Ⅲ
世界市場を獲得する環境・エネルギープロジェクト
新エネルギー産業の世界市場を獲得していくためには、EVや自立型自動走行車等の次世代自動車やエネ
ルギーシステム産業の育成・推進が必要不可欠である。
そのため、国が規制・制度改革を集中して実施し、次世代自動車の革新的な技術開発やエネルギーインフラの整
備促進に取り組む必要がある。
《テーマ》
《提案事業》
次世代自動車のコストダウン・
革新的な技術開発の促進
《具体的なプロジェクト》
①EVスポーツカーなどの開発・製造
環境の整備
②自律型走行自動車の展開
新エネルギー分野の世界市場獲
得のため、規制・制度改革を集中
的に進め、革新的な技術開発とイ
ンフラ整備を加速させる。
エネルギー消費効率を飛躍的
に高めるエネルギーマネージ
③鉄道網を活用した都市とエネルギー
システムの一体開発
システムの構築
本格的な水素社会の実現に向
けた水素関連アプリケーション
の実用化
④関西国際空港スマート愛ランド構想
「水素グリッドプロジェクト」
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①EVスポーツカーなどの開発・製造環境の整備(少量生産車の認証簡素化など)
〔提案内容、ニーズの背景〕
○EVは部品数が少なく構造や組み立てがシンプルであり、ガソリン車に比べ、中小企業の参入が容易な分野。大阪府においても、大阪産EV
の開発を促進するため、中小企業による技術開発を支援し、これまで三輪電気自動車などの試作が進められている。
○京都大学発ベンチャーのグリーンロードモータース社は、EVスポーツカーメーカーとして、平成25年4月に「トミーカイラZZ」の販売を開
始した。EVの特徴はガソリン車と比べものにならない発進時の加速感や、車体の軽量化によるハンドリングの良さなど、クールに自動車を
楽しむことができる性能を有している。(トミーカイラZZはわずか3.9秒で時速100Kmに到達)
○今後、新たなEVスポーツカーなどの開発に向け、更なる性能向上や、コストダウンを進めるためには、少量生産車の認証簡素化や登録台数
の緩和など、開発・製造環境の整備が不可欠。
○こうした課題をクリアすることで高性能・安全・安価なEVの製品化と普及を加速し、多様な技術を有する中小企業の参入の可能性を広げる。
〔事業実施主体〕グリーンロードモータース㈱(GLM社)、EVメーカー、自動車部品メーカー等
必要な規制緩和等
★少量生産車の認証簡素化(道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第2節)
⇒既に自動車メーカーによって型式認定を受けている車両に装着されている
部品を使用する場合の認証を簡素化し、早期の製品化を推進。
(ドア開閉機構(ヒンジ・ロック)、ステアリングシャフト等)
★少量生産車登録台数の緩和(改造自動車等の取り扱いについて(国土交通省))
⇒登録台数の数量緩和(現状100台→500台)により、量産を可能とするこ
とで、製造コストの低減=販売価格の低減を図る。
★試験走行(一般公道走行)用ナンバー取得制度の創設(道路運送車両法第35条)
⇒車の基本性能である曲がる・止まる、乗員保護に関する試験等により基準
への適合が確認された車両についてのみ、試験走行用仮ナンバーの発行を
認め、公道での試験を実施。
事業効果
実施エリア(大阪市夢洲・咲洲・舞洲地区)
実施エリア
EVスポーツカー「トミーカイラZZ」
EV産業への参入を促進することで、高性能・安全・安価なEVを販売。新
車販売に占める次世代自動車の割合増を図り、「クリーン・経済的なエネル
ギー需給の実現」に貢献。
*GLM1社目安 500台×800万円=40億円以上の事業規模が見込める。
*全国のEV普及台数が増加〔33,000台(24年度末)⇒33,500台、1.5%up〕
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②自律型走行自動車の展開
■提案する意義
○日本では自動走行に関して、主に高速道路の走行を念頭に、先頭車両を追従する車間協調や道路に設置したセンサーに従う路車間協調方式の技術開発が
進められている。
○一方、国内外の多くの車両メーカー等は、アメリカを中心に自律走行型による自動走行の実証実験を、すでに公道を活用して進めており、現地では、関連する研
究開発機能が集積しつつある。
○自動車の自律型走行技術は、人の運転による安全性の向上をアシストすると共に、道路の効率的活用を図る今後の自動車自体や車利用サービスの付加価値
を高めるには、不可欠な技術である。
○自律走行型による自動運転の実証を様々な交通状況に応じた日本・大阪の公道を用いて実施することにより、海外をしのぐ自動運転技術の開発が進み、日本
が、国内外の関連企業の集積や関連市場を獲得しうるものである。
○先進的な本技術を有した次世代自動車は、付加価値のある自動車や関連産業の世界各地への展開、世界市場の獲得のみならず、高齢者等交通弱者の新たな
移動サービス、長距離貨物輸送サービス、コミュニティ内のバスサービス、乗り捨て型カーシェアリングなど新しい交通サービスの創出にも繋がると期待できる。
■事業内容
<手法>
車両の安全性向上となるアシスト機能としての自律型走行技術を確立し、自律走行型自動車の公道での実証を実施する。
<場所>
大阪臨海部において、高速道路等公道を含む限定されたエリアでの実証
■事業主体者
大阪府、大阪市、コンサルタント、運送事業者等
必要な規制緩和等
☆安全性を高めるアシスト機能となる自律式走行自動車のエリアを限定した公道走行
を可能とする規制緩和
・道路交通法 第七十条(安全運転の義務)
・道路運送車両法 保安基準 第十条(操縦装置)
実施エリア(大阪市夢洲・咲洲・舞洲地区)
事業効果
★大阪市・臨海部において、自律型走行自動車の実証を行うことにより、
既に進めているEV等の取組みも合わせ、当該地域が世界の次世代自
動車業界を牽引し、関連企業の内外からぼ集積及び海外市場の獲得
に繋がる。
★安全性を高めるアシスト機能として、付加価値のある自律型走行自動
車技術を確立することは、高齢化社会など社会問題の解決に繋がる。
<関連するKPI>
・2020年に安全運転支援装置・システムが、国内車両(ストックベース)の
20%に搭載、世界市場の3割獲得
・2030年には、安全運転支援装置・システムが国内販売新車に全車標準装備、ストックベースでもほぼ全車に
・2030年までに新車販売に占める次世代自動車の割合を5~7割にすることをめざす。
阪神高速
ノーカーゾーン
実証エリア
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③鉄道網を活用した都市とエネルギーシステムの一体開発(咲洲スマートコミュニティー)
■事業内容
都市全体の効果的な省エネルギーとなる鉄道網を活用したエネルギーインフラ(電力線、熱導管等)を用いて、電気・熱エネルギーを相互融通するシス
テムを構築する。また、相互融通システムの構築に必要な主たる技術として、電力ルーティング技術(電源識別技術)や熱パケット技術(温度毎に熱を固ま
りとして移送する技術)を開発し、様々な分散エネルギー源を有効に活用する。
■事業の意義
今後ますます発展し、人口増加が見込まれるアジア諸都市では、大量輸送手段や長距離移動手段として鉄道の整備だけではなく、効率的なエネルギー
システムの導入が求められる。当システムの開発は、都市における鉄道網の整備、駅周辺地区の開発及び効率的なエネルギーシステムの構築の一体的
な導入を可能とするものであり、これから地域の拡大を進める海外に対し、鉄道建設と省エネルギー技術に関する市場を獲得し、国際競争力を高めるも
のである。
■事業主体者
咲洲・アジアスマートココミュニテイ協議会(民間企業数十社で構成)、大阪府、大阪市
必要な規制緩和等
事業効果
☆ 一需要家複数契約を可能とする電気事業法の規制緩和
⇒小型の発電システムや天候等に依存する不安定な電源等に
よる多種多様なエネルギーの施設間の融通をできるようにす
る。
☆ 新技術を用いた計量器の使用に関する規制緩和
⇒ 新技術を用いた計量器について、取引用として使用を可能
とする。
★鉄道網の整備、駅周辺地区の開発、エネルギーシステムの構築を
パッケージ化し、アジア諸都市の都市開発へ導入。
★鉄道網を活用することにより、効率的な自営の電力線の敷設を可
能とし、発送電分離モデルを創出する。
<関連するKPI>
・遅くとも2020年を目途に電力システム改革を完了する。
咲洲地区
エネルギーインフラの実証:
環境省 「地球温暖化対策技術
開発・実証研究事業」(H24~26)
インテックス大阪 サーマルグリッド実証:
環境省「廃熱利用等によるグリーンコミュ
ニティー推進実証事業(公募中)」(H25
~H27)
鉄道網を活用した都市とエネ
ルギーシステムの一体開発を海
外へ
鉄道網の整備
駅周辺地区の
開発
エネルギーシステ
ムの構築
ア
ジ
ア
市
場
の
獲
得
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④関西国際空港(KIX)スマート愛ランド構想「水素グリッドプロジェクト」
~我が国初の空港での水素エネルギーの大規模活用と水素関連産業の世界市場の獲得~
・本格的な水素社会の到来を見据え、大規模な水素エネルギーの空港施設への導入と併せて、FC(燃料電池)フォークリフトなどの水素関連アプリ
ケーション実用化のための実証事業を展開し、非常時・災害時にも対応した世界最高水準の安全性と環境性を備えた関西国際空港「スマート愛ランド構
想」の実現とともに、わが国のFCシステム・産業用車両などの水素関連産業の世界市場の獲得を図る。
【事業内容】
*FC産業用車両の開発・実用化を図る。関西国際空港の貨物施設へのFC産業用車両の積極的な導入を進める(将来的に関空の全構内車両について、
完全FC化を目指す)。
*大規模水素システム等開発・整備(2015年)、空港ターミナルビル等への水素エネルギーを供給(2016年からLCCターミナル等にエネルギー供
給開始)
*関西空港・伊丹空港に水素ステーションを整備(2014~15年)、関西空港ー伊丹空港間にFCリムジンバスの導入(2016年以降)
・上記に加えて、再生可能エネルギー事業を順次展開し、空港島の全エネルギーの見える化システムを整備。これら空港の次世代エネルギー活用モデル
や水素関連のシステム・アプリケーションをパッケージで海外展開。
必要な規制緩和等
<規制緩和・制度提案>
★水素インフラ整備・運用に係る規制緩和
・水素充填設備の屋内設置を可能とする措置(高圧ガス保安法)
・水素充填作業の資格の緩和(高圧ガス保安法)
・水素ステーションの普及拡大に向けた液化水素の地下貯蔵設置基準の新設等
(高圧ガス保安法)
★空港のエネルギーマネジメントや、非常時の空港機能の維持に向けた規制緩和
・FC大型車両の非常用電源への使用に係る緩和措置(電気事業法)
<税制優遇>
★FC産業車両等の導入に係る税制優遇
★水素インフラ整備に係る税制優遇 など
水素社会に向けた国の目標
◆経済産業省資源エネルギー庁「エネルギー基本計画」
○水素エネルギー社会の実現
水素は、民生・産業部門の分散型電源システムや輸送用途
の有力なエネルギー源の一つとして一層の活用が期待
◆経済産業省蓄電池戦略PT「蓄電池戦略」
○燃料電池車の2015 年の4大都市圏(東京、名古屋、大阪、福岡)
での市場投入及び100カ所の水素供給設備の整備を目指す
燃料電池システム世界市場(富士経済調べ)
74.2倍
5兆1843億円
事業効果
★我が国の水素関連産業の外需の取り込み、新産業の創出等による経済成長・
雇用創出等と併せて、非常時・災害時における国際拠点空港の機能維持が図
られる。
●KPI 2020年のインフラシステム受注 約30兆円に拡大
2030年までに新車販売に占める次世代自動車の割合を5~7割に など
◎貢献度
⇒FC産業車両の早期国内市場の形成、海外への普及を促進
⇒2020年までに、空港内CO2排出量を現状の20%削減 など
699億円
実施体制「KIX水素グリッド研究会」
新関西国際空港、岩谷産業、トヨタ自動車、豊田自動織機、
三井物産、豊田通商、関西電力、大阪府
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p25-p29 [PowerPointファイル/1.69MB]