多忙な勤労者が運動習慣を獲得、
維持するための職場の環境整備と
その効果について
2008年、肥満学会
産医大のミニ運動施設
産医大学生&職員のレースクラブ
産業医科大学 健康開発科学研究室
大和
浩
健康増進・ヘルスプロモーション総論
1)健康づくりがなぜ必要か
2)健康増進の定義
3)健康増進の施策:
(1) トータル・ヘルスプロモーション・プラン:THP
(2) 健康日本21
(3) 特定健診、特定保健指導
4) 健康増進活動の実践と評価
産業医科大学
健康開発科学研究室
教授 大和
浩
健康増進(Health Promotion)とは
•オタワ憲章(Ottawa charter for health
promotion , 1986)の健康増進の定義
•働く人々のための健康増進
(WHO専門委員会)
オタワ憲章(Ottawa charter for health promotion , 1986)
健康増進(Health Promotion)の定義(1)
★健康増進とは、人々が自分の健康の管理を強化
し、改善することを可能にする過程である。
★完全な肉体的、精神的および社会的well-being
の段階に到達するためには、個人またはグルー
プは願望の対象を確認し実現し、必要とされるも
のを満たし、環境を変え、または環境に対処する
ことが可能でなければならない。
オタワ憲章
健康増進(Health Promotion)の定義(2)
☆健康増進運動は政治的、経済的、社会的、
文化的、環境的、行動科学的、生物学的諸要因
を健康にとってよりよい条件につくり変えていくこ
と (健康を支援する環境づくり)
☆全ての人々が健康を保持増進できる
機会や資源を確保すること
(地域活動の強化・ヘルス・サービス方向転換)
WHO専門委員会:
働く人々のための健康増進(1)
•
健康増進は、疾病の治療のみに留まらず特定のリスクに
対する保護を含む疾病予防、更に最善の健康の促進に至
る一連の連続したものである。
健康増進
治療
疾病
疾病予防
最善の
健康の達成
危険因子の是正
健康
WHO専門委員会:
働く人々のための健康増進(2)
•
最善の健康の達成のなかには、性と年齢に応じた身体的能
力の増進、精神的能力の増進、仕事と生活を取り巻く環境の
変化に対する予備能力や適応力の増強、創造的な仕事や新
たな仕事における個人の業績を新しいレベルへの到達など
が含まれる。
• 健康増進を実施した場合、これらの健康指標は、休業率、仕
事の満足度や仕事の安定性として定量的に評価される。
ヘルスプロモーションとは?
最も望ましい健康を得るためにライフスタイルを変えようと
する人々を支援すること
ライフスタイルを変えるためには、自覚を高めたり、行動
の変容を実施することに加え、健康習慣を支えるための
環境づくりが必要である
健康教育:対象者に対してライフスタイル. 知識,
行動を健康的な方向に向けさせる
行 動
ヘルス
プロモーション
健 康
環 境
ヘルスプロモーション:人を取り巻く環境にも、同時に
働きかけるという点が加味される
1.健康の保持増進が必要な背景
• わが国で健康の保持増進が
必要な背景
• 職域での健康の保持増進が
必要な背景
なぜ健康の保持増進が必要か:
(1)わが国で健康の保持増進が必要な背景
• 身体活動の低下
• 過剰栄養摂取などの新たな栄養問題
• 社会の複雑化に伴うストレス問題
• 高齢社会の問題
など
現代社会と 健康阻害
社
会
的
背
景
社会・職場
の複雑化
生活・労働の機械化・
電化、くるま社会
食糧事情好転
グルメブーム
機
序
精神的緊張の
増 大
運 動 不 足
新たな栄養問題
健
康
阻
害
スト レ ス
蓄積
血圧・ 代謝
異 常
筋力低下
関節異常
エ ネ ルギー
相対的増加
発癌
C a 欠乏
欧米型の食事と
車社会
糖尿病患者総数の増加と関連因子の推移
(万人)
(千kcal)
250
(千万台)
8
10
30
200
糖
尿
病
患
者
総
数
(%)
8
150
6
100
4
エ
ネ
ル
ギ
|
摂
取
量
6
20
10
50
2
0
1950
60
70
80
90
0
2000 年
0
脂
肪
摂
取
比
率
4
2
0
自
動
車
保
有
台
数
なぜ健康の保持増進が必要か:
(2)職域での健康の保持増進が必要な背景
• 定期健康診断における有所見率の上昇
• 労働力の高齢化
• 勤労者の心身の疲労の状況 ・ メンタルヘル
スの問題 など。
%
40
30
20
年別健康診断結果
平成18年度
1位:血中脂質30.8%
2位:肝機能 15.1%
3位:血圧 12.7%
4位:心電図 9.2%
5位:血糖
8.4%
6位:聴力 8.1%
+
喫煙率40〜 60%
47.3
定期健康診断
有所見率(法定項目)
49.9%(H19年度)
じん肺健康診断
10
5.9
特殊健康診断有所見率
4.0
0
S6162 63 H1 2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15
年度
わが国の労働人口の年次推移
万人
万人
8000
8,000
6,384
6,000
6000
6,697
6,487
5,650
労
働
人
4,000
4000
口
< 55 y
2,000
2000
1,534
1,744
(22.9% )
(26.9% )
(16.1% )
(20.2% )
1,980
1980
1,990
1990
2,000
2000
2,010
2010年
912
00
1,292
≧55 y
年
各種体力の加齢による変化
池上晴夫
著
3. わが国の健康増進の施策:
1)シルバーヘルスプラン
2)THP (Total Health Promotion Plan)
3)健康日本21
4)がん対策基本法、特定健診
国民健康づくり対策の変遷
第一次
国民健康づくり対策
(昭和53年〜)
第二次
国民健康づくり対策
(昭和63年〜)
Active 80 Health Plan
第三次
国民健康づくり対策
(平成12年〜)
健康日本21
(基本的考え方)
1. 生涯を通じる健康
づくりの推進
2. 健康づくりの3要
素(栄養・運動・休
養)による健康増進
(基本的考え方)
1.生涯を通じての健康
づくりの 推進
2.栄養・運動・休養の
(基本的考え方)
1.全国民が、健康で
明るく元気に生活
できる社会の実現
2.早世(早死)の減少、
(栄養に重点)
シルバーヘルス
プラン
・
・
中でも運動習慣
の普及に重点
健康寿命の延伸
等を目的とした総合的
な健康づくり
THP: トータルヘルス
平成15年 健康増進法
プロモーションプラン
平成19年 がん対策基本法、THP改正
平成20年 特定健診・特定保健指導
SHPからTHPへ
Silver Health Plan(SHP) (S.54年)
中高年齢者の心身両面にわたる総合的な健康づくり促進
全ての年齢層を対象とした健康保持増進措置の必要性
Total Health Promotion Plan(THP)
労働安全衛生法の一部改正→新しい法の交付(S.63 )
第69条:事業者は労働者に対する健康教育及び健康相談
その他労働者の健康保持増進を図るため必要な措置を
継続的かつ計画的に講ずるよう努めなければならない
2. 労働者は前項の事業者が講ずる措置を利用して、その
健康増進に努めるものとする
事業場における労働者の健康保持増進のための指針
THPとは?
労働者の健康保持増進計画を定め、各職場での健康保
持増進措置の推進体制をつくり、その健康保持増進計
画に基づいて産業医を中枢としたスタッフがそれぞれ
の専門性を生かしつつチームを組んで労働者の健康づ
くりを進める。
スタッフ:産業医、運動指導担当者
運動実践担当者、産業保健指導担当者
産業栄養指導担当者、心理相談担当者
スローガン:心とからだの健康づくり
国の援助: 人材養成研修
助成
THPの実践
1. 事業場自ら単独で健康測定・健康指導を実施
2. サービス機関などによる支援体制
外部の専門機関の支援のもとに労働者の
健康保持増進措置を実施する
a) 労働者健康保持増進指導機関
= 運動指導
b) 労働者健康保持増進サービス機関
= 健康測定 + 健康指導→明日の実習
労 働 者
健康測定 (産業医)
・問診・生活状況調査・診察
・医学的検査・運動機能検査
・指導票の作成
労働者全員
運動指導
・運動指導プロ
グラム作成・運
動の実践指導
=運動処方
保健指導
勤務形態や生活
習慣に配慮した
健康的な生活指
導・教育
特に必要な労働者
心理相談
・メンタルヘルス
ケアの実施
・ストレスに対す
る気付きの援助
・リラクセーショ
ン指導
・快適職場形成
栄養指導
食習慣・食行動の
評価とその改善の
指導
某大企業のTHPルーム
21世紀における国民健康づくり運動
(健康日本21) 趣 旨
個人による健康の実現には、個人の主体的な
健康づくりが支援されることが不可欠である。
健康日本21では、健康寿命の延伸等を実現す
るために、具体的な目標を提げ、健康づくり運動
を総合的かつ効果的に推進し、健康づくりに関
する意識の向上及び取組を促そうとするもので
ある
健康寿命の延伸
平均寿命
日常の生活習慣と健康度や死亡率の
関連について
疾病に寄与する4つの要因とその比率
◆ 不健康な生活習慣・行動様式
50 %
◆ 環境要因
20 %
◆ 人間遺伝学的要因
20 %
◆ ヘルスケア・システムの不適切さ
10 %
第三次国民健康づくり対策(平成12年〜)
21世紀における国民健康づくり運動:健康日本21
●基本的考え方
1. 全ての国民が、健康で明るく元気に生活できる
社会の実現
2. 早世(早死)の減少、健康寿命の延伸等を目的
に、国民の健康づくりを総合的に推進
●基本方針
1. 多様な経路による普及啓発の推進
2. 推進体制の整備、地方計画への支援
3. 各種保健事業の効率的・一体的推進
4. 科学的根拠に基づく事業の推進
健康日本21:身体活動・運動
• ○日常生活における歩数の増加
• 現状値:男性 8,202歩、女性7,282歩
(平成9年度国民栄養調査)
• 目標値:男性9,200歩、女性8,300歩
• 注) 1日当たり平均歩数で1,000歩、歩く
時間で10分、歩行距離で600〜700m程度
の増加に相当
•
(注)1日1万歩の根拠
•
海外の文献から週当たり2000kcal(1日当たり約300kcal)以上のエネルギー消費に相当する身
体活動が推奨されている6)。歩行時のエネルギー消費量を求めるためのアメリカスポーツ医学協
会が提示する式を用いて、体重60kgの者が、時速4km(分速70m)、歩幅70cm、で10分歩く(700m、
1000歩)場合を計算すると、消費エネルギーは30kcalとなる。つまり1日当たり300kcalのエネル
ギー消費は、1万歩に相当する。
健康日本21 :身体活動・運動
• 運動習慣者の増加
• 基準値:
男性28.6%、女性24.6%(平
成9年度国民栄養調査)
• 目標値:
男性39%、 女性35%
•
注) 運動習慣者:1回30分以上の運動
を、週2回以上実施し、1年以上持続してい
る人
健康増進法
「健康日本21」の法制化
基本方針
国民の健康の増進の推進に関する基本的な方向
• 国民の健康の増進の目標
• 健康増進計画及び市町村健康増進計画の策定
• 国民健康・栄養調査その他の調査・研究
• 増進事業実施者間の連携及び協力
第7条 食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、
歯の健康の保持その他の生活習慣に
関する正しい知識の普及
第25条 受動喫煙の防止
健康問題:職場をとりまく情勢
◆
◆
◆
◆
◆
定期健康診断による有所見率の上昇
中・高年労働者に生活習慣病の有病率増加
労働人口構成年齢の高齢化
職場でのストレス
労働が疾病を有する労働者の健康状態を悪化
職場管理、職場環境の形成の必要性
※健康問題→健康の保持・増進
労働者の自助努力
+事業場での健康管理の積極的推進
集団アプローチと高リスクアプローチ
危険因子と疾病の発生数
健康日本21ホームページより
http://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/about/souron/index.html
早世、障害につながる危険因子
生活習慣
危険因子
疾患
結果
タバコ
肥満
がん
アル
コール
高血圧
脳卒中
早世
食事
糖尿病
心疾患
障害
運動
歯周病
自殺
特定健診・特定保健指導:メタボリックシンドロー
ムを標的とした対策が有効と考えられる3つの根拠
第1の根拠
第2の根拠
第3の根拠
肥満者の多くが複数の
危険因子を併せ持っている
危険因子が重なるほど
脳卒中、心疾患を発症
する危険が増大する
生活習慣を変え、内臓脂肪
を減らすことで危険因子の
すべてが改善
高血糖
肥満のみ
糖尿病
高脂血症
高血圧症
肥満のみ
約20%
いずれか1疾患有病
約47%
いずれか2疾患有病
約28%
3疾患すべて有病
約 5%
40
心
疾
患
の
発
症
危
険
度
35.8
30
高血圧
脂質異常
内臓脂肪型肥満
運動習慣の徹底
食生活の改善
20
個々のクスリで、1つの
山だけ削っても、他の疾
患は改善されていない。
5.1 5.8
10
1.0
0
0
1
2
3〜4
危険因子の保有数
内臓脂肪の減少
高血糖、高血圧
脂質異常
がともに改善
厚労省生活習慣病対策室
血管障害を起こしている職員はほとんどがこのような経路を辿っている
厚労省生活習慣病対策室
後期高齢者医療制度支援金の加算・減算
尼崎市の試算
(0~74歳国保加入者数見込み数約15万人)
10%
+5億4千万円
負担の差は
約11億円
10%
-5億4千万円
約54億円
支援金基準額
加算
減算
厚労省生活習慣病対策室
保健指導の具体的な進め方の事例
(武見副大臣)
「武見ができるなら、誰
にでもできる」という気
持ちをお伝えしたいと
思います。
(石田副大臣)
克服した暁には、その
快適感を様々な場で
お伝えしたいと思います。
2006年当時の
ホームページ
厚生労働副大臣のメタボ退治
(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/metabo/index.html)
アセスメント
対面により、腹囲の測定及び対象者自身による生
活習慣の振り返りを行う。
○腹囲の計測○食生活状況の振り返り○運動状況の振り返り
(武見副大臣)
現在
(平成18年11月)体重84Kg
(石田副大臣)
管理栄養士による腹囲測定の様子
腹囲100.5cm
体重88Kg
腹囲101.5cm
モニタリング
生活習慣の改善状況の確認、新たに確立された行動の維持のための支援を行う。
○体重・腹囲の変化を確認
○生活習慣チェックリストを確認
体重は一目盛り 500gです。腹囲は一目盛り 0.5cmです。
開始前(11/13)
の体重
84 Kg
開始前(11/13)
の腹囲
100.5 cm
現在(4/13)
の腹囲
96.6 cm
現在(4/13)
の体重
-5Kg
(目標ライン)
-5cm
12
月
7
日
12
月
15
日
12
月
22
日
12
月
29
日
1
月
4
日
1
月
12
日
1
月
19
日
1
月
26
日
2
月
2
日
2
月
9
日
79.6 Kg
2
月
16
日
2
月
23
日
3
月
2
日
3
月
5
日
3
月
16
日
3
月
23
日
3
月
30
日
4
月
6
日
4
月
13
日
管理栄養士・保健師からのコメント
開始時から、確実に体重と腹囲の数値に成果が現れています。
甘い飲み物や菓子類に関しては、ほぼ毎日目標を達成していますね。今まで間食として食べていた
菓子類をやめ、果物を食べるようになったことで、摂取エネルギー量を減らすことにつながっていま
す。 しっかり食べて、低いエネルギー量にするという工夫が大切ですね。
厚労省生活習慣病対策室
労 働 者
健康測定 (産業医)
・問診・生活状況調査・診察
・医学的検査・運動機能検査
・指導票の作成
労働者全員
運動指導
・運動指導プロ
グラム作成・運
動の実践指導
=運動処方
保健指導
勤務形態や生活
習慣に配慮した
健康的な生活指
導・教育
特に必要な労働者
心理相談
・メンタルヘルス
ケアの実施
・ストレスに対す
る気付きの援助
・リラクセーショ
ン指導
・快適職場形成
栄養指導
食習慣・食行動の
評価とその改善の
指導
漸増運動負荷によるガス交換パラメーターの変化
Key Words
呼気ガス分析
O2、CO2
酸素摂取量
最大酸素摂取量
無酸素作業閾値
50% ・
VO2max強度
健康測定
生活状況調査、医学的検査、運動機能検査を定期的に行う
ことにより、健康状態を継続的に心身両面から把握すること
問
診
1. 既往歴
診
察
1. 診察所見
態
1. 身長
2. 体重
2. 心拍数
形
2. 業務歴
医
循環機能
1. 血圧
学
血
1. ヘモグロビン
液
4. 自覚症状
5. その他
3. 皮下脂肪率 またはBMI
3. 安静時心電図
2. 赤血球数
4. 運動負荷心電図
3. 総コレステロール
4. HDL-C
5. 中性脂肪(空腹時) 6. 血糖(空腹時)又はHbA1C ⑦. 尿酸
的
⑧. クレアチニン又はBUN
検
査
3. 家族歴
呼吸機能
尿
その他
生活状況調査
①. %肺活量
②. 1秒率
①. 糖
②. 蛋白
9. GOT
10. GPT
11. γ -GTP
1. 胸部レントゲン
1. 仕事の内容
5. 運動習慣
2. 通勤方法
6. 食生活
3. 生活リズム
4. 趣味・し好
7. メンタルヘルス 8. 口腔保健
9. その他
運動機能検査
①. 筋力
②. 柔軟性
実習でおこないます
③. 敏捷性
④. 平衡性
⑤. 全身持久力
172
50%仕事率
117W
最大仕事率
234W
VO2max=6.12×最大仕事率(W)×1.8÷体重(kg)+3.5+3.5
=49.8(ml/kg/min)
50%強度の運動負荷=117W、心拍数=115回/分
・
50% VO2max強度トレーニングの特徴
特
徴
危険なほど
上昇しない
血 圧
心筋弛緩
時間
心筋の虚血
起りにくい
一回心
拍出量
心仕事量大
効
果
安 全
V O 2 m ax↑
心肺機能の向上
疲労し難い
長時間持続可
血中乳酸
脂質燃焼量
(/単位時間)
脂質燃焼大
0
50
100
運動強度(%)
ニコニコペース
減 量
脂質代謝改善
(進藤より改変)
心拍数による運動処方
● 運動時心拍数と酸素摂取量 (METs, VO2max)の関係
を示す直線をプロットする。
● 運動時最大心拍数(HRmax)と安静時心拍数(HRrest)の差
(心拍数予備)の%をとる
※心拍数予備の50〜80%≒運動能力(VO2max)の50〜80%
(例)
50%VO2maxの運動強度(HR)=(HRmax-HRrest)x0.5+HRrest
● その他
50%VO2maxの運動強度=138ー(年齢)/2
40歳なら脈拍が
50歳なら脈拍が
60歳なら脈拍が
138 - 20=118回/分、
138 - 25=113回/分、
138 - 30=108回/分の運動に相当
健康へのパスポート事業:運動と食事指導プログラム
栄養:問診:栄養士による個人指導を2回実施。
各個人別に食行動目標の設定、実践の確認。
運動:有酸素運動1回60分間, 週 2-3回、12 週間
(ウォーキング, 自転車エルゴメーター, エアロビクス)
加速度を感知する
歩数計
生活習慣改善指導
北九州市
「健康へのパスポート事業」
運動・食事指導の効果
•血圧の低下
体重の改善
体
重
変
化
•肥満の是正
体重前値(kg)
収縮期血圧の降下
•脂質代謝異常の是正
•心肺持久力の増加
•インスリン抵抗性の改善
•メタボリック症候群の是
正
30
r= -0.396(p<0.0001)
20
10
0
-10
-20
-30 40 60 80 100 120
血
圧
変
化
60
40
20
0
-20
-40
r= -0.501(p<0.0001)
100 120 140 160 180
収縮期血圧前値(mmHg)
生活習慣修正指導による効果
心の健康度の改善・労働生活習慣関連の健康上の問題の改善
仕事上身体活動量がない群(sedentary work group)
0.00
0.50
1.00
1.50
GHQ
2.00
**
+
仕事の満足度
ストレス解消法の有無
***
**
肩こり筋肉痛
**
疲れが残る
眠れない
不安な感じ
神経過敏
ゆううつ
意欲の低下
2.50
**
**
*
**
***
+, p<0.1; *, p<0.05; **, p<0.01; ***, p<0.001
指導前
指導後
3.00
プログラム参加と自己管理
高血圧を伴う肥満者に対する健康指導の効果
運動および食事指導プログラム
食事指導
運動指導
測定項目
指導・検査
食行動調査より目標摂取カロリー設定
各個人別に4ー8項目の食行動目標設定
栄養士による講義、個人指導、料理実習実施
運動機能検査(全身持久力テストなど)
運動処方(AT相当の強度の運動)
トレーニング1回60分、週3回
身体形態、最大酸素摂取量、血行動態、
血液生化学、生活状況・栄養調査
3M
12M
指導実践
経過観察(自己管理)
介入指導の効果と継続:体重と血圧の推移
体重
kg
mmHg
160
100
80
収縮期血圧
86.7
86.7
80.9
80.9
81.3
81.3
60
収 120
縮
期
血
圧 80
144
131
128
40
40
20
0
0
指導前 3ヶ月後
プログラム
指導期間
1年後
自己管理
指導前 3ヶ月後
プログラム
指導期間
1年後
自己管理
介入指導の効果と継続:中性脂肪とHDLコレステロール
中性脂肪
mg/dl
300
mg/dl
80
HDL-Chol
250
HDL
中
性 200
脂
肪 150
170
140
100
105
60
コ
レ 40
ス
テ
ロ
ー
ル 20
56
46
49
50
0
0
指導前 3ヶ月後
プログラム
指導期間
1年後
自己管理
指導前 3ヶ月後
プログラム
指導期間
1年後
自己管理
職場環境改善によるTHP推進
パソコンで
DVDを観ながら
1ヶ月で心肺機能が向上
VO2maxが37.7→ 42.2ml/kg/min
デスクから1分の場所に自転車エルゴメーターがあれば運動
を始める、継続できる人が増えます。パソコンで好きなDVD
を見ながら昼休み、仕事帰りに合計30分のフィットネス!
皆さんも基本講座中は運動習慣を身につける絶好の機会。
職場で行う運動の効果
運動の効果(私の定期健診結果)
運動なし
(7000歩)
20分の歩行を 自転車エルゴ
追加(9000歩) (30分/日)追加
200kcal/日
300kcal
500kcal
自転車エルゴ (30分/日)
& ジョギング(20分)追加
600kcal
最大酸素摂取量
中性脂肪
HDL-C
体脂肪率
体重3キロ減
腹囲3センチ減
特定健診・特定保健指導のための運動指針
身体活動=運動+生活活動
① 身体活動:安静にしている状態より多くのエネルギーを
消費する全ての動きのこと(①=②+③)
② 運動:身体活動のうち、体力の維持・向上を目的として
計画的・意図的に実施するもの
③ 生活活動:身体活動のうち、運動以外ものをいい、
職業活動上のものも含む
厚生労働省 運動所要量・運動指針の策定検討会:健康づくりのための運動指針2006(平成18年)より
あなたはどちらを歩きますか?
混み合う
上りエスカ
レーター
(博多駅)
運動の量の目安を作成
• METsとEx(エクササイズ)
– 「METs」:強さ
– 「METs・時」:量
→
Ex
• 3METsの運動を1時間行った場合
3METs × 1時間 = 3Ex
• 6METsの運動を30分行った場合
6METs x 1/2時間 = 3Ex
エネルギー消費(kcal) = 1.05 × Ex × 体重(kg)
• 健康づくりのための身体活動量
– 週に23Ex以上
そのうち4Ex以上は3METs以上の活発な運動
厚生労働省 運動所要量・運動指針の策定検討会:健康づくりのための運動指針2006(平成18年)より
運動と消費カロリー(体重60kg)
• 博多駅→渡辺通:
速歩13分
• 新橋周辺:
速歩55分
• 自宅→折尾駅:
速歩20分
•
速歩は1歩で0.035Kcal
•
10分=1000歩=35Kcal
1628歩
59kcal
8200歩 280kcal
2400歩 90kcal
• ジョギング12分 1730歩
89kcal(自宅〜大学)
•
ジョグは1歩で0.050kcal
•
10分=1400歩=70 kcal
• ランニングレース 10kmを50分=9000歩で500kcal
•
ランの1歩で0.055kcal
運動による消費カロリー
• 歩行
• VO2(mL/kg/分)= 0.1×スピード+3.5 mL/kg/分
• ランニング
• VO2(mL/kg/分)= 0.2×スピード+3.5 mL/kg/分
1エクササイズの身体活動例
厚生労働省 運動所要量・運動指針の策定検討会:健康づくりのための運動指針2006(平成18年)より
English Page
健康開発科学研究室
Department of Health Development
健康開発科学TOP
運動習慣獲得のための環境的なバリアを解消する研究
結果の概要
新着情報詳細!
スタッフ
V.S.
主な研究課題
関連講義・機関等
関連運営ホームページ
アクセス・その他
関係者専用
快適・健康部門へ
産業生態科学研究所へ
産業医大TOPへ
施設利用群
職場環境改善群
施設利用群も職場環境改善群も
運動実施率に有意差なし、
腹囲の減少も有意差なし。
職場内に小トレーニング室を整備
=運動習慣の獲得に有用。
運動習慣獲得のための心理的なバリアを解消する研究
50%強度
50%
50%
50%
30分連続運動 V.S. 分割運動(10分×3回)
結果の概要
腹囲の減少、最大酸素摂取量の向上において、運動方法の差は認めな
かった。短い運動の蓄積でも健康増進には有効であることが考えられた。
(発表前のデータなので、グラフは割愛しました)
実験1:職場の環境整備群V.S. 自主的に運動施設に通う群
運動しやすい環境の整備
学内体育館の使用頻度の少ない自転車エルゴメーター
を
参加者のオフィスの近くに分散配置
産業医科大学 産業生態科学研究所 健康開発科学研究室
実験2:心理的なバリアを取り除くための実験
30分連続運動V.S.10分×3回の分割運動の比較
対象:某大学男性教職員
19名(47.2±9.8歳)
年齢で層別化し、無作為に2群に割付
連続運動群 9名
1回30分×1日1回
分割運動群 10名
1回10分×1日3回
50%強度
50%
50%
30分
10分
10分
週3日の運動、20週間継続
50%
10分
産業医科大学 産業生態科学研究所 健康開発科学研究室
・
事前の体力測定:50%VO2maxを評価
産業医科大学職員を対象とした運動習慣獲得のため
の環境整備とその効果に関する研究
産業生態科学研究所 東棟、西棟に各1カ所
かつての喫煙室を運動施設に改造。
自転車エルゴメーター3台。DVDを観ながら運動。
実験2:30分連続運動V.S.10分×3回の分割運動の比較
ウエスト周囲径の減少
開始前
10週後
20週後
実験2:30分連続運動V.S.10分×3回の分割運動の比較
最大酸素摂取量
開始前
10週後
20週後
4.
健康増進活動の実践と評価
(1) 健康づくり施策の評価
(2) 健康づくり体制の評価
(3)健康づくりの効果の評価
健康づくりプログラムの要件
(Am.J.Pub. Health,77:89 ,1987)
1 定量可能で、正常化の可能なリスクファクター、
健康やQOLをおびやかす要因を取り扱う。
2 対象とするグループの必要性に応じ、特徴、
好みを生かした方法を考慮する。
3 目標とするリスクファクターを明らかに減少さ
せるような介入方法を含むべきである。
4 利用可能な施設を活用できる方法を実施する。
5 開始時点より実施方法や効果が評価できるよう
組織立て計画、実行すべきである。
労働災害による年齢別死傷者数の割合の推移
(死傷者数:各年度における休業4日以上の労働者)
>19 20-29
30-39
40-49
50-59 60-69
70<
S.49
(335,598)
S.57
(288,740)
H. 3
(196,178)
H. 9
(152,491)
2.8%
17.8%
14.1% 20.9%
26.4%
16.0% 2.0%
(健康測定専門研修テキストより改変)
職場における健康支援プログラムの流れ
第1段階
計画立案
第2段階
プログラムコン
セプトの設定
プロジェクト
支援の獲得
プログラムの
使命と目標の
設定
ニーズ
分析
プログラム
デザインの
作成
第3段階
実施
第4段階
評価
(健康支援学入門より)
事業所規模別THP取り組みの割合
T
H
P
取
り
組
み
事
業
所
の
割
合
・
%
・
60
56.9
50
H.9年度
40
33.1
30
20
14.6
10
0
6.5
5000
以上
4.7
1000~ 300~
100~
50~
4999人 999人
299人
99人
事業所規模(労働者数)
3.0
2.2
30~
49人
10~
29人
中小規模事業場健康づくり事業
(THPステップアッププラン) 平成12年度〜
★経営者健康づくり体験セミナー
事業主がTHPを体験し健康づくりについての理解
を深め、THPの導入・定着をはかることを目的
★職場健康づくり支援サービス
4年間計画でTHPの導入・定着のための支援を行
い、5年目以降自主的に健康づくりを進め、地域
のTHP実施モデル事業場とする
※対象者:企業規模300人以下の事業場
健康課題の整理
◆高齢化
◆生活習慣病
の増加
◆メンタルヘルス
◆早世の増加
◆健康障害
◆休業日数
の増加
◆医療費の増加
◆作業効率
の低下
◆生産性の低下
問題
◆喫煙
◆その他
◆健康づくり
一次予防対策 ◆検診受診率向上
◆事後指導の徹底
生活習慣に関する職域介入の事例
青・壮年者を対象とした生活習慣病予防のための長期介入研究
平成10〜16年度、滋賀医科大学(主任:上島教授)
• 栄養
• 運動
• 喫煙
について、介入6事業場、対照6事業場
を設定。年1回の3分野の専門家訪問によ
る担当者(産業医、看護職、衛生管理者)
の指導をおこなう緩やかな介入研究。
栄養に関する職域介入の事例
青・壮年者を対象とした生活習慣病予防のための長期介入研究
平成10〜16年度、滋賀医科大学(主任:上島教授)
写真食堂の
環境改善
食品見本
Methodological Issues for a Large-Scale
Intervention Trial of Lifestyle Modification:
Interim Assessment of the High-Risk and
Population Strategy for Occupational Health
Promotion (HIPOP-OHP) Study
Okamura T, Ueshima H, et al. Environmental Health and Preventive
Medicine, 9, 137-143, 2004.
栄養、運動、喫煙に関する4年間の介入研究
の3年目時点での自記式アンケートによる評
価。
対照群に比較して、有意にHDLコレステロー
ル上昇、中性脂肪低下、喫煙率減少。
栄養に関する職域介入の事例
青・壮年者を対象とした生活習慣病予防のための長期介入研究
平成10〜16年度、滋賀医科大学(主任:上島教授)
写真食堂の
環境改善
ポップ
メニュー
一滴
しょう油差し
4.健康増進活動の実践と評価
(1) 健康づくり施策の評価
(2) 健康づくり体制の評価
(3)健康づくりの効果の評価
健康づくり事業の費用・便益性
(Grana J.1985)
費
用
便益性
人件費:給与・手当・コンサルタン 休業補償の減少
ト委託料など
(臨時雇用の減少も含む)
経費:消耗品・通信費・旅費
仕事の安定性(転職の減少)
運営費:施設費・管理費
休業の減少
設備費
医療費の減少
参加者が職場から離れる時間
生産性の向上
費用・便益性について
企
(Kaman RL, Patton RW.)
業
便益/費用比
Kennecott Copper
5.78
Metropolitan Life Smoke Cessation
3.15
Equitable Life
5.52
BC/BS of Indiana
2.51
Alief ISD (Houston/SWR/IPM)
2.15
Mess Petroleum Company
1982
1983
0. 76
1.07
1983
Prudent
1.91
HEB ISD
1.41
Motolora
3.00
長期休業日数の増加の抑制
x1,000
(57,670)
60
S.50 - 56年度を回帰
50
休
業 40
日
数 30
(22,639)
20
健康づくり施策スタート
S.50 52 54 56 58 60 62 H.1 3
年度
5
7
9
(澤田亨:2001)
生産性向上にいたる経路
(Reidel, JE, 2001)
介入
効果
疾病予防
健康増進
休業減少
疾病管理
業績・創造性・意欲の改善
環境管理
(健康・安全)
事故減少・費用節減
健全な企業風土
医療費節減
生産性の向上
経費削減
健康増進の目指すところ
•
•
•
•
生活習慣病危険因子の是正
生活習慣病の予防
Fitness・体力の向上
最善の健康の達成
⇩
• QOLの向上
• Quality Of Working Lifeの向上
• 作業適応能力・生産性の向上
健康増進の考え方
健康増進
疾病
治療
疾病予防
危険因子
の是正
最善の
健康の達成
健康
Work ability
の向上
健康課題の目標と効果の評価
効果の評価
目標
最終目標
への到達
数値目標の
達成
ライフスタイル修正
への取り組み
早世の減少
医療費の減少
生活習慣病有病率の減少
労働災害発生件数の減少
労働損失日数の減少
生活習慣病の減少
喫煙率の減少
メンタルヘルス
栄養・食生活
運動・身体活動
休養
最終的効果
直接的効果
健診受診率向上
健康増進事業へ
の参加者増加
健康の保持増進活動
1)健康づくりがなぜ必要か
お願い
2)健康増進の定義
THPの実習はTシャツ、
3)健康増進の施策:
トレパンなど動きや
すい服装で。汗ふき
(1) 健康日本21
のタオル・ハンカチ
(2) THP
も必要です。
4) 健康増進活動の実践と評価
各グループ2、3名の被験者をお願いします。
喫煙対策のホームページ
http://www.tobacco-control.jp/
「受動喫煙対策」で検索
定期健康診断実施結果
H.10
50
42.2
36.5
48.4
38.0
( )
有 40
所
見 30
率
%
20
45.6
10
0
1000人
以上
300〜
999人
100〜
299人
50〜
99人
事業所規模(労働者数)
1〜
49人
一人当たりの医療費の増加抑制
12万円
(105,735)
10万円
医
療
費
S.50 - 58年度を回帰
8万円
(79,236))
6万円
4万円
ヘルスチェック
スタート
健康づくり施策スタート
2万円
S.50 52
54
56
58
60
62
H.1 3
5
7
9 年度
(澤田亨:2001)
循環器管理者の増加抑制
1,700
(1,723)
循 1,500
環
器
管 1,300
理
者 1,100
数
人
900
S.50-56年度を回帰
(1,164)
( )
健康づくり施策スタート
700
S.50
52
54
56
58
60
62 H.1
3 年度
(澤田亨:2001)
年齢区分別人口構成比率の推移
生活習慣病と労働生活習慣病(作業関連疾患)
生活習慣病
労働生活習慣病
個人責任
企業(事業者)責任
個人の生き方
個人生活のあり方
労働のあり方
労働生活のあり方
事業所への介入
労働生活への介入
保健指導、健康教育
就業上の措置
疲労/ストレス対策
健康管理義務
企業活力/生産性の向上
リスクマネージメント
個人生活への介入
保健指導、健康教育
福利厚生サービス
(埋忠:職域保健ニーズの多様化と対応策より改変)
健康リスク・健康寿命・健康投資(2)
健康投資:
健康⇒資本
加齢⇒健康資本の消耗⇒保健医療支出の増加要因
保健医療支出⇒投資
医療技術・公衆衛生の進歩
⇒保健医療支出の減少要因
健康資質の向上
健康増進
健康資本の強化
健康リスク・健康寿命・健康投資 (1)
健康リスク
●生活習慣病:生活習慣(食事、運動、休養、喫
煙、飲酒等)が、その発症、進行に関与する疾患
群
●作業関連疾患(WHO専門委員会):
作業に関連した要因が疾患の発症、増悪に関
与する要因の一つとして考えられる疾患の総称
健康寿命: 生活の質(QOL)
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基本講座4月の分 - わが国の今後の喫煙対策と受動喫煙対策の方向性と