画像・音声の超高再現性 PCの開発
DevelopmentofTheU
l
t
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aHi
・
F
iG
r
a
p
h
i
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sandSoundPC
片岡裕
YutakaKataoka
[email protected]
大谷大学文学部人文情報学科,京都府京都市北区
O
t
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iU
n
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y
,K
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・
k
u
,KyotoC
i
t
y
,Kyoto-Fu
あらまし:高精度デジタル静止画像データ
Keywords: d
i
g
i
t
a
lmuseum,d
i
g
i
t
a
ll
i
b
l
a
r
y
,h
i
g
h
は、マイクロフィルムや印刷より分解能・明
f
i
d
e
l
i
t
y
,p
h
i
l
o
l
o
g
y
,HTPC
度・色調で、より高い再現性を保証可能であ
1 再現性からの Hi
・
F
iPCの必要性
、2、3]。同様に、
ることが証明されている[ l
96KHz24Bit 以上のデジタル音声データは、
データベースのコンテントは、マルチメディ
44.l/48KHz再生で誤差が含まれる波形推測を
ア化が進行しており、再生装置の対象がテキ
必要とせずに、 4KHz以上の周波数において
ストのみのでは不十分である。コンテンツの
高精度再生が可能である。また、デジタル・
主要フォーマットは、静止画、動画、音声と
ハイビジョンは、 1920×1080ピクセルの基本
多岐にわたる。さらに、それぞれのフォーマッ
分解能を持つ。このような高精細・高精度デー
トは細分化され、非常に高精度のデータを記
タは、 PCを用いて再生する以外に、フル・フォー
録可能となっている。これら種々のフォーマッ
マットでの再生が不可能であることは言うま
トのデータは、ネットワー クでのアクセスを
でもない。すなわち、誤読や誤聴ないデータ
前提としており、フォーマ ットに依存し ない
共有と評価には、極めて高い再現能力を持つ
再生機器としての PC の使用が前提となって
いる。
PCが必須なのである。
しかし、 PCでは、内部の電気的ノイズ及び
PC で再生可能なデジタルデータと比較し、
冷却 FANやモータの振動・騒音により、高再
マイクロフィノレムや写真印刷(静止画)・ NTSC
現性を実現し得ないと言われてきた。そのた
ビデオ信号(動画)・ CD
(音声)のなどの既存 メ
め
、 PC内で種々のノイズの影響を検証[4]して
ディアのフォーマットでは、記録および再生
排除し、同時に高安定化する研究を行った。
精度に大きな制限がある。
その結果、画像(RGB各 8
B
i
t範囲 I)は誤差が測
静止画
.
5
n秒以
定限界以下、音声デジタルアウトは 0
高精細・高精度のデジタル画像データは、
下のジッ夕、機械的騒音は lOdB以下の、 U
l
t
r
a
マイクロフィルムや印刷より高い再現性を持っ
l
t
r
aH
i
F
i
H
i
F
iPCを開発した。さらに、この U
、2、3]
。
ている[ l
PCを、確実かつ安価に作成する方法を確立し
マイクロフィルムの撮影時には、一般に可
た
。
読性の保証まではされず、モノクロームであ
キーワード:デジタル博物館、 デ、ジタル図書
り、汚れや着色がある場合、資料の可読性は
館、高再現性、古典学、 HTPC
)
。 さらに、フィル
極めて劣化してしまう(図 I
ムのデュープリケーションで、再現性が低下
1A
TI社の
G
r
a
p
h
i
c
sCPUでは、 RGB各 I
O
B
i
t
の DACを内蔵する。
する。マイクロフィルム・リーダの投影画像
1i
FD
図 1. モノクローム・マイクロフィルム(右)による情報の欠落
も色温度に制約があり、カラー・マイクロフィ
実際にデータベースの構築が進行中である[ I
,2、
ルムの再現性は、著しく損なわれる。
3]。さらに、画像データの補正に関しても、
特定の印刷装置ではなく、標準光源での状態
写真印刷は、印刷のカラー分解法が、 1ピ
クセルを複数点の基本色点に分解するため、
として記録可能である[3
]
a これらの研究の結
実質的な解像度と明度階調が低下してしまう。
さらに、インクの粒子径を小さくすると、イ
果、資料の可読性(分解能)を保証し、同時に色
再現性と明度階調を肉眼に近いところまで再
ンクの厚みが薄くなり、吸光度が低下し、コ
現可能で、ある。従って、再現性の差による画
ントラストが低下する。また、インクの粘度
質の差は想像以上に大きく、その例を図 2に
が温度依存性であるため、低温の季節では硬
示す。図 2は
、 CRT像を撮影し、ピクセルサ
化を防ぐために溶媒量が増加し、結果として
イズの領域に分割し平均したものである。ピ
色が薄くなる。当然、用紙の白度によって色
クセルのジッタが大きい通常の PC(右)では、
相が変わってしまう。
図 2の様に、細部の情報が著しく欠落する。
静止画のデジタル化と公開は、資料の共有
動画
と参照の容易性から、貴重書を中心として実
VTR
、LD、DVDなどの動画は、 NTSCビデ
施されている。静止画の高精細化および高精
オ信号を再生するためのテレビ受像機で画像
度化は、資料の可読性を上げるに留まらず、
が再生されるため、横方向の分解能は、 720
可読性および再現性の保証の研究も進められ、
ピクセル程度に低下してしまう。縦方向の限
図 2. 再現性の差による画質の低下
にd
ワ︼
界は、実質 480本の走査線である。同様に衛
16B誌の直線性では、山・谷を 2Bit程度で記
星放送によるデジタル・ハイビジョン放送で
録することとなり、やはり誤差が蓄積する。
オーバー・サンプリングを行う過程で、 1
6
B
i
t
も
、 NTSC互換受像機では、 1920×1080ピク
セルでの再生は不可能で、ある。 NTSC 再生で
から 2
0
B
i
t、もしくは 2
4
B
i
tに拡大して、弱音
は、明度階調が十分な範囲ではなく直線性も
域の補聞を行うことが一般的である。このよ
低い。
PCは、デジタル・ハイビジョン画像の 1
9
2
0
うな AD変換時の技術は、サンプリング・レー
トが低く、ダイナミックレンジが小さいこと
に原因があり、失われた情報の推測に過ぎず、
×1
0
8
0ピクセルを持つ動画を、そのままのピ
クセル数で、再生可能で、ある。この動画は、
誤差が減少するわけではない。
MPEG2圧縮で 30MBPSのデータ量となり、
DVD-Video もしくは DVD-Audio では、
IOOBASEのネットワークでの PCへの転送が
l
92KHz24Bit記録が可能であるが、コピー防
可能であり、インターネットでのストリーミ
ング放送も実験段階にある。デジタノレ・ハイ
止のため、いまだ再生技法が明確に決定され
ていなし J。
ビジョンの分解能は、医療用に留まらず、フィ
PCでは、市販されている AD・
DAコンパー
ルム映画のデジタノレ化(テレシネ)、テキスタイ
タは、最大 l
92KHz24Bitサンプリングまで可
ルや遺跡の記録など、極めて用途が広い。ま
能である 。96KHz以上のサンプリング・レー
た、今後デジタノレ・ハイビジョン・カメラは、
トでは、波形の真値との差が少なく、波形補
24コマ/秒のプログレッシブ方式(ノンインター
レース方式)に変更され、プログレッシブ・ス
正後の誤差も大きくない。 また、同時録音・
再生も 8チャンネノレ以上が可能で、ある。従っ
キャンの PCでの再生により適合する。
て、メディアの規格に左右されずにハイビッ
なお、 DVDの NTSCビデオ信号での再生で
ト・ハイサンプリングレートの記録と再生が
は、マイクロビジョン方式のコピー・プロテ
可能である。
クション信号が含まれ、 VTR テープと同様、
画室が劣化することが多し。
H
i
F
iPCと H
i
F
i再生装置の必要性
音声
アの制限を受けず、より簡便に高再現性デー
このように、 PCでの再生は、既存のメディ
CDは
、 44.IKHzl6Bit、DATl
土
、 48KHzl6Bit
タの再生が可能である。従って、 PCを用いて
のリニアーPCM記録である。最も多用される
高精度・高再現性データを再生しなければな
CDでは、 18KHzまでの記録が可能であるが、
らず、高再現性 PC、すなわち、 H
i
F
iである
高域では波形を記録するサンプリング数が相
こと保証した PCが必要となるのである。
対的に減少し、誤差が著しく大きくなる。従っ
PCの再生信号は、アナログの映像信号とデ
て
、 CDや DATでは、そのまま DA変換し 18KHz
ジタルの音声信号が中心となる。 アナログ映
をカットするフィルタを通すと、 4KHz以上で
像信号では、 RGB各色の階調は、 MPEG2の
は数%を越える誤差となる。そのため、 CDや
再生ではカラーデコーダと DACが I
OB
i
tであ
LDのデータの再生時には直接 DA変換を行わ
り
、B
i
t換算で各 I
O
B
i
tが可能である。しかし、
ず、再サンプリングを行い、サンプリング・
デジタル映像信号転送で、は、ピット・レート
レートを 8倍から 64倍に上げ(オーバー・サ
が高くなりすぎるため 8
B
i
t階調であり、再現
ンプリング)、さらに、サインカーブ補聞を行
性に劣る。そのため、映像の表示装置として
うことが一般的である。これでは誤差が残る
は
、 CRTが選択される。音声に関しては、 Dolby
ので、 D
S
P
(
D
i
g
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lS
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g
n
a
lP
r
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c
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s
s
o
r
)を用い、波
D
i
g
i
t
a
l5
.
1など種々のフォーマットがあり、再
形の推測を行い、オーバー・サンプリング時
生には専用のデコーダを搭載したアンプを必
の補聞を行う方式も多い。また、弱音では、
3 PCによる
96KHz24Bit以上の DVD音声の
デジタル出力は、現在ではコピー・プロテク
ションのために不可能である。
2 現在、コピー・プロテクション信号を除去
することは違法行為である。
ηJ
ロd
瞳
選
:1
I
図 3. 1/6Dグレー・スケール(上)と 1/3Dグレー・スケール(下)
CRTの明度階調範囲計測と誤差計測に使用する(左端の白は見えなし、)
の位相が狂って聴こえてしまう。同様に、ス
ピーカでは、エンクロージャの振動により発
要とする。従って、これらの装置の再現性と
共に PCの再現性を考えなければならない。
特に映像の再生装置である CRTとプロジェ
音するタイプのスピーカでは、正確な再現が
クタの性能差は極めて大きく、適切な機器を
選択しなければ、 PC出力信号の画質の評価す
ら不可能である。図 3は、画像出力機器の性
能を評価するためのグレー・スケールで、ある。
困難である。ヘッドフォンによる再生では、
頭部に装着した時の周波数特性を考慮した規
格を満たす製品でないと、再生周波数全域に
渡つての正しい音圧を得られない。
l
/
6
D階調のグレー ・スケールを全て表示可能
である表示装置は少ない。 l
/
3
D階調グレー・
2 無対策 PCの再生誤差
.
5
D の範囲が表示可能であり、
スケールで、 3
l
/
6
D階調グレー・スケールで、図の全階調が表
無対策 PCでは、 PC内のノイズによって出
力誤差は極めて大きい。 RGB 各 256段階の
8Bit-DACの画像出力は 240以下には誤差が含
現可能でなければ、静止画の正しい表示はで
きない。本論文の印刷では、図 3は正しく表
示されないので、正しいグレー・スケールに
まれ、正しい暗部色調は望めない。ピクセル
の位置揺らぎは、近接 2ピクセルの重なり合
よる CRT調整の詳細は、下記の URLを参照
していただきたい。
いとして、横方向 1920 ピクセルでは 60%を
h
t
t
p
:
/
/
w
w
w
.
h
i
f
ip
c
.
c
o
m
/
c
r
t.
htm
液晶は、シャッターから光が漏れて階調表
現が正確ではなく、アナログ画像信号を AD
変換して再生するため、さらに誤差が大きく
なる。 CRTは
、 21インチで、シャドーマスクピッ
チの小さい円形シャドーマスク形式でないと、
1920×1440ピクセルの分解能を得ることはで
きない。アパチャーグリル型 CRTでは、縦横
の分解能が異なってしまう 。最近の平面に近
いアパチャーグリノレ方式で、は、左右と中央の
グリル間隔が異なり、高い再現性を持ち得な
い。プロジェクタでは、 9インチ管を使用し
た 3管式でなければ、 1920×1440ピクセルの
表示で十分に電子線を絞りきれない。
音声の DA変換では、外付けの AVアンプ
を使用するだけでなく、その精度に十分注意
が必要で、ある。 1Bit方式 DACでは、ジッタ
によって PIM歪が発生してしまうため、倍音
。 Sync信号(輝度基準・掃引時間
超える(図 2)
基準)の誤差は 1
0%以上である。デジタル出力
音声では、最大で lOn秒を越えるジッタであ
り、高再現性再生に必要な最大で ln秒以下に
はならない。ジッタが ln秒では、マルチチャ
ンネル音声再生で、の各音声チャンネルの相関
は、聴感上で明らかなほど劣化する。なお、
Dolby D
i
g
i
t
a
l信号では、出力装置が時間管理
のマスターとなるため、 AVアンプによってジッ
タの排除はできない。そのため、 PCのデジタ
ル音声信号のジッタは、最後まで再生品位に
影響を与えてしまう。 PC内の DACを使用し
た場合、特殊な製品を除き 24Bit再生では下
位 4Bitに相当する誤差を含み、さらに電気的
I
N比が劣化し、評価に十
ノイズが混入して S
分な品位は持ち得ない。
また、 PCの再現性だけでなく、 PCからの
画像と音声信号の再生装置の再現性も、前項
54-
に示したように極めて重要である。図書館や
がないアルミ電解コンデンサでは、周波数特
博物館では、実測した数値を示せる精度を持っ
性として十分ではない。 このため、 AGPパス
た CRTやスピーカを設置すべきである。
および PCIパスにリップル電圧が発生し、ク
ロックジッタなどの影響を与え、ピクセルが
重なり合って画像の明度・彩度を下げ、デジ
3 PCの電気的ノイズの原因
タル音声出力のジッタを増加させる。
PCの出力信号の劣化は,電気的ノイズが原
AGPパスおよび PCIパスには、 DDコンパー
因である。しかし、 PCのノイズの原因と対策
タで電圧変動が抑制されているが、バッフア
となるアルミ電解コンデンサの容量が不足し
を PC全体にわたって追求した研究はないが、
ノイズの主因は、スイッチング電源のリップ
ている場合が多い。最近のグラフィクス・ボー
ル電圧とデジタル信号路が輯射するノイズで
ドのメモ リは 64MBの高速メモリであり、 グ
あると考えられてきた。
ラフィ クス・ボード上の CPUも大電力を消費
電気的ノイズは、コモンモードとノーマル
するので、アノレミ電解コンデンサでは周波数
モードに分類され、どちらも輯射と考えれば、
特性的にも十分ではない。同様に、高度なサ
電流量の増減の絶対値に比例する[5
]
o 電流の
実測値は、デジタル信号が 5mA程度なのに対
ウンド・カードも比較的消費量の大きい LSI
を搭載 しており、 挿入しで ある PCIパスの位
し
, CPUや 1
1
0チップ、メモリへの電源電流
置にキャパシタによる電流供給の安定化と電
∼数
は約 0.5Aから最大 12A程度で約 lOOKHz
圧変動の抑制が必要である。
GHzの断続的電流である。HDDや DVD ドラ
PC内は給電電流路が長く、振動に由来する
イブへの電源電流も, 0.5Aから最大 4Aに達
ノイズは、数 lOmVに達する低周波成分であ
する断続的電流である。 これら断続的大電流
る。これは、直接的に画像信号の Sync信号の
の経路からのノイズは、信号や電源由来のノ
時間軸上と電圧(明度基準信号)のジッタとな り、
イズより 1000倍以上大きい。同様に FANや
同時にデジタル音声出力のジッタとなる。
モータには,逆起電力吸収用と放電防止用の
さらにこれらの ノイズ源は PC 内に広く分
キャパシタが無く、 12V駆動であるため,強
散しており、それぞれの輯射が空間で合成さ
し、ノイズを発生している。これらのノイズは、
れ極めて大きいノイズとなる。 この合成ノイ
デジタノレ信号にジッタを加え、多大な回数の
ズは、繰り返しの無いパルス状となり、オシ
エラーとリトライをチップ内とチップ間で発
ロスコープでの確認は極めて困難である。ま
生 させる。さらにアナログ回路の混変調歪を
た、磁性体は全て、入力周波数より高い周波
極端に増加させ、リ ニア リティーを減少さ せ
数で、強く 2次輯射することが判明したため、
ている。
PC僅体内の鉄やステンレスまでがノイズ源と
マザーボード上の CPUは
、 800MHz駆動の
なってしまう。
P
e
n
t
i
u
m
3で約 20Wを消費する。実際の使用
時では、負荷の平均値は DVD再生などでも
4 機械的な再現性低下の要因
40%を超える こと は稀であるが、上述の様に
消費電流の短時間の増減は極めて大きい。メ
上述の輯射系ノイズに加え、再現性低下に
モリおよび NorthBridge(CPU、AGPパス、メ
メカニカルな要因がある。HDD(ハード・ディ
モリ、 PCIパスへのデータ転送機構)も同様の
スク・ドライブ)は、動作中に共振点を持ち、
電流消費パターンである。これらの LSIへの
リードエラーが多発する記録領域がある。こ
給電系は、 1500μF 程度の比較的高周波特性
の領域では、ヘッドのサーボが振動によ って
の良いアルミ電解コンデンサで瞬間的な電流
激しく動作し、消費電流も増加している。こ
変動に対応するようになっている。 しかし、
消費ノfターンの分析から GHzにまで及ぶこと
のような領域は、 HDD内に数箇所あり、 HOD
が細川、 150KHz程度のリップルまでしか効果
以下にまで低下すること があ る。従 って、ハ
の固定方法によっては、リード速度が 1
0分 1
phu
FD
イビット・ハイサンプリングレートの音声再
る
。
生や動画再生では、時間的な遅れが発生して
4. HDDと DVD ドライブの内部に制振処理
しまうことなる。リード時間の遅延は、デバ
イスドライバのスピンロック時間を長くし、
をしてサーボ量を減らし、電流消費を下げる。
CPU負荷を上昇させ、画像・音声用のデバイ
スドライバの処理時間を圧迫する。結果、画
像信号と音声信号のジッタとして現れる。
DVDD(DVD ドライブ)も、 HDD同様に機械
的な共振点を持ち、 DVDメディアの偏心によっ
て、レーザー・ヘッドが読み出しに時間を要
する領域ができてしまう。このような領域は、
DVDメディア上で 5
,6から 30以上あり、画
像のデコード時間を奪うため、画像を極端に
劣化させ、さらに音声が画像に同期している
ため、音声までがジッタを含んで、しまう。 DVDD
は、再生中加減速を繰り返し、そのための歳
差運動も大きい。 DVDDの機構のほとんどは、
ゴムによるダ、ンパーで、動くように支持される
ため、この運動によるリードエラーとサーボ
5
. 大電流かっ断続電流消費部品・チップの
近傍に低 ESR大容量コンデンサを接続し、給
電路の電流・電圧変動を減少させる。
6. 電源・給電路の高周波インピーダンスを
上げ、さらに給電ケープ、ルは全てツイスドし,
高周波の輔射を減少させる。
7. エアフローを設計し、 FAN
(コンデンサ付
き)を電源内のみとし、 FANはスポンジで浮か
せ、サイレンサーを設け、振動・風切り音を
取る。
8. 匿体内の G
r
a
p
h
i
c
s、Soundc
a
r
d部では、近
傍のケーブルを排除する。
さらに、 2次輯射の無い非金属非磁性体製
ノイズ吸収剤(開発中)で、給電路と Al板表面
のノイズ反射を吸収し、シールド効果を高め
た
。
の増加は無視できない。
このような機械的な共振と機構そのものが
6 部品の選択
原因となるノイズは、時間軸上の誤差だけで
なく、サーボ電流を増加させ、グラフィクス・
ボードとサウンド・カードへの給電電圧を変
動させてしまい、 S
I
N 比を劣化させる要因に
もなっている。
U
l
t
r
aH
i
F
iPCの開発は、部品の選択によっ
て始まる。前項で述べたように、高精度の部
品を使用しなければ、改造・改良後にも良い
結果を得られない。また、直接的に信号を生
成するグラフィクス・ボード、サウンド・カー
ドだけで性能が決定されるわけで、はない。
5 ノイズ、への対策方針
PC僅体
最も精度と SINに影響を与える部品は、 PC
上述のように、 PCのノイズは給電路、輔射
および振動由来であることが判明した。従っ
用僅体である。「OWL-PC・
6
11 ブラック(オウ
て、次の方針と手法でノイズをカットし精度
ルテック社)を選択した。
本僅体は、インナー・ケースの剛性が比較
を向上した。
1. ノイズ対策が可能で、その結果が反映さ
的高く、改造に適した構造であることと、全
れる高精度・高品位部品を選択する 40
体が Al合金でできており、 2次幅射が少ない
2. 磁性体を排除し、 lOOHz以上の電波・磁
場を遮蔽する Al板で、電源、ドライブ、マザー
ボード、 ドータ・カードを分離する。
ことによる。現在では、最も適したケースは、
S
i
l
e
n
tM
a
s
t
e
r
(
J
a
p
a
nV
a
l
u
e社)である。
電源
3. 硬度の異なる Al板による制振合板を、振
電源、は、 300Wの静音電源、(Seventeam社)で
動モードにあわせて作成して僅体内部を補強
ある。これは、ファンが 1個であり、輯射が
し
、 ドライブから振動の発生と伝達を阻止す
平均的で、改造が容易であるため選択した。
部品によって、 100倍程度ノイズ量が異なり、
I
O倍程度精度も異なる。
4
5 PCでは,グランドに平均約 3Aの電流が流
れており,シールド、ケープ、ルを使用するとシー
-56-
電源、は公差が大きく、全体の部品の組み合わ
極めて小さく、遅延も少ない。
せで最適のものを選択し選別すべきである。
DVD ドライブ
DVDD(DVD ドライブ)は、 GD7000(日立)を
なお、 PCではグランド電流が流れることに注
意が必要である。
選択した。 GD7000は、最も動作音が小さい。
マザーボード
DVDDは、動作音を除いて、機種ごとの大き
な精度上の差は少ないが、構造から公差が大
マザーボードは、僅体についで、ノイズの
きい。従って、複数から選択することになる。
下限を決定する重要な要因である。
CUV4X-E(AsusTech社)を選択した。本マザー
HDD
ボードは、 CPUと NorthBridgeへの給電に多
)を選択した。この HDD は
、
IC35L020(1BM
数の 1500μFのアルミ電解コンデンサを使用
7200RPMで、騒音がやや大きく、適してはい
しており、余裕がある。マザーボード上で使
ない。最適な HODは
、 2
.
5インチのモパイル
用する電圧は、 12Vを除き、全て DDコンパー
PC用である。 3
.
5インチ HDDでは、流体軸受
タによって生成され、リップル電圧を下げら
けを使用した 5400RPMの静音型が適している。
れる構造になっている。また、フェライト製
HDDケース
HDDは、振動と騒音が激しくそのまま装着
チョークコイルなどの輔射が激しい素子とコ
ネクタ類が、出力信号を生成する部品が挿入
すると機械的ノイズを取れない。そのため、
される AGPパスおよび PCIパスから離れてい
SmartD
r
i
v
e
(グロウアップジャパン社)を選択し
る。さらに、付加コンデンサを取り付けるス
た。騒音が問題でなければ、 PH-35BPRO(Japan
ノレーホールがある。
V
a
l
u
e 社)が最も制振性とノイズ遮断性に優れ
グラフィクス・ボード
ている。
グラフィクス・ボードは画像信号を生成す
IDEケーブル
るため、直接精度に影響を与える部品である。
フラットケーブルでは、輯射の反射がある
)
ため、丸型ケープ、ルの GCWF-IOOS(Justy 社
RADEON64MBVIBO(ATI社)を選択した。この
ボード上の DACは
、 I
O
B
i
tで、静止画で使用
の 29cmを選択した。本ケーブ、ルは、 ATAIOO
される上位 8
B
i
tの誤差が極めて少ない。また、
対応で、 HOD と DYDOに 1本づ、つ使用して
MPEG2再生では、カラーマップが I
O
B
i
t分あ
いる。
り、動画部の DA変換は I
O
B
i
tを使用すること
CPU
B
i
tである他のグ
ができる。このため、全て 8
動画再生の品位にも着目した場合、ピーク
ラフィクス・ボードより高再現性を考慮した
電流の大きな CPUを選択することはできない
設計となっている。なお、比較的公差が少な
ので、 Celeron633(cCO コア)を FSB=IOOMHz
いボードであるが、飛び込みノイズの影響を
とし 950MHzで駆動している。
受けやすい。なお、本ボードは、グラフィク
CPUヒートシンク
高さ 85mm幅 60mm長さ 60mmの特殊な
ス専用パスである AGPパスに挿入される。
ヒートシンク(サーマルコンポーネント社)を選
サウンド・カード
サウンド・カードもグラフィクス・ボード
択した。ヒートシンクが高いと轄射が大きく
と同様に直接再生信号の精度に影響を与える。
なるが、輯射防止が可能となったので、振動
RMEDIGI9
6
/
8PST(R
恥E 社)を選択した。本
防止のため、電源のファンの排気量で冷却可
カードは、最大 96KHz24Bit再生と記録が可能
能な熱交換能であるのでこれを用いた。
であり、アナログ入出力機能を持っている。
メインメモリ
本カードは、高再現性を目標に設計されてお
256MBの SDRAM(Winbond社)で、低消費電
り、高いポテンシヤルを持っている。特にデ
力の選別品を選択した。消費電力が大きい物
バイスドライパの性能が良く、 CPUの負荷が
を選択すると、リフレッシュ時に大電流が流
れ
、 AGPパスと PCIパスへのリップ。ルが増加
ルドに流れる電流で,幅射ノイズが増大する。
する。
i
ウ
RU
た
。
電源部、ドライブ部、マザーボード部を Al
ネットワーク・カード
基板が小さく、高周波の幅射が比較的小さ
O
O
+
(
l
n
t
e
l社)を選択
いので、 EtherExpressProI
板
(t=2mm
)で分離し、輔射の影響を除いた。純
銅は、輯射の反射が大きく使用できない。
結果、ほとんどの振動が吸収され、マザー
した。
その他
FDD
(フロッピー・ディスク・ドライブ)は、
ボードには伝達されなくなった。なお、振動
防止のため、冷却ファンは取り付けない。
磁性体およびステンレスは全て、 500MHz
から lGHzの 2次輔射が大きく、画質・音質
OSに W泊dows2000(SP2
)を選択したため、接
続していない。
電源ケーブルは、 4線対向スタッガー結線
で、アース線で、コイル状に全体を巻き、アー
に大きく影響するため全て排除し、ネジなど
スに関して高周波フィルタ特性を持つケープ
は、黄銅とした。
ノレを自作した。
冷却ファン
O
μ F の無極性アルミ電
冷却ファンには、 I
解コンデンサを取り付け、給電ケーブルをツ
電源環境
部品ではないが、電源環境が良くなくては、
高再現性再生は不可能である。壁の電源、コン
イストした。
o
s
p
i
t
a
lg
r
a
d
e
セントは、 HUBELL社製の USH
電源
グランドに高周波ノイズが伝達されること
を防ぐため、グランドへ 3ターンのコイルで
を使用し、第 1種アースに近い接地抵抗のアー
スを接続した。
結線した。冷却ファンの振動を防止するため、
7 ノイズ対策加工
硬質スポンジでケースから分離した。コンデ
ンサおよびヒートシンクを非磁性体のノイズ
部品を選択し、組み合わせても U
l
t
r
a回−F
iPC
吸収材で覆い、輯射と振動を押さえた。ケー
スの内側および外側は、向上のノイズ吸収材
にはならない。すなわち、一般的な PC の組
み立てではノイズ対策にはならず、部品に対
で覆い、輯射を約 20dB下げた。
する加工と配線の工夫が必要となる。
PC僅 体
給電配線
インナー・ケースに硬度と厚みの異なる Al
板を取り付け、全体を制振合板化した。特に
振動の激しい HODと DYDO の取り付けは、
ある。ループ面積を最小とすると同時に、輯
射を打ち消し合わせるため、全てツイストし
給電ケープツレは、最も大きな輯射の原因で
た。ツイストベア線は、ノイズキャンセルに
側板部に剛性の低い Al板で制振合板化し、ダ
ンプ。機構付き板パネ構造とし、振動エネルギー
対する効果が極めて大きい。
給電ケープ、ルは、マザーボードから離し、
マザーボード、への給電ケープ、ルも最もマザー
を積極的に摩擦熱に変換すると共に捻れの反
動を吸収した。 HOD と DVDDは、ゴムワッ
ボードから離して配線した。なお、給電ケー
シャを介してポリカ ーボネー ト製ネジを使用
ブルは、全て固定し、振動による発電を避け
た
。
し、高周波振動の吸収を行った。
3
.
5インチベイに無共振煉瓦を硬質スポンジ
HDD
で浮かせて固定し、共振周波数をずらし、共
振の鋭さである Qを分散した。 Q と共振周波
数の分散は、振動エネルギーの伝達を阻止す
HODの制振合板が薄いための共振であるの
で、制振材を貼り、共振を防止して、 HODケー
スに取り付けた。 HODケース 内のスポンジの
る
。
硬度を調整して移動量を制限し、発熱の伝達
マザーボードの取り付け板に対し、厚さ 3mm
と厚さ 2mmの Al板を取り付け、聞に Cu箔
を向上した。結果、振動が抑制され消費電流
が減少した。
(t=O.lmm
)を挟み、グランド電流を Cu箔に通
DVDD
すと共に、表面輯射抑制と制振合板化を行っ
ヘッ ドの微振動がリードエラーの原因とな
FhJU
n
o
るため、ヘッドに鉛箔(t=0.3mm
)を貼り、モー
同時に電圧リップルが減少し、極めて画質が
タ周辺に微振動抑制のため、制振材を貼った。
向上する。
結果、リードエラーが極めて減少した。当然
PCI パスのサウンド・カードへのスロット
消費電流が減少し、発生する電気的ノイズも
部にあるスルーホールに 560μF(4V)
と 390μ
騒音も激減した。
ドライブ、用給電ケープ、ルフィルタ
F(6V
)を付加し、サウンド・カードへの給電能
力を上げ、さらにリップル電圧を減少した。
この付加で、デジタル音声出力のジッタが激
HDD と DVDDは、有機半導体固体電解コ
減した。
ンデンサ(佐賀三洋工業株式会社)、積層セラ
さらに、非磁性体ノイズ吸収材で、平行配
ミックコンデンサ(日本ケミコン)を取り付けた
高周波フィルタを介して給電ケープ、/レ(5Vl2V)
線部を全て覆い、輯射を減少した。
これらの加工で、 NorthBridgeとSouthBridge
に接続した。なお、有機半導体固体電解コン
デンサの容量は、ドライブの消費電流による
のエラーも減少した。
が
、 500μ F前後で良い。積層セラミックコン
CPUヒートシンク
デンサは、 50Vl0μ Fである。
振動と幅射の防止のため、非磁性体ノイズ
この高周波フィルタによって、約 25Hz∼
吸収材で、覆った。電源、の排気の背圧を利用し
20MHz程度までの断続的な電流消費によるノ
て冷えるようにダクトをつけた。
イズを抑制可能である。
グラフィクス・ボードおよびサウンド・カー
マザーボード
ド、ネットワーク・カード
CUV4X-Eの CPUへの電流供給用 1500μ F
非磁性体ノイズ吸収材で全体を包み、外部
のアルミ電解コンデンサ 3本のうち 2本を 1500
からの幅射ノイズの遮断と、ボード上の素子
μFの有機半導体固体電解コンデンサ(佐賀三
間でのノイズの影響を避けた。このノイズ吸
洋工業株式会社)に置換し、残り 1本を 2200
収材は研究途上のものである。良いノイズ吸
μ F のアルミ電解コンデンサ(HD型:ニチコ
収材を使用すれば、その効果は劇的である 。
ン株式会)に置換した。
しかし、 一般的な特定の周波数用の磁性体を
r
i
d
g
eへの給電用 1
5
0
0μFの
同様に、 NorthB
主としたノイズ吸収材では、 2次幅射のため、
アルミ電解コンデンサ 3本を、 1本の 1
5
0
0
μ
かえって劣化してしまう。
Fの有機半導体国体電解コンデンサ(向上)に置
換し、 1本 1500μ Fのアルミ電解コンデンサ(同
ネットワーク・カードは、 WOLの機能を使
用するケープ、ルを接続すると劣化する。
上
)
、 1本を 2200μ Fのアルミ電解コンデンサ
グラフィクス・カードは AGPパスに、サウ
ンド・カードは PCIパスの 3番に、ネットワー
(同上)に置換した。
ク・カードは、 PCI パスの 6番に挿入し、そ
CPUと NorthB
r
i
d
g
eのコンデンサの高周波
リップル除去特性を向上することで、 AGPお
れぞれの干渉を最小とした。
よび PCIパスへのリップル電圧が減少する。
IDE配線
しかし、有機半導体固体電解コンデンサを多
非磁性体のノイズ吸収材で覆い、振動を防
用すると、インピーダンスが低下しすぎ、 AGP
止して接続した。
パスと PCIパスへの給電能力が低下する。そ
8 結果
のために、 HD型の高性能アルミ電解コンデン
サを並列に使用している 。アルミ電解コンデ
騒音は lOdB以下となり、ほとんど無音であ
0μF の積層セ
ンサには、特性向上のため、 1
る。残った騒音の原因は、グラフィクス・ボー
ラミックコンデンサを付加した。
ドのファンの風切り音である。
AGP パス給電部のアルミ電解コンデンサ
振動は、 DVDが不定速回転中でもほとんど
(
1
0
0
0μF)
を 560μF の有機半導体固体電解コ
ない。振動の影響は、サウンド・カードのア
ンデンサ(向上)に置換した。この置換で、グラ
ナログ出力電圧の変動で計測できるが、測定
フィクス・ボードへの給電能力が増加すると
に 1U
Q
υ
図 4. 未対策 PC(
上
)
と U
l
t
r
aH
i
F
iPC(下)の比較(1920×1440
):同一部品構成
INは、約 20dBを良くなっ
ログ音声出力の S
下のジッタとなり、デジタル記録・再生に専
用機器として使用可能で、ある。なお、ワード
た。これは高級 DAC並みである。
クロックジェネレータを使用して外部同期と
値には現れなくなった。使用はしないがアナ
静止画は、直線性のある階調範囲が 3.7Dを
越え、さらに RGBO と
、 3.7Dが識別可能となっ
すれば、さらにジッタが減少し、録音・再生
マスターに匹敵する。
た。無信号走査線の輝度が最もノイズを示す
DVD再生の音声は、動画が同期マスターで
が、明度での比較で 20%以下まで減少した。
あり、通常では動画再生の速度が、コマによっ
ピクセルジッタは、 1
9
2
0×1
2
0
0ピクセル表
て時間内に再生されず、大きなジッタを持つ。
示
(60Hz)で、ピクセル間の重なり合いとして、
この改造によって、全体にわたって遅延が減
20%以下になり、 l ピクセル幅の黒と白を完
少し、コマ遅延は全く起きず、またボード上
全に分離可能となった。ジッタとしての直接
のクロックジッタも極めて少ないため、 DVD
計測は、ほとんど不可能なレベルであるため、
専用再生機より良い結果となった。
CRTを直接撮影して、重なり合いを計測した
以上の結果から、 PCの出力信号劣化は、デ
値であるため CRTの変動を含む。従って、実
ジタノレ信号自身の輔射や DACの直線性の低さ
際のジッタはさらに少ない。 CRTは、現在最
ではなく、給電ケープ、ノレ由来のノイズ、振動、
高の性能を持つ F980使用し、 3段のノイズフィ
マザーボード上のリップルで、あることが証明
ルタを挿入した極めて安定した電源環境で使
された。すなわち、始めから精度の高いグラ
用し、 Dl(Nikon)を用いて撮影した。
フィクス・ボードとサウンド・カードを選択
静止画だけでなく、最もノイズに影響され
る DVD動画でも、色相・分解能・明度共に極
し、ノイズ対策を行えば、それらの回路の変
更は不要で、あると言える。
めて高精度となり、ほとんど誤差を含まない
なお、図 5に示す円内のアナログ配線部が
結果となった(図 4
。
)
音声デジタルインとアウトでは、 0
.
5
n秒以
最もノイズを吸収する部位である。また、マ
ザーボードと同じ速度で振動しないと、ジッ
LTN
、! •1
L
:
:
:
:
i
図 6. リングフェライト
図 5. グラフィクス・ボード
-60
タを生じるのもこの部分である。さらに、本
研究によって、画像ケーブ、ルのリングフェラ
本指針および改造は、他のデジタル機器の
高品位化にも応用可能であった。特に、 AVア
イトが著しく画質を劣化させることが判明し
ンプ等のように、消費電流の大きい LSIを使
た(図 6)。しかし、空間ノイズの大きい環境下
で水平周波数が 130KHz以上の高性能の CRT
用した機器での向上は非常に大きい。そのた
め、再生装置側の高再現性の研究を開始した。
をリングフェライトが装着されていない映像
オーバーオールで、高再現性を実現した研究
ケーブルで PC と接続すると、大変危険な状
および教育の効果は、極めて大きく研究と教
態になる。
2m以下の PC と CRTの接続では、 D-SUB
育の範囲そのものを変えてしまう。例えば、
NTSC再生では、細部の消失のため、映画の
コネクタの影響は、高画質用 D-SUBt
o 5BNC
変換部を持つ専用ケーブルを使用すれば、大
撮影技法などを正確に示せないが、 1920×1080
ピクセルでの DVDの再生では可能である6。
きな劣化はないことが判った。遠距離では、
データの精度のみならず、再生環境の精度向
映像ケーブルの品位が極めて大きく画質に影
上が切望される。
響してしまう。特に、各 BNC同軸 750ケー
ブルのインピーダンス・ミスマッチングによ
10 謝辞
る反射と、電気的信号長の違いによる同期誤
本研究は、大谷大学が所蔵している北京版
差が映像を劣化させる。
大蔵経等の貴重図書のデジタル化による可読
3m以上の接続では、 AES/EBUケーブル(
1
1
0
性を保証した資料共有データベースの作成研
Q)
や BNCケーブルでは、高周波特性が劣化
究から支援されている。プロジェクトを推進
してしまい、音声デジタル信号の立ち上がり
しておられる草野教授、山本講師、松川講師、
電圧加速度が低下し、ここにノイズが混入す
箕浦研究員以下、学生諸君に感謝する。特に、
ることで、劇的にジッタが増加してしまう 。
従って、遠距離では光ケープ、ルの使用が好ま
京都国立博物館の主任研究員赤尾氏に深く感
謝する。
しい。
本研究は、多数の企業によって精度向上の
なお、本実験による計測で、鉄僅体の AV
協力を得ている。本研究のような複合的な研
アンプその他 AV機器は、 48KHz以上のデジ
究は、多数の専門家による協力がなければ、
タル音声信号を入出力する時、多大な轄射を
出すことが判明した。そのため、鉄のラック
成果を得ることが極めて困難であることを明
記しておきたい。高精度写真撮影および高精
度デ、ジタル静止画に関しては、 Kodak、株式会
に入れることは、他の機器への影響のため、
極めて好ましくない。本実験で作成した PC
社ニコン及び、(株)堀内カラー、大日本スク リー
は、このような幅射は極めて小さく、他の機
ン製造(株)、コメット株式会社に感謝する 。
器への影響はほとんど無く、そのままスタジ
CRTの解析に関しては、株式会社ナナオの宮
オ等での使用が可能である。
保氏および研究開発の方々に深く感謝する。
伝送系ケーブルに関しては、カナレ電気株式
9 結語
会社に感謝する。ノイズ吸収材、パーマロイ、
ノイズを特定し排除することによって、 U
l
t
r
a
Hi
・
F
iPCを実現できた。 ノイズの排除には、
フェライトコア等のノイズ対策に関しては、
株式会社トーキン、目立金属、 TDKに種々の
給電部で電流消費変動の大きい能動素子の直
教えとご協力を頂き深く感謝する。
特に本研究に重要なノイズと有機半導体固
近で変動を吸収することが最大の効果を示す
ことが証明された。結果として PC からの幅
射も測定限界に近づいた。 また、方針を明確
フィルム媒体では、オリジナルの Region の
DVDでないと、フィノレムのデ、ュープリケーショ
6
に示せた事により、安価に U
l
t
r
aH
i
F
iPCの作
ンでの劣化と、圧縮の差で、劣化が激しいこ
とに注意が必要である。
成が可能とな った。
1i
nb
体電解コンデンサ特性に関して、佐賀三洋工
業株式会社の喜多川氏と三洋電子部品(株)の
三好氏に御教示と御協力を頂き、深く感謝す
る。高性能アルミ電解コンデンサに関しては、
ニチコン株式会の藤馬氏(技術部)にご教示を頂
き、同社営業統括部 4課の湯地氏と平地に御
協力を頂き、深く感謝している。
最後に、非破壊検査株式会社の宮部氏にノ
イズ測定に関して多大の御教示と御協力を頂
き、深く感謝する。
1
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“
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l・i
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図 4. 未対策 PC(上)と U
ltraH
i
F
iPC(
下
)の比較( 1920×1440
)・同一部品構成
図 5. グラフィ クス・ボード
図 6. リングフェラ イト
つU
。
円
ダウンロード

画像・音声の超高再現性 PCの開発