「折戸の物理」
授業プリント
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NO.35
177.(波の屈折と見かけの水深)
図のように水中で水深 h の点 A に物体が置かれている。
この物体を空気中から見た場合の見かけの位置について
考える。水の屈折率を n,空気の屈折率を 1 とする。A の真
上の水面上の点を B とする。また,A から出て水面上の C
空気
B
水面
で屈折した光が眼 D で見えるものとする。C での水面への
入射角 θ1,屈折角 θ2 とする。
(1)θ1,θ2,n の間に成り立つ式を求めよ。
θ2
D
C
θ1
h'
水
h
E
(2)眼からは,C で光が直進したとして,図の水深 h’の点 E
に物体があるように見える。θ1,θ2,h,h’の間に成り立つ
A
関係式を求めよ。
(3)真上近くから見るとすると θ1,θ2 は十分に小さいとしてよい。θ が十分に小さいとき成り立
つ近似 sin θ ≒ tan θ を用いて,(1),(2)の結果より h’を n,h で表せ。
(4)A から出た光の C での入射角を大きくすると,全反射する。臨界角 θC とし sinθC 求めよ。
(5)n = 1.33 とし,臨界角 θC を,三角関数の表を用いて求めよ。
⇒教:P.178 練習 9 P.197 演習 1 セ:P.175 プロセス 3,基例 1,問題 320
178.(全反射,屈折)
図 1 に示すように,光ファイバーは細い円柱状の透明媒質 1
媒質2
の周囲を,屈折率の異なる透明媒質 2 で包み込んだものである。
媒
質
空気中から媒質 1 の端面に入射した光は,2 種類の透明媒質の
1
境界面を,全反射しながら進み,長い距離を伝わることが出来
図 1
る。
図 2 に断面を示す。光ファイバーの端面の A に入射した光が,
媒質2
透明媒質 2 との境界面の点 B で全反射している。透明媒質 1,
2 の屈折率をそれぞれ n1,n2,空気の屈折率を 1 とする。ただし,
1 < n2 < n1 である。
(1)光が B で全反射するための,B での入射角 θ1 の条件を求め
よ。
(2)A での入射角 θ0 と θ1 の関係を n1,n2 で表せ。
θ1
A
θ0
媒質1
媒質2
図 2
(3)光が B で全反射するための,θ0 の条件を求めよ。
⇒教:P.178 練習 10 セ:問題 304,318,328
179.(レンズによる写像)
以下の(1)~(4)の場合について、
①像のできる位置 ②実像か虚像か ③正立か倒立か ④像の大きさ
を、写像公式と、作図の両方により求めよ。
B
(1)焦点距離 12cm の凸レンズから 18cm の位置に、高さ 4cm の物体
(2)焦点距離 20cm の凸レンズから 12cm の位置に、高さ 4cm の物体
(3)焦点距離 18cm の凹レンズから 36cm の位置に、高さ 6cm の物体
(4)焦点距離 30cm の凹レンズから 20cm の位置に、高さ 10cm の物体
(1)
(2)
F
F
F
(3)
F
(4)
F
F
F
F
方眼の1目盛りを2cmとする
⇒教:P.183 問 12,13,練習 11,12,問 14,例題 4
セ:P.175 プロセス 5,6,7 基例 2 問題 307,308,309,310,311
180.(組み合わせレンズ)
図のように、2枚のレンズ 1,2 を光軸を一致させて並べる。レンズ 1,2 の焦点距離はそれ
ぞれ、50cm,20cm であり、2枚のレンズの間隔は 90cm である。図の F1、F2 はそれぞれレ
ンズ 1,2 の焦点である。レンズ 1 の前方(図の左)75cm のところに、高さ 10cm の物体 A を
置く。以下の問に答えよ。
(1)レンズ1、2によってできる物体 A の像の位置、大きさを作図により求めよ。また、実像か
虚像か、正立か倒立かを求めよ。なお、図の方眼の一目盛りは 5cm である。
(2)(1)の結果を、写像公式を用いて求めよ。
90cm
物体A
F2
F1
F1
レンズ1
⇒セ:発例 1 問題 319
F2
レンズ2
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NO.35 解答 1
177.(解説)水中にある物体から出た光は,水面で屈折するので,本来の位置からずれて見
える。
人間の目は,物体からの光を両目で捉えることにより距離を観測している。水中の
物体を真上から観測するときは,両目の中点が物体の真上にあるので,左右の目
は真上からわずかにずれた位置にある。
屈折率が大きい媒質から,小さい媒質に光が入射する場合(この問題のように
水から空気に入射する場合),入射角がある角 θc になると,計算上,屈折角が
90°となるが,この場合,屈折光はなく,全ての光が反射することになる。これを
全反射という。θc を臨界角といい入射角が臨界角以上で光は全反射する。
sin q1 1
(1)屈折の法則より
…① …(答)
=
sin q 2 n
(2)∠BAC = θ1,∠BEC = θ2 である。△ABC と△EBC で辺 BC が共通なので
h' tan q1
BC = h tan q1 = h' tan q 2
∴
=
…② …(答)
h tan q 2
(3) sin q1 ≒ tan q1 , sin q 2 ≒ tan q 2 として,①,②式より
h' tan q1
sin q1 1
h
≒
∴ h' =
…(答)
=
=
h tan q 2 sin q 2 n
n
(4)屈折角が計算上 90°になるときと考えればよいので,屈折の法則より
1
sin q c
1
=
∴ sin q c =
…(答)
n
sin 90° n
1
sin q c =
= 0.7518
(5)n を代入して
1.33
三角関数の表より sin 48° = 0.7431 , sin 49° = 0.7547 であるので,この間の正弦関数を
直線と見なして
0.7518 - 0.7431
q c ≒ 48 +
= 48.75 ≒ 48.8°
…(答)
0.7547 - 0.7431
178.(解説)光ファイバーは,2 種類の屈折率の異なる透明媒質を組み合わせて作られてい
る。中心部をコア,周囲を包む媒質をクラッドという。屈折率はコアを作る媒質の
方が大きい。
端部にある角以下でコアに入射した光が、コアとクラッドの境界で全反射をしな
がら進む。反射の際の減衰がないので,光は長い距離を伝わることができる。
(1)B での屈折角が計算上 90°となるような入射角 θ1 が,臨界角となる。屈折の法則より
sin q1
n
n
∴ sin q1 = 2
= 2
sin 90° n1
n1
n
入射角がこれ以上のとき全反射するので,条件は
…① …(答)
sin q1 ≧ 2
n1
(2)A での媒質 1 の屈折角は 90 ゚-θ1 であるので,屈折の法則より
sin q 0
sin q 0
n
= n1
= 1
∴
…② …(答)
sin (90° - q1 ) 1
cos q1
(3)②式を利用して
sin q1 = 1 - cos 2 q1 = 1 -
sin 2 q 0
n12
これを①式に代入して
sin q1 = 1 -
sin 2 q0
n
≧ 2
2
n1
n1
∴ sin q 0 ≦ n12 - n22
…(答)
178.(解説)レンズの問題は基本的には、写像公式を使って解く。
レンズの焦点距離を f、レンズから物体までの距離を a、レンズから像までの距
離を b とすると、以下の関係がある。これを写像公式という。
1 1 1
+ =
a b f
また、物体と像の大きさの比を,物体の倍率 m とすると、
b
m=
a
である。
f、a、b は、以下の表のように正負の値をとる。
正
負
f
凸レンズ
凹レンズ
b
実像
虚像
b
物体と逆向き(倒立像)
物体と同じ向き(正立像)
a
a
(虚物体)
実物体
※虚物体については、180.を参考にしてください。
また、写像公式で計算するだけでなく。図も描き、実際の光線の様子も理解する
ようにしましょう。
1 1 1
(1)
+ =
より、 b = 36 ①レンズの後方 36cm ② 実像 ③ 倒立
18 b 12
36
= 2 ゆえに物体の大きさは、 2 ´ 4 = 8cm
④ 倍率 m =
18
(2) 以下、(1)と同様に解く。 b = -30
①レンズの前方 30cm ② 虚像 ③ 正立
- 30 5
5
=
ゆえに物体の大きさは、 4 ´ = 10cm
④ 倍率 m =
2
12
2
(3)凹レンズでは、焦点距離を負とする。f = -18cm である。以下、同様に写像公式で解
く。
b = -12
①レンズの後方 12cm ② 虚像 ③ 正立
1
- 12 1
= 2 cm
=
ゆえに物体の大きさは、 6 ´
3
36
3
(4) b = -12 ①レンズの後方 12cm ② 虚像 ③ 正立
3
- 12 3
④ 倍率 m =
=
ゆえに物体の大きさは、 10 ´ = 6cm
5
20
5
④ 倍率 m =
「折戸の物理」
NO.35 解答 2
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(2)
(1)
F
F
F
(3)
F
(4)
F
F
F
F
180.(解説) 組み合わせレンズの場合、初めのレンズによる“像”を、次のレンズに対する“物
体”と考えて、順に計算、あるいは作図していく。
像の手前に次のレンズがある場合は、“虚物体”という考え方で、写像公式の a を
負として計算する。
(作図)
まず、レンズ 1 しかないものとして考える。下図で、物体から出た光①~③は、レンズ 2 が
無ければ、A の位置に像を結ぶ。(実際にはレンズ 2 で曲げられるので、レンズ 2 より後ろ側
では、点線で表現している。)
物体から出た光は、①~③以外も、レンズ 1 を通過した後、A の位置に向かう。このうちレ
ンズ 2 の中心を通る光④は、レンズ 2 を通過しても曲がらない。
①の光は、光軸に平行であるので、レンズ 2 を通過後、焦点 F2 へ向かう。
ゆえに、①、④の交点が求まる。B の位置に像ができることになる。
④
F1
③
②
F2
B
F1
①
レンズ1
レンズ2
F2
A
(計算)まずレンズ 1 による像の位置を求める。写像公式より、
1 1
1
+ =
∴ b1 = 150
75 b1 50
レンズ 1 の後方 150cm の位置である。ゆえに、レンズ 2 には、後方 60cm の位置に向か
う光が入ることになる。
このようなとき、レンズ 2 対して写像公式を使う際、レンズから物体までの距離を負の値
a2 = -60 とし、この物体を虚物体とよぶことにする。写像公式より、
1
1
1
+ =
∴ b2 = 15
60 b2 20
ゆえに、レンズ 2 の後方 15cm の位置に、倒立の実像ができる。
また、2 枚合わせた倍率を m とすると、
150 15
1
b b
´
=
m= 1´ 2 =
75 - 60 2
a1 a2
ゆえに像の大きさは、
1
10 ´ = 5cm
2
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