クローズアップ
特定非営利活動法人
こども環境活動支援協会 理事 小川 雅由
「環境学習都市・にしのみや」における
国際交流・国際協力
はじめに
境を国際交流の旗印に!」
を合言葉に事業が展開され
当協会は、1998年に西宮市役所が呼びかけ人とな
ました。こうしたことから、
り、市民・事業者・行政のパートナーシップで次代を
活動への参加者を海外から
担う子どもたちの環境活動を支援することを目的に設
も募集するため、市民ボラ
立され、2002年にNPO法人の認証を取得していま
ンティアが活動の手引きや
す。活動の柱は次の4点です。
プログラムを英訳し、海外
・西宮市における持続可能な社会システムの構築に関
にも情報発信し、1年間の活動のまとめとして実施さ
する取り組み
・自然体験活動の推進および自然環境保全に関する取
り組み
・企業・事業者と連携した環境学習および環境保全活
動に関する取り組み
・世界の子どもたちの環境活動交流および国際協力に
関する取り組み
西宮市におけるこれまでの取り組み
EWC環境パネル展 2013年
度には海外作品6か国921点が
出展されました。
れる「環境パネル展」への作品出展の要請も毎年、海
外にも行っています。
(3)1998年からエコカード活動などが始まり、
2003年に環境学習都市を宣言
このEWC事業は、現在も継続されており、西宮市に
おける環境学習システムとして地域に定着しています。
1998年度からは、全小学生を対象としたエコカード
活動を当協会との共同開発で実施しており、以降、幼
児や中学生以上の市民を対象とした事業も拡充されて
(1)地球ウォッチングクラブ(EWC)事業から始まる
います。西宮市では、これらの環境学習活動を基盤に
当協会が発足する以前の1992年に、兵庫県西宮市
持続可能な地域づくりを進めていこうと、2003年に
で環境学習活動として始まったわが町ウォッチング事
全国で初めて「環境学習都市宣言」を行っています。
業(愛称:「2001年・地球ウォッチングクラブ・に
この都市宣言を行うにあたり、当協会が橋渡し役と
しのみや(略称:EWC)」)において、環境学習を通じ
なって米国バーモント州バーリントン市と「環境学習
た国際交流が始まりました。
「地球ウォッチング」とは、
と持続可能な地域づくりに向けた共同声明」を行い、
地域とくらしを振り返る活動で、目標年次を2001年
2014年には同宣言の10周年を記念し、両市長によ
に定めて10年間の継続的な活動を目指していました。
る第2次の共同声明も発信されました。
(2)環境を国際交流の旗印に!
この活動を世界中で行うことができれば地球環境問
題も解決の方向へ向かうのではと、最後に「にしのみ
世界の子どもたちの環境活動交流
および国際協力に関する取り組み
や」という地域名を入れてあります。自分たちの暮ら
当協会では1998年の発足以来、西宮市で行われて
している地域での責任を果たすことが重要であり、
「環
きた国際交流事業とも連携しながら、現在では、以下
42 自治体国際化フォーラム Jul.2014
特定非営利活動法人こども環境活動支援協会(LEAF)
TEL 0798-69-1185 FAX 0798-69-1186
〒662-0832 兵庫県西宮市甲風園1丁目8-1 ゆとり生活館アミ1F E-mail [email protected]
URL http://leaf.or.jp
の事業を実施しています。
や廃棄物をリサイクルする企業もないことから、生活
(1)世界の子どもたちの環境活動交流事業の実施
①西 宮市EWC環境パネル展への作品出展依頼(依
頼先:50か国)
用品を輸入に頼り使い終わると捨てるしかないという
状況が生じており、国土が狭隘で標高もない環礁国で
は廃棄物の最終処分は海岸近くの平地に野積している
②ホームページ「地球キッズ環境ネットワーク」の
状態となっています。比較的土地のあるホニアラ市で
情報更新 http://www.chikyu-kids.net/
も、同様の問題点を抱えており、慢性的な財政難から
(2)米国バーモント州バーリントン市(西宮市の環
ごみ収集車両も少なく、住民数や世帯数の把握もなさ
境交流都市)との環境活動交流
①西 宮市EWC環境パネル展への作品出展や子ども
れていないことから家庭ごみの収集運搬が計画的に実
施できておらず、資源物の分別回収も行えていない現
状となっています。
たちの活動交流の促進
②シェルバーンファーム(バーモント州の環境教育
団体)が行う食農教育に関する活動の紹介
③バーモント大学アジア研究アウトリーチプログラ
当協会では、これらの課題解決に向けたプロジェク
ト提案をJICA(草の根技術協力事業)に行い採択さ
れ、2014年度より同プロジェクトを実施することと
なりました。プロジェクト名は、「New3Rの理念を踏
ム受講教員の受け入れ
(3)独立行政法人国際協力機構(JICA)からの各種
まえた官民協働による家庭ごみの分別収集システム構
事業受託などを通じた国際協力事業の実施
築プロジェクト」で、市民・事業者・行政が一体となっ
た「ホニアラ市官民協働会議」を設置し、New3R(リ
①J ICA関西主催集団研
修(大洋州、アジア、
デュース、リユース、リサイクル+リターン)を意識
中南米)などの企画運
した「家庭ごみ
営(廃棄物)
の分別収集シス
テム」を確立す
②J ICA大洋州廃棄物管
理改善支援プロジェク
西宮市内のごみ回収現場を見学
ト国内支援委員会への委員派遣
③J ICAチリ国フォローアップ事業で現地派遣(環
境教育と防災教育)
ることを通じて
ごみの削減や資
源物を有効活用
に向けた体制を
大洋州地域における廃棄物課題解決に向けた
考え方
④J ICA草の根技術協力事業(パートナー型)の実施
整備することを
プロジェクト名:
「New3R(リデュース、リユー
目的としています。
ス、リサイクル+リターン)の理念を踏まえた官
実施期間は、2014年4月1日から2017年3月
民協働による家庭ごみの分別収集システム構築プ
31日までの3年間ですが、本年4月3日に同地域を
ロジェクト」を2014年度からソロモン諸島ホニ
襲った集中豪雨により過去最悪の洪水被害に見舞わ
アラ市で開始
れ、4月14日から予定していました草の根事業実施
(4)神戸女学院大学大学院インターン生(アジア4か
国、5人)の受け入れ
に向けた現地訪問を実施することができず、現地での
活動開始時期についてJICAと協議しています。
「地域からESDを推進する女性環境リーダー」育成
同地域では、市民約7万人の内の半数以上が被災し、
プログラム(文部科学省科学技術調整費「戦略的環境
1万人以上が避難所での生活を余儀なくされており、
リーダー育成拠点形成」事業)、2010年度~2014
飲料水や衣服、毛布などが不足しているとの情報が伝
年度、4期
えられています。日本政府は既に緊急支援を決定し、
ソロモン諸島ホニアラ市でのJICA草の
根技術協力事業(パートナー型)の実施
飲料水などを供給する支援を始めていますが、当協会
でも何らかの支援を実施すべく関係者と協議を行って
います。
以上
大洋州の多くの島国では、生活用品を製造する企業
自治体国際化フォーラム Jul.2014 43
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