EB 描画装置
JBX-3200MV/JBX-3050MV/JBX-9500FS/JBX-6300FS
1.はじめに
日本電子(JEOL)の電子ビーム描画装置には、マスク/レチクル描画装置「JBX-3200MV」シ
リーズと、ウェーハ直接描画装置「JBX-9500FS」、「JBX-6300FS」の 2 種類がある。前者は
最先端リソグラフィーに使用されるステッパ用の原版であるマスク/レチクルの生産用と
して、後者は次々世代デバイスの研究開発および最先端通信デバイスの生産用として使わ
れている。
2.マスク/レチクル描画装置 JBX-3200MV
新製品「JBX-3200MV」(写真 1)は世界市場で実績をあげた「JBX-3040MV/JBX-3050MV」の
後継機で、28~22nm の最先端半導体デバイス用のフォトマスク生産用装置である。
「JBX-3200MV」は 50kV の加速電圧、可変面積型技術、70A/cm2、2 回(最大 5 回)のフィ
ールドシフト描画、Glass-In/Glass-Out 方式のマスクハンドリングシステムを踏襲してい
る。主な改善点としては新たなステージ改良、補正機能の開発、ノイズ低減、近接効果補
正の改善をはかった。その結果 Critical Dimension(CD)均一性 1.5nm(3σ)、CD 直線性
5nm(P-P)、XY 方向線幅差±1.0nm、マスク面内位置精度±5nm、層間重ね合わせ制度±5nm
に高めた。図形データ量増大時のスループット対策としてバスの変更、データ転送制御ソ
フト改良によりデータ転送速度を向上させた。
写真1 JBX-3200MV
3.ウェーハ直接描画装置
JEOL では直径数 nm のスポット型の電子ビームにより、直接ウェーハ上に微細パターンを
描画するベクタスキャン方式の電子ビーム描画装置を、ユーザーのニーズに応じて
「JBX-6300FS」(写真 2)、
「JBX-9500FS」(写真 3)の 2 機種を用意している。
写真 2
JBX-6300FS
写真 3
JBX-9500FS
これらのシステムでは細かく絞ったビームにより極めて微細なパターンがスムーズに描
画できるため、通信用高速デバイスの生産や光デバイス、インプリント用マスク、量子効
果デバイス、ナノデバイスの開発といった先端分野で使用されている。
「JBX-6300FS」は世界市場で多くの納入実績があ
る。電子銃は加速電圧 25/50/100kV 切り換え可能な
サーマルフィールドエミッション型を採用してお
り、最小ビーム径 2nm という高輝度の微細ビームが
得られる。最大 200mm まで装填可能なステージを備
えており、様々な研究やデバイス生産に使用可能で
ある。写真 4 はビーム電流 100pA で描画した最小線
幅 4.2nm の描画例(ZEP520A レジスト:厚み 30nm)を
示したものである。
写真 4 JBX-6300FS 最小線
「JBX-9500FS」は 100kV のフィールドエミッショ
ン型高輝度電子銃を搭載し、最大 300mm までのウェ
ーハが装填可能な高精度ステージを備えている。フ
ィールドサイズは最大 1mm で、最小ビーム径は
3.2nm である。0.15nm のステージ位置読み取り精度
と、高精度 DAC アンプによる 0.25nm のビーム位置
制御により、フィールド接合精度は±10nm 以下を
実現した。走査スピードは世界最高クラスの
100MHz を有しスループット向上につながっている。
安定度に優れ、長時間描画でも自動補正しながら描
画することが可能である。表 1 は 72 時間連続描画
時の寸法精度を表している。長時間にわたり安定した
結果が得られていることがわかる。
表 1 JBX-9500FS における 72 時間
連続描画時の寸法精度
(狙い線幅 30nm)
4.おわりに
現在様々な次世代半導体デバイスのリソグラフィー技術が研究されている。それらいずれ
の中でも超高精度なマスク製作技術がますます重要度を増している。また、超微細デバイ
スの研究開発にも拍車がかかっている。このような状況の中で、JEOL は今後とも最先端マ
スク描画用およびウェーハ超微細描画のための電子ビームリソグラフィー技術を開発し装
置を供給していく。
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