Title
ホーニング加工における真円度生成機構の解析: 第1報, 理論的検討
Author(s)
上田, 隆司; 大森, 滋人; 杉田, 忠彰
Citation
日本機械学會論文集 C編 = Transactions of the Japan Society of
Mechanical Engineers Series C, 56(528): 2270-2278
Issue Date
1990-08-25
Type
Journal Article
Text version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/2297/36971
Right
Copyright © The Japan Society of Mechanical Engineers 日本機械学会
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http://dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/
*
ホ ー ニ ング
ロ
カエ に お け る 真円度生成機構の解析
(第1報,理輪的検肘)
上田隆司*19大森滋人*2,杉田忠彰*!
InauenceOfHoningHeadDegignonOutofRom伽髄g
(19tRePort,Theoreticallnvestigation)
TakashiUEDA,SigetoOMORIandTadaakiSUGITA
Inthehoningo"ration,theinnuenceofthehoningheaddesignontheoutofroundnessofa
workpie"isinvestigatmtheoretically・Harmonicanalysisisappli"tohtthecurvetotheshapeof
thecrosssectionoftheworkpiece.Usingthethree-stickhoninghead,theamplitudeofwavesof
degree3,6,9,…isattenuat"morerapidiythanthatofwavesofdegree2,4,5,7,…asthehoning
proceeds.Thefour-stickhoningheadcannotattenuatetheamplitudeofwavesofdegree3,5.7,9.
・・・butattenuatesthatofwavesofdegree2,4,6,….Inthecaseofthehoningheadwithgreater
stiCking,theamPlitudeofsomewavesisamplified.Thein伽eceofthespaceofstickandshoes
aroundtheperipheryofsingle-stickhoningheadontheoutofroundnessisinvestigated.
晩yWorm:ManufacturingTechnology,HoningOperation,OutofRoundness,HoningHead
Design,HarmonicAnalysis,NumkrofSticks
使用記号
1.緒言
ホーニング加工は研削加工に比較して,加工時に発
生する熱量が小さいため加工変質層の少ない仕上面が
得られるとともに,加工機自身が単純な構造であるに
もかかわらず少ない削り代で良好な寸法精度,形状精
度を得ることができるなどの特徴を持っている(1).す
なわち,一般の研削盤では固定された基準面を持ち,
砥石と基準面との距離が加工精度を保持しているのに
α"’6":フーリエ係数
EMR,":ホーニングヘッドⅣ回転後の真円度曲線の
フーリエ係数
A:式(38)で定義される行列
C感:〃次の波の振幅(フーリエ係数)
C恥:ホーニングヘッドⅣ回転後の真円度曲線の
”次の波の振幅
対し,ホーニング加工機は固定された基準面を持たず,
Cr:比例定数
砥石が加工物との間の力のパランスを保ちながら運動
品:式(27)で定義される式
することによって真円度や真直度などの加工精度を得
K:比例定数(ばね定数)
ている.したがって,その構造機構や運動の制御が加
〃:次数
工精度に大きく影響する(2).
そこで本研究ではシリンダ内面を定圧でホーニング
Ⅳ:ホーニングヘッドの回転回数
M:砥石本数,および砥石番号
加工する場合を取り上げ,複数の砥石が互いにバラン
R:定常的砥石圧力
スを保ちながら加工してゆく過程をモデル化して考え
凡:加工面の凹凸によって砥石に生ずる圧力
ることにより,加工物の真円度が向上してゆく機構を
理論的に解析した.
P(8):全砥石圧力
γ:半径
妬:基準円の半径
*平成2年3月23日関西支部第65期定時総会構演会にお
いて講演,原械受付平成元年6月14日.
車’正員,金沢大学1:学部(e"金沢市小立野2-40-20).
。zミノルタカメラ(株)(…堺市大山西町3-91).
6酌(8):ホーニングヘッドⅣ回転後の加工物半径増
加量
尺脆:加工面の凹凸による砥石肌の半径方向変位
6品(8):初期真円度曲線
仮定1真円度曲線は加工物の軸方向に一様とす
脇(8):ホーニングヘッドⅣ回転後の真円度曲線
る.したがって,砥石の往復運動は考慮せず回転運動
服(8):真円度曲線
により加工が進行してゆくものと考える.
S:砥石作業面積
仮定2加工は砥石の中心線上で行われるものと
β:角度(ホーニングヘッドの回転角)
する.
§Ⅳ(8):ホーニングヘッドⅣ回転めにおいて,加工
面の凹凸のため全砥石に生じる変位によって
砥石1が受ける変位
仮定3砥石には変位に比例した力が作用し,切
削力はその力に比例するものとする.
仮定4加工面の凹凸によって受ける砥石の変位
‘,,妙2:1本砥石用ホーニングヘッドにおける足の設
定角
およびこれによって砥石に作用する力は常に半径方向
を向いているものとする.
仮定5砥石軸の中心と基準円の中心は一致して
2.真円度生成機構の解析
いるものとする.
図1に示すように,シリンダ内面を表す真円度曲線
2.13本砥石ホーニングヘッド図3にシリン
に対し,真円度中心を中心としてγ’8を変数とする接
ダ内の3本砥石の配湿を示す.基準円のみを示し,真
線極座標を用いると,フーリエ級数により,
円度曲線は略している.まず,シリンダ内面の凹凸に
版(8)=一{γ(8)一姉}
よる砥石1の変位を考えてみる.各砥石の凹凸による
‐
=
一
異
(
α
側
c
o
s
"
8
+
6
n
s
i
n
"
8
)
…
…
…
…
…
(
1
)
と表すことができる(3)(‘).ただし,”は基準円の半径
半径方向の変位をR',R2,……,R碓とすると(砥石圧力
を増大させる中心方向を正とする),
砥石2の変位凡の,砥石1への影春は:
であり,服(9)は正のとき基準円の内側,負のとき基
準円の外側を表している.したがって,次数〃の波の
一雌曜(2〃3)=凡/2
砥石3の変位凡の,砥石1への影響は:
振幅Cnは
一R3cos(4z/3)=RS/2
C
"
=
(
α
卿
2
+
6
,
@
2
)
"
2
また,砥石1自身の変位がR,であることからシリン
で与えられることになる.
ダ内面の凹凸によって砥石1が受ける変位号,(8)は
図2は加工中の加工物の横断面図であり,4本の砥
石をコーンによって加工面に圧着し,この砥石に回転
ら
(
'
)
=
品
十
号
十
号
…
…
…
…
…
…
…
…
(
2
)
と往復運動を与えることによって加工を行っている.
ところが,シリンダ内面の凹凸は真円度曲線(1)で表
コーンはユニバーサルジョイントを介して駆動系に接
されていることから,初期状態を6品(8)と表すと.
続されていることから,砥石の半径方向の動きは砥石
間の力の平衡で決まり,コーンは拘束力を持たない.
このため,加工面凹凸による各砥石の変位は直接他の
R
,
拙
(
'
)
,
凡
脇
(
'
+
等
)
品
拙
(
'
+
等
)
となる.ただし,
‐
砥石に伝達されることになる.そこで,これらの加工
状態を考慮して次のような仮定をおいて解析を行うこ
M
b
(
0
)
=
a
(
。
"
c
o
s
"
8
+
6
.
s
i
n
l
l
8
)
…
…
…
(
3
)
これらを式(2)に代入すると
とにする.
、
瓦
、
足ニプ
X
Z
図1接線極座標および真円度曲線
図2加工状態にある加工物の
横断面図
図33本砥石の加工モデル
&
(
0
)
=
R
,
R
h
c
。
s
(
%
)
一
蹴
。
s
(
語
×
2
)
‐
凡
c
。
s
(
蓋
×
3
)
…
R
、
語
叶
'
)
}
{
'
+
2
'
『
(
=
笠
'
−
'
}
1
]
)
c
}
。
s
c
g
“
<
'
ル
V
'
i
)
'
)
+6"sin"
各項を展開し,
肌
s
i
n
z
血
F
l
l
z
=
s
加
鶚
,
c
o
s
2
血
ム
ニ
L
'
=
c
。
s
%
.……8.…(21)
式(3)で表されるシリンダ内面の初期真円度曲線を用
2
〃
M
いると,
S
I
(
8
)
M
M
(
'
)
M
(
'
+
%
)
c
。
s
%
一脇('+W"f-……
M
b
(
'
+
f
(
M
'
)
)
"
s
{
器
叶
'
)
}
などの関係を用いて整理すると,
一
{
'
c
(
"
鴇
。
s
語
−
c
・
s
鶚
c
o
s
器
…
…
f,(8)=Z
〃=2
皿
装
也
c
。
s
2
z
驍
二
且}
一COS
.….。……(22)
したがって,Ⅳ回転後の真円度曲線を服Ⅳ(6)とする
と,シリンダ内面の凹凸から砥石lが受ける変位ど"
×(a"cos"β+6"sin"8)・….……………・(25)
したがって,式(24)に式(25)を代入すると,
は式(22)より,
洲
‘
)
=
一
息
(
…
"
8
+
6
"
s
i
n
"
8
)
+
等
急
{
】
今
(
,
)
恥
,
(
0
)
R
"
!
(
,
+
%
)
c
。
s
%
一
服
卿
(
'
+
g
)
c
。
s
f
…
…
2 万 4 万
‐
c
・
魯
鶚
4
c
。
s
%
c
。
s
f
c
。
s
f
…
…
皿登山cos皿篭』}
一COS
‐
恥
,
(
‘
+
器
叶
'
)
)
c
。
s
{
語
叶
'
)
}
×
(
a
"
c
o
s
"
β
+
6
"
s
i
n
"
β
)
‐
..…,……(23)
=一室仏(α風Cos"8+6"sin"8)………(26)
月=2
となることがわかる.一方,式(11)より
ただし,
服
側
(
8
)
=
班
"
,
(
'
)
三
等
帥
(
'
)
…
…
…
…
(
2
4
)
Hh=,--E
LI,-c。s2"宛2汀
S
{
l
c
o
s
瓦c
o
s
W
F
4
語
c
。
s
器
…
…
であることから,式(23),(24)を用いて,砥石が1回
一COS
転するごとに得られる真円度曲線を求めることができ
る
.
狐
鶚
テ
山
c
。
s
2
"
(
%
'
)
}
…
…
(
2
7
)
−COS
1回転後,すなわちⅣ=1のとき,式(22)または式
Ⅳ=2のとき,同様に
(23)に式(3)を代入すると,
一
‐
&(8)=一五仏
同塵2
&(8)=−z(α周COS"β+6,,sin"8)
宛=2
+
急
{
…
"
(
8
+
器
)
+
T
(
'
+
%
)
}
c
。
s
g
+
…
…
÷
急
[
…
"
{
‘
+
皿
篭
二
』
'
}
{
'
c
。
s
f
c
。
s
f
4汀
4万宛
一COS冗一cosM
-…−c。s"Fl
lzc。szzi処二ll
腿 肌
}
×(a"coS,z"+6"sin"8)・……………・…・(28)
より,
拙
く
'
)
=
州
‘
)
等
ら
(
8
)
‐
=−Z用=2
"hz(α"COS"β+6"sin"8)………(29)
以下,同様の手順を繰返してゆくと,最終的に砥石が
Ⅳ回転した後の真円度曲線""(8)は
翼
‐
服
"
(
8
)
=
思
脇
ハ
'
(
α
感
c
o
s
"
8
+
6
"
s
i
n
"
8
)
…
(
3
0
)
ただし,〃"は式(27)
で与えられることになる.
図5札本砥石の加工モデル
式(30)の応用例として,3∼8本の砥石が等間隔に
配置されているホーニングヘッドに適用してみること
にする.
(
1
4
K
)
鯖
星
{
@
6
"
_
2
C
O
S
(
伽
2
)
"
+此厘_2sin(6廓−2)8)
2.3.1肌=3本および肌=4本のとき式
(30)から導かれる結果はさきに得られた式(16)および
式(20)と同じになる.したがって,式(30)の正しいこ
とがわかる.
2.3.2肌=5本のとき式(27)より
脇
−
1
一
等
(
'
2
c
。
。
竿
。
s
警
2
"
s
¥
Z
c
。
S
¥
)
式(30)に代入して整理すると
‐
(
'
+
等
)
卿
皇
{
。
6
"
_
i
c
o
s
(
6
"
@
1
)
0
+此圃_Isin(6銅−1)8}
‐
(
'
−
2
芋
)
卿
急
{
a
s
n
c
o
s
6
D
M
+
A
m
s
i
n
伽
8
}
‐
(
'
+
等
)
卿
袰
!
(
(
z
0
"
、
'
c
o
s
(
伽
+
1
)
8
十此厩.Isin(6"@+1)8}
…………(32)
したがって,6本砥石ホーニングヘッドでは5,7,
服"(8)=
11,13,……の次数の波は次第に成長してゆくことに
‐
(
'
2
0
0
¥
)
卿
急
{
"
…
s
(
伽
3
)
8
+伽-3sin(5碗−3)")
‐
(
'
2
0
0
¥
)
"
≦
,
{
…
。
s
(
5
"
@
2
)
8
+
6
5
m
2
s
i
n
(
5
"
@
2
)
8
}
‐
(
'
+
0
別
等
)
卿
≦
!
{
@
z
s
"
_
,
c
o
s
(
5
"
@
1
)
8
+bsm_Isin(5,"-1)"}
‐
(
'
2
0
0
¥
)
卿
≦
l
{
@
s
m
c
o
s
5
"
8
十島嗣sin5"@8)
(
'
+
Q
5
0
¥
)
卿
堯
,
{
@
z
s
願
.
,
c
o
s
(
5
"
2
+
1
)
6
+bsa+,sin(5m+1)8}…………(31)
なり,これ以外の次数の波は減衰することになる.
2.3.4肌=8本のとき
6尺Ⅳ(8)=
‐
(
'
一
半
)
繍
重
,
{
"
8
"
_
0
C
o
s
(
8
1
1
@
6
)
8
+&n_6sin(8漉一6)8}
‐
(
1
半
)
臓
堯
,
{
[
z
8
"
_
5
c
o
R
8
1
"
5
)
8
+&"_ssin(8m−5)8}
‐
(
'
2
芋
)
"
妻
,
{
@
z
8
"
_
4
c
o
s
(
8
"
@
4
)
8
+6a"_4sin(8"−4)8}
(
'
"
K
)
卿
急
(
α
…
c
・
豊
(
8
"
@
3
)
8
+此鳳-3sin(8郡−3)9}
ところが,
(
'
+
0
5
0
¥
)
>
」
より,('+側等)"はル0で発散することにな
る.したがって,5疵±1の次数の波は加工が進行する
‐
(
'
一
等
丘
)
卿
堯
,
{
Q
o
m
_
2
c
o
s
(
8
"
2
2
)
6
+&"_2sin(8加一2)8}
‐
(
'
十
雫
K
)
卿
袰
,
{
(
z
o
m
_
I
c
o
s
(
8
"
@
1
)
8
+此ロ_Isin(8加一l)8}
とともに増大してゆくことになる.すなわち,5本砥
石ホーニングヘッドでは2,3,5,7,8,11,……
の波を取り除くことはできるが,4,6,9,11,……
の波は逆に増幅されることになる.
(
1
¥
K
)
卿
袰
,
{
@
Z
8
n
C
・
伽
8
+
&
"
s
i
n
8
"
@
8
}
‐
(
,
+
樂
丞
)
卿
菫
,
{
a
s
n
+
,
c
o
s
(
8
"
l
+
1
)
8
2.3.3肌=6本のとき式(27)より
H
h
,
_
¥
(
,
c
。
s
¥
+
c
。
s
¥
z
+
c
。
s
,
,
,
r
)
式(30)に代入して
+此虞.,sin(8w+1)8}
…………(33)
となることから,8本砥石ホーニングヘッドでは7,
9,15,17,……の次数の波が増幅してゆき,他の次数
RN(8)=
の波が減衰してゆくことになる.
(
'
2
芋
)
卿
婁
I
{
(
z
6
"
4
c
o
s
(
伽
4
)
8
+&"_4sin(6醜−4)8)
‐
(
1
2
¥
)
"
曇
,
{
α
…
c
●
s
(
6
"
@
3
)
8
+be"-3sin(6噸−3)8}
以上の結果をまとめると,次のようになる.
3本砥石”=2,4,5,7,……
の減衰が遅い
4本砥石〃=3,5,7,9,……
が加工されずに残る
ダウンロード

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