併用禁忌の薬剤の投与につい
て
平成24年4月 日本薬剤師会
報告事例1
医療事故情報収集等事業
併用禁忌
平成23年 第27回報告書(平成23年12月21日公表)より
事例の内容
肺炎の患児に、抗生剤メロペンを4日間点滴治療した。その後、退院し
たが翌日強い不穏症状が現れ他院で診察を受けた。
報告事例1
医療事故情報収集等事業
併用禁忌
平成23年 第27回報告書(平成23年12月21日公表)より
背景・要因
家族は、他院の医師から「抗てんかん薬を服用中にメロペンを投与した
ため、バルプロ酸の血中濃度が下がり不穏症状が生じた可能性がある」と
説明を受けた。当院で確認すると、持参薬の抗てんかん薬を内服している
患者にメロペンを点滴投与したことがわかった。
薬局が考えた改善策
特記事項なし。
その他の事情
特記事項なし。
報告事例1
医療事故情報収集等事業
併用禁忌
平成23年 第27回報告書(平成23年12月21日公表)より
事例のポイント
患者背景(服用中の医薬品等)を確認せず、今ある状況の改善を優先し
てしまった。カルバペネム系の薬剤は、バルプロ酸との併用により、バルプ
ロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発することがあるため禁
忌となっている。内服薬を含めたメロペン等のカルバペネム系の薬剤を処
方および調剤する際は、バルプロ酸の投与がないか確認することは必須で
ある。
また、本事例に限らず、自院で処方または調剤する際に、持参薬との併
用禁忌を回避するため、現服用薬の情報を共有し、持参薬との併用禁忌
薬があれば予めリストアップしておくべきである。
報告事例2
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業
併用禁忌
第5回 集計報告(平成23年9月28日公表)より
事例の内容
爪白癬である患者に「イトリゾールカプセル50、8カプセル、7日
分」が処方されていた。患者に併用薬を確認したところ、お薬手帳の
持参もなく、はっきりとしたことが分からなかった。そこで併用薬を処
方している医療機関に電話して確認したところ、併用薬にプラザキ
サカプセル75mg4カプセルがあることが判明した。プラザキサカプ
セル75mgとイトリゾールカプセル50は併用禁忌であるため、処方
医へ疑義照会したところ、ラミシール錠125mgへ変更となった。
報告事例2
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業
併用禁忌
第5回 集計報告(平成23年9月28日公表)より
背景・要因
医療機関において他科受診、併用薬の確認に不備があった。お薬手帳
を使用していなかった。
薬局が考えた改善策
患者へお薬手帳の利用をすすめた。お薬手帳を作成し、プラザキサカプ
セル75mg服用中はイトリゾールカプセル50は併用禁忌である旨を赤字
で大きく記載して渡した。別の診療科に受診する際は、必ずお薬手帳を医
師や薬剤師に見せるよう指導した。
その他の事情
特記事項なし。
報告事例2
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業
併用禁忌
第5回 集計報告(平成23年9月28日公表)より
事例のポイント
●当月に薬価収載された医薬品であるプラザキサカプセル75mgを服用し
ている患者に、併用禁忌薬であるイトリゾールカプセル50が処方されてい
たため、疑義照会を行い、同じ抗真菌剤のラミシール錠125mgに薬剤変
更となった事例である。
●薬剤師が併用薬を処方している医療機関に処方内容を問い合わせたこ
とにより、併用禁忌の薬があることに気づくことが出来た事例であり、医薬
分業のメリットを表す事例である。
●お薬手帳などを積極的に活用し、薬局と医療機関、ドラックストアなどで
相互に薬をチェックすることで、患者が安全、かつ安心して薬を服用出来る
ようにすることが重要である。
報告事例3
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業
併用禁忌
平成22年 年報(平成23年8月30日公表)より
事例の内容
セロクエル100mg錠が初めて処方された。患者インタビュー時、糖尿病
であるために食事療法中であることが分かった。
セロクエル100mg錠は糖尿病患者に禁忌であるため、疑義照会を行った
ところ、ヒルナミン錠(5mg)に変更となった。
報告事例3
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業
併用禁忌
平成22年 年報(平成23年8月30日公表)より
背景・要因
未記載
薬局が考えた改善策
特記事項なし。
その他の事情
特記事項なし。
報告事例3
薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業
併用禁忌
平成22年 年報(平成23年8月30日公表)より
事例のポイント
セロクエル100mgが処方された際、患者からのインタビューで
当該患者は糖尿病であり、かつ食事療法していることに気づいた
事例である。
当該事例では、禁忌であることに気づきヒルナミン錠(5mg)に
変更となったが、さらにレセコンなどで禁忌チェックを出来るように
設定することも医療事故防止のための一つの方法である。
併用禁忌を未然に防止するためには
1.併用禁忌薬のリストアップ
・禁忌薬が存在する薬剤の一覧表の作成・更新
・医薬品の添付文書等にて相互の薬剤について
確認
2.患者からの情報収集、処方監査の徹底
3.お薬手帳の活用
・併用薬、禁忌薬の確認
4.薬歴管理、服薬指導の徹底
5.コンピュータシステムを活用したチェック体
制の構築
図:一般的な調剤の流れと禁忌薬のチェック
調
剤
手
集めた情報を分析する
順
患者基礎情報の取得・更新(お薬手帳、初回時質問票など)
・アレルギー(薬剤、食品他) ・副作用歴 ・既往歴 ・職業※
・生活の特性※ ・積極的に接種している食品や嗜好品※
・他科受診※ ・併用薬剤(処方薬・一般用医薬品・民間薬) ※
・妊娠・授乳状況(女性) ※ ・患者特性(薬識、認識力他) ※など
( ※可変要素がある場合を随時確認)
処方せん発行(医師)
情報を集める
業受
務付
(
対
人
)
問題点の発
見・解決
処方せん受付
患者からの情報収集
患者への情報提供
処方せん記載上の薬学的確認
お薬手帳と薬剤服用歴(薬歴)の確認
・ハイリスク薬※の確認 ・前回処方の確認
・調製した薬剤の確認
・用法・用量・分量の適正確認
・禁忌薬の確認 ・併用薬と相互作用の確認
・服用上の注意事項の確認
・臨床検査値の確認 ・TDMの確認など
薬剤服用歴(薬歴)の
確認
お薬手帳の確認
処方監査
疑義照会
処方の提案
調剤
中止
処方変更
服用する医薬品の説明
(後発医薬品を含む)
患者への情報提供
調剤内容の確認
投
薬
(
対
人
)
業
務
調剤した医薬品の説明と評価
医師等への
情報提供
・服用、使用方法の説明・確認
・保管・取扱いの説明・確認
・服薬に伴う身体への影響(副作用、生理的影響)に関する注意、説明
・服薬に関係する日常生活(食事や運動など)の指導、説明
・副作用など発生時の医師、薬剤師への報告に関する注意、説明など
調剤設計
調剤した医薬品の説明
薬剤の交付
使用方法の確認
※特に安全管理が必要な医薬品
調剤決定
薬袋、薬剤情報
提供文書の作成
薬剤調製
調製した薬剤の鑑査
調剤室内(対物)業務
調剤録の作成
「第十三改訂調剤指針」より引用、一部改変
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