TES型
型X線マイクロカロリメータの開発
線マイクロカロリメータの開発 II
ー 動作温度100
の低ノイズカロリメータの開発 ー
mKの低ノイズカロリメータの開発
動作温度
竹井洋、満田和久、藤本龍一、伊予本直子、大島泰、二元和朗(宇宙研)
森田うめ代、広池哲平、大橋隆哉、山崎典子、石崎欣尚(都立大理)
庄子習一、工藤寛之(早大理工)
田中啓一、師岡利光、中山哲、茅根一夫(セイコーインスツルメンツ)
より低温で動作するカロリメータの作成
k BT 2C
2 . 35 分解能の限界 ∆E ∼ α
ボルツマン定数、 T : 温度
kB : ボルツマン定数、 C : 熱容量、 α
熱容量、 α : 温度計の感度
→動作温度(=TES の転移温度)を下げることは本質的な課題
~ 成膜時の真空度が転移温度の限界を決める 従来 → 200 mK
Ti 成膜時の真空度改善 ~ 10 −7 Torr → ~ 10 −8 Torr
~ 100 mK 達成 膜厚比と転移温度にきれいな相関
金 (Au)
低温
TES = 二重薄膜
(超伝導金属/常伝導金属)
膜厚比を調節することで
転移温度調節(近接効果)
Ti (40 nm) / Au (120 nm) = 115 mK
転移温度 [K]
チタン (Ti)
0.1
0.2
高温
1
2
3
金の厚さ / チタンの厚さ
測定を行ったカロリメータ
TES(
(Ti / Au)
SiN メンブレン
空洞
SiO2
カロリメータ断面図
cf. Tanaka et al 2000
Appl
Phys Lett 77
1.5 mm
空洞
TES 温度計
( 0.5 mm×
× 0.75 mm )
上から見た図
抵抗 [mΩ
Ω]
Si 基板
α~100
α~
転移温度
115 mK
0.1
0.2
温度 [K]
C ~ 1 pJ/K G
= 8 nW/K
α~ 80 熱浴温度
熱浴温度 80 mK
100 mK カロリメータの実験結果
μA
3.6μ
時定数
260μ
μs
FWHM
50 eV 相当
カウント数
線照射→パルス取得
Fe のX線照射→パルス取得
カウント数
55
FWHM 125 eV
@ 5.9 keV
パルス波形
ベースラインのゆらぎ
・ベースラインのゆらぎ
→ 50 eV 相当 = 大幅改善
パルスのスペクトル
・5.9 keV(Mn Kα線)の分解能
→ 125 eV
分解能を悪化させている要因
Mn Kα線の分解能 = 125eV
(a) 熱化の位置依存性
熱化=X線のエネルギーが熱に変わり検出される過程
ベースラインのゆらぎ = 50eV
(b) 熱化が不完全 → パルスハイトが低い
(c) excess noise の存在
excess noise = カロリメータに内在するものでは説明できないノイズ
カロリメータに内在するノイズによる分解能 ΔE = 3 eV
内在ノイズ
・有限の熱伝導度によるフォノン数のゆらぎ(フォノンノイズ)
・素子の熱雑音による抵抗値のゆらぎ(ジョンソンノイズ)
今回の素子の問題点
横から見たカロリメータ
残留物 (Si) が熱浴と熱接触
熱伝導度が設計値の50倍
時定数が設計値より1桁短い
想定される問題点
・フォノンノイズ(内在ノイズの一つ)が増加
~ ノイズの増大
・熱の一部がTESに検出されず熱浴に逃げてしまう
~ パルスハイトの減少 → ベースライン悪化
・熱化の位置依存性の影響大
~ベースラインと分解能の差が増加
完全な素子の作成が第0番目の課題
場所依存性の影響
カウント数
同じ形状、転移温度 400 mK、コリメータあり
=場所依存性の影響除去
→ ベースラインのゆらぎと分解能はほぼ等しい
ベースラインのゆらぎと分解能はほぼ等しい
FWHM
90 eV
FWHM
100 eV
TESの中心部のみに
の中心部のみに
X線を照射
線を照射
場所依存性の改善
ベースラインのゆらぎ
パルススペクトル
400 mK で動作する素子のスペクトル
コリメートにより 100 mK 動作素子でも 分解能 ~ ベースラインに
将来的には → マッシュルーム型吸収体により場所依存性除去
excess noise とは
ノイズ実測値
100
6倍
倍
内在ノイズ
10
100
1000
10000
周波数 (Hz)
ノイズレベル( pA/sqrt(Hz) )
ノイズレベル( pA/sqrt(Hz) )
1000
200
100
・熱浴 50 mK
・熱浴 80 mK
・熱浴 100mK
1/Rに比例
に比例
→電圧性ノイズ
0
50
抵抗値 (mΩ)
(mΩ)
100
excess noise = カロリメータに内在するノイズでは説明できないノイズ
→ 高周波成分については抵抗値に反比例する特徴を持つ
世界的にも excess noise が問題
究極の分解能を目指すにはその解明が重要
まとめ
転移温度 の低いカロリメータ製作を目標
~ 100 mK まで Ti/Au 膜厚比と転移温度のよい相関が得られた
Ti/Au=40 nm/120 nm 、転移温度 115mK のカロリメータ性能評価
・TESの下に残留物 (Si) → 素子と熱浴の間に熱接触
~ 熱伝導度が設計値の50倍 → FWHM 125 eV @ 5.9keV
それでもベースラインのゆらぎは 50 eV まで改善
今後
・完全な素子による測定
・コリメートなどによる場所依存性の除去
・ノイズの原因の解明と対策
・よりよい素子の考察(サイズ・形)
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