研究背景
竹
近年プラスチックなどの石油製品の登場により、竹製品の需要が落ち込んでし
まっている。竹の需要が低迷している中で、日本中の竹林のほとんどが放置され、
その強い繁殖力で、管理がいき届かない竹林では竹がスギやヒノキの植林地を侵
食したり、地下茎が住宅に害を及ぼすなど、他の植生の脅威となっているのが現
状である。
地球環境問題
深刻化するゴミ問題を抱える我が国では、すべての分野でゴミ・廃棄物に対して
何らかの対策を講じることが不可欠となっている。そのような中で、建設系廃棄
物は全廃棄物の20%と高い割合を占めているにも関わらず、建設廃材は混合廃棄
物の形態で排出されることが多く、他の産業廃棄物に比べてリサイクルが難しい
ことが指摘されている。中でも、木造住宅の解体によって排出される廃棄物は、
他の構造に比べて対応が遅れていると問題視されているが、その理由の一つに、
接合に使用されている金物類と木材との分別に手間がかかることが挙げられる。
このようなことから
ー接合法 概要
目視による接着剤充填の確認
コーキングガン
枝管
接着剤
管をはずす
接合具
木材
枝管
木栓で蓋をする
我々の研究室が開発してきた「コネクター接合法」の、接合具の素材を
竹
に置き換えた接合法の開発。
これにより、解体する際、分別の必要が無く、そのまま破砕してパーティクルボード等にリ
サイクルすることが可能となり、リサイクル率の向上と廃棄物の削減に寄与できると考えら
れる。また、木材は一度伐採して再び植樹しても、その育成には30~50年はかかるとされ
ている。しかし、竹は地下茎から毎年芽が出て、約3ヶ月で10メートル以上に成長し、3年も
たてば成竹となることから、安定供給が期待できる。
竹コネクター
割竹からラミナを製作し、それを集成化したもの(竹集成材)を丸棒に
加工したもの。
2005年3月に開催された「2005年日本国際博覧会」(愛称:愛・地球
パビリオンの一つである長久手日本館の建物躯体の主要接合部に
使用された。
3.圧密BSLコネクター
圧密BLLコネクター
竹コネクターの高性能化を模索し、圧密加工技術を取り入れたコネ
素材自身の引張強度は
鋼材とほぼ同等である。
制作方法
圧縮
圧密化
圧密前
ホットプレスにより圧密
圧密後
約40mmから20mmまで圧縮
しかし、その製作方法に手間がかかり、大量生産に向け改善が必要。
圧密BSLコネクター
竹ひごに変更して製作したコネクター。製
竹材をラミナから
幅に短縮された。
素材自身の引張強度は
鋼材とほぼ同等である。
制作方法
しかし実際の接合部に使用すると、その強度は
鋼製接合具を使用したときの半分以下。
今後の研究
接着剤との付着効率の向上を図る
500
引張強度(MPa)
平均値
400
鋼材(SS400)
300
竹コネクター
200
100
スギの基準強度(21MPa)
0
コネクター接合法における耐力・剛性の推定式
500
引張強度(MPa)
平均値
400
鋼材(SS400)
300
200
100
スギの基準強度(21MPa)
0
素材の強度性能を把握するための実験
40
最大耐力(kN)
平均
30
20
10
0
接着剤注入
ウレタン樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着
類
接合部詳細
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ホットプレスにより圧密