生物時計と環境適応:
ユーグレナの場合
後藤
健
(帯畜大・生物リズム学)
ユーグレナの概日リズム
生理的対極よく学びよく遊べ
光の有効利用
光酸化の防衛
季節適応
同調培養ユーグレナは
アスコルビン酸濃度に日周リズムを示す
Shigeoka et al. (1987)
J. general Microbiol. 133: 221-225
アスコルビン酸濃度は概日リズムを示す
このリズミカルな変動には
①同調培養は不要である
②明暗刺激も不要である
アスコルビン酸は、なぜ、どのようにして『自動的に』
主観的真昼に最大濃度になるのだろうか?
LLからLD1,1へ移した。左は緩やかに増殖しているユーグレナ、右は定常状態
細
胞
増
殖
タ
イ
ミ
ン
グ
の
概
日
リ
ズ
ユーグレナは主観的夜にのみ細胞増殖する
ム
どのようにして?
なぜ?
に連
移続
し照
た明
。か
ら
『
一
時
間
照
明
+
一
時
間
暗
黒
』
の
二
時
間
明
暗
周
期
DNA
フローサイトメトリー
2時間毎のDNAフローサイトメトリ
G2+M期抑制の概日リズム
主観的昼
G2+M期のユーグレナが存在
かつその数は一定不変
主観的昼
細胞増殖はゼロ
0
S
結論1
0
G2+M
G1
主観的昼、ユーグレナはG2+M期で抑
制される(細胞分裂を完了できない)
結論2 主観的昼、S期ユーグレナはG2+M期
に突入できない
細胞分裂の開始
か分
ら裂
観像
察は
さ主
れ観
る的
よ黄
う昏
にの
な約
る4
。時
間
ほ
ど
前
主
観
的
昼
、
分
裂
像
は
殆
ど
観
察
さ
れ
な
い
G
2
期
抑
制
の
概
日
リ
ズ
ム
結論
CT20-CT08
CT08-CT20
G2期抑制
G2期抑制解除
CT24-CT12 増殖抑制
CT12-CT24 増殖抑制解除
G2/M 転換許容位相
G2期はなぜ主観的昼の大半
で抑制されるのか?
G2/M 転換許容位相
概日リズムの歴史的起源
『光に対する抵抗』
vs.
『光からの逃走』
『光からの逃走』仮説
光感受性の反応を夜へ
細胞分裂 mitosis は夜へ
『光に対する抵抗』仮説
光防衛的な反応を昼へ
G2期や抗酸化能は昼へ
クラミドモナスの概日リズム
感受性または抵抗性のリズムは
セルサイクル位相には依存しない
細胞周期が停止するような
薄明条件下で殺菌灯を照射
主観的昼は
UV感受性が低い
⇔
UV抵抗性が高い
主観的真夜中は
UV感受性が高い
⇔
UV抵抗性が低い
ユーグレナにおける
『光からの逃走』と『光に対する抵抗』①
G2期抑制の概日リズム
最も光抵抗性が高いとされるG2期が主観的昼に抑
制される⇒『抵抗性』のリズムか?
だが、、、
クラミドモナスではセルサイクルが停止してもUV
耐性のリズムが持続する
結論:G2期抑制のリズムは『抵抗性』のリ
ズムかもしれないが、それが『抵抗性』リズ
ムのすべてではない
ユーグレナにおける
『光からの逃走』と『光に対する抵抗』②
アスコルビン酸の概日リズム(主観的真昼に最大)
⇒『抵抗性』(抗酸化能力)のリズムか?
ユーグレナの季節適応
光周的計時機構
外的符号モデル
光誘導位相(主観的昼の後半~主観的夜の前半)に
光があたると長日効果あたらぬと短日効果
光誘導位相の実体は何か?
主観的暁は無効、主観的黄昏は有効
LD14,10の明暗周期で同調させた
後、Lを8時間に短縮してDDに移
す。
主観的暁の6時間光パルスは
分裂コミットメントに全く無効
光は3.4 klux
がL
誘8
導で
さは
れ分
な裂
いコ
ミ
ッ
ト
メ
ン
ト
主観的黄昏の6時間光パルスは
分裂コミットメントをよく誘導
光は3.4 klux
主観的黄昏の光誘導能は最大
縦軸は6時間光パルス
によって細胞数が何倍
に増えたかを表す。
2,0: すべての細胞が分裂コ
ミットメントを誘導され、
細胞数が2倍になる。
の明
ス暗
ケ周
ジ期
ュを
ー持
ル続
(さ
実せ
際た
にと
はし
恒た
暗場
)合
1.0: 分裂コミットメントを
誘導された細胞は一つもな
いため、細胞数は不変。
LD14,10の明暗周期で同調
させた後、Lを8時間に短
縮してDDに移す。
主観的暁の6時間
光パルス
主観的黄昏の6時間
光パルス
L8
光周誘導のシグナル伝達ネットワーク
(作業仮説)
時計は主観的暁の光によって毎朝進
められ、昼夜サイクルに同調する
(環境適応の基本)
時計はDDでも自律的にリズムを刻
み・・・
主観的黄昏になるとCa2+透過性が最
高潮になって、分裂コミットメント
の光誘導能が頂点に達する。
主観的黄昏に光合成系が光を受容す
ると、分裂コミットメントが現実に
誘導される。
DCMUに非感受性の未知の光受容
系も光誘導に関与する。橙色が有効
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