国内報告会
平成19年2月6日
拠点システム構築事業
「国際教育協力イニシアティブ」
発展途上国の基礎教育開発における
国際教育協力融合モデルの構築:
「万人のための教育」
目標達成へ向けた能力開発
廣里恭史 (活動代表者)
名古屋大学大学院国際開発研究科教授
活動の背景




「万人のための教育(EFA)」目標達成戦略の見直し、
および教育ミレニアム開発目標(MDGs)達成度レビュー
地方分権化の文脈におけるEFA目標達成
Program-Based Approach:PBA(教育「セクター・プログ
ラム支援を含む)の主流化
地方レベルの個人・組織・システムを含む能力開発への
注目
2
活動の目標
・途上国の基礎教育開発における国際教育協力融合
モデルの構築
・EFA目標達成へ向けた能力開発方法論の検討
①
・国際動向の把握
・主援助機関とのネット
ワーク構築
②
・主要セクター開発課題と
EFA目標達成戦略の見
直しに沿った基礎教育開
発支援のプログラム化
③
・国際教育協力融合
モデルの構築
・教育「セクター・プロ
グラム支援」の例示
④
・EFA目標達成のための
能力開発方法論の検討
3
活動期間
平成18年7月1日-平成19年3月20日
活動進捗
8月-9月
10月
国際動向に関する文献レビュー
・アメリカ調査(世銀、UNDP、UNICEF、USAID)
・カンボジア調査
11月
・欧州調査(UNESCO、IIEP、Sida、DFID)
・ベトナム調査、ラオス調査
12月
・バックグラウンド・ペーパー作成
(カンボジア、ベトナム、ラオス)
・中間報告会(12月22日)
2月
・国内報告会(2月6日)
・インドネシア調査
3月
・最終報告書の作成(和文・英文)
4
活動体制とネットワーク
日本国内ネットワーク
海外ネットワーク (国際機関・政府・大学)
文部科学省
UNESCO
(サポートセンター)
(本部・IIEP)
UNICEF
UNESCO
(本部・バンコク・
カンボジア)
(バンコク・ハノイ)
国際協力機構
(本部・中部センター)
国際協力銀行
筑波大学
名古屋大学
国際開発研究科
教育発達科学研究科
お茶の水
女子大学
SEAMEO
(事務局・各センター)
早稲田
広島大学
大学
世界銀行
(本部・FTI・WBI)
アジア開発銀行
(拠点アーカイブ)
神戸大学
UNDP
ベトナム
教育訓練省
ラオス
教育省
インドネシア
国民教育省
カンボジア
教育青年
スポーツ省
DFID
Sida USAID
ミネソタ
大学
ジョージ
ワシントン
大学
コロンビア
大学
5
活動実施者
氏名
所属
役割分担
廣里恭史
岡田亜弥
国際開発研究科・教授
活動の全体総括・調整
国際開発研究科・教授
地方分権化と能力開発
方法論
カンピラパーブ・
スネート
国際開発研究科・講師
教科書・カリキュラム開発
北村友人
国際開発研究科・助教授
EFA目標達成戦略
鈴木隆子
国際開発研究科・助手
学校改善とモニタリング・
評価
西野節男
服部美奈
教育発達科学研究科・教授
基礎教育財政・計画・運営
教育発達科学研究科・助教授
新規・現職教員教育と
教授法
活動補助者
小林忠資
教育発達科学研究科・博士後期課程
国際動向に関するレビュー
羽谷沙織
教育発達科学研究科・博士後期課程
国際動向に関するレビュー
6
援助目標・援助分野からみた動向
-2001年以降-
2002年「EFAへの新たな焦点」
(G8カナナスキス・サミット)
①識字、数的能力、学習の重要性 ②万人のための教育アクセス
③不利な立場にいる子ども
④質の改善
⑤教員養成
⑥初等教育の教育政策全体との統合
2006年サンクトベテルブルグ・サミット
①UPC ②識字能力、数的能力、生活技能の育成を含む基礎教育
③インフォーマル教育とノンフォーマル教育
④批判的思考力の育成
⑤教育マネジメント、教材、教授の質と学習成果の向上
2006年グローバル・アクションプラン
① 就学前教育
③
⑤
⑥
②不利な立場にいる集団のアクセス
貧困層の学習機会へのアクセス ④ 成人識字
アクセスや学校環境におけるジェンダー問題
教育の質の向上(教員、学習成果、教材、言語、学校環境)
7
援助アプローチからみた動向
-能力開発に対するコンセプト:新たな開発機軸-
能力開発(Capacity Development:CD)
能力:個人、組織、社会が全体として問題を上手に管理する力。
CD:個人、組織、社会が全体として自らの能力を発揮、強化、構築、
適用、維持していくプロセス。 (DAC ガバナンスネットワーク2006年)
教育セクターにおける
CDの役割
・財政マネジメント
・資金調達
・
制度づくり
行政改革
コミュニケーション改善
教員雇用制度
質の高い教育の提供
<強調点>
組織づくり
持続可能な効果をもつCD
知識マネジメント
人材育成
・教室にまでおよぶ制度組織づくり (教員育成プログラム)
&
プロセスの効率化
・教室にまでおよぶスキルの育成
知識制度
・需要にもとづくCD
・
8
国際教育協力融合モデルの輪郭
オーナーシップ
アラインメント
(援
パ
リ助
宣効
言果
)
貧
困
削
減
体
制
調和化
能力開発
(地方分権化におけるガバナンスの改善)
EFA
目標
教
育
部
門
パートナーシップ
(多様なステークホルダー)
基礎教育
基礎教育
教育
MDGs
知見・経験の融合
教育セクター
プログラム
(PBA)
アクセス改善
質・効率性改善
マネジメント改善
援助モダリティ
の連携
パートナーシップ
(多様なステークホルダー)
成
果
と
相
互
説
明
責
任
ポスト
ポスト基礎教育
基礎教育
(教員養成)
知見・経験の融合
9
融合次元:
EFA目標達成のための知見・経験
留意点
・初期条件の違い
・時代背景、文脈の違い
・時間的制約
途上国の
知見・経験
視点
・何が有効であったか?
(ベスト・プラクティス)
知見・経験
の融合
日本(東アジア)の
知見・経験
イメージ図
先進国の
知見・経験
10
融合次元:
ステークホルダー
レベル
高
国際
国際NGO
国
国際機関本部
国際機関
現地事務所
企業
中央政府
国内NGO
州・県
地方政府(州)
地方政府(郡)
郡
コミュ二
ティ
学校
家庭
低
家庭
(少数民族・
女性・貧困者)
弱
私立学校
公立学校
コミュニティ
キャパシティー
(組織)
公共性
高
強
11
融合次元:サブ・セクター
融合次元:サブ・セクター
ポ
ス
ト
基
礎
教
育
高等教育
後期中等教育
前期中等教育
基
礎
教
育
初等教育
教員
養成
技術教育
職業教育
ノ
ン
フ
ォ
ー
マ
ル
教
育
就学前教育
12
融合次元:援助モダリティー
プロジェクト援助
技術協力
一般財政支援
無償資金協力
プログラム援助
セクター財政支援
プロジェクト援助とプログラム援助の連携
有償/無償資金協力・技術協力の連携
一般無償
コミュニティー
開発支援無償
有償資金協力
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プログラム化
プログラム化の構造
教育セクター全体の改善と能力開発
教育機会の向上
・貧困層、少数民族、女性の対象化
*有償・無償資金協力
教育の質の改善
・理数科教育、教員訓練、教科書、
カリキュラム改訂、アセスメント制度
*技術協力(開発調査、専門家派
遣、研修員受入、青年海外協力隊)
教育マネジメントの改善
・教育政策、計画策定、地方教育行政シ
ステム改善、教育財政管理、モニタリン
グ、評価
*技術協力(開発調査、専門家派遣、研
修員受入)
プログラム化におけるドナー連携
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カンボジア、ラオス、ベトナムにおける
セクター・ワイド・アプローチ(SWAp)の特徴
カンボジア(SWAp安定期:2005年‐)
多様なモダリティを含む柔軟なSWApとPAP (Priority Action Program:
優先行動プログラム)の活用
Education Strategic Plan (ESP) 2006-2010の改定、Education Sector
Support Program (ESSP) 2006-2010の改定、及び政府主導の合同レビュー

ラオス(SWAp導入期:2006年‐)

Basic Education Development Program:基礎教育開発プログラム (ア
ジア開発銀行による支援)及び「セクター・ワイド・アプローチ」(技術協
力)の展開
ベトナム(SWAp形成期:2005年‐)


Targeted Budget Support (TBS) for National EFA Plan Implementation
(世銀が中心)によって初等教育段階を対象としたサブSWAp
FSQL (Fundamental School Quality Level:基本的学校の質レベル)の策定、
及びNTP (National Targeted Plan:国家ターゲット計画) の活用
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カンボジア:融合状況
JTWG-ED (Joint Technical Working
Group-Education)
-援助効果向上に関する
「カンボジア宣言」
-Program Budgetingの導入
(PAPの再編・強化)
-ESSPにおける地方分権化の
ための制度開発と能力構築
→能力構築調整グループ
教育省 MoEYS
EDUCAM (Education
in Cambodia)
Education
Congress
PPG (政策策定グループ)
IRD (制度改革・開発タスク)
ESEP (財政計画タスク)
SME (モニタリング・評価タス
NEP(NGO Education
Partnership)
NGO
ク)
ESWG (Education Sector
Working Group)
ドナーdonor
ドナーコディネーター
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カンボジア、ラオス、ベトナム
に対する主要援助国のODA額
(2003年-2005年累計額)
[単位 米百万ドル]
2600
2550
・・・
教育セクター以外
教育セクター
500
累計額
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
ベトナム
※
ラオス
カンボジア
教育セクターに対する以下のODA額は不明:
デンマーク2003年(ベトナム)、英国2004年(ベトナム)・全年(カンボジア)、スウェーデン2004年(ラオス)、アメリカ2003年・2005年(カンボジア)
出所:OECD DAC International Development Statistics (IDS) online databases
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教育「セクター・プログラム支援」への展望:カンボジア
(1)初等教育段階におけるアクセスの均等化と質の改善
⇒ カリキュラム改訂、学校・学力基準設置への支援(技術協力)
⇒ 不完全学校の完全化(草の根無償などの活用)、等
(2)初等教育の充実と前期中等教育へのアクセスの拡大
⇒ FTI申請に対する支援
⇒ 中学校・高校(女子寮を含む)の建設(有償)、等
(3)前期中等教育と後期中等教育の融合
(アジア開発銀行などとの協調)
⇒ カリキュラム改訂への支援(技術協力)、等
(4)教員養成の拡充
⇒ 地域教員訓練センターへの支援、等
(5)教育計画・運営に関する能力開発支援
⇒ 国立教育研究所、王立プノンペン大学
大学院教育学修士課程
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教育「セクター・プログラム支援」への展望:ラオス
(1)アドバイザー派遣
⇒教育省(教員教育局/計画・協力局+普通
教育局):派遣中
⇒教育改革委員会の設置:派遣の検討
(2)「小学校建設(無償)」、「初等教育改善
事業 (コミュニティー開発支援無償)」
(予定) 及び「理数科教員養成プロ
ジェクト(技プロ)」によるプログラム化
(3)「基礎教育開発プログラム」及び「セクター・ワイド・アプロー
チ(技術協力)」-アジア開銀への共同参画
⇒ 前期中等教育開発や政策支援を中心とした能力開発
⇒あるいは上記(2)による連携・補完
(4)ラオス国立大学支援の地域化(スパンナウォン大学・
チャンパサック大学支援)
⇒大メコン川流域圏開発(広域協力)の枠組み
⇒ガバナンス改善や質保証による能力開発支援
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教育「セクター・プログラム支援」への展望:ベトナム
(1) 「初等教育開発プログラム」をベースとした技術協力
(能力開発支援)の拡大
⇒地方レベルにおける教育計画研修
⇒現職教員研修
(2) 前期中等教育における均等なアクセスの拡大
⇒ 「戦略的中等教育計画と協力」策定への貢献に基づく拠点校
(Key Schools)支援(アジア開発銀行との連携)
(3) 政策支援(サブ・セクター分担)
⇒ 初等・前期中等教育におけるFSQL
(世銀、アジア開発銀行との連携)
(4) EFAプログラムの構想と参画
⇒ TBS(財政支援)への参画(世銀、DFID)
⇒ 初等・前期中等教育におけるFSQLと
教育NTPを活用したEFAプログラム
(財政支援-有償・無償)
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まとめ:EFA目標達成へ向けた能力開発
能力開発 (CD)
日本の教育協力
・途上国の課題対処能力が、個人、
組織、社会などの複数レベルの
総体として向上していくプロセス。
・途上国自身の主体的な努力
(内発性)の重視。(JICA定義)
途上国自身による意思
決定や行動を助ける知見、
経験を共有する触媒的な
アプローチ
「能力開発」プロセス
研修(個人レベル)
組織強化(組織レベル)
制度構築(社会レベル)
・紛争締結後の教育復興、開発
・現職教員の授業実施能力を持続的に高めるシステムの構築
・地方分権化での教育計画、財政管理、実施・モニタリング・評価能力
・学校運営システムの構築
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今後の課題と展望
① 国際教育協力融合モデルの有効性の向上。
② EFA目標達成のため能力開発モジュールの
作成と運用。
ご清聴ありがとうございました。
問合せ先:廣里恭史(活動代表者)
[email protected]
22
ダウンロード

発展途上国の基礎教育開発における 国際教育協力融合モデルの構築