ゲーム代はいくら?
保険料・オプション料の計算の基礎
■ ゲーム代はいくらか
あなたは、ある国の怪しげな飲み屋のマスターである。
テーブルの上にはたくさんの100円硬貨が山積みになっており、
その中から10枚を取り出し柱状に積み上げた。
あなたは、客からゲーム代をもらって次のようなゲームを行う。
ゲームA 山積みされた中から1枚の硬貨を取り出して投げる
① 表が出たら
または ②
裏が出たら
柱に積み、次に投げる1枚を山から取る
山の中に入れ、次に投げる1枚を柱から取る
10
11枚
枚
裏
表
①または②の操作を5回行って、終了する
終了した時点で積まれている100円硬貨の枚数の10枚を超えている分を
客に賞金として支払う
例
終了時点で13枚積まれている場合
13枚
3枚
賞金 300円
10枚
お客が支払うのはゲーム代のみ
賞金を受け取ることはあっても、支払うことはない
このゲーム代はいくらにすれば良いだろうか
ゲーム代をすごく高くすると・・・ お店は儲かるが、お客は損をする
だれも参加しない
ゲーム代をすごく安くすると・・・ お客は儲け易くなり、多くの人たちが参加する
お店は大損害
「ゲームをすれば儲かるかもしれない」とお客が思ってくれて
お店が損をしない程度にしたい
ゲーム代 = 賞金の期待値
お客ひとり一人は勝ったり負けたりするが、多くのお客とゲームを行うお店は、
平均すれば損も得もしない程度に収まるはず。(大数の法則)
■ ゲーム代の計算
表
5回
4回
3回
2回
1回
0回
裏
0回
1回
2回
3回
4回
5回
枚数
15枚
13枚
11枚
9枚
7枚
5枚
3000
= 93.75円
32
賞金
500円
300円
100円
0円
0円
0円
確率
5C5
5C4
1
2
1
2
5C3
1
2
5C2
1
2
5C1
1
2
5C0
1
2
ゲーム代は
5
=
1
32
=
5
32
=
10
32
5
5
5
10
=
32
5
=
5
32
=
1
32
5
94円
くらいにすれば良い
■ ゲームの整理
マ
ス
タ
ー
マ
ス
タ
ー
ゲーム代
94円
10枚を超
えた枚数
お
客
お
客
0円~500円
以上より
お客の損の最大値
94円
お客の利益の最大値
500円-94円 =406円
これなら、ゲームをしてみようと思う(たぶん)。しかも、お店は損をしない(はず)。
ゲームB
ゲームAを少し変えて・・・
途中で終了させて、10枚を超えた分を賞金として受け取ることもできることにする
3回終了後、11枚の時点(表2回、裏1回)で終了すると
11枚-10枚=1枚
賞金 100円
ところで、この時点で終わりにするのと、このまま最後まで続けるのと
どちらが得なのだろうか
この後、もっと増えるかもしれないし、減るかもしれない
3回終了後、11枚の時点における賞金の期待値を計算する
4回目と5回目の試行を残していることから・・・
表
2回
1回
0回
裏
0回
1回
2回
枚数
13枚
11枚
9枚
賞金
300円
100円
0円
確率
2C2
1
2
2C1
1
2
2C0
1
2
2
=
1
4
=
2
4
=
1
4
2
2
500
4
=125円
続けた場合の賞金の期待値 125円 > 終了した場合の賞金 100円
100円を受け取って終了するより、最後まで続けた方が得をする可能性が高い
3回終了後、11枚の時点における賞金額・・・100円 本源的価値(intrinsic value)
賞金額と期待値との差・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25円 時間的価値(time value)
賞金の期待値125円 = 本源的価値(賞金額)100円 + 時間的価値25円
ところで・・・
ゲームBのゲーム代はいくらにするのが適当だろうか
ゲームAとの違い・・・ 途中で終了して、賞金を受け取れる
途中で勝ち逃げできる分、ゲームAより高くしないと店は損をする???
■ すべての時点における賞金の期待値を求めよう
4回目
各点の期待値を終了時点から遡って計算する
13枚
300円
Step1
4回終わって14枚の時点の期待値は・・・
5回目の試行を残すのみであり、賞金の期待値は
1
1
500円×
+ 300円×
=400円
2
2
Step2
同様にして、4回終わって12枚の
時点の期待値は・・・
1
1
300円×
+ 100円×
2
2
=200円
5回目
賞金
1
2
15枚
500円
14枚
400円
12枚
200円
1
2
13枚
300円
11枚
100円
・
・
・
・
・
Step3
従って、3回終わって13枚の時点の
期待値はStep1、Step2 の結果から
1
1
400円×
+ 200円×
2
2
=300円
同様の計算を順次、各時点において行う
5回目
各時点で終了した場合の賞金額と比較する
確認!最初に計算したゲーム代と一致するはず
2回目
11枚
1回目 143.75円
10枚
93.75円
賞金0円
賞金100円
9枚
43.75円
賞金0円
8枚
12.5円
賞金0円
すべての時点において
賞金の期待値 ≧
4回目 14枚
3回目 13枚
12枚
212.5円
賞金200円
10枚
75円
賞金0円
賞金(本源的価値)
1
300円
賞金300円
2
400円
賞金400円1
2
12枚
200円
11枚
賞金200円
125円
10枚
賞金100円
50円
9枚
賞金0円
25円
8枚
賞金0円
0円
7枚
賞金0円
0円
6枚
賞金0円
0円
賞金0円
15枚
500円
13枚
300円
11枚
100円
合理的な判断をするならば、途中で終了して賞金を受け取る必要はない
ゲームAとゲームBは違いがない
ゲーム代は同じ
9枚
0円
7枚
0円
5枚
0円
■ まとめ
保険、株価オプションなどの取引の料金を計算する際の基本的なロジックの勉強
取引の特徴
お客の支払いは少額(保険料、オプション料) ・・・ ゲーム代
ある条件を満たした場合に受取りが発生する ・・・ 賞金
(保険金、オプション決済金)
何が面白いか ・・・・・・ 勝負してみないとわからない
将来の不確定なものの代金を決定する
未来を予知している?
■ 練習問題
500円硬貨を10枚重ねて置いてある。今、別の1枚の500円硬貨を投げ
て,表が出たらこの上に重ね、裏が出たら重ねてある500円硬貨を1枚減
らすという作業を10回繰り返す。終了時点で12枚を超えた枚数を賞金と
する。このゲームの最高賞金額はいくらか。また、参加料はいくらにしたら
良いか。
答え
最高賞金額 4000円
ゲームの参加料は約240円
■ 発展問題
100円硬貨を2枚重ねて置いてある。今、別の1枚の100円硬貨を投げて,
表が出たらこの上に重ね、裏が出たら重ねてある100円硬貨を1枚減らす
という作業を10回繰り返す。 ただし、重ねてある硬貨が0枚になったらそ
の時点で終了とする。(ノックアウトオプション)
終了時点で3枚を超えた枚数を賞金とする。このゲームの参加料はいく
らにしたら良いか。
答え
賞金の期待値=77.539・・・ となり、ゲームの参加料は約78円
■ 考査の出題
図のように100円硬貨を10枚重ねて置いてある.今、別の1枚の100円
硬貨を投げて,表が出たらこの上に重ね,裏が出たら重ねてある100円
硬貨を1枚減らすという作業を繰り返す.以下の問に答えよ.
表が出たら乗せる
裏が出たら減らす
10枚
(1) 3回投げたとき,100円硬貨が13枚重なっている確率を求めよ.
(2) 5回投げたとき,100円硬貨が13枚重なっている確率を求めよ.
(3) 5回投げたとき,重なっている100円硬貨が10枚を超えた枚数だ
け賞金として受け取れるものとする.賞金の期待値を求めよ.
終わり
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