さて、生徒から質問を以下の受けたのでその解答。一応三通りの解法を紹介しよう。
x t = t−sin t
0≤t≤2π  を曲線 C 1 とする 。
y t  = 1−cos t
また 、 C 1 をx軸に関して対称移動した図形をC 2 とし、 C 1 とC 2 を合わせた図形をCとする 。
さて 、 その曲線C上の任意の点Pにおける長さ r の法線PQ  点Qは閉曲線Cの外側にある
をとる 。
そこで点Pがこの曲線C上を移動するとき 、 点Qの描く図形をFとする 。以下の図参照 
〚問題 〛このとき曲線FとCの間にある帯の面積を求めよ 。
サイクロイド曲線の一部 、すなわち
【解法1】 なお、(-r , 0) (2π+r, 0) ではグラフは滑らかに繋がっている。
図形Fの式を求め、腕力で解決する方法。x 軸の上半分を求めればいいであろう。
t
t
t
P  x t  , y t から、 
PA=dx t , dy t=dt ×1−cos t , sin t = 2sin  ×sin  , cos 
2
2
2

また ∣PQ∣=r から
t
t

PQ=r×−cos   , sin  
2
2
が分かるので 、三角関数の倍角 、 半角の公式を使う Q X t , Y tとすれば
t
t
X t = −rcos  x t  = −rcos t−sint  ⋯ ①
2
2
t
t
Y t  = rsin  y t = rsin  1−cos t
⋯ ②
0≤t ≤2π
2
2
図形Fとx軸で囲まれた上半分の面積をS、C とx軸で囲まれた上半分の面積をS’とする。すると求める面
積の半分は、S-S’ である。
S =
2πr
∫−r
r2
{
∫0 2
2
2π r
= ∫0 {
2
=
2π
dx t
t
r
t
{rsin  y t }×{ sin  
} dt
2
2
2
dt
dx t
t
t dx t r
t
sin 2  rsin 
 y tsin   y t
}dt
2
2 dt
2
2
dt
t
t
r
t
sin 2  rsin 1−cos t  1−cos t sin  }dt  S '
2
2
2
2
Y t dX t  =
2π
∫0
2π
ただし S ' =∫0 y t 
dx t 
dt
さて 、
2π r 2
2π r 2
r2
r2
π
2 t
a  = ∫0
sin   dt = ∫0
1−cos t dt = ∫0 {  cos t}dt = r 2
2
2
4
4 4
2
2π
2π 3r
t
r
t
t
t
b = ∫0 {rsin 1−cos t 1−cos tsin  }dt = ∫0
sin 2−2cos 2   dt
2
2
2
2
2
2
t
= u とおいて dt = 2du から
2
π
π
−cos 3 u π
2
b = 6r ∫0 sin u du−6r ∫0 cos u sin u du = 6r×2−6r [
] = 12r −4r = 8r
3
0
よって
π
a   b = S − S ' = 8 r  r 2
2
以上から求める答えは 、 上記の2倍であるので
16 r  πr 2
である 。
2π
【解法2】 台形近似から帯の面積を出す。
微小台形 PABQ の面積dsから求めてみよう。 X, Y, x, y は解法1と同じ
2
2
2
2
2
2
2
2
2 t
2
PA = dl = dx  dy  = {1−cos t  sin t}dt  = 21−cos t dt = 4sin  dt
2
t
PA = dl = 2 sin  dt
⋯ ③
2
2
2
r
t
r
t
2
2
2
2
2
QB = dL = dX  dY  = { sin 1−cos t }  dt { cos  sint } dt 2
2
2
2
2
r
t 2
= ⋯ = { 2sin  } dt 2
2
2
r
t
QA = dL = {  2 sin }dt ⋯ ④
2
2
③, ④より
1
r2
t
台形PABQ = ds =  dlDL×r = { 2 r sin  }dt ⋯ ⑤
2
4
2
よって求める帯の上半分の面積は、⑤より
2π r 2
t
r2
t 2π
π
∫0 { 4 2 r sin 2 }dt = [ 4 t−4 r cos  2 ] = 2 r 2  8 r である。
0
2
よって求める面積は、上の倍であるので πr  16 r となる。
【解法3】 多分もっともスマートな解法
明らかに、図形Fは、半径rの円の中心Qが滑らずにC上の上を転がってできる図形である。この帯状の面
積は、先日の記事にあるように
曲線Cの長さ×r  π r 2
であった。
ここで曲線Cの長さを求めよう。x軸の上半分の長さLは
t
2
2
dl =  dx   dy = 2sin   dt であったので
2
2π
π
t
L = ∫0 2sin   dt = 4∫0 sint dt = 8 よって曲線Cの長さは16なので、求める答えは
2
2
16 r  πr
となる。
<追伸>
多分出題者は、解法2と解法3を指摘したいのであろう。解法1はいかにも愚直な解法。実はすぐに思い
ついたのは解法1。で、答えからすぐに解法2に気が付いた。現在の高校生は初等幾何の事実について
あまり学ぶ機会がないので、こういう解法3のようなスマートな解法は新鮮に映るかもしれない。
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r = ∫0 = ∫0