 道 筋 )が 中央 に発 生 して
る流線 (水 流 の道筋)が 明確 に生 じて い
いる 。
◎
◎
◎
る こと。(魚 の 目指す方 向 を失わな い
ために。)
うZ
景観は良 いか。
他 の人工 的 でな魚道 に比 べ 渓流環境 に適 した景観 を実現
○
できた。
維持管理 を必要 としているか。
プールは埋塞 しき らず 一定規模 の深みが自動的 に維持
されている。
耐久性 については追跡検証を要す る。
- 74 -
○
第 1編
調査研究報告
。魚道 内 の潜水 目視観測
・ 陸 上か らの 目視観測
・ タモ網 による捕獲調査
(2)調 査結果
魚道 の プー ル内に生息 している魚 を潜水 目視観測 に
よって種類 と個 体数を調査 した結果が、図5、 図6で ある。
一 部 タモ網 によ る捕獲 と陸 上 か らの 目視観測 による
結果 を付加 して いる。
写真4 広 くか つ深 さのあるプ ール
アユの生息分布
︵
日︶
饉最 暉
鑽罐蝿膨踊渾 銭
(1998.9 1011洒
")
璃
写真 5 泡 の発生の少な い流れ
や
図5 各魚道 のプ ール 内 にいた アユ の個体 数
生息確認された魚の種類と個体数
(1998910観 測 )
200
180
160
140
120
写真 6 明確かつ滑 らかな流線
100
以 上の効果判定 によ り、
本魚道 は渓流河川 の落差 工
80
60
に設置す る魚道 として良好な水 の流れ を生み出す 魚道
40
である と評価す る。
20
ロ ドンコ
ロアジメ ドジョウ
■ニジマス
囲ヤマメ
■アマゴ
ロウグイ
ロタカハ ヤ
ロカワムッ
ロアユ
0
5
魚 の生息分 布調査
(1)観測方法
魚 の生 息分布 を調 べ るために次 の3種 類 の方法 を行
図6 各魚道のプ ール 内にいた魚の種類 と個体数
った。
-75-
福井県雪対策・建設技術研究所
本魚 道 タイ プ の7号 ∼9号 魚道 の プ ー ル 内お よびそ
年報地域技術第 12号 19997
る理解 と協 力 に感謝す る。
れよ り上流の区間にお いて アユ が確認された ことか ら、
本魚道 タイ プ の7号 ∼ 9号 魚道 の す べ て をア ユ がそ 上
参 考 文 献
(1)福 井県 雪対 策・建 設技 術研 究 所 :地 域技術 第 H号
出来た と判断で きる。
魚道 の プール内に多 くの魚が生息 して いる ことが確
認 された。この ことは魚道設置 によって 当河川 内に生
41p,1998.7.31
(2)福 井県 雪 対策・建 設技 術研 究 所 :地 域技 術 第 10号
45p,1997.7.31
まれ た プ ー ル が これ までなか った「淵 」と して 魚 のす
みか も しくは避難場所 とな って いる と考 え られ る。す
なわ ち、本魚道 はか つて施工 された流路工 による河床
の平坦化 と落差下部 のコンク リー ト水叩き化 によって
(3)福 井県武生土木事務所 :孫 谷川通常砂防工 事調査設
計業務委託報告書、1998.10
(4)福 井県武生土木事務所 :孫 谷川通常砂防 工事調査設
計業務委託報告書、1997.H
失 われ た「淵 」を再 び提供す る効 用 が ある ことがわ か
(5)福 井県武生土木事務所 :孫 谷川通常砂 防工事調査設
った。す なわ ち、本魚道 はそ上機 能 だ け で な く一種 の
計業務委託報告書、1996.3
1995山 海堂
(6)中 村俊六:魚 道 のはな し、
「淵 」造 成 の 形 で 生息 場 として の機 能 を合 わせ 持 って
いる。本魚道 は河川形態 の多様化 を もた らし河川 環境
(7)広 瀬利雄、中村俊六編著 :魚 道 の設計、1991山 海堂
の 向上 に貢献 して いる。
6
魚道 の評価
(1)魚 道の流れの評価
本魚道 は渓流河川の落差工 に設置す る魚道 として 良
好 な水 の流れ を生み出す魚道で ある。
(2)魚 の生息分布調査結果 による評価
本魚道 はアユ がそ上出来 る魚道で ある。
魚 道 内 の プ ー ル は「淵 」と して 魚 の す み か とな って
いる。本魚道 は生息す る魚 の種類 と生息域 を増大 させ
る。本魚 道 は河 川 内 に「淵 」を再 び 提 供 す る効 用 が あ
り、
河 川形態 の多様化 による河川環境 の 向 上 に貢献 し
て いる。
7
ま とめ
渓流 プ ール型岩組 階段式魚道 は、魚がそ 上す るため
に良 い条件 の水 の流れ を発 生 させ る ことがわ か った。
さ らに、魚道 の効果 の 判定 を完 成 させ るた め に、魚 類
生息分布謂査 を行 った 結果 、
対象魚 として いた アユ と
在来魚がそ 上出来 る魚道である ことがわか つた。また、
魚道 の 設置 によ って生息す る魚 の種類 と生息域 が拡
か つ魚道 のプール内が魚 の生息場所 になっている
大 し、
こ ともわ か った。以 上 の 結果 よ り、本 魚 道 は 、渓 流河
川 における落差工 に設置す る魚道形式 として良好であ
り、また魚 の 生息生育環境 とな る河川形態 を多様化 さ
せ河川 に生息す る生物 の多様性 を向上させ る と評価で
きる。
孫谷川 の魚道 工 事 を行 った武 生土木事務所
最後 に、
の 関係者 の努力 に敬意 を表す るとともに本研究 に対す
- 76 -
第 1編
調査研究報告
土壌菌 を利用 した水質浄化 の研究
その 4
fStudy on Purification of Water by Using Soil Bacteria (Part 4) J
辻 川 雄 ―
要 旨
近 年 、湖 沼 、お 堀 等 の 閉 鎖 性 水 域 に お い て 、富 栄 養 化 現 象 に 伴 う水 質 悪 化 が 問 題 と な っ
て い る。そ こで 今 立 町 在 住 の 酒 井 理 学 博 士 が 水 田 土 壌 中 よ り抽 出 培 養 した 脱 窒 土 壌 菌 に よ
『 食 物 連 鎖 を 断 つ 』手 法 を 用 い て 、ア オ コ の 発 生 を 抑 制 し水 質 浄 化 を 図 る 土 木 的 工 法
り、
を 考 察 す る た め 、そ の 実 証 化 試 験 を 行 っ た 。
過 年 度 の 実 験 で 脱 窒 土 壌 菌 と して 、ロ ドシ ュ ー ドモ ナ ス 変 異 株 の 有 効 性 と 同 菌 を 用 い て
の 付 着 担 体 (住 家 )と して 、モ ル タ ル 基 盤 に ナ イ ロ ン 樹 脂 糸 を 植 え 付 け た 疑 似 岩 的 培 養 基
゛
盤 の 水 質 浄 化 効 果 の 有 効 性 を確 認 した 。本 年 度 は 、付 着 担 体 に 透 水 性 コンクリートフ ロックを追 加 し、
担 体 別 水 質 浄 化 効 果 と脱 窒 土 壌 菌 の 活 性 化 に つ い て 比 較 実 験 を 実 施 した 。
キ ー ワ ー ド:
閉 鎖 性 水 域 、三 方 湖 、水 質 浄 化 、脱 窒 土 壌 菌 、食 物 連 鎖
1.研 究 目的
え て 、各 担 体 の 湖 水 の 交 流 を 遮 断 す る 目 的 で
風 光 明 媚 な 若 狭 湾 国 定 公 園 の 一 角 に位 置 す
る 三 方 湖 に お い て 、近 年 ア オ コ の 異 常 発 生 等
区 分 幕 を 設 置 す る 。ま た 、菌 の 付 着 基 盤 に 透
゛
水 性 コンクリートフ ロックを追 加 して 実 験 を行 っ た 。
三 方 湖 のコンクリート護 岸 約 70m区 間 にステンレス
゛
製 の 各 種 担 体 支 持 枠 を 各 10基 、アンカーホ ルトで
護 岸 に 固 定 し て 、西 側 よ り① 砕 石 ② 透 水 性 コン
゛
クリートフ ロック③ レンが ④ 培 養 基 盤 l⑤ 培 養 基 盤 6
⑥ 無 処 理 区 の 順 に 配 置 す る。
に よ り湖 沼 周 辺 の 景 観 、異 臭 等 の 生 活 環 境 が
悪 化 して い る 。
本 研 究 は 、ア オ コ の 栄 養 源 で あ る 窒 素 等 の
有 機 物 を 一 般 水 田 土 壌 中 よ り抽 出 し た 土 壌 菌
に先行 取 得 させ 、
『 食 物 連 鎖 を 断 つ 』手 法 で
富 栄 養 化 を 抑 え 、し い て は 、ア オ コ の 異 常 発
生 を 抑 制 し水 質 浄 化 を 図 る こ と を 目 的 と し て
い る。
2.実 験概要
2-1
2-3
成 出園地 隣接
2級 河 川
11賓`、 プ
実験位羞ジ tN/竜
[基 あたり寸法、
数
担 体 名所
記号
4号
0.2*0.3* 1.Om
量
材
質
①
砕 石
②
透水コンクリート 05Ю .5Ю.15m*2個
ブ ロ ック
コンクリート
③
建 築 レ ンガ 6*10*21cm 9個
粘
④
培養基盤
⑤
培養基盤 6
⑥
無 処 理 区
実験位置 (図 -1参 照 )
三 方 町成 出地 先
三方湖護岸
担体概要 (表 -1)
1
骨
材
土
4*30*30cII1 3カ
気 ナイロン樹脂糸
4*30*30cm 3を
ロ
ン
無 ナ
イ
討1旨 メ
ホ
ヘ6
2-4
1
脱窒土壌菌 の特性
ー
ロド シュ ド モナス変 異 株 (脱 窒 土 壌 菌 )は ロト゛シュ
ード け ス菌 に 紫 外 線 を 照 射 して 突 然 変 異 させ た
もの で
① 有機化合物 を分解 し無害な物質に浄
化する
② 環境変化 に順応性 の高 い光合成菌
図-1
2-2
平成
位置図
実験概要
10年
度 は 前 年 度 実 施 した 実 験 を踏 ま
③ 真正細菌類 シュー ドモナス属で極鞭
毛有種類
④ 体内で有機物形成が可能な独立栄養
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
微 生物 である。
2-5
水質測定項 目
①総体観測 ②気温 ③水温 ④透視度 ⑤臭気
⑥
S
PH
①
DO
⑦
T一
N
2-6
⑫
③ 塩 分 濃 度
T―
P⑬
濁
度
⑨
COD
と
し
た
⑩
S
。
水質浄化評価基準
国 が 定 め た 「湖 沼 水 質 保 全 特 別 措 置 法 」お
よ び 関 連 法 に よ る 水 質 基 準 と して 、(1)PH6.5
∼ 8.5(2)D0
/1以 下
5 mg/1以
上
(4)SS 15 mg/1以
111g/1つ 人T
( 6 )T― P
゛
ン
カ、
培養基盤
③.④ .⑤ 建築レ
1、 6の 浸潤
写-3
(3)COD 5皿 g
(5)T― N O.6
下
O.0 5 mg/1つ スT
( 7 )髭 壺
視 度 100cm(目 標 値 )等 が あ り、これ を 準 用 した 。
3.実 験組合せ と評価
1)第 1サ イ クル、第 2サ イ クル
(1)目 的 担体別水質浄化 の効果
(2)期 間 H10,4,28∼ 6,30(第 1サ イ クル )
H10,8,4∼ 10,6(第 2サ イ クル )
(3)水 質測定間隔
写 -4
担体 の 自然乾燥
ア オ コ の 発 生 特 性 、土 壌 菌 の 活 性
度 、永 続 性 を 考 え 週 1回 の 間 隔 で 1
0週
目 ま で と した 。
(4)土 壌菌 の付着方法
各種 担 体 を土 壌 菌 の入 れ た水 槽 に
2週 間 か ら 3週 間 浸 潤 さ せ 生 物 膜 が
形 成 さ れ た 後 、3日 間 自 然 乾 燥 し て
各 担 体 の 支 持 枠 に 固 定 し 、護 岸 に 吊
hT躙聯 翻
:報 ■護:霊 :遷 :商 11護 :離 :漑
1妻 :藤 1語
濾
り下げ る。
‐―砕石4号
“
―透水コ″ ツ
―
蟷
1
-■ ●6
‐
‐‐彙処理
図 -2
T一 Nグ ラフ(第
図 -3
T一 Nグ ラフ(第 2サイクル
1サ
イクル)
写-l ①砕石4号 の浸潤
写-2
・ロ
ート
ン
フ
ク
リ
ッ
クの浸潤
②透水コ
-78-
)
│
第 1編
調 査研 究 報 告
(6)評 価検 討
①
前 年 度 の 反 省 点 か ら湖 水 の 交 流 を 遮
断 す る た め 、汚 濁 防 止 膜 (グ ラ ビ ア 参
照 )を 設 置 し て 水 質 浄 化 の 測 定 に 入 っ
たが湖 の負荷 が大 きいためか土壌菌付
着 担 体 と 無 処 理 区 の 比 較 (T‐ Nほ か
COD、
T‐ P、
SS)で
も良 い結 果 は得 ら
れ なか った。
ま た 、水 質 浄 化 評 価 基 準 に も 達 し な
か った。
゛
② 透 水 性 コンクリートフ ロックの 水 質 浄 化 に つ い
゛
て も 砕 石 、レンカ 等 と 比 較 し て 良 い 結 果
は 得 られ な か っ た 。
写
(平 成
H10三 方 湖水 質
第2サ イクル
土 壌 菌 の 活 性 化 と土 壌 菌 の
的
研究
L―
リシン薔精 濃度
"化
土 壌菌 の培養結果
H年
(レ /dD〈
6月
9日 採 取 )
土崚 薔培 贅結 果
)
か魔
遠
難.篭 :篭:Ⅶ iで 唱哺媚盤
2)第 2サ イクルの一部、第 3サ イ クル
(1)目
-7
ζ
礁 :::
越冬
(2)期 間 H10,10,15∼ Hll,6(第
2サ
イクル)
H10,11,17∼ Hll,6(第
3サ
イクル)
::i :li ::│ │:│ :I :計 :!i :::
│
(3)測 定 間 隔
土 壌 菌 の 永 続 性 と活 性 化 状 況 を 考
え lヶ 月 間 隔 と し た
(4)土 壌 菌 の 付 着 方 法
第 2サ イ ク ル は 、そ の ま ま 湖 岸 に
2基 残 し て 、 第 3サ イ ク ル は 前 回 と
同様 な 手 順 で 土 壌 菌 を付 着 させ る。
(5)土 壌 菌 の 活 性 化 (培 養 )状 況
〔1〕 第
2サ
゛
:ゞ ∬∬ゞゞ∫
゛
いヽ」
図 -4
〔2〕 第
-8
土壌菌 の培養結果
(平 成 10年 10月 15日 採 取 )
写 -9
土壌菌の培 養結果
(平 成 H年
土壌菌の培養結果
H月
土壌菌 の培養結果
(平 成 10年 H月 17日 採取 )
写 -5
(平 成 10年
3サ イ ク ル
イ クル
写
写 -6
土 壌 菌培 養 結果
16日 採 取 )
- 79 -
6月 9日 採取 )
福井県雪対策・建設技術研 究所
年報地域技術第12号 19997
H10三 方澤水菫
●究
クル L―
リ ン●●濃度 ●/ω
"化
""イ
10
水 ■
月 R
0
12
(例
105
2●
,3'
21,
)
230
0∝
002
0● 2
001
●●3
●00
001
0“
0,5
” ““
aO,
“ い ”
崚 い 0
oo2
∞ ∞ ∞
a曖
“ ” ”
Q曖
m m m
]締 縮
絆
●
轟水■″ )
“ "―
“ 餃 ”
初 日 lヶ 月 2夕 月 3,月
■ 月 oヶ 月 6ヶ 月 7■ 月
●/11/1フ 憫И2/1S99/1/12いれ/t3,ツ ν15,9/4カ 5'9/5/14 "ん カ
相取8
・20m
±
““mmm嘔嘔曖o
0∼
― レンガ
ー 基盤 1
‐
‐ 基盤6
、
ゞゞゞゴゞぶ ゞ
1.0-2.Orn
図 -5土 壌菌培養結果
4)工 法 の 選 定 理 由
(6)評 価検討
① 土 壌 菌 の 活 性 化 に つ い て は 、 10
月 と 11月 以 降 (図 -4)で は 水 温
の 違 い か ら大 き く変 わ っ て き て い
土 壌 菌 は 光 合 成 菌 で あ る こ と か ら 、日
陰 に な らな い方 法
5)追
る。
土 壌 菌 は 餌 が 多 す ぎ た り 、少 な す ぎ た
り 、農 薬 が 入 つ た 場 合 死 滅 す る こ と か
ら 、環 境 が 変 化 し た 場 合 培 養 確 認 が 必
② 土 壌 菌 の 培 養 結 果 か ら菌 は 活 性 化
し て お り 、第 1サ イ ク ル 及 び 、第 2
サ イ ク ル か らは 水 質 浄 化 の 数 値 的 裏
付 け は と れ な い が 、平 成
7年 度
跡調査
要 と思 わ れ る 。
(水
槽 実 験 )、 平 成 8年 度 (閉 鎖 型 実 験 )
の 結 果 を 踏 ま え れ ば 、微 量 な が ら水
質 浄 化 は 行 わ れ て い る と思 わ れ る 。
5.む
すび
こ の 研 究 は 酒 井 理 学 博 士 、監 理 課 、河 川
課 、敦 賀 土 木 事 務 所 、三 方 町 、鳥 浜 漁 協 、
③ 土 壌 菌 の 越 冬 に つ い て は 、水 温 が
上 が り出 した 6月 頃 か ら再 び 活 性 化
(図 -4、 図 -5)す る 。付 着 担 体
゛
と し て は 、レンカ 、砕 石 で 顕 著 な 結 果
が 得 ら れ た が 、培 養 基 盤 1、 6に つ
環 境 科 学 セ ン タ ー 等 多 くの方 々 の ご支 援 、
ご 協 力 と ご 理 解 の も と に進 め て き た こ と を
報 告 し謝 意 を 表 し ます 。
参 考 文 献
い て は あ ま り良 い 結 果 は 得 られ な か
1)福 井県環境科学センター :三 方湖アオヨ発生解明調査
った。
報 告 書 、1995
河 川 、湖 沼 等 に 土 壌 菌 を 使 用 し 水 質 浄 化
2)荒 川 和 男 :土 壌 菌 を 利 用
を図る場合
年報第
9号 、pp55∼
した三 方 湖 水 質 浄 化 の研 究
58。
1996
3)荒 川 和 男 :土 壌 菌 を 利 用 し た 三 方 湖 水 質 浄 化 の 研 究 そ
1)土 壌 菌 の 選 定
今 回 、三 方 湖 で 使 用 し た 土 壌 菌 は ロド シュ
ード モナス変 異 株 を 使 用
の
4)荒
2)土
壌 菌 の付 着 担体
土 壌 菌 の 越 冬 を 考 え た 場 合 、砕 石 、レン
゛
カ が 良 い と思 わ れ る 。
3)設 置 方 法
- 80 -
の
2年 報 第 10号
、pp59∼
62、
1997
川 和 男 :土 壌 菌 を 利 用 し た 三 方 湖 水 質 浄 化 の 研 究 そ
3年 報 第 11号
、pp53∼
58、
1998
第 1編
調査研究報告
建設発 生土の利用 に関す る研究
その 3
A Study on Recycling of Construction So‖ (Part 3)
杉原 忠弘
下水 道建 設事務 所
要 旨
本報文では、
春江町内の下水道管埋設工事で搬出される粘性土を安定処理し、
埋戻し材として使用するにあた
の
り、
工
に必
ことを
安定処理土 現場施 管理
要な資料を得る
目的として、
①安定処理土のコンシステンシー特性や
②安定材の混合から締固めまでの経過時間、
③締固めた安定処理土の気中。
水中養生条件、
④地下水位が高い場
合を想定した長期水浸養生条件、
⑤安定材と粘性土の混合時間が安定処理土の物理・強度特性に及ぼす影響を室
内土質試験結果から検討した。
その結果、
次に示す事項が明らかになった。
①粘性土に安定材を混合することにより、
液性限界、
塑性限界は粘性土より高く、
塑性指数は大きくなること
から、
流動化 しにくい安定 した土質となる。この効果は、
セメント系に比べ石灰系の安定材で高い。
②混合から
締固め時間までの経過時間が長くなると強度は低下し、CBRに 比ベー軸圧縮強度で低下が著 しい。
セメ
特に、
ント、
石灰系特殊固化材による安定処理土でその傾向が顕著である。
③空中養生日数の増加とともにセメント系
特殊固化材による安定処理土は収縮し、
石灰系特殊固化材では膨張する。また、
空中養生期間が短く水中養生期
間が長いほど膨張し、
含水比が増加するとともに一軸圧縮強度の発現は小さくなる。
④水浸養生日数の増加にと
もない一軸圧縮強度は増加し、
特にセメント系安定材、
生石灰でその増加傾向が顕著である。
⑤混合時間の増加
にともない一軸圧縮強度は増加する。
キー ワー ド:土 質安定処理、時間効果、
一軸圧縮強 さ、CBR、 コンシステンシー限界
粘性土、固化材、
場合 の各安定処理土 について液性 。
塑性限 界試験 を実
1.は じめ に
県 内 では、建設発 生土 の再利用促進 、発 生抑制 とい
った 観点か ら、土質改 良工法 を採用す る事例が増 えて
施 し、安定 材 の 種類 、添加率 が安 定処理土 の コ ンシス
テ ンシー特性 に及ぼす影響 について検 討 を行 った。
・経過時間試験
きて いる。
本 工 法 を用 いるに あた っては、土質材料、気象条件 、
粘性 土 に各種 安定材 を混合・放 置 した 後 、締 固 めて
現場条件 、工 程 といった様 々な 要 因 を考慮 した安定処
養 生 を行 った 供試体 につ いて CBR試 験 、一 軸圧縮試
理土 の 品質 。
施工管理 を行 う必要がある。
験 を実施 し、安定材 の混合か ら締 固め まで の経過時間
本報文 では、春江 町 内 の下水道管理設工事 で搬 出 さ
が安定処理土 の物理 。
強度特性 に及ぼす影響 について
れ る粘性土 を安定処理 し、埋戻 し材 として使用す るに
検 討 を行 った。
あた り、現場施工管理 に必 要 な 資料 を得 る こと を 目的
・気 中 。
水 中養生試験
として 、室 内土質試験 結果 か ら安 定処理土 の物 理・強
粘性土 に各種安定材 を混合 した安定処理土 の供試体
度特性 、耐久性お よびそ の影響 因子 につ いて検 討 を行
につ いて 、空 中、水浸養 生期 間 を変化 させ た場合 の 各
った。
養生条件 にお ける供試体体積 の測定 と一 軸圧縮試験 を
実施 し、安 定処理土 の 収縮・膨張特性 お よび強 度特性
2.試 験項 目および 内容
につ いて検討 を行 った。
安定処理土 の物理・強度特性 お よび 耐久性 の評価 を
目的 として行 つた 試験 は下記 の とお りである。
・長期水浸養 生試験
粘性土 に安定材 を混合 した後 、締 固 め までの経過時
・コンシス テ ンシー 限界試験
間が異なる各安定処理土 を長期水浸養生 した供試体 に
粘性土 に各種安定材 の添加率 を変化 させて混合 した
-81-
つ いて一 軸圧縮試験 を実施 し、
長期水浸養 生期 間が安
福井県雪対策 。
建設技術研 究所
年報地域技術第 12号
安定処理土 の強度特性 に及ぼす影響 について検討を行 っ
19997
安定処理土 は、試料土 の乾燥質量 に対 して 5、 10、
15%の 添加率 で各種安定材 をミキサ ーで試料土 に 1
た。
・混合時間試験
粘性土 と安定材 を混合す る時間 を変化 させた各安定
0分 間混 合 した後 、含 水比 が変化 しな い よ う密封 し、
恒温 (20± 3度 C)で 3日 間放置 した。
処理土 について一 軸圧縮試験 を実施 し、
混合時間が安
。
定処理土 の物理 強度特性 に及ぼす影響 について検 討
JSF T 14
所定 の期 間放置 した 安 定処理土 につ いて 、
1に 規 定 す る「土 の液 性 限界・塑性 限界 試験 」を行 い 、
を行 つた。
安定処理土 の物理特性 を コ ンシステ ンシー 限界 で評価
した。
3.試 験用試料
4.1.2
3.1
(1)液 性 限界
試料土の物性
試験 に用 いた試料土 の土質試験結果 を表 -1に 示す。
試験結果
図 -2か ら安定処理 土 の液性限界は試料土 よ りも高
試料土 は、自然含水 比が最適含 水 比 よ り湿潤側 で、シ
く、また、添加率 の増加 に ともな い高 くなる ことか ら、
ル ト分 よ り粘土分がやや多 い細粒土 で あ り、日本統 一
安定処理土は含水比が増加 して も流動化 しに くい性質
土質分類 では 粘土 に分類 され る。また、コー ン指数 か
を示す。
ら超湿地 ブル ドーザ の走行 も不可能な軟弱な土質であ
安 定 材 の 種 類 で は、セ メ ン ト、セ メ ン ト系安 定材 、
消石灰、生石灰、石灰系特殊 固化材 の順 に高 い。
る。
表 -1試 験 に用 いた 試料 土 の土質性 状
試験 項 日
塑性 限界
塑性 指 数
pH
WL (%)
Wp (%)
Ip (%)
最 大乾燥 密度
最 適含 水 比
ρd(g/cm3)
Wopt (%)
(%)
44
生石灰
57.7
66.7
46
48
50
■ 5%
o10%
▲ 15%
消 石 灰
35.5
31.2
石灰系特殊
図 -1
(CH)
安定処理 土の含水比
65
1.280
無 添 加F
32.3
セメ ン ト
うZ
膨張比
3.2
41.8
nU
CBR値
oc(kgf/cm2)
(%)
コ ー ン指 数
42
セ 5:生 5
(%)
日本 統 一 土 質 分 類
40
セメ ン ト
0.0
6.4
強 熱減 量
38
添 加
2.663
︵U
シリ
レト分 (5∼ 75μ m)(%)
粘土 分 (5μ m未 満 )(%)
無
И付
粒度組成
土 粒 子 の 密 度 ρs(負 /cm3)
自然 含 水 比
Wn (%)
礫
分 (2∼ 75nlm)
(%
2olm)(%)
砂 分 (75 μ m∼
液性 限界
36
試験 値
セ 5:生 5
‐
0.94
生 石灰
安定材の種類
試験 に用 い た安定材 の種類 は、普通 ポル トラン ドセ
メ ン ト、セ メン トと生石灰 を重 量比 で 5:5の 割 合 で
消 石
灰
石灰系特殊
配 合 したセ メ ン ト系安 定材 、生石 灰 、消石 灰 、生石 灰
を母材 とす る石灰 系特殊 固化材 、一 般軟弱土用 セ メン
ト系特殊 固化材 の計 6種 類 の安定材 を使用 した。
4.試 験方法 および結果
4.1 コンシステ ンシー限界試験
4.1.1 試験方法
図 -2
液性 限界
(2)塑 性 限界
図 -3か ら安定材 の添加率が
10%以 下 の安定処理
土 の場合 、
安定材 の種類 によ っては試料土 の塑性 限界
よ りも低 い が、添加率 の増加 にともな い塑性 限界 は高
くな り、試料土 の 塑性 限界 よ りも高 くな る。この こと
か ら、粘性土 が砂質土 的 な性状 に変化 し、土 工 にお け
- 82 -
第 1編
調 査研 究 報 告
る 施 工性 は 向 上す る。特 に、生石 灰 、石 灰 系特 殊 固化
図 -6か ら安 定処理土 の液性指数は試料土よ り大 き
材 を混合 した安定処理土 の含水比 は塑性 限界 にある こ
く、添加率 の増加 に ともな い 0に 近 くな り安定性お よ
とか ら施工性 の改善効果 が高 い といえる。
び圧縮性 を改善で きる。
安 定材 の 種 類 で は 、セ メ ン ト、セ メ ン ト系安 定 材 、
生石灰 、消石灰、
石灰系特殊 固化材 の順 に高 い。
38
無 添 加
0。
■ 5%
無
010%
▲ 15%
セメン ト
添
虔υ
34
消石灰、生石灰、
石灰系特殊 固化材 の順 に大 き い。
■9
●●
●●
32
安 定材 の 種 類 で は 、セ メ ン ト、セ メ ン ト系安 定 材 、
4
1.2
0.8
加
セメ ン ト
T
セ 5:生 5
セ 5:生 5
生石灰
生 石灰
消 石 灰
■ 5%
010%
▲ 15%
消 石 灰
石灰系特殊
図 -3
石灰系特殊
塑性 限界
図 -5
コンシステ ンシー指数
(3)塑 性 指数
-0。
図 -4か ら安定処理土 の塑性指数 は試料土 よ り高 く、
無
0.2
2
0.4
添 加
また、添加 率 の 増加 に ともな い 高 くな る。
セメ ン ト
安 定 材 の 種 類 で は 、セ メ ン ト、消 石 灰 、生 石 灰 、セ
セ 5:生 5
メ ン ト系安 定材 、石 灰 系特殊 固化 材 の 順 に高 い 。
30
無
添
32
34
36
38
40
42
44
生石灰
加
■ 5%
消 石
セメ ン ト
図 -6
生 石灰
灰
石灰系特殊
よ り、安 定性 お よび圧 縮性 が改善 され 、そ の効 果 は石
o10%
▲ 15%
図 -4
液性指数
以 上 の ことか ら、試料土 に安定材 を混合す る ことに
■ 5%
石
o10%
▲ 15%
石灰系特殊
セ 5:生 5
消
―
灰
灰 系 、特 に石灰 系特殊 固化 材 で 大 き く、添加率 が多 く
な るほ どその効果 は大 き くなる。
塑性指数
(4)コ ンシステ ンシー指数 :lc=(WL― Wn)ノ IP
コンシステ ンシー 指数 は、
細粒土 の硬軟や安定 の程
4.2 経過時間試験
4.2.1 試験方法
度 を表 し、1よ り大 き い ときは安定 な状態 にある こと
を示す。
図-5か ら安定処理土 のコンシステンシー指数は試料
安定処理土 は、試料土 の乾燥質量 に対 して所定 の添
加率で各種安定 材 をミキサーで試料土 に 10分 間混合
した 後 、締 固 め る (供 試体 作 製 )ま で 含 水 比 が変化 し
土よ り大 き く、
添加率 の増加 に ともない 1に 近 くな り、
な い よ う密 封 し、所 定 の 期 間 、恒 温 (20±
安定 した土 質 となる。
で 放置 した。
3度 C)
所定 の期間放置 した安定処理土 の CBR試 験用供試
安 定材 の種 類 で は、セ メ ン ト、セ メ ン ト系安 定材 、
消石灰 、生石灰 、
石灰系特殊 固化材 の順 に大 き い。
」
SF T 8H「 安定処理土 の突 固 め による
体 につ いて は、
(5)液 性指数 :IL=(Wn¨ Wp)ノ IP
供試体作 製方法 」に規定す る φ 15cmモ ー ル ドと 4.
液性指数 は 0に 近 いほ ど土 は安定であ り、大 き くな
るほ ど圧 縮性が大 き く、また鋭敏な性質 を示す。
5 kgラ ンマーによ り突固め回数 3層
67回 で作製 した。
また 、一 軸圧縮 試験用 供 試体 につ いて は、セ メ ン ト協
- 83 -
福井県雪対策・建設技術研究所 年報地域技術第12号 19997
よる安定処理土 の試験方法」に規 定す る φ 5cmモ ー ル
ドと 1.5 kgラ ンマ ー によ り突 固め回数 4層
90回 で
作製 した。
供試体 の養 生は、6日 間室 内養 生 (温 度
C)後 、4日 水 浸 (水 温 20± 3度 C)さ
20± 3度
せ た計
10
日間 の養生を行 った。
I
養 生終 了後 、JIS A 12Hに 規 定 す る CBR試 験 、」
/
/
/
/
//
/
匡
6
8
10 12 14
添加率 (%)
S A 1216に 規定す る一 軸圧縮試験 を行 つた。
図 -7
なお、供試体 の作製条件 を表 -2に 示す。
表 -2
安定材種類
CBR試
験
× 50
40
ン
51生 石灰
5
メ
ト
普通セ
0, 15
8 30
生石灰
1,15
0,15
1.15
5,10,15%
消石灰
石灰系特殊固化材
普 通 セメント
5,10,15%
/
“
/
20
10
4
“
6
1,3,15,30
消石灰
0,3,15,30
図 -8
16
添 加 率 と CBRの 関係
″
/
8
/
6
/
4
2
0
は、添加 率 の増加 とともに大 き くな り、安定材 の種 類
0
1,3,15,30
4.2.2 試験結果
(1)CBRと 放置 日数の関係
図 -7か ら混合初期 に突固 めた安定処理 土 の CBR
]
/
/
σ
ノ
F
8
による差 も顕著 となる。
10
12
添加 率 (%)
安定材 の種類 では、石灰系特殊 固化材 による安定 処
図 -9
理土 の CBRが 最 も大 き く、次 にセ メ ン トで、セ メ ン
14
16
添加率 と一 軸圧縮強度 の関係
4
加率 による強 度発現効果 は CBR試 験結果 と同 じ傾向
を示す が 、放置 日数が長 くな る と、CBRに 比 べ 添 加
0
試験 で 比較す る と、混 合初期 にお ける安定材種類 、添
2
10に 示す 同 じ放置 日数 で行 った 一軸圧縮
4
は混合初期 に突固 めた安定処理土 ととほぼ 同 じである。
6
Rは 小 さ くなるのに対 してセ メン ト系安定材、生石灰
8
セ メ ン ト、石灰系特殊 固化材 による安定処理土 の CB
0
混合初期 に比 べ
図 -8か ら放置 日数が長 くな る と、
2
食8≧里 ︶楓謳 鯉日 尋 ︱
ト系安定材 と生石灰は同程度で、
消石灰が最 も低 い。
図 -9、
8
10 12 14
添加率 (%)
2
生石 灰
∼
0
含8 ≧里 ︶駆謳 鐸日 尋 ︱
0,3,15,30
/
4
/_
0,3,15,30
ン
5:生 石灰
5
メ
ト
普通セ
石灰系特殊固化ル
′
4
一軸圧縮試験
60
放 置 日数
0,15
普 通 セメント
添加率 と CBRの 関係
70
安定材混合試料
房
16
80
供試体の作製条件
添加率
塾
一
0 0 0 0 0 0 0 0 0
8 7 6 5 4 3 2 1
︵\ ︶“ m o
会標準試験方法 JCAS L-01‐ 1990「 セ メン ト系固化材 に
■
沿
作
8
10
12
添加 率 (%)
図 -10
特 に石灰 系特殊 固
率が高 いほ ど強 度 の低下 が著 しく、
14
16
添加率 と一 軸圧縮強度 の関係
化材 、セ メ ン トでそ の 傾 向が著 し く、安 定材 の種類 に
(2)一 軸圧縮強度 と放置 日数の関係
よる強度差 は小 さ くな る。
図 -11に 示す添加 率
- 84 -
10%に お ける放置 日数 と一
第 1編
・
調 査研 究 報 告
化材 による安定処理土 の一 軸圧縮強度 が最 も大 き く、
セメン ト系安定材 と生石灰は 同程度で、
次 にセメン トで、
消石灰が最 も低 い。
放置 日数が増加す る と、
石灰 系特殊 固化材 による安
定処 理土 の一 軸圧縮 強度 は低下 し、セ メ ン ト、消石灰
/
´
プ
込
♂
ン
は変化 が少な く、セ メ ン ト系安 定材 、生石 灰 で は増加
8
傾 向を示す。
図 -12か ら、
添加率
10
12
添加率 (%)
15%で は消石灰 を除 くいず
図 -13
強度 の差 は小 さ くなる。
』
/
4
% ク
\
/
2
10
12
0
添加率 (%)
図 -14
放置 日数 (日 )
16
添加率 と一軸圧縮強 度の関係
,
ノ
5
2
ア
2
(
・
5
︲
/
ン
1
・
5
0
0
5
10 15 20 25 30 35
放置 日数 (日 )
ヽ
図 -15
5
2 日
>
日
5
︲
置
0放
1
5
0狐
2
0
貧3 ≧“じ楓謳爆 田輝︱
4 2 0 8 6 4 2
0
・
放置 日数 と一軸圧 縮強度 の関係
3
図 -11
14
5
3
10 15 20 25 30
38ヽ ︶
留憚緊響も嘔K
5
裁
Ю⇒
6
貧8 ≧麟 ︶
留 韻 彗 田 尋︱
8
条
8
0
14
添加率 と一軸圧縮強度の関係
ヽ/
望︶
︵
督ミ︺
鶴謳 標田轟 ︱
材、セ メ ン トでそ の傾 向が著 しく安定材 の種類 による
4 3 2 1 0
れ の安定処理土 も強 度 が低下 し、
特 に石灰 系特殊 固化
0 ■
による強度発現効果 の差 は顕著 で あ り、
石灰 系特殊 固
″/
里︶
︵
督ミ︺
蝠蘊爆日尋︱
4 3 2 1 0
軸圧縮強度 の 関係か ら、
混合初期 にお ける安定材種類
30 35
1.35
∞
図 -12
放置 日数 と乾燥密度の関係
放置 日数 と一軸圧 縮強度 の関係
図 -13に 示す添加率 と一 軸圧縮強度 の 関係か ら、
混 合初期 には、添加 量 の 増加 に ともな い 、いず れ の安
定処理土 も一 軸圧縮強度 は増加 し、安定材 の種類 によ
る強度 の差が顕著 となる。
しか し、図 -14か ら、
放置 日数 が増加す る と、消石
灰 を除 いて 、ある添加率 以 上 にす る と安定処理土 の強
度は低下 し、
添加率による強度の増加効果はな くなるか、
分
:8 1.3
L闘
選
介
牡
銀
1.15
慰
駆 1.1
1.2
く
\ /
\
\
\
1.05
0
5
10 15 20 25 30 35
放 置 日数 (日
図 -16
また、図 -15、
小 さ くなる。
/
)
放置 日数 と乾燥密 度の関係
16に 示す放置 日数 と乾燥 密度 の
関係 か ら、放 置 日数 の増加 とともに、特 に石灰 系特殊
-85-
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号
19997
セ メン トで乾燥密度が低下 している ことか ら、
固化材、
後 の含水比変化率 と空 中養 生 日数 の 関係か ら、空 中養
締 固めが困難 な性状 とな り、なおか つ 固化反応が終 了
生期間が短 く水 中養 生期間が長 いほ ど安定処理土 の含
してか らの締 固 めで ある ことが、一 軸圧縮強度 の低下
水比は増加 し、セ メン ト系特殊 固化材 に比 べ 石灰 系特
につなが った と考 え られ る。
殊 固化材 でそ の増加率が高 い。
以 上の ことか ら、混合初期 の 各安定材 の強度発現効
oセ メン ト系固化材
は、強度発現効 果 が低 い。放 置 日数 の 増加 に ともな い
・
\
9
9
試料土 の乾燥質量 に対 して
\
5
4.3 気 中・水 中養生試験
4.3.1 試験方法
/
0
0
処理土 の強度低下が顕著 である。
・
下す る割合が高 い。特 に石灰 系特殊 固化材 による安定
5
安定処理土 の強度 は低下 し、添加量が多 いほ どそ の低
012345678
10%の 添加率 でセ メン
ト系特殊 固化材 、石灰 系特殊 固化材 をミキサ ーで試料
空 中養生 日数 (日
図 -17
\
23456
供 試体
空 中養 生 日数 (日 )
恭力日率 差 生 条 件
セ
ルト
系特殊固化材 1%
含水比
石灰系特殊固化材
供試体体積
一軸圧縮試験
養生期間7日 間のうち
空中1日・水中6日
空中3日・水中4日
空中5日・水中2日
空中7日・水中0日
図 -18
空 中養生 日数 と供試体体積変化率 の関係
水 中養 生 後
H5
5H0
献
薫100
Ⅲ95
oセ メン ト系固化材
◆石灰系固化材
\
雑
4.3.2
\
9
9
件
安定材湿 合試料
\
0
0
-3
1
0
脱型 し水浸 した。
材 は一 日空 中養 生 した後 、
\
2
0
石灰系特殊 固化
認 して 供試体作製 日の うち に脱型 し、
\
3
0
なお 、セ メン ト系特殊 固化 材 の供試体 は、硬化 を確
◆石灰系固化材
4
0
水 中養生期間 を変化 させて一 軸圧縮試験 を行 った。
oセ メン ト系固化材
水
5
0
︵ゝ ︶冊 ギ黒椰 量 彗稲 も
につ いて、
養生期 間 を 7日 間 と一定 とした中で、空 中、
)
空 中養生 日数 と供試体体積変化率の関係
土 に 10分 間混合 して突固めた一 軸圧縮試験用供試体
安 定 材種 類
◆石灰系固化材
1
0
︵ゝ ︶辮 ギ黙椰せ彗籠 き
果 は、セ メ ン ト、石灰 系特 殊 固化材 が大 き く、消石 灰
\
105
試験結果
(1)供 試体の体積変化
図 -17に 示す供試体作製時 を基準 とした空中養生
セ メン ト
後 の体積変化率 と空 中養 生 日数 の 関係か ら、
系特殊固化材 による安定処理土 は空 中養 生 日数 の増加
\
\
\
012345678
空中養生 日数 (日
図 -19
と ともに体 積 が減 少 (収 縮 )す るの に対 して 、石 灰 系
)
空 中養生 日数 と含水比変化率 の関係
(3)乾 燥密度
特殊 固化材 では増加 (膨 張 )す る。
図 -18に 示す供試体 作 製時 を基準 とした水 中養
図 -20に 示す供試体作製時 を基準 とした水 中養生
生後 の体積変化率 と空 中養 生 日数 の 関係 か ら、空 中養
後 の乾燥 密度変化率 と空 中養 生 日数 の 関係か ら、空 中
養 生期 間が短 く水 中養 生期 間が長 いほ ど安 定処理 土
生期間が短 く水中養生期間が長 いほど体積 は増加 (膨 張)
し、
セ メン ト系特殊 固化材 に比 べ 石灰系特殊 固化材 で
そ の増加率が高 い。
の乾燥密度 は低下 し、セ メ ン ト系特殊 固化材 に比 べ 石
灰系特殊 固化材 でそ の低下率 が高 い。
(2)供 試体 の含水比変化
(3)空 中養生 日数 と一軸圧縮強度 の関係
図 -19に 示す供試体作製時 を基準 とした水 中養 生
- 86 -
図 -21に 示す空 中養 生 日数 と一軸圧縮強度 の関係
第 1編
調査研 究 報 告
か ら、一 定 の 養 生 期 間 の 中 で 空 中養 生 日数 が 長 く、水
4.4.2
中養 生 日数 が 短 い ほ ど、一 軸 圧 縮 強度 は 大 き くな り、
(1)一 軸圧縮強度
図 -22に 示す水浸養生 日数 と一軸圧 縮強度 の関係
水浸 日数 が長 い ほ ど強度 の 発現 は低 い 。
この こ とか ら、安 定 処 理 土 の 強度 発 現 には 空 中養 生
か ら、混 合初期 に突 固めたセ メ ン ト系安定材 、生石灰
期 間が重 要 な要 因 とな る。
による安定処理土 の一 軸圧縮強度 は、水浸 日数 の増加
とともに大 き くな るの に対 して、セ メ ン ト、石灰 系特
oセ メ ン ト系日化材
0
︲
︵訳 ︶善ギ罵 側伸 撃撃
◆石灰系 E4M
殊 固化 材 、消 石 灰 で はそ の 増加 傾 向 が低 い。また 、安
0
︲
定材 の種類 による強度差 も大 き くな る。
9
/
図 -23か ら 15日 放置 して突固めた安定処理土 の
/
8
9
/
/
一 軸圧縮強度 は、
混合初期 に突 固めた安定処理土 に比
7
9
/
べ 強度 の 発現 は 低 いが 、水 浸 日数 の 増加 に ともな い 、
6
9
/
5
9
安定材 の種類 によ リー 軸圧縮強度 の増加傾向には差が
23456
あ る ものの、一 軸圧縮 強度 は増加 し、特 にセ メ ン ト系
空 中型 三日数 (日 )
図 -20
安定材、生石灰 で そ の増加傾向が顕著 である。
空 中養生 日数 と乾燥密 度変化率の関係
図 -21
艶
0
012345678
空 中養生 日数 (日
20
図 -22
)
空 中養生 日数 と一軸圧縮強度変化率の関係
珍
/
―●
2
0
魔
0
型
―
20
l
40
60
水浸 日数 (日
定 の期 間水浸養 生 し、一 軸圧縮 試験 を行 った。供試体
図 -23
作製条件 を表 -4に 示す。
80
100
)
水浸養生 日数 と一軸圧縮強 度の関係
(2)含 水比
-4
安定材混合試 料
安定材種類 添加率 放置日数
養生
条件
瑳争だlセ メント 10,159 0,15日
ン
メ
に生石灰5
普通セ
0,15日
水 中 4日
気 中 6日
軸圧縮試験 生石 灰
1,15日
30日
消石灰
0,15日
90日
石灰系特殊固化材
/
4
試験 用供 試体 につ いて 、6日 間空 中養 生 後 、脱 型 し所
│ク
6
置 した。この安定処理土 を突 固めて作製 した一 軸圧縮
′
/
8
し、含水 比 が変 化 しな い よ うに密封 し、所定 の 日数 放
15日 (添加率 10%)
0
加率で各種安定 材 をミキサ ー で試料土 に 10分 間混合
放置 日数
2
安定処理土 は、試料土 の乾燥質量 に対 して所定 の添
100
水浸養生 日数 と一 軸圧縮強度の関係
4
4.4.1試 験方法
40
60 80
水浸 日数 (日 )
6
貧8 ゝ留 ︶
楓懇 彗Ц輝︱
4.4長 期水浸養生試験
→
/
0
100
/
/
2
/
ヽ
4
150
/
6
//
′
8
200
0
//
2
250
腕 置 日数 0, 1日 (添 加率 10%):
4
◆石灰系日化材
300
6
望︶
︵
冒ミ︺
楓薇 理 Щ尋︱
︵訳 ︶絆 ギ黙出謳 彗田轟 ︱
oセ メン ト系日化材
50
試験結果
1,15日
図 -24に 示す供試体 作製時 を基準 とした水浸養 生
後 の含水比変化 率 と水浸養 生 日数 の 関係か ら、突 固め
時 に比 べ 水浸後 の含水比は増加す る。
この傾 向は混 合直後 に突 固めた安定処理土 に比 べ 、
図 -25に 示す
15日 放置 した安定処理土で顕著であ
り、安定 材 の 種類 によ る差 も大 き く、石灰 系特殊 固化
セ メン トでそ の増加が顕著である。
材、
- 87 -
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号
図 -26、
ビ数 0, 1日 (添加率 10%)
19997
27に 示す供試体作製時 を基準 とした水
浸養生後 の体積変化率 と水浸 日数 との関係か ら、水浸
3
放置後締 固めた安定処理土
固 めた安定 処理 土 に比 べ 、
へ
2
/
でその増加が大き い。
\
1
\
0
L
ノ
―
/
9
4.5 混合 時間試験
4.5.1試 験方法
ヽ
\
8
︵ぺ︶掛ざ 留〓 梃 佃 さ 熙 ※
4
混合直後 に締
後 の供試体体積 は増加す る傾 向 を示 し、
試料土 の乾燥質量 に対 して
0
20
図 -24
40
60
80
水浸日数(日
100
ト系特殊 固化 材、石灰 系特殊 固化 材 、生石灰 を試料 重
)
水浸養生 日数 と含水比変化率の関係
15日 (添加率 10%)
日数
4000gの 試料土 にミキサ ーで 2、
10分 間 の混 合 時 間 で 混 合 した 各安 定 処
量 2000gと
4、 6、 8、
4
3
タ
″
2
1
0
9
なお 、供試体 の作 製 につ いて は、セ メ ン ト系特殊 固
つ
\
θ
化材 、石灰 系特殊 固化材 は混 合直後 、生石灰 は混 合後
/
′
23時 間放置 してか ら突 固 め、養 生期 間はセ メ ン ト系
8
︵ぺ︶冊ざ 嵐〓 K 伽 さ 熙 K
理 土 の一 軸圧 縮試験 を行 い、混 合時 間、混合試料 重量
強度特性 に及ぼす影響 を検討 し
が安定処理土 の物理 。
た。
民
/
10%の 添加率 でセ メン
特殊 固化材 、石灰 系特殊 固化 材 を空 中 7日 、生石灰 を
20
40
60
80
水 浸 日数 (日
図 -25
空 中 10日 養 生 とした。
100
表 -5
)
水浸養生 日数 と含水比変化率 の関係
(3)供 試体体積
0, 1日 (添加率 10%)
日数
供試体作製条件
養生
安定材混 合試 料
安定材種類 試料土重量 添加率 混合時膚 条件
メ
ハ系特殊安定材 2000g 10% 2,4,6, 気中7日
8,10分
軸圧縮試験 石灰系特殊安定材 4000g
気中10日
生石灰
1
0
0
0
オ
ヽ
考
嗜
﹀
9
9
︵N︶掛ざ 鶴 轟量 巡 興く
あ
グ
4.5.2
ゝ
20
→
40
00
80
水浸 日数 (日
図 -26
図 -28に 示す供試体作製時 の含水比 と混合時間 の
100
関係か ら、生石灰 による安定処理土 の含水比 は試料土
)
10%)
15日 (
〆 ” 電メ 4
2
0
声一
1
0
0
0
︵ぺ︶冊翠 畑 梃 量 巡 熙 K
/
/
∠
/
ヽ
9
9
▼
20
40
60
水 浸 日数 (日
図 -27
(1)含 水比
水浸養生 日数 と体積変化率の関係
日数
試験結果
80
100
)
水浸養生 日数 と体積変化率 の関係
含 水比 と逆 の 変化 を示 し、セ メ ン ト系 、石灰 系特殊 固
化材 による安定処 理土 の含水比 は試料土 と同 じ変化 を
混合時間が安定処 理土 の含水比 に及
示 した ことか ら、
ぼ す影 響 は確 認 で きなか った。なお 、各試料 重 量 にお
け る含水比 はほぼ 同 じで あつた。
2)乾 燥密度
図 -29に 示す各試料 土重量 における混合時間 と養
生後 の乾燥密度 の関係 か ら、いず れ の安定材 も含水比
が低 い と乾燥 密度 が高 く、また、試料 土重量 による違
い も少 な い ことか ら、混 合時 間、試料土 重量が安定処
理土 の乾燥密度 に及ぼす影響は確認 で きなか った。
- 88 -
第 1編
調査研 究報告
卜系特殊 固化材 に比 べ 生石灰 、
石灰系特殊 固化材 によ
(3)一 軸圧縮強度
図 -30に 示す各試料土重量 にお ける一 軸圧縮強度
る安定処理土 はなめ らかな強 度増加 を示す ことか ら、
と混合 時間 の 関係か ら、いずれ の安定材 による安定処
セ メン ト系固化材は混 ざ りに くい と考 え られ る。
理土 も混合 時間 の増加 にともない一 軸圧縮強度が増加
以 上 、含 水 比 、乾 燥 密度 で は混 合 時 間 、混 合 試 料 重
す る。
量 の影響 は確認 できなか ったが、一 軸圧縮強度 は試料
試料土重量では 2000gに 比 べ 4000gの 安定
土 の含水比 の影 響 もあるが、
混合時間 の増加 とともに
処理土で強度が低 い傾向 を示 し、また値 にば らつ きが
大 き くな り、
混合試料重量 も影響す る。この ことか ら、
見 られ る。
現場 では安定材混合時間、
安定材 の種類 によ り室 内配
安定材 の種類 では、混合時間 の増加 とともにセ メ ン
合強度 に対す る現場配合割増率を設定す る必要がある。
セメ ン
5
5
5
5
5
4
5
4
0
4
0
4
︵ゝ︶蟹く ゛
0
5
︵ゝ︶翠く 伽
0
5
︵よ ︶ゴ K 御
\
\
5
3
5
3
2
4
6
8
混合時間 (分 )
■自然含水比
10
246810
12
2
o員 拌後含水比
自然含水比
セメ ン ト系特殊 固化材
o楓 拌後含水比
混合時間 と含水比の 関係
1.28
側
6
2
4
2
4
2
2
2
′
8
︲
8
︲
2
4
6
8
10
12
0
混合時間 (分 )
8
10
8
10
0
12
2
4
石灰系特殊固化材
/
͡
′
■2000
o4000
混合時間 (分 )
図 -30
8
10
12
混合 時間 と乾燥密 度の関係
0246810
12
混合時間 (分 )
6
混合時間 (分 )
/
/
■ 0
6
6
1﹁︱
4
4
5 4 3 2
/
J:::::
2
珈
1.18
貧8≧麟︶盤懇等田輝︱
1/
/
6 5 4 3
/
貧 8ヽ 理 ︶昼 酒 饉 田響 ︱
8 7 6 5
食 8 ≧ 堂 ︶昼 謳 鯉 田 輝 ︱
セメ ン ト系特殊固化材
\
W/
混合 時間 (分 )
図 -29
/
2
/r
\
場1.22
顕1.2
―
/
・
・
0
冒1.26
じ1.24
/
2
2
2
2
7
12
o鋼 絆後含水比
自然含水比
8
2
38ヽ
J 撻椰緊辞
6
2
//
10
石灰系特殊固化材
8
2
3 日ヽ ︶昼 仰緊浮
珊
//
4
6
8
混合時間 (分 )
混合時間 (分 )
図 -28
0
\
4
6
8
10
12
混合時間 (分 )
混合時間 と一軸圧 縮強度 の関係
5.ま とめ
今回、
粘性土 を安定処理 し、
埋戻 し材 として使用す
る にあた り、安 定処 理 土 の 物理 。強度 特性 、耐久 性 お
よびその影響因子 を把 握す るために室 内土質試験 を行
福井県雪対策・建設技術研究所 年報地域技術第12号 19997
った。そ の 結果 をま とめ る と下 記 の とお りで あ る。
要 因 とな る。
① コンシス テ ンシー 限界試験 の結果、
④長期水浸養生試験 の結果、
粘性土 に安定材 を混合す る ことによ り、塑性 限界 は
水浸養生 日数 の増加 にともない一 軸圧縮強度 は増加
セ メン ト系 の安定材 で添加率 によっては粘性土 よ り低
し、特 にセ メ ン ト系安定材 、生石灰 でそ の 増加傾 向が
い が、添加率 の 増加 に ともな い液性 限界 、塑性 限界 は
顕著 で ある。
混合初期 に突固 めた安定処理土 に比 べ放置後突固 め
塑性指数は大 き くな る。
高 くな り、
また 、コ ンシステ ンシ ー 指 数 、液性 指 数 か ら、安 定
た安定処理土 の強度 の発現 は低 い。
水浸後 の含水比 および供試体体積 は突固め時 に比 べ
した圧縮性 の小 さ い土質 に改善 で きる。
これ らの ことか ら、粘性土 に安定材 を混合す る こと
によ り流動化 しに くい安定 した土質 とな るのに加 え、
増加 し、混 合直後 に締 固 めた安定処理土 に比 べ 、放置
後締 固めた安定処理土 でそ の増加傾向が大 き い。
砂質土的な性状 に変化す る ことか ら土工 における施 工
⑤混合時間試験 の結果、
性 が向上す る。これ らの効果 は、セ メ ン ト系 に比 べ 石
混合時間 の増加 に ともな い一 軸圧縮強度は増加す る
灰系 の生石灰 、
石灰系特殊 固化材 で 高 い。
が、
混合重量 によ り強度 の発現 に差が見 られた。
また、混合時間 の増加 に ともな う一軸圧縮強度 の増
②経過時間試験 の結果、
放置後締 固 めたセ メ ン ト、石灰 系特殊 固化材 による
安定処理 土 の CBRは 、混合初期 に締 固 めた 安定処理
加傾 向か ら、セ メ ン ト系特殊 固化材 は生石 灰 、石灰 系
特殊 固化材 に比 べ混 ざ りに くい と考 え られ る。
土 に比 べ 小 さ くな るの に対 して、セ メ ン ト系安定材 、
生石灰 による安定処理土 は混合初期 に突 固めた安定処
謝辞
この研 究 で は、下 水 道 建 設 事 務 所 、(有 )サ ンケ ン試
理土 とほぼ 同 じである。
一 軸圧縮強度 は、CBRに 比 べ 放置 日数 の増加 に と
もな う強度 の低下 が著 しく、特 に石灰 系特殊 固化 材 、
錐 工 業 の 小竹原武敏氏 、SEC(株 )な ど多 くの 方 々に
助言 と多大 な協力 を頂 いた ことを記 し謝意 とす る。
セ メン トでそ の傾 向が顕著 で、
安定材 の種類 による強
参 考 文 献
度差 は小 さくなる。
CBR、
一 軸圧 縮 強 度 の 発 現 効 果 は石 灰 系特 殊 固化
1)三 嶋信雄涅野克之森本美樹.安 定処理土の強度特性と耐久性に及
材 、セ メ ン トが 高 く、強 度 持 続 効 果 はセ メ ン ト系安 定
材 、生石 灰 が高 い 。消石 灰 は強度 発 現効 果 が低 い 。
放 置 日数 が長 くな る と、添 加 率 の 増加 に ともな う強
度 の 増加効 果 はな くな る。
放 置 日数 の 増 加 と と も に、石 灰 系特 殊 固化 材 、セ メ
ン トによ る安 定処 理 土 は締 固 めが 困難 な性 状 とな り、
乾 燥 密度 が低 下 す る。
③気 中・水 中養 生試験 の結果 、
セ メン ト系特殊固化材 による安定処理土は空 中養生
日数 の増加 とともに収縮す る の に対 して、石灰 系特殊
固化材 では膨張す る。
空中養生期間が短 く水中養生期間が長 いほど膨張 し、
含水比 が増加す る ことか ら乾燥密度 が低下す る。この
傾 向は、セ メン ト系特殊 固化材 に比 べ 石灰 系特殊固化
材 で 高 い。
一 定 の養生期間 の 中で空 中養 生 日数が長 く、水 中養
生 日数が短 いほ ど、一 軸圧縮強度 は大 き くな る ことか
ら、
安定処理土 の強度発現 には空 中養生期 間が重要 な
- 90 -
ぼす影響.日 本道路公団試験所報告 Vd
32(1995-11)
第 1編
調査研 究 報 告
台風 7号 による街路樹の被害 について
damage to street tree from the typhoon No.7
藤 本 政 裕
要 旨
平成 10年 9月 22日 超 大型 の台風 7号 が県 内 を縦 断 した。強 い風雨 を伴 った この 台風 は、
県内
・
の 街 路 樹 に傾 木 倒 木 の 多 大 な被 害 を及ぼ した。そ の た め、この 台風 によ る被 害 を調 査 し、強 風 に
よ る街路 樹 被 害 の 状 況 。
原 因 を ま とめた。そ の 結 果 、枝・葉 が 密 に 茂 って い るた め強風 によ る外 力
を大 き く受 け、根 が耐 え られず 傾 い た り倒 れ た りして い た り、植 栽基盤 が小 さい ことや 、根 の 生育
不 良 が原 因 で 傾 い た り倒 れ た りして い た 。また 、樹 種 の 特 性 (浅 根 系 )に よ る影 響 も見 られ た。
これ らの こ とか ら、強 風 によ る街 路 樹 の 傾木・倒 木 を少 な くす るた め には 、強風 に備 え る枝 透 か
しの 剪定 や支 柱 の 設置 、根 が十 分 に生 育 で き る植 栽 基 盤 を設 け る必 要 が あ る ことがわか った。
キー ワー ド:街 路樹 、台風 、
倒木 、
傾木、
植栽基盤 、剪定、
支柱
1.は じめ に
平成
10年
217本 、ハ ナ ミズ キ 80本 、シラカ シ69本 、ヒマ ラヤスギ
9月
22日
超 大型 の台風
7号 が 県 内
30本 の順 で被害が多かった。(図 -1)
表 -1
を縦 断 し、各 地 に 大 き な 被 害 を も た ら した 。街 路
樹 に お い て も強 い 風 雨 を伴 っ た この 台 風 に よ り、
近 年 まれ に見 る 傾 木・倒 木 の 被 害 が 多 数 発 生 した。
(写 真 -1)
樹種 名
傾木本数
ニセ ア カシ ア
217
80
′・
ヽナミヌ【=■
シラカシ
塁 ラヤ スギ
コプシ
●●
69
4
ユリノキ
2
402
合計
ヒマラヤスギ
■
写真 -1
傾木・倒木総本数
その他
11
台風 による街 路樹の被害
この被害 を調査 し、問題点 の収集 整理 を図 る ことに
よ り、
今後 の台風等 の強風対策 の基礎資料 とす る こと
とした。
2.調 査結果
街路樹 の傾木 。
倒木 の樹種別本数 を調 べ た結果 以下
のよ うにな った。(表 -1)
傾 木 は402本 (6樹 種 )と な って お り、ニ セ ア カ シ ア
-91-
図-1
傾木の被害樹種
倒木は214本 (12樹 種 )と な ってお り、ニセ アカ シア84
本 、ア メ リカ フ ウ40本 、ケ ヤ キ30本 、ユ リノキ21本 、
ヒマ ラヤ スギ 18本 の 順 に被 害 が多 か った。(図 -2)
福井県雪対策・建設技術研 究所
19997
年報地域技術第 12号
ヒマ ラヤ スギ 60.8%、 ニ セ アカ シア 18,0%と 傾木・
倒 木 の割 合 が 高 い 。
ヒマラヤスギ
傾 木 お よ び 倒 木 の 主 な 原 因 は 共 に 、枝・葉 が
鵬
(18本 )
混 み合 って い るた め風 力 に耐 え られ な い こ とや 、根
ユリノキ
1“
が 細 く未 発 達 で あ っ た り、植 栽 基 盤 が 十 分 に 確 保
(21本 )
さ れ て い な い た め 根 で 上 部 を 支 え られ な い こ
ケヤキ
とであった。
1儡
(30本 )
アメリカフウ
傾 木・倒 木 後 の 復 旧内容 は、傾 木 の 場 合 89%(357
(40本 )
1躊
本 )が 支柱 を設置す る ことによ り被 害木 を立て直 して
県 内全植栽 本数 との割合 お よび傾木・倒木 の被害原
いる。(図 -3)
因は以下 の表 とな った。(表 -2)(表 -3)
表 -2
被害樹種別傾・倒木割合
ラヤスギ
=マ
ニセアカシア
木数
倒本
傾木
本数
被害樹種 名 県内全働
傾・倒木 順・倒 木 割 合
総本数
(%)
7嘔
890
シヤキ
454
ナ ミス キ
1.692
アメリカフウ
ユ リノキ
2.103
834
ヤナギ
32C
コプシ
61C
8.2
8C
8C
2
4
40
4C
21
21
4.7
89%(3571ド
図-3
3
0_9
1
0.8
ポプラ
122
1
1
0.8
トウカエデ
522
1
1
0.2
1
1
0.1
フラタナス
1,095
ニセアカシア
ヽ
ナミズキ
表 -3
書数
機本
害況
被状
El覆 名
402
11.951
合 計
214
傾木復 旧内容
補 植 をお こな い 支 柱 を設 置 して い る。(図 -4)
8%(17本 )
被害原 因
因
が 滉み 合っており 風 力に耐えられ ず傾木.(全
□倒木撤去・補植・
支柱設置
■倒木復旧・支柱
設置 。
結東直し
"
“
交 Eが 涅み 合っており また 根が ●樹桝 内の 月嗜 50cm程 度までしか 広が ってあ
うす 強 凰により支柱との ■東縄が 切れ て傾ネ
.
E定 され ていな い ため 校 菫 が 濃み 合 ってお り また 蓼 土は 濱に 50cm程 度 まで で
=れ
傾沐
マラヤスギ
ラヤスキ
`マ
ュプシ
より下は 日К ● ま ったレキ 贅 土 の ため 根 が 広が って お らず 強 鳳 に より傾 木 .
・菫が凛み 合っており 支柱がないため 凰 力に 耐えられ ず傾 ホ
・
=が
.
なみ合っており 既存支柱では二カにIIえ られず傾木
.
晨が 広 が つてお らず
9掛 (197本 )
風 力に alえ られ ず 根 が 切 れ て 燿 木 .
図-4
倒木復 旧内容
ここで 、植樹桝 の大 きさ と傾木 。
倒 木 の 関系 をみ る
。
ことに す る。(表 -4)傾 木 倒 木 箇所 の 植 樹 桝 の 大 き
・菫が2み 合っており 風力に耐えられす●木
.
=セ
'メ
アカシア
リカフウ
アヤキ
・ 菫 が 凛み 合 っておリ ユ カに 耐 えられ ず 機 が 切囁 倒 ネ .く 全 ゆ
安
晨は■樹桝内しかEが っておらず 氷 未発遭.(う ち23本
)
B定 されていないため 鳳力に■えられ ず倒 木.(絆 折ね)
日定され て いな いため 鳳 力に 耐え られ す 倒 ホ.(幹 折れ )
さ をみ る と、植 樹桝 と して は もっ と も小 さい
菫鳳に よリロ ホ .(絆 折 れ )
:マ ラヤスギ
・ 目が 屁み 合っており 根が 洒い ため 、風 力に IIRら れ ず倒ホ.な お 客 士は 深さ
咬
で それより下は 粘僣 +_
'00nla度
れてい0い ため鳳力に]え られず倒木.(■
倒ネ
シラカシ
)
倒 木 の 場 合 は 、92%(197本 )が 倒 れ た樹 を撤 去 し、
52
原
・
日定され ていないため 崚
彙が 承 未発 菫.〇 ち2本 )
囲支柱設 置
■結東 直 し
301
4
1,551
ナンキ ンハ ゼ
60.8
4〔
84
ンラカシ
'ヽ
11%(45Jド )
"褒 た
1)1.Om
×1.Omの 植樹桝 では傾木・倒木本数が最 も多 い375本 と
な って いる。
)
―-4
"れ
±■ま は絆水が原因で崚がⅨ 未発達のため 強鳳により根が切いて倒木.支 t
が損短 ており倒ホ
.
ヤナギ
根が 広がっておらず 風 力に耐えられ ず根が 切れて日本
ウカエデ
植樹桝の大きさ(幅 員
X延 長)(単 位 :m)
老 本の ため 鳳 力に 耐え られ ず 倒 木 .
校・ 菫 が 2み 合 つてお り 鳳 力に
植樹桝面積
傾木 +倒 木本数
(単 位:mう
.
えられ ず 根 元 付 近て 折れ て ● ネ
0_95× 2_3
.
1_0×
“
ニセアカシア
強 風 こより倒 木
′ラタナス
校・ 菫 が 滋 み 合 つており 鳳 力に 耐えられ ず 根 元 付 近で 折れ て 倒 ホ .根 が ● 樹 継
越 えて 広 が ってお り ● ホとともに ● 樹 樹を 破 祖 .
ドプラ
老 木 の た め 鳳 力に ●│え られ す 倒 木 .
.
20
0.96 Xl_52
0.8Xl.6
1.OXl.0
- 92 -
2_19
84
2m
146
128
2C
lJD0
37ξ
6C
第 1編
調査研究報告
植 樹 桝 1.Om× 1.Omの 樹種 内訳 は 、ニセ ア カ シア、
m× 1.Omと 小 さかったため根が十分 に広がることがで
きず 、風 力 に耐 え られず に傾木・倒木 した もの と考 え
って い る。特 にニ セ アカ シアは傾木 と倒木 を合わせ る
られ る。対策 と しては、植樹桝 を広 げ て 植栽基盤 を大
と275本 とな り (図 -5)、 ニ セ ア カ シ ア の 傾 木・倒
き くし根 の広 がる部分 を増やす ことによ り樹木 自体 の
木 総 本 数 301本 の 91.3%と な った 。(写 真 -2)
風 力に対す る抵 抗 力を高めた上 で、
支柱 の 設置および
魯
帥
睛
m
ア メ リカ フウ、ケ ヤ キ 、ユ リノキ 、ナ ンキ ンハゼ とな
ユリノキ
(倒 木 )
台風前 の枝透か しをお こな い風 による影響 を軽減す る
ことが倒木 。
傾木 を防 ぐために必 要 である。
ナンキンハ
想 倒 木)
(10本 )
③ シラカ シの被害は、
客土 の深 さが50c mで それよ り
下 の土 壌が固 く締 まった礫質土 となっていて根が成長
アメリカフウ
(倒 木 )
11%
す るには植栽基盤が不足 してお り、
枝葉が生 い茂 って
ニセアカシ
ア(傾 木 )
140本 )
強風 に耐 え られないため傾木 。
倒木が発生 して いる。
57%
(215本 )
対策 としては、
硬 くしまった土壌 を根が生育できる程
1睛 (60本 )
図-5
度 の硬度 に改良 して根が十分 に成 長 で きるよ うに し、
樹種別傾木・倒木本数 (植 樹桝 1.Om× 1.Om)
枝透か しの剪定 をお こな い風 による影響 を軽減す る こ
とが必 要 である。
い
が
④そ の他 の樹種 につ いて も、
植樹桝 の大 きさが小 さ く
根 が十分 に伸長 で きず 、また 、
枝葉 が生 い茂 って いる
ため風 の外 力 に耐 え られず 傾木・倒木 して いた。
今後 の対策 と しては、
植栽基盤 を大 き くした り土壌
条件 を改良 して根 の伸長 を良 くし、
根 による支持 を高
める とともに、
支柱 の設置 によ り風 の影響 を軽減 させ、
枝透か しの剪定 によ り通風 を良 くして風 の影響 を軽減
させ 傾木・倒木 の被害 を最小限度 に押 さえる必要が あ
る。
4.お わ りに
写真 -2
台風 な どの 強風 によ る傾木 。
倒 木 の被 害 は、植栽 基
倒木状況
盤 を十 分 に設 けて根 の もつ 支持 力を増や した り、
枝抜
。
きの剪 定 支柱 の設置 によ り風 の外 力 による影 響 を少
3.ま とめ
以 上の調査結果 よ り、
以下 の ことがわか った。
① ヒマ ラヤスギ は幅 3.Omの 植樹帯 に植 え られて い
な くすれば 最小限に防げ るのではないか と考え られる。
最後 に、当調査 に対す る土 木部都市計画課 のご理解
るた め 植 栽 基 盤 と して は 大 き め とな って い る が 、
とご協 力お よび、お忙 しい 中資料 を作成 していた だ い
台風 によ る傾木・倒 木 の 被 害 が多 か った。これ は 、ヒ
た各土木 事務所 の街路樹担 当の方 々に謝意 を表す る。
マ ラヤ スギ の 根 は 浅根 系 (浅 く広 く広 が る)で あ り、
も と も と風 に 対 して 弱 く倒 れ や す い とい う特 性 を
持 ってお り、
今 回 の台風では枝葉が 密 に茂 って い る と
参 考 文 献
1)藤 本 政 裕 ,児
玉
忠 ,杉 原 忠 弘 :街 路 樹 の 実 態 調 査 に
ころに風 力 をまともに受 けたため 傾木・倒木 が多 く発
つ い て 、福 井 県 雪 対 策・建 設 技 術 研 究 所 年 報 地 域 技
生 した と考 え られ る。対策 としては枝透 か しの 剪定 を
術第
H号 、p75∼
84、
19987
2)福 井 県 土 木 部 都 市 計 画 課 都 市 基 盤 づ く り G、
お こない、
風 の通 りを良 くす る ことが必 要 で ある。
② ニセ アカ シアの傾木・倒木 の被 害 も多か った が 、こ
の樹種 も浅根系であ りもともと風 に弱 く倒れやす い特
性 を持 って い る。そ の うえ に、植 樹 桝 の 大 き さが 1.o
-93-
台風 に
よ る 街 路 樹 被 害 状 況 の 調 査 に つ い て 、199811
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年報地域技術第 12号 19997
福井県雪対策・建設技術研究所
第 1編
調査研究報告
公共施設の維持管 理 システ ム研究開発
その 2
Development of a design system for the Life cycle cost of public buildings (Part-2)
山 崎 守・ 加 賀 久 宣
要 旨
施設 の企画・建設・運用は本来一体の流れである。
そ こで、
県有施設 の経年劣化・維持保全経費推移 の実態を
よ り精度の高いデータでライフサイクルコス トを概算するシステムを開発する。H10年 度は実態調査
把握 し、
を実施 し事例集 を作成 した。
キ ー ワー ド:維 持管理、ライ フサイクル コス ト、実態調査
1.は じめ に
さらに、
各項 目はそれぞれ下記 5段 階 によって構成 し
H9年 度 は県有施設 について経年劣化 の現地調査 を
て い る。
実施 し、
実際にどのよ うな劣 化現象が観察 されるか確認
1.事 象
した。また、い くつかの施設 につ いて維持・修繕費な ら
び に光熱費等 の アンケー ト調査 を行 った。
視覚的特徴 を客 観的 に記述 した。
2.原 因
H10年 度 は調査基準 の検討 に留意 しなが ら引き続
き実態調査 を行 い、
事例集 を作成 した。
:
:
当該事 象 につ いて 予想 され る原 因 を述 べ た。当然 、
実 際 は幾 つ か の 要 因が複 合 的 に繰 り返 され 、日 に見
え る劣 化 事 象 とな って 現 れ るのだが 、そ の 中 で も特
2.事 例集
に 大 きな 要 因 と思 わ れ る もの につ いて 絞 り込 む検
(1)構 成
討 を した。
今 まで に行 ってきた調査 の過程でよ く見 られた特徴
3.現 時点 での対策
的な劣化現象 を事 例集 として まとめた。
:
当該 事 象 の 場 合 に 限 定 して の 具 体 的補 修 方 法 を
併せて、
雪対策技術研 究グル ー プの「積雪時に起 こる災
害 に対する建築物の安全性の研究」の研究 中 に見 られた
提 案 した 。
4.事 象 に学ぶ設計 。
施工上 の注意点
事例 も掲載 して いる。
事 象 に挙 げ た個 別 的事 例 に 限 らず 、よ リー 般 的 に
県は公共財 として RC造 を基本 にしてお り、当事例集
言 えそ うな 設 計や 施 工 上 で の 留 意 点 、な らび に改 善
で も配布対象が公共施 設関係者なので RC造 を中心 に
案 につ いて 述 べ た。
編成 した。
5.関 連事例
また、
特 に現在 で も変わ らない問題点等以外 は、
現在
では使われな い工法や材料 について は除 くことにした。
事例集 の 内容 は大 き く下 記 5項 目に編成 した 。
鉄
:
:
当該事 例 につ い て 直接 的 に 関係 はな い が 、そ の 複
合 的要 因 の一 つ と思 われ る事例 や 、よ く似 た ケ ー ス
な が ら劣 化 現 象 と して 違 った 形 で 現 れ た事 例 等 を
骨 :柱 脚根巻 きの破損、
鉄骨 の発錆
列 記 した。
R C:鉄 筋 の露 出、エ フロ レッセ ンス
各写真 の説明には施設 名を入れて い る。
余所 の出来事
水 :シ ー リング不 良、防水層 の劣化
ではな く、よ り身近な問題 として認識 を新たにすること
防
仕上げ :タ イル の破損、
外壁 の汚れ
を狙 って い る。なお、
配布対象 を限定 している ことで 問
そ の他 :土 間 の沈下、
パ ラベ ッ トの設計不良、
積雪 に対
題 な いだ ろ うと判 断 した。
す る設計不足 、
そ の他
- 95 -
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 19997
事例
(2)内 容
以下 、各事例 につ いて 、記述 しなか った 。出来 なか っ
12:そ の他
た点 を記す。
無理な工期設定は もちろんだが、
完成 を急が してはい
けな い。また、
実際 の使用状況 をよ く想定 し、
設備 。
建築
事例 1:鉄 骨柱脚根巻 きの破損
ともよ リー 体 とな って 設 計 に当た る必 要 が あ る とい
ボル トを GLよ り下 に埋め込んだ場合は柱等 を保護
うことが 分か る。
す るためにモル タル を防護材 として配置 したのだろ う
と思 う。しか しこの配慮が逆 に発錆 を促進 した感は否め
(3)そ の他
一読 して分かるとお り小 さな細か い ことば か りでは
な い。難 しい ものだ。
あるが、
逆 にそ うしたデ ィテール に気 を払 うことが ライ
事例 5:外 壁 の汚 れ
汚れそ のものが建物 を機能的 に劣化 させ る訳ではな
いが、
汚れは汚 れ を呼ぶ ので愛着感 か らも清潔 に保 つ こ
フサイ クリ
レコス トを低減 し、
長 く愛 され る建物 を造 る こ
とにつながる と思 う。
とは重要である。
対策 の 1つ は材料 の選定 であ り、1つ
さて 、事 例 集 の 表紙 に使 用 した写 真 は美 観 的 には
は導水処理である。なお、
汚れは設計 上の小 さな工夫 で
勿 論 、物 理 的・機能 的 に も耐 用 限 度 を完 全 に 越 え た
大 き く低減 で きる項 目である。
ま ま運 用 して いる相 当に危険な事例 を挙げた。日頃か
事例 6:鉄 筋 の露 出
水平方向へ のかぶ りは、いわゆる ドーナツの普及 によ
らこの よ うな様子 を周 りで見慣れす ぎて 当た り前 にな
って しまうのは大変恐 い ことで ある。あえて「点検」と
リミスはな くなった。しか し床版等 では未だ にかぶ りが
いった形 を取 らな いとなかなか 目に付かな い ことが考
最近は空中か ら打ち込む方法 も開
確保 されな い ままだ。
え られ 、そ う い った意 味 で 点検 シ ー トを使 って定 期
大 いに効果が期待 され る。
発 されてお り、
的 にチ ェ ックす ることは重要な意味を持 つ もの と思 う。
また 、事 例 集 の 裏 表 紙 の 写 真 は樋 の 吐 出 日 の 清
事例 7:コ ンク リー トの クラック
何 らかの被覆をす ると中性化 の進行は遅 らせ られ る。
掃 状 況 を撮 影 した も ので あ る。落 ち葉や砂 等 が ぎ つ
塗装は効果があ る。モルタルは薄
漆喰は効果が な いが、
しりと詰 まってお り、こ こ に 繋 が る 横 樋 は 既 に 破 損
くて も効果があ り、
下地 との界面 での細孔溶液 の挙動が
して い て 、樋 の 詰 ま りの要因 として小さくなかった の
影響 を与えるのではないだろうか。ともか く何 らかの被
その
ではなかろうか。
清 掃 自体 は簡単な ことなのだが、
覆 をす る ことが重 要 で ある。
小さな ことを積み重ねな い と建物 の寿命 を縮 めて しま
事例 8:シ ー リング の劣化
う端的な例 で ある。
このように実際 に調査 してきて言える ことは、
維持管
垂直面カー テ ンウォール のシー リング を調査 したが
それを踏 まえた上で の設計が
理 の実状 の限界を認識 し、
劣化 して いな い。紫外線 の影響 は大 きそ うだ。
一方 、
現在 リフレッシュエ事が盛ん に行われているが、
維持管理 に
求 め られて いる とい う ことである。つ ま り、
クラック補修痕 は どうして もシミとなって 出る。
工法・デ ィテール を採用 した設計をす
材料 。
頼 らな い、
事例 9:屋 上防水 の劣化
るようにしようとい うことだ。
そう
雨漏 りは思 った以上に相 当の頻度 であるよ うだ。
い う ことなので保護層 については、あつた方が防水層 の
公開 して いるのでご一読 されたい。
最後 に、当事例集はイ ンターネットで下記URLに て
な い方が雨漏 り箇所 を発見 しや
保護 のため に良いのか、
httpノ ■
ccdom.血
す いので 良 いのかよ く分か らな い。
cb‐ tatcmono/haimcni.htm
事例
ox/kouk舶 ″
“
10:鉄 骨 の腐食
一旦進行す ると致命的状態 まで至 って しまうことが
3.今 後
Hll年 度はプログラムの精度を高めるため、特 に幾
腐食 の進行す るスピー ドが他 の劣化現象 に
多 いよ うだ。
つかの県有施設 について重点的に調査 し、
データの検討
併せて調査票 の改訂 を行つて
を行つていきたい。また、
比 べ る と相 当早 いの も一因だ ろ う。
事例
nc.orjp/∼ malno/datあ
11:積 雪時 の問題
それ で も積雪時 に避難訓練 を
近年少雪傾向であるが、
した い。た まには建築技術者 も体験す る と良 い と思 う。
いきた い。
- 96 -
第 1編
調査研 究 報 告
福井県地盤情報システムの構築
その 3
Framework of Ground Comdition Information System (Part-3)
杉 原 忠 弘・ 山 崎 守
要 旨
県内で実施 された地盤調査資料をデー タベース化 し、
建設・防災行政での利用を促進する。
そ こで、
迅速かつ
「
効率的 に地盤情報を検索できる 地盤情報システム」を構築するにあた り、
そ こに生ずる課題を検討する。
キ ー ワー ド:地 盤、
土質試 験 、システ ム、
地質、
柱状 図、
デ ー タ ベ ース
1.は じめに
や地質調査現場周辺状況写真等の画像資料 について も
散在 している地質調査資料を一元的 に管理するため
電子デ ー タ化す ることとしていた。しか し今年度 の検討
の「地盤情報デ ー タベー ス」を作成 し、これ に「地 図情
会 で、システムのハー ド面 での環境事情 を踏 まえ、無理
報デ ー タベース」を連動させる ことによ り、
建設工事予
をして今す ぐに作業する ことはな いと判断され、これ ら
定箇所周辺の既存地盤データの検索・参照が迅速かつ効
については当面、
紙メディアでのファイ リングに止める
率的 に行 える「地盤情報 システム 」を構築す る。
こととした。
平成 8年 度は地盤情報 システム に関す る文献資料 を
整理 し、システム構築 に当たっての基本的な方向
収集 。
3.今 後の作業のための知見
性 を地盤情報 システム検討会で検 討 した。
(1).ボ ー リングデ ータの位置の精度
地盤情報 システムの運用方法 について
平成 9年 度は、
検討会 で検討 し、システム 設計 (案 )を 作成 した。
今年度はシステム の具体化 に向けシステムを試作 し、
今後 の作業 のため の知見 を得た。
テス トデー タの入力早々、
アナ ログとデジタルという
メデ ィアの違 いを原因とした誤差 の問題が発生 した。ア
ナ ログ上では、JACIC様 式 においては、
紙地図か ら
の読み取 りによ り0.1秒 (現 実 のス ケールで 30m)
の精度 にすることとなっている。この精度 でデ ジタル
2.シ ステ ムの試作
およそ 0.1秒 四方 の範囲内にある
地図に表示すると、
まず、
地盤情報 システムを実現す るためのプログラム
複数のデータは全て同一点 上に表示 される。しか も、
そ
として、
構想上 の必要なほとん どのシステムが既 にセ ッ
の点は 0.1秒 以下を丸 めた数字 となってお り、
それ以
トとして組み込 まれてお り、
か つ他 ソフ トに比 べ て比較
上の正確な位置を指定 し得ない。したがって殆どのデー
的安価なパ ッケー ジソフ トを利用す ることにした。この
タで数字が合わないので ある。
更 に、
紙地図か ら読み取
際、当ソフ トの場合はデ ー タ形式が公開されてお り、
将
る人間の読み取 り間違 いや計算間違 いも皆無ではない。
来他 ソフ トヘ の移行 も容易 である こともポイ ン トとな
一方、
デ ジタル地図上では、
現実 のスケールでmm以 下
った。
の表示 も可能なのである。
これ をベースに、
福井県様式 のデ ー タ形式設計、
多様
よって、
たとえボー リングの報告書をそのままデ ジタ
なボー リング柱状図作成ソフ トによ り作成 されたボー
ル化す る場合であっても、
データの利用上デ ジタル地図
リングデ ー タか らの福井県様式 へ のデ ー タ変換 プ ロ
の上に表示するのであるか ら、
データの位置の数字は紙
グ ラム の作成や、システム構成上で必要な追加プ ログ
地図か ら読み取った数字よ リデ ジタル地図上での数字
ラム の作成 を行 う。
を優先すべ きであり、またその正確な位置を登録するた
なお、当初の検討会 においてはボー リングのコア写真
めに詳細位置図は必須 である。
福井県雪対策・建設技術研究所
年報地域技術第 12号 1999.7
位置 づ け等、持続可能 にす るための システム上の課題
(2).ボ ー リングデータ入力の単価作成
ボー リングデータの入力に、
かな りの労力がかかるこ
を解決 して い きた い。
とが予想され、いかに効率よく正確なデー タを収集する
最後 に、
本 システムを構築するにあた り福井大学荒井
かが課題 となっている。
そ こで各地質業者が保存 してい
克彦教授 をは じめ とする検討委員会 の方 々、な らびにテ
ス トデ ー タの収集 にご協 力 いただ いたサ ンワコンサル
るボー リングデー タな らびにその位置 に関する情報 を
収集するために必要な労力歩掛か りを調査 し、
標準単価
を求めた。
テス ト用入カデータの作成を 2つ の地質業者
タン ト、田中地質 の皆様 に多大な ご協力をいただ いた こ
とを記 し謝意 とす る。
に依頼 した際、
作業 日報 の作成を併せて依頼 した。
作業フロー は右図のとお り。
以下 に作業中の検討点を記す。
まず、
①で平面図が無 く、1/25000地 形図のみ
の報告書 の場合、
今回は調査担当者への聞き取 りで 1/
2500基 本図上の位置が特定できなければデータと
して除外 していた。ここで、
道路や橋 の左右 まで明確 に
作業手順 (フ ローチ ャー ト)
特定出来なければ除外するのかという、
位置を特定する
ためのレベル付けが問題 とな り、
今後、
詳細地図がある
か、1/2500の 位置図があるかといったランク分け
をすることにした。
② について、
間隙水圧計等 の観測機器を設置するため
に掘 ったボーリングで、
地質断面を、
周辺もしくは近似 の
ボー リング柱状図で記載 した報告書や、」ACIC・ 土
質工学会以外 の基準で作成 した報告書は除外 した。
そ の他、
デ ー タの入力や緯度 。
経度 の算出作業は特殊
チ ェック
な技能を要 しないが、
データの中身のチェックは専門性
1
-ス として利用できるか
)
が必要である こと。また、この部分 に最 も労力 と時間が
かか る ことが分か つた。
単価 の算定 については一 日当た りの入 力本数な ども
「既 に電子化 されているデ ー タの場合」と「紙
考慮 に入れ、
一方、
データを改めて電子化する場合」に分けて算定 した。
各種試験情報を電子化する場合については今後調査す
通 し番号の設定
る必要がある。
近年では、
地質業者において もその作業がほとんど電
″5軸 ッ
0
子化 されてお り、今後発注 され る分 については全て、
単価 の低 い方 の「既 に電子化されて いるデー タ」を適用
出来ると予想 される。
4。
今後 の課題
12年 度 を事業 の最終年度 としてお り、
システムの不具合を修正する。さ らに 13年 度以降 の シ
当事業は平成
ステム運用 に向け、
現存する搭載可能な全 てのデ ー タは
入 力 し終 える意 向 である。
加 えて、
発注仕様書 の策定や単価 の算定、
行政 上での
―-
98 -
ダウンロード

橋梁路面の凍結とその抑制(数値シミュレーション編)