P2P ネットワーク上で
実時間ストリーミングを実現するための
分散制御プロトコルの提案
大阪大学 大学院情報科学研究科
東野研究室
中村嘉隆
研究目標
 多人数による電子会議アプリケーションの実現
数百ユーザからなる Many-to-many マルチキャスト
 各ユーザがビデオの配信者にも受信者にもなりうる
 各ユーザはビデオに関する優先度要求をもつ
 複数ビデオを実時間交換
• 帯域の競合が発生する可能性があり,効率的な帯域利用が必要
Internet
2004/2/20
情報ネットワーク学専攻修士論文発表会
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想定する環境
 アプリケーション層マルチキャスト(ALM)
P2P リンクを用いたマルチキャスト
各ユーザは
 マルチキャストルータとして他ユーザに映像転送
 動的に参加離脱を繰り返す
 ユーザ付近に帯域制約がある
 従来の ALM に関する研究
効率の良い経路木構築,オーバレイ不安定性解消など
Narada:ビデオ会議向け ALM プロトコル
 ビデオの複数表示は想定していないため,多数のビデオ配信による
資源競合には対応していない
2004/2/20
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設計目標と実現方法
 プロトコルの設計目標
複数ビデオ配信による資源競合を回避
 各ユーザのビデオに対する優先度を反映
 全ユーザで満足される優先度が最大化されるように制御
分散制御
 スケーラビリティ
 実現方法
互いに重複が少ない配信経路木群の構築
優先度に基づく動的な配信制御
受信継続のためのユーザ離脱時回復制御
これらを分散制御で行う
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提案するプロトコル(Emma/QoS)
 複数人のコミュニケーションシステム向け ALM プロトコル
各ユーザは動的にオーバレイネットワーク構築
ユーザにおいて各ビデオに与えられた優先度要求に従って,ビデ
オの送受信を制御する
 ユーザ自身がフィルタリングして既配信のビデオ品質を調整することで,新
たな要求ビデオを受け入れる
Red
Overlay
Network
Internet
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Red
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ユーザの参加
 ユーザはオーバレイリンクを構築することでセッションに参加
 他ユーザとの遅延を測定し,適切な数ユーザとオーバレイリンクを構築
 リンク構築時にリンク容量(配信可能な映像数)をネゴシエートし
て決定
 参加したユーザは配信経路木を接ぎ木方式で拡張
 自身をソースとする経路木はフラッディングによって最短経路木で
構築
A
C
Overlay Network
E
B
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D
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Underlying Network
ビデオ配信制御(1)
 問題
リンク容量の制約や減少により要求されたビデオを全て配信する
ことができない場合がある
 解決法
単純な方法:配信できない場合は受信要求を受け入れない
Narada:各ユーザにおいてビデオが受信したレートで配信できな
い場合は,配信可能なレートまで下げる
Emma/QoS:ユーザが各ビデオに対して与える優先度に従って,
利用帯域を増加させるビデオ・削減するビデオを決定し,なるべく
多くの要求を受け入れる
 優先度
 各ビデオに対して単位帯域ごとにユーザがどれだけの強さで要求し
ているかを表す優先要求度を値として与える
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ビデオ配信制御(2)
 優先度に関する情報を定期
的に収集
 既配信ビデオで帯域が削減さ
れた場合に失う優先度
 受信要求時には要求ビデオ
の優先度を収集
 要求が受け入れられた場合に
増加する優先度
B
 これらの情報から最も多くの
優先度を満足するように
 どのビデオの帯域を削減すべき
か
 要求を棄却すべきか
を決定
2004/2/20
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リンク容量は全て 3
:ビデオストリーム
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ユーザ離脱時の配信継続処理
 オーバレイネットワークでは
ユーザ離脱が多く発生
 中継ノードが離脱し,子孫
ノードが受信できなくなる
 ビデオ会議システムでは,
ビデオを継続受信する必要
がある
 離脱ユーザを介して配信し
ていたビデオを,他ユーザ
から速やかに再配信できる
仕組みが必要
 周期メッセージを利用し,帯
域に余裕のあるユーザ情報
を収集,子の離脱時に指示
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性能評価
 ユーザが動的に参加離脱を繰り返す環境で評価
 評価項目
経路木の効率(時間の都合上グラフは省略)
 物理リンク上のパケット重複度
 オーバレイリンク上の経路木重複度
 ユニキャストと比較した遅延の増大率
ユーザが受信できているビデオの優先度による満足度評価
 シミュレーション実験結果より
経路木の効率は現在の環境で実現しても問題ない程度
 ユーザ数変動に対し上記パラメータの悪化は見られない
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ユーザ満足度
 各ユーザで受信できているビデオの優先度の全ユーザ
総和を測定
ユーザ満足度は Narada より高い値を達成
 Narada:帯域・遅延メトリックの最短経路木上で配信,利用できる帯
域に応じて配信ビデオのレートを下げている
16000
14000
Emma/QoS
Narada
FCFS
12000
gain
10000
8000
6000
4000
2000
0
0
20
40
60
80
100
120
140
160
group size
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要求満足率の分布
 要求満足率の分布
 要求に付けた優先度に対し,ビデオ配信により満足されたものの割合
 全く満たされない要求は少なくなっている
 多くのビデオ表示を要求するようなアプリケーションでは有効
250
Emma/QoS
Narada
FCFS
# of requests
200
150
100
50
0
0
0.2
0.45
0.6
0.8
0.875
0.8888889
0.9
1
satisfaction ratio
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まとめ
オーバレイネットワークにおける複数ビデオの同
時配信時に QoS を分散制御で実現する ALM
プロトコル Emma/QoS の提案
Emma/QoS に対するシミュレーションによる性能
評価
より大規模なグループで利用した場合の制御メッ
セージ量などに関する評価を行う
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