なぜ計算情報科学・技術を学ぶか?
UNIX (Linux) / Internet の歴史と
学問の情報化への展開を踏まえて
石渡正樹・小高正嗣・倉本圭
北海道大学 大学院理学研究院・理学院宇宙理学専攻
林 祥介
神戸大学 大学院理学研究科・地球惑星科学専攻
はしもとじょーじ
岡山大学 大学院自然科学研究科・地球科学専攻
2014年4月11日
目次
• 目標
• 電子計算機から情報処理装置への発展
– 電子計算機の発展(1):汎用計算機
– 電子計算機の発展(2):情報処理装置へ
• Unix
• X Window System
• Internet
– 電子計算機の発展(3):インターネットの発展と
• おわりに:知の爆発と情報化時代の科学
目標
高い理想
• 計算機・ネットワークに関する高いスキル
(技術と倫理)を身につける
– 各研究室で活躍
– 企業で / 個人事業者として活躍
• 地球惑星科学の情報化へ貢献できる人材が
(勝手に)生まれる
– 情報利用者から情報提供者へ、そして科学の
情報基盤(情報インフラ)のデザイナーへ
地球惑星科学における様々な展開
• 高効率計算(High Performance Computing)
– 天気予報・気候予測, 惑星形成, 銀河の進化
– GRAPE, 京コンピュータ
• 遠隔計算・遠隔観測
– すばる望遠鏡
• 広域観測網
– アメダス, HI-net(地震観測)
すばる望遠鏡
http://www.naoj.org/photo/enclosure_300.jpg
実際
• 高い理想の実現には、「時間」「根性」「熱意」
「才能」も必要
• 全員ができるわけではない
• 全員にやってもらいたいことは…
立派な大人に
なって欲しい
立派な大人になるために
• 自分のことは自分でできる
– 仕組みを(ある程度)理解している
– 問題があったとき自分で解決できる
• 社会的な行動(人に迷惑かけない)ができる
• 以上を子供(他人)に教えることができる
目標
• 計算情報環境の技術的基本概念
– 計算機(パソコン)の構造(CPU・メモリ・etc.)
– Unix(Linux)・Internet・X Window System
を実体験し, 自分の情報環境は自分で維持できる
ようになる
• 自分の置かれている情報環境総体に思いをはせる
– ネットワーク社会人としての「たしなみ」
(常識、作法を知る)
– 安全性、安定性への理解
電子計算機から
情報処理環境への発展
計算する機械から
文字を処理する機械へ
なぜ歴史を知る必要があるのか
• 物事を理解する基本手順
計算機・ネットワークを理解する上でも同じ
– Unix, TCP/IP, X Window System, etc.
• 文化的背景を知る
– 良くも悪しくも米国文化
– 「自力更生」
• これから進むべき道を模索するため
電子計算機の発展(1)
汎用計算機
電子計算機のはじまり
• 計算機の原理・情報理論
Turing(1938):
万能計算機の理論的可能性を指摘
(Turing Machine)
Shannon(1948):
「全ての情報はビットにコード化できる」
Claude Elwood Shannon
http://www.research.att.com/~njas/doc/ces5.html
95-3510XclaudeXshannonXolderXphoto.jpg
• (配線型)電子計算機
ABC(Atanasoff Berry Computer, Atanasoff & Berry, 1939 )
裁判所には世界最初の電子計算機と認定された
ENIAC(Eckert & Mauchly, 1946)
• ノイマン型(プログラム内蔵型)計算機
Neumann(1946): プログラム内蔵型計算機の提案
EDSAC (Wilkes, 1949):世界初のノイマン型計算機(英)
EDVAC (Eckert , Mauchly, Neumann, 1951)
ENIAC
Electronic Numerical Integrator And Calculator
Eckert & Mauchly(1946)
• 計算に応じて配線を変える
– 水爆開発
ENIAC(1950.4.4)
• 最初のプログラム
– 弾道計算
– 気象計算
• 順圧非発散2次元
渦度方程式
• 岸保勘三郎
Namias
Wexler
Fjortoft Charney
Reichelderfer
Frankel
Freeman
Von Neumann
UCSD ECPC(Experimental Climate Prediction Center) 写真集より http://ecpc.ucsd.edu/general/pics/eniac-50.html
汎用(大型)計算機
• 汎用(大型)計算機(mainframe)
研究(軍事)機器から実用的な機器へ
いろいろな用途に使える計算機らしい計算機
– UNIVAC-1(1950)
米国国勢調査局に納入
開発したのは Eckert と Mauchly の会社
– IBM704(1954)
以後の汎用計算機の基本
気象庁最初の数値予報用
計算機(1959)
IBM704
http://www.columbia.edu/cu/computinghistory/704.html
高級プログラム言語の登場(1950’)
• コンパイラ(compiler)によって機械語に翻訳する
– FORTRAN:数値計算
FORmula TRANslator system(J. Backus, IBM, 1954)
– COBOL:事務処理(帳簿)計算
COmmon Business Oriented Language
(The Conference on Data System Languages [CODASYL],
1959)
• 計算機はさまざまな企業に普及しはじめる
汎用(大型)計算機の発達:標準化
• IBM360(1964)
– OS: Operating System
• バッチシステム(batch systems)
計算作業の順番待ちを自動化す
るソフトウェア
– I/O(Input/output)の標準化
• デバイスドライバ(device driver)
– 1byte = 8bit
• それまでは6~7 bit
– 世界的な大ヒット
• ビックブルーの威力
• IBM は計算機の代名詞
(2001年宇宙の旅のHAL9000)
http://www.computermuseum.li/Testpage/IBM
-360-1964.htm
IBM360
その後の展開(1)
• ハードウェアの発展:ダウンサイジング
– 1970’ :マイクロプロセッサの登場(Intel 4004)
• CPU(計算機の心臓部)が真空管・トランジスタ・集積回路の組
み合わせから単一の集積回路へ
– 1980’ 後半~1990’ 前半:ワークステーションへ
• 紙テープ, カードによる入出力から端末による入出力へ
– 1990’ 後半:パソコン(Mac, WindowsとAT互換機)へ
• ワークステーションにとって代わる
– パソコン自体の登場は1970末~1980年代, 日本ではどちらかというと
ゲーム機から出発し, 文房具(清書道具)として実務で本格的に使われるよ
うになったのは1980年代後半(DOSの登場と一太郎などのワープロソフト)
その後の展開(2)
• OSの発展:バッチシステムからタイムシェアリングシ
ステムへ
– 「順番待ちして使う」から「同時に使う」へ
– ARPA プロジェクトの Multics (1960’)
– ARPA: Advanced Research Projects Agency(高等研究計画局)
• 複数人が同時に計算機を使うためのOS(結果は失敗)
• 思想や機能はUnixへ引き継がれる(後述)
– 「一人で使う」ためのOS(パソコンのOS)は別途発展
• Apple II と Mac OS(1976)
• MS-DOS(1982), Windows3.1(1993)
電子計算機の発展(2)
情報処理装置へ
UNIX, X window system, Internet
なぜ Unix なのか
• 科学技術用計算機のOSとして広く普及
– パソコンから大型計算機まで
• フリーウェア文化, オープン開発文化が
発祥した環境
– 使う人が作る人、大学の精神を体現
• インターネットの発展と不可分
– しくみを理解するのに適している
Unix
Unix とは
• Thompson & Ritchie がベル研究所でお古になって
いたDEC 社 PDP-7 で遊んだのが始まり
– 当時ベル研では国(ARPA)の支援で企業(GE)、大学(
MIT)と Multics の共同開発を進めていた
– だが Multics は使いづらく、開発は難航
• 1969年: Multics に対する Unix
– Uniplexed Information and
Computing System
– 所内のプログラム開発・計算
環境として広まる, 認知される
Thompson
Ritchie
http://en.wikipedia.org/wiki/Ken_Thompson
Unix の画期的な側面:情報処理
• 情報=文字を処理する(計算しない計算機)
– プログラムを書く人に幸せな環境
– 文字(アルファベット)を処理させる
• 文字処理: 1 byte(= 8 bit)単位の処理
• 数値処理: 1 word(= 4 byte)単位の処理
– プログラム(= 文字列)開発環境
• ファイルエディタ
• 文字・ファイルの処理
Digital‘s VT100 video terminal (1978)
http://vt100.net/
– プログラムのドキュメンテーション(解説文書作成)環境
• roff とオンラインマニュアル
– 文字処理を得意とするプログラム言語: C 言語
Unix の普及
• 情報科学研究者に便利なプログラミング環境
– ソースコードを無料で公開, 改変, 再配布すること
を許容
• 自分達に都合よく改変可能
• 使う人が作る人(/usr)
お互いに資源を出しあい, 使いあい, 修正改良しあう
• 米国の情報科学科でソースコードが教科書として利用され広まる
– Internet, Linux へ続くフリーウェア文化,
オープン開発文化の発祥
Unix の一般研究業界への普及
• (計算機を使う)科学者の研究用環境として普及
– 計算機から情報処理環境(=文房具)へ
• プログラム開発環境 + ドキュメント処理機能
– 米国の大学では1970’ 後半に Unix が普及
•
•
•
•
•
ソフトウェアが作りやすい
計算ができる(そもそも計算機)
マニュアル作成ユーティリティーを使えば文章(論文)が清書できる
その整理(情報処理)ができる(ただし英語だけ)
科学技術用計算機が Unix(Linux) を OS とするようになったルーツ
– 米国での科学諸分野と情報科学分野とが交流する土台
• 情報科学が目指していることが他分野にも流れ出しそれぞれの分野での情
報化を促す
• 今日の科学の情報化に結びつく基盤,グローバリゼーションの土台
Unix 普及の背景:軍の支援
• 米国での諸々の活動のスポンサーは軍
– ソースコードが公開されていることは軍にとっても望ましい
• 特定企業に国防「情報」が支配されてはいけない
• よって大学に委託
– 結果として軍がオープン開発を支援
• カリフォルニア大学バークレー校(UCB), MIT, カーネギーメロン
(CMU), スタンフォード大学(SU), etc.
– 1970’~1980’ に Unix は大学で大きく発展
• 1980’後半には研究環境といえば Unix
• その後は Internet の歴史と不可分
日本では Unix はなかなか流行らなかった
• Unix が輸入されたのは1970’後半(東大和田研)だ
が, 情報科学研究者以外は使わない・使えない
– Unix は英語しか喋らない
• ワープロ(1978年:東芝JW-10)、 パソコン(1983年:ジャストシス
テムJS-WORD)の方が先に日本語対応
– 貧乏
• Unix が動く米国製計算機(DEC VAX)は高くて買えない
– 拠点大学には全国共同利用大型計算機センターが設置
され, 良質な計算機環境を提供
• 情報科学者と科学計算ユーザとの分離、科学の情報化の遅れ
• 1980’後半のワークステーション時代にようやく普及
– X Window System による日本語表示(後述)
X Window System
文字を書く計算機から絵を書く計算機へ
• ビットマップディスプレイ:文字と絵を同時に扱える
– それまではキャラクターディスプレイとグラフィックディスプレイは別個
に
– マルチウィンドウ:ディスプレイを複数持っているのと同じ
• X Window System
– MIT, DEC, IBM の共同研究(Project Athena, 1983年)
• ワークステーション
– BSD UNIX + TCP/IP(後述) + X を備えた卓上サイズ計算機
X Window Systemの偉大な点
• 規格化(標準化)とサーバー・クライアント
– 個々の命令セットが体系化され標準規約化:Athena Widget
– ディスプレー, マウス, キーボード, スピーカーなどの人間機械
インターフェースをサーバで制御
– 文字の表示, 絵の表示, 音の発生等々は個々のソフトウェア(クライ
アント)が担当
• ネットワーク透過(network transparent)
– 遠方の資源を仮想資源として利用, ウインドウを飛ばす
• 日本語が表示できるようになった
– ようやく日本でも計算機から情報処理環境(文房具)へ
– それまでは文字処理と数値処理はまったくの別物
• 1985年: Unix 拡張コード(Extended Unix Code)の制定
• Unix, Xのアイディア・技術は他のOSの発展にもつながる
Internet
ARPAnet
• 背景:冷戦と米国の危機感
– 1957年:スプートニクショック
– 1961年:電話中継基地爆破テロ
– 1962年:キューバ危機
• 1958年:ARPA設立
http://www.educ.cc.keio.ac.jp/~te04811/page1-1-5-5(2).htm
SPUTNIK1.JPG
– 軍事応用可能な科学技術研究の推進
– 1960’から核攻撃を受けても停止しない分散型通信シス
テムの研究を開始
• スタンフォード研究所(SRI), カリフォルニア大学(UCLA), ユタ大学
– 1967年:UCLA と SRI で最初のデータ通信(ARPAnet)
– 1983年:研究目的ネットワークとして独立
ARPAnet 初期の接続経路
1969
1973
http://www.netvalley.com/httpdocs/intval/
07262/content/img/fournode-2_lowres.jpg
http://www.cybergeography.org/atlas/arpanet_sept1973_large.gif
ARPAnet の基本設計
• 中心のないシステム, 分散統合システム
– どこのホストコンピュータが核攻撃によって蒸発しても, どこかの
コンピュータが生き残りネットワーク全体としては機能が維持される
– Paul Baran(1962)
• パケットによる通信
– 回線の「占有」から「共有」へ
• プロトコル(通信規約)の標準化
– TCP/IP(Transmission Control Protocol /
Internet Protocol)
Paul Baran (1926–2011)
http://www.zdnet.fr/u/017/091/4ec78a394eb4e4ec.jpg
ARPAnet のプロトコルの標準化
ARPAnet と TCP/IP と Unix(1980)
• 国防総省 ARPA が OS としてバークレー版 Unix
(BSD Unix)を採用
– ソースコードが公開されていることは軍にとっても望まし
い
• Unix と ARPAnet の諸々の技術が結合, TCP/IP
が事実上の標準に
– 1982年, バークレー版 Unix(BSD Unix)がTCP/IP を実装, TCP/IP
は Unix を OS とする機器に一挙に広まる
– Unixは米国の研究高等教育機関現場にすでにある程度普及してい
たので, TCP/IP は米国研究教育業界での通信プロトコルの事実上
の標準(de facto standard)となった
インターネットへ
• TCP/IP で接続されたネットワークが次々と
ARPAnet につながり、インターネット(Internet)へ
– 複数のネットワークを相互につないだもの、という意味
– 米国では高速道路網を interstate という, そのもじり
– 国際的な共同運営団体に加盟し, 整合性を保ったアドレス管
理, 経路制御がなされている
• 利用者からはインターネットはあたかも一つのネット
ワークのごとく見える
– TCP/IP 接続の特徴
– 複数のネットワークが接続されてできていることを全く意
識しないで良い.
日本のインターネットは大学から
• Internet の黎明:ネットワーク接続研究
– 日本の Internet は大学のネットワーク研究活動に端を発
し, 科学一般の研究室がワークステーションを使いだした
時代に急速に広まった
– 文化的背景:Unix 文化の継承=基本的に古きよき大学
の精神
•
•
•
•
自力更生(自分のことは自分でやる)
自分で自分の環境を構築できる. 自分の責任において何をやっても良い
無保証
ボランティア(相互扶助)
– 研究室から学科, 学部, 大学, 研究所, そしてそれら相互
のネットワークを接続し, 自分のネットワーク上を他人の
パケットが通過することを許容することにより, 総体として
Internet を作っていった
日本におけるインターネットの黎明
• Internet の黎明:研究実験接続の時代
– WIDE(1988年~現在, 村井純)
• ネットワーク接続実験
– TISN(1989年~1996年, 釜江常好)
• 東京大学国際理学ネットワーク
– 最初の日米回線(つまり Internet)
http://biography.sophiait.com/imgb/bimu001.png
• 日本のインターネットは高エネルギー物理学が
リードして拡大(お金持ちで DEC 持ち)
• TISN の開通には地球惑星科学者も参加、
計算/観測データ流通のため
http://www.slac.stanford.e
du/slac/faculty/hepfaculty/
kamae.html
日本における Internet の発展:プロバイダへ
プロバイダ:Internet 接続サービスの提供「組織」
• SINET(1991 年末):大学・研究機関
– 本格的に整備されたのは 1994 年春あたり
– 文部科学省による研究組織間接続のための基幹ネットワーク
• 学術情報センター(現在の情報学研究所)が管理運営
– SINET の下に各大学が独自のキャンパスネットを運営
• HINES, UTnet, Kuins, ...
• ISP (Internet Service Provider):個人や企業
– IIJ が1992 年末, 開業
• 研究とは関わりのない業務で Internet に参加し通信できるようになった
– 1995 年は Internet 元年と日本では呼ばれている
• プロバイダにより, 個々人や企業などが契約さえすれば Internet へのア
クセス提供を実質的にうけられるようになったから
• web と ブラウザの普及により一般に見えるようになった
日本の大学におけるネットワーク環境
• 日本における Internet の発展に, 大学や研究者個々人の
活動は触媒として有効に機能した
– WIDE プロジェクトの役割が非常に大きい
– Unix の普及と同時期に開始, ネットワーク接続のために Unix を導
入するようになる
– 日本の大学の触媒機能
• 情報科学の発展に対してはいまいち(各業界との交流があまり生まれな
かった)
• 大型計算機・スーパーコンピュータの発展には大きく寄与
• Internet の発展には本質的に寄与
• このことが大学におけるネットワークの運用を現在困難に
している
– 予算がないこともあり昔と同じままの体制(使う人が作る人=利用者
は高いモラルと技術知識を持っていることが前提)
計算機の発展(3)
インターネットの発展
Internetの大発展
• 1990年代後半の爆発:WWWとブラウザ
– 下地
• Windows と AT 互換機(MS-Intel 帝国)の普及
• Internet の民営化 (ISP の登場, 日本では 1992)
– 起爆剤:WWW (サーバ)と ブラウザ(クライアント)
•
•
•
•
CERN HTTPd → Apache
NCSA mosaic → Netscape
WWW = W3 = World Wide Web
html :hypertext markup language
• 検索エンジン:1990 年代後半
– Yahoo:1995年
– Google:1998年
インターネットの普及
• 世の中みんなネットワーク
– 国民の80%が何らかの形で利用している
(万人)
8000
(%)
80
2000
2012
平成24年通信利用動向調査(世帯編)図表4-2(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR201200_001.pdf )
計算情報環境の普及
携帯電話
パソコン
スマホ
2000
2012
平成24年通信利用動向調査(世帯編)図表1-1( http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR201200_001.pdf )
「スマート革命」
• スマートフォンの普及によるユビキタスネット
ワーク環境の発展
– 広帯域ネットワーク
– クラウドコンピューティング
– ソーシャルネットワーク
• 基盤となる技術・概念
– TCP/IP
– サーバ・クライアント
– CPU、OS
パソコンユーザーの利用率を100 とした場合の
他の端末 ユーザーの各サービス利用率
(平成24年版情報通信白書)
知の爆発と
情報化時代の科学
背景となる思想
• Vannevar Bush(1945)
MITの副学長, 第二次大戦中は国防研究委員会議長, レーダーから対潜
水艦作戦, マンハッタン計画にいたるまでの兵器開発計画の監督.
• 人類の課題は知の爆発への対応
人類にとっての真の挑戦は
原子をさらに細かく調べたり
生命の複雑さを探求すること
ではなく
科学技術が氾濫させる情報の
よりよい管理方法を発見すること.
http://en.wikipedia.org/wiki/Vannevar_Bush
Bushの考案したシステム
• Memex
– 関連がある異種の情報を結び付ける装置
– 誰もが自分専用の情報を整理蓄積できる
• 弁護士は、自分自身・友人・関係当局の関連意見や決定を呼び
出せる.
• 弁理士は, 数百万件もの特許を即座に調べることができる.
• 医師は、類似した症例を手早く調べたうえ, 解剖学や組織学など
の書物まで引くことができる.
– 膨大な記録を整理して
誰もが活用できるように
する先駆的な職業も
生まれるだろう.
Memexの概念図
http://journal.systemone.at/spaces/
journal/members/Michael+Schuster
情報化時代の科学とは
• 科学者
– 新たな知見を見出す人
– 情報を作る人
• 一次生産者
• 情報化時代の科学(V. Bush, 1945)
– 細分化専門化,知の爆発
– 情報の流通,加工,掌握が科学においても大きな役割
• 「先進国」の要件:情報の掌握
– 情報利用者だけの国は先進国から脱落
– グローバリゼーションの恐怖
– 日本では大幅な出遅れ
V. Bush (1945)の実践
地球惑星科学の情報化
• 計算機に地球惑星科学の知識を教えていく
– 我々の知識の形を明らかにすること
• われわれが何を知っているかを知ること
– コンピュータが相互にやり取りできる知識データ
の構造
• 知識の標準化
– それぞれの分野の人々が情報科学の発見発明
をそれぞれの分野の知識の集積に対して実際に
活用して行うことが必要
まとめ
• 情報実習の目標
– 計算情報環境の技術的基本概念を実体験し,
自分の情報環境は自分で維持できるようになる
• Unix 文化(大学の精神)の継承、自力更生と相互扶助
– 自分の置かれている情報環境総体に思いをはせる
• 常識と作法を学び、安全性と安定性の理解へ
• 計算情報環境発展の歴史と情報化時代の科学
– 「計算する」計算機から「情報をあやつる」計算機へ
• 汎用機からパソコンへ、UNIX とインターネットの共進化
– 知の爆発への対応、情報の掌握
参考書, 参考文献
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Bush, V., 1945: As we may think. Atlantic Monthly, 1945 July, 101-108.
http://www.theatlantic.com/magazine/archive/1945/07/as-we-maythink/3881/
朝日ジャーナル編1989:世界経済三国志:覇権の150年, 42節, 朝日新聞社
村井純, 1997: インターネット, 岩波新書 新赤 416, 岩波書店.
村井純, 2010: インターネット新時代, 岩波新書 新赤 1227, 岩波書店.
歌田明弘, 2000: 本の未来はどうなるか 新しい記憶技術の時代へ, 中公新書
1562, 中央公論新社
D. Libes & S. Ressler 著, 坂本 文 訳, 1990: Life with UNIX, アスキー.
坂村健, 2002: 痛快! コンピュータ学, 集英社文庫.
ITホワイトボックス http://www.nhk.or.jp/itwb/
総務省,2012: 平成24年通信利用動向調査
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html
総務省,2012: 平成24年版情報通信白書
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h24/pdf/index.html
情報処理学会編 2010: 日本のコンピュータ史, オーム社
ダウンロード

Unix - 地球惑星科学科