サイエンス
アゴラ
2007
トキ放鳥をめぐる
地元の人々の反応
リテラシー調査プロジェクト
東京工業大学
浅羽 雅晴
1
佐渡の社会環境

人口: 約6万6000人
•

•
両津港
東京23区の1,4倍
島の3/4が山・森林(大佐渡・小佐渡)
市税 60億6900万円
農業生産: 89億円
•
•

大佐渡
放鳥
予定地域
市の財政規模: 114億円
•

佐渡
市役所
面積: 855平方km
•

高齢化率34.4%
大規模農家の
多い国仲平野
小佐渡
赤泊港
小木港
農家8663戸、うち専業農家19%、1戸あたり108㌃
他に名産:乾シイタケ(3億円)、カキの水揚げ(2億円)
観光客: 約68万人(平成17年)
•
ピーク時121万人(平成3年)
2
トキに期待される「役割」
トキをシンボルとして、失われてしまった豊かな自然環境を回復し、
その恵みのもとに環境負荷の少ない循環型社会を構築する
「トキが安心して暮らせる環境は、
人間にとっても健全な環境」
トキの野生復帰 自然環境の整備、人とトキが共生
 環境保全型農業 減農薬、水路、冬水田んぼ
 棚田、雑木林、山林の蘇生

高齢化、農林業の衰退による荒廃を取り戻す
農産物(コシヒカリ) ブランド力復活
 観光事業の復活 佐渡の新たな産業振興(エコツアー)
3
 若者の定住と地元就職
・・・が

積極推進
消極・無関心
環境省・農水省・国交省、JA、新
潟県、佐渡市、
大規模農家、NPO団体
ほぼ全島(新穂地区以外)
小規模農家、商工業者
(組織的反対はない)
【理由】
【理由】
・放鳥で農業蘇生のきっかけができる
減農薬でトキのすめる環境を作る
・稲への被害は少ない
・生ごみ管理で天敵(カラス)対策は可能
・人とトキが共生(エコアイランド作り)
新たな観光資源にして島興し
エコ・ツーリズム
(経済効果の総額は大きくないが地域内波
及効果は大きい)
・新環境農法に対する農家の不安
減農薬は収率が悪い、乾田だめ
戸惑う大半の高齢農家
・トキ害鳥論(稲を踏み倒す)
・放鳥しても無駄(テンやカラスに襲われる)
・自給できる佐渡の豊かさ
のんびり島民性(豊富な山海の幸)
・観光資源としての魅力不足
金山などすでに資源がある
・国、県、市が連携し、エサ場、ねぐらの生
息環境整備
・学校でのトキ教育を開始(来年度)
・市民への広報・PR不足 (佐渡市)
・国・新潟県・佐渡市の連携不足
・トキ教育の不備
・過去の研究成果のPR不足
4
いまひとつ
高まらない島民意識
島民性
農業
行政
大学
教育
観光
大丈夫かな・ ・・
5
島民性

声に出して発言しない
– 積極的な行動はとらない・他人任せ

港文化
– 港ごとに歴史や文化が違う、交流が少ない

古くからの観光地
– 「いまさら」意識

プライドが高い
–
–
–
–
世阿弥、日蓮上人、順徳上皇が流刑に
流人(貴族76人)をあずかった貴族文化(国仲地方)
金山奉行の武家文化(相川地方)
商人・船乗りの町人文化(小木地方)
6
農業

―米価の下落,高齢化-
小規模農家が多く、関心薄い
– JAが170回の座談会 半数の農家のみ出席
– 佐渡市は「50%減を是非やらせたい」

米価の下落で苦慮
– 60Kgあたり1万8000円が3000円も下落

農家とトキが敵対関係にされた歴史
– 「トキは稲を踏みつぶす」
– 「闇なべのトキ汁」
佐渡農業の未来図描けず
7
農業

減農薬・減化学肥料の目標には届かず
平成17年
81ha
18年
172ha
1562ha
(目標4000ha以上)
19年

-難しい環境型農業への転換-
ビオトープの整備面積
平成16年
3.4ha
17年
4.1ha
18年
10.7ha
8
行政

-予算と人員の不足-
佐渡市
– トキ推進室(室長ら4人)
– 予算1億2300万円(市全体予算の1%)
– 広報スタッフはわずか(業者委託)

新潟県
– 佐渡地域振興局(地元)

国
– 環境省・自然保護官事務所(地元)
– 農水省・北陸農政局 (金沢市)
– 国交省・河川局 (東京)
9
大学

-成果が地元へ還元されているか?-
佐渡市が学生、院生の論文に助成
– 個人10万円、チーム20万円

新潟大学農学部
– エサ、農薬、教育

東京農業大学
– トキ米の値段、観光

東京工業大学・九州大学
– 多自然川づくり
– 住民との対話(談義所活動)
– 科学リテラシー
10
教育

-熱意が感じられない-
トキの学習副読本がない
– 市が現在作成中

中学教育で「トキ」を扱わず
– 環境教育、農業、生物多様性を学ぶ格好の教材にも
かかわらず

小中学校の総合学習
– ビオトープ作り体験者は
島外の生徒が中心
– 平成17年は22校、1017人
11
観光

-目玉になりうるのか?-
トキの森公園の入場者数
– 年間20万人で横ばい(来場者の47%が関東、20%が新潟県内)

島外ボランティアの参加意思
– 既に参加(1.1%)+参加したい(8.2%)10%未満
– 参加しない(80.9%,理由:家が遠い、興味ない) (東京農業大学調査)

歴史的な観光資源が豊富
– 金山跡、能・狂言、人形芝居、味覚、自然景観
– 年間107回の島内の祭り
目立たなかった兵庫県・豊岡市が
コウノトリで一躍観光名所になったのとは対比的
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期待
• トキ野生復帰連絡協議会 (座長・高野毅)
• 明日の・のうら21推進委員会
• 月布施を考える会
• とき舞株式会社
• 久知河内ホタルの会
• 潟上水辺の会
• 岩首村づくり委員会
• あすの城腰をつくる委員会
• トキの田んぼを守る会
• トキと自然と農業の共生を進める会
• トキの野生復帰をめざす農業者の会
• NPO・MOA自然農法佐渡普及会
• 佐渡とき保護会
• NPOトキの島
• NPOトキどき応援団
• 新潟大学トキ野生復帰プロジェクト
• 新潟県学校ビオトープ連絡協議会
• NPO樹恩ネットワーク
• NPO民間稲作研究所
• NPO樹木・環境ネットワーク協会
• Team ECOときプロジェクト
• 新穂エコロジーチーム(NET)
• NPOしまみらい振興機構
• 新潟県総合生協佐渡支所
• 佐渡汽船観光(株)
• スマイル
• ソニー・ミュージックコミュニケーションズ
• JTB関東
• (財)自然環境研究センター
• 里地ネットワーク(事務局)
13
放鳥イベントを通して
島民がどう盛り上がるか?
14
「トキ神社」 野浦大神宮
ダウンロード

トキの島リテラシーPJ - 東京工業大学:科学技術コミュニケーション論