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2015年9月24日
三井住友アセットマネジメント
シニアストラテジスト 市川 雅浩
市川レポート(No.148)
FOMC後の市場動向
 米金融政策の先行き不透明感は払拭されず、FOMC後の株式市場は総じて軟調に推移。
 為替市場でも新興国通貨などの下落が続き、リスクオンに転じる動きはみられていない。
 日本株や円相場は引き続き米金融政策や中国景気に関する手掛かりを模索する展開に。
米金融政策の先行き不透明感は払拭されず、FOMC後の株式市場は総じて軟調に推移
9月16日、17日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、最近の世界経済と金融市場
の情勢などを踏まえ、利上げの見送りが決定されました。ただ利上げ時期などに関する明確な手掛か
りは得られず、金融政策の不確実性は残ったままとなりました。そこで①9月9日~16日と、②9月
16日~23日のFOMC前後2期間について、主要市場の動きを確認してみます。
はじめに株式市場の動向を検証します。ダウ工業株30種平均は①で+3.0%、②で-2.7%となり
ました。またストックス欧州600指数は①が-0.5%、②が-4.1%、MSCI新興国株価指数は①が
+1.1%、②が-2.4%でした。つまりFOMC前は利上げ見送り期待から株式市場は総じて堅調に推移
していましたが、FOMC後は利上げ見送りとなったものの、先行き不透明感が払拭されず、株式市場
は利益確定の売りに押され軟調に転じたことが分かります。
【図表2:FOMC前後の主要通貨の動き】
【図表1:FOMC前後の主要市場の動き】
(%)
4.0
(%)
6.0
4.0
2.0
2.0
0.0
0.0
-2.0
-2.0
-4.0
-6.0
-4.0
-8.0
-6.0
-10.0
米国株
欧州株
新興国株
①9月9日~16日
コモディティ
世界
ハイイールド債券
世界
リート
ロシア
ルーブル
②9月16日~23日
南ア
ランド
豪ドル
①9月9日~16日
マレーシア
リンギ
トルコ
リラ
日本円
ブラジル
レアル
②9月16日~23日
(注)対米ドルの変化率。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(注) 米国株はダウ工業株30種平均のトータルリターン、欧州株はストックス欧州
600指数のトータルリターン、新興国株はMSCI新興国株価指数の現地通貨建
てトータルリターン、コモディティはCRB指数のプライスリターン、世界ハ
イイールド債券はBofAメリルリンチ世界ハイイールド債券指数の現地通貨建
てトータルリターン、世界リートはS&P世界リート指数の現地通貨建てトー
タルリターン。
(出所) Bloomberg L.P.、S&Pのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
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インドネシア
ルピア
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為替市場でも新興国通貨などの下落が続き、リスクオンに転じる動きはみられていない
次に為替市場を確認します。夏場以降、米国の利上げ観測や中国の景気先行きという2つの不確実
性を背景に、過剰流動性の縮小や天然資源の需要減少などの懸念から、新興国通貨や資源国通貨が大
幅に減価し、相対的に米ドルや日本円が増価する傾向が続いていました。しかしながらFOMC前の①
では、米利上げに関する何らかの手掛かりが得られるのではないかとの期待から、多くの新興国通貨
や資源国通貨は対米ドルや対円で上昇に転じました。
ただ結局、FOMC声明、FOMCメンバーの経済および政策金利の見通し、イエレン議長の記者会見、
いずれによっても金融政策の先行きを明確に見通すことはできず、FOMC後の②において、新興国通
貨や資源国通貨は再び対米ドルや対円で下落基調に戻りました。このように為替市場でも本格的なリ
スクオン(選好)に転じる動きは依然としてみられていません。
日本株や円相場は引き続き米金融政策や中国景気に関する手掛かりを模索する展開に
その他の市場について①と②の動きをみると、CRB指数は+1.6%と-3.3%、世界ハイイールド
債券指数は-0.4%と-0.9%であり、ともにFOMC後は軟調に推移しています。これに対し、世界
リート指数は+2.5%と+1.1%となり、比較的落ち着いています。これはFOMC後の米国を中心とす
る長期金利の低位安定などが材料視されたものと考えられます。
今会合ではFOMCメンバーの大半は年内の利上げが適切とみていることが改めて確認されましたが、
フェデラルファンド(FF)金利先物市場から算出される年内の利上げ確率は41%(9月23日時点)
になっており、米金融当局と市場との対話はあまり上手く機能していないように思われます。そのた
めFOMC後の市場が全般に安定性を欠くのも止むを得ず、日本株や円相場も、リスクオフ(回避)に
傾斜しやすい地合いのなか、引き続き米金融政策や中国景気に関する手掛かりを模索していく展開が
予想されます。
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