福島第一原子力発電所事故に伴う サービス活動の手引き Q&A集 平成26年4月発行 (一社)日本建設機械工業会 流通サービス委員会 サービス部会 1
目次 1.放射線に関する基本的な内容について・・・・・・・・・・・・・・・4 1-① Q.放射線・放射能はどう違うのですか 1-② Q.放射線の単位と種類を教えて下さい 1-③ Q.被ばく線量の限度があるのでしょうか 1-④ Q.個人線量計の記録・管理について教えて下さい 1-⑤ Q.除染とは何ですか 2.サービス活動・整備について(保護具・活動地域・機械の対応等 放射線
管理・除染について)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 2-① Q.サービス活動が可能な場所とは 2-② Q.サービス活動を行う地域での放射線量の基準はありますか 2-③ Q.特定線量下業務とは何ですか 2-④ Q.サービス対象の機械の放射線量の基準はありますか 2-⑤ Q.サービス活動にあたっての必要な装備等があるのでしょうか 2-⑥ Q.当該地区でのサービス活動にあたっての留意事項はありますか 2-⑦ Q.機械を整備する際の留意すべき点はありますか 2-⑧ Q.機械搬入時に付着している土等はどうやって落とすのでしょうか 2-⑨ Q.機械の除染方法について、具体的な方法はあるのでしょうか 2-⑩ Q.機械の除染の際の注意点はあるのでしょうか 2-⑪ Q.従業員(サービスに従事する方)の健康管理はどのようにしたらよいでし
ょうか 3.廃棄物に関して・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 3-① Q.指定廃棄物とは何ですか 3-② Q.中間貯蔵施設・最終処分施設とは何ですか 3-③ Q.残土と汚泥の違いについて教えて下さい 3-④ Q.洗車時に発生する残土の処理はどのようにしたらいいですか 3-⑤ Q.部品交換等で発生する廃棄物の処理・保管について基準はあるのでしょう
か 3-⑥ Q.放射性物質が含まれた交換部品(廃棄物)の保管方法について教えて下さ
い 2
3-⑦ Q.8,000ベクレル/㎏以下の廃棄物の処理について教えて下さい。また廃棄物
の処理について、どこに処理を依頼すればよいのですか 3-⑧ Q.放射性物質が含まれた物の放射性濃度を測定したいのですが、どのように
したらよいでしょうか 4.補償に関して・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 4-① Q.原発事故による、放射線の作用などにより損害が生じたものは請求できる
のでしょうか 3
1.放射線に関する基本的な内容について 1-① Q.放射線・放射能はどう違うのですか A.放射能は放射線を出す能力のことを表します。 放射能を持つ物質を放射性物質と言います。懐中電灯に例えると、懐中電灯自身
が「放射性物質」であり、懐中電灯より光を出す能力が「放射能」となります。
また、それから放射される「光」が「放射線」にあたります。 参照:環境省HP 「除染情報プラザ」 URL: http://josen-plaza.env.go.jp/decontamination/qa_02.html 1-② Q.放射線の単位と種類を教えて下さい A.放射性物質が放射線を出す能力の強さを表す単位をベクレル(Bq)といいます。
一方、人体が受けた放射線による健康影響と関連づけられた被ばく線量を表す単
位としてシーベルト(Sv)が用いられます。 1-③ Q.被ばく線量の限度があるのでしょうか A.2007年ICRP(国際放射線防護委員会)勧告では、一般公衆の被ばく線量の限度
を1ミリシーベルト/年としています。また、放射線業務従事者の被ばく線量の限
度は50ミリシーベルト/年を上限とし、5年で100ミリシーベルトとしております。 1-④ Q.個人線量計の記録・管理について教えて下さい A.居住制限区域ならびに避難指示解除準備区域でのサービス活動の際は、個人
線量計を装着しサービス活動を行ってください。記録・管理については、各社ご
とにルールを決めていただくとよいですが、一日分の総量を日報ベースで管理す
ることが良いと思われます。 1-⑤ Q.除染とは何ですか A.放射線の量を減らしていくことを除染と言います。放射性物質が付着した土や
草木を取りのぞいたり、土で覆ってしまうことで生活する空間での放射線の量を
減らしていくことです。 参照:環境省HP 「除染情報プラザ」 URL: http://josen.env.go.jp/about/method_necessity/decontamination.html
4
2.サービス活動・整備について(保護具・活動地域・機械の対応等 放射線
管理・除染について) 2-① Q.サービス活動が可能な場所とは A.工業会のガイドラインでは 2014年4月現在、原子力災害対策本部にて設定さ
れている避難指示区域等でのサービス活動が可能な区域は、「避難指示解除準備区
域」および「居住制限区域」としております。ただし、「居住制限区域」への立入
りに関しては、「お客様が公益を目的として一時的な立入り(除染・公的インフラ
の復旧等)を行い、機械の修理が発生した場合にのみ立入りすることを推奨して
おります。 「帰還困難区域」につきましては、区域境界において、バリケードなど物理的
な防護措置を実施しているため、政府方針に基づき立入り不可としております。 また、避難指示区域等以外の場所については、通常と同様のサービス活動で構
いません。 参照:首相官邸 東電福島原発放射能関連情報 「避難指示区域の概念図」 URL: http://www.kantei.go.jp/saigai/pdf/20140401gainenzu.pdf 2-② Q.サービス活動を行う地域での放射線量の基準はありますか A.工業会の推奨するサービス活動を行う地域での平均空間線量率は2.5マイクロ
シーベルト毎時以下としております。これは「東日本大震災により生じた放射性
物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止
規則」(以下、除染電離則)に則り、特定線量下業務に値しない平均空間線量率
である2.5マイクロシーベルト毎時以下での作業を前提としているからです。 活動予定区域にて放射線測定を行い、放射線量が2.5マイクロシーベルト毎時以下
であることを確認してから、受注判断ならびに作業を行ってください。 活動予定区域の放射線量については現地での測定のほかに、事前に福島県ホーム
ページ内の「福島県放射能測定マップ」もしくは原子力規制委員会ホームページ
の「放射線モニタリング状況」を参考に確認をしてください。 参照:福島県ホームページ「福島県放射能測定マップ」 URL: http://fukushima-radioactivity.jp/index.php 原子力規制委員会 「放射線モニタリング情報」 URL:http://radioactivity.nsr.go.jp/map/ja/ 5
2-③ Q.特定線量下業務とは何ですか A.特定線量下業務とは、平均空間線量率が 2.5 マイクロシーベルト毎時を超え
る場所において行う除染等業務以外の業務です。特定線量下業務に従事した場合、
事業者は放射線障害防止の基本原則に則り、作業者に対し特別教育の実施、作業
場所の空間線量の調査、作業者の被ばく線量の記録・管理(30 年間保存)、健康診
断の実施等を行わなければなりません。 参照:厚生労働省 HP 安全衛生関係リーフレット一覧 「空間線量率が 2.5 マイクロシーベルト毎時を超える場所で業務を行う事業主の
皆様へ」URL: http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/120625-1.pdf 「空間線量率が 2.5 マイクロシーベルト毎時を超える場所で除染などの作業以外
の業務を行うみなさまへ」URL: http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/120625-2.html 2-④ Q.サービス対象の機械の放射線量の基準はありますか A.工業会の推奨するサービス対象機の放射線量は2.5マイクロシーベルト毎時未
満としております。これは、「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染
された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則」(以下、
除染電離則)に則り、特定線量下業務に値しない平均空間線量率である2.5マイク
ロシーベルト毎時未満での作業を前提としたことから、サービス活動の対象機に
おいても、同様の数値を設定しております。 参照:建機工HP 「【改訂第2版】サービス活動の手引き」 URL: http://www.cema.or.jp/member/news/pdf/140403_01.pdf
2-⑤ Q.サービス活動にあたっての必要な装備等があるのでしょうか A.避難指示区域内での作業の場合は以下の装備を準備してください。 線量計(ガイガーカウンター)・個人線量計・長袖作業服や防塵防護服(タイ
ベックスーツ等)・防塵マスク・ヘルメット・ゴーグル、手袋等になります。現
場の状況や天候によりますが、水溜りや泥状地での作業時には長靴等を使用し、
降雨時にはレインコート(合羽)を着用してください。また、緊急連絡ならびに
情報入手が可能な手段を確保するために、携帯電話やラジオが常に受信できる状
態にあるようにしてください。 6
2-⑥ Q.当該地区でのサービス活動にあたっての留意事項はありますか A.避難指示区域内でのサービス活動にあたり、まず各社の社内ルール・マニュ
アルを策定してください。具体的には①サービス活動の実施場所の設定 ②具体
的な放射線基準の作成(除染対応も含め) ③緊急時の対応について(連絡先・
連絡網等)などを決めてください。また、サービス活動にあたっての放射線対応
の装備を準備してください。 2-⑦ Q.機械を整備する際の留意すべき点はありますか A.避難指示区域内で稼働していた機械の場合、高い放射線量を有している機械
があるかもしれません。サービス活動の場所を問わず、整備前に稼働場所を確認
の上、避難指示区域内ならびに近傍で稼働していた機械については、作業前に放
射線量の測定を行ってください。作業前の放射線量測定にて、基準となる線量を
超過している場合は除染洗車を実施し、線量が基準内になってからサービス活動
を実施してください。 参照:建機工HP 「【改訂第2版】サービス活動の手引き」 URL: http://www.cema.or.jp/member/news/pdf/140403_01.pdf
2-⑧ Q.機械搬入時に付着している土等はどうやって落とすのでしょうか A.通常洗車同様に洗車設備のある場所にて残土等を落してください。ただし、
洗車の際に汚水が下水・排水路につながっていない場合は、なるべく機械の搬入
前に洗車を行っていただくようにお客様に依頼をしてください。 2-⑨ Q.機械の除染方法について、具体的な方法はあるのでしょうか A.環境省発行の「除染関係ガイドライン」にて、用具の洗浄等によれば、「使
用した重機や車等、汚染土壌の付着が多い可能性があるものは、付着状況の確認
を行い、汚染土壌の付着が多いものについては、指定された場所で洗浄するなど、
汚染土壌をみだりに拡散しないようにします。 また、洗浄によって生じた排水
については、「(2)排水の処理」を参考に必要に応じて処理を行います。」と
記載されております。排水の濁りが多い場合や、回収型の高圧水洗浄の排水等に
ついては、基本的に排水の処理を行ってください。 7
2-⑩ Q.機械の除染の際の注意点はあるのでしょうか A.まず、洗車等による除染の際は、直接水をかぶらないように、レインコート・
ヘルメット・保護ゴーグル・保護マスク・長靴・ゴム手袋等を着用して下さい。
また、高圧洗車の際は最初から高圧水で洗車をすると、放射性物質が飛散するた
め、最初は水道水等の低圧の水で汚れを洗い流してください。ラジエター等は高
圧水での洗車によっては穴が開くことがあるので注意しながら行ってください。
防音材等のスポンジ類やシート等の布地のもの等洗車が困難なものについては、
部品の交換を行ってください。 2-⑪ Q.従業員(サービスに従事する方)の健康管理はどのようにしたらよ
いでしょうか A.各社での基準となりますが、除染電離則による放射線障害防止のための措置
として、①外部被ばくの線量を測定し、記録・管理を行う ②1年に1回必ず健康
診断を受けること ③特定線量下業務を行う前に特別教育を受講すること が義
務付けられております。工業会のガイドラインでは、特定線量下業務に従事しな
いレベルの放射線量を基準としております。 3.廃棄物に関して 3-① Q.指定廃棄物とは何ですか A.廃棄物の事故由来放射性物質による汚染状態で、セシウム134およびセシウム
137の放射能濃度の合計値が8,000ベクレル/kgを超え、地方環境事務所に申請し、
指定された廃棄物を指定廃棄物と言います。指定廃棄物については、国がその処
理を行うこととされており、国等が引取りを行うまでの間、廃棄物の占有者は現
場保管基準に従い保管しなければなりません。 参照:環境省発行「廃棄物関係ガイドライン 第2版」 P1-19 http://shiteihaiki.env.go.jp/pdf/booklet_01_02_131023.pdf 3-② Q.中間貯蔵施設・最終処分施設とは何ですか A.除染等に伴い生じる土壌や廃棄物の量は膨大であり、中間貯蔵施設は、これ
らを最終処分するまでの間、安全に集中的に管理・保管する施設です。 また中間貯蔵開始後30年以内に、最終処分を完了します。 参照:環境省 除染情報サイト 「中間貯蔵施設について」URL: http://josen.env.go.jp/soil/interim_storage_facility.html 8
3-③ Q.残土と汚泥の違いについて教えて下さい A.建設汚泥とは、含水率が高く微細な泥状の掘削物を汚泥と称しています。具体
的には掘削物を標準ダンプトラックに山積みできず、またその上を人が歩けない
状態(コーン指数がおおむね200kN/㎡以下または一軸圧縮強度がおおむね50k
N/㎡以下)のものを汚泥とし、廃棄物処理法に規定する産業廃棄物として取扱う
必要があります。残土とは洗車等で発生する建設汚泥以外の土砂、地山掘削によ
り生じる掘削物、浚渫土が土砂および土砂に準ずるものとして、廃棄物処理法に
おける廃棄物の対象外となっています。 3-④ Q.洗車時に発生する残土の処理はどのようにしたらいいですか A.汚泥に含まれる、放射性物質の濃度によりますが、8,000ベクレル/kg以下の
場合は、通常の廃棄物同様に産業廃棄物として処理をしてください。8,000ベクレ
ル/kg超の場合は施設管理者等より地方環境事務所長へ申請していただき、指定
廃棄物として国が引き取るまでの間保管していただくことになります。 3-⑤ Q.部品交換等で発生する廃棄物の処理・保管について基準はあるので
しょうか A.サービス活動における部品交換等にて発生した廃棄物については、8,000ベク
レル/kg以下の場合は、通常の廃棄物同様に産業廃棄物として処理をしてくださ
い。8,000ベクレル/kg超の場合は施設管理者等より環境省・地方環境事務所長へ
申請していただき、指定廃棄物として国が引き取るまでの間保管していただくこ
とになります。 3-⑥ Q.放射性物質が含まれた交換部品(廃棄物)の保管方法について教え
て下さい A.交換した部品や、作業時に使用したウエスなど、線量が高い場合は、ドラム
缶等に入れて、上部をふたで密閉して一時保管してください。 また、放射線防護の観点から保管場所に人がみだりに立ち入らないよう立入防止
の為の囲い等を設置してください。搬入前に保管場所において放射線量のバック
グラウンド測定を行ってください。保管場所に搬入完了後、囲い付近の放射線量
がバックグラウンドの放射線量より追加線量が0.19マイクロシーベルト毎時以下
であることを確認してください。 9
3-⑦ Q.8,000ベクレル/㎏以下の廃棄物の処理について教えて下さい。また
廃棄物の処理について、どこに処理を依頼すればよいのですか A.8,000ベクレル/㎏以下の廃棄物については通常の産業廃棄物として処理をして
ください。廃棄物の処理については、環境省管轄の各地方環境事務所 廃棄物・
リサイクル対策課へ相談いただき、各地域の産業廃棄物処理業者をご紹介いただ
き処理を行ってください。 参照:環境省 地方環境事事務所 事務所一覧URL: http://www.env.go.jp/region/list/li_1.html 3-⑧ Q.放射性物質が含まれた物の放射性濃度を測定したいのですが、どの
ようにしたらよいでしょうか A.厳密には環境省発行の「廃棄物関係ガイドライン 第2版」の「第5部 放射
能濃度等測定方法ガイドライン」URL:
http://www.env.go.jp/jishin/rmp/attach/haikibutsu-gl05_ver2.pdf に従い測定していただきますが、簡易的な測定方法として、(一社)日本電気計
測器工業会より出ている「簡易的な環境放射線測定に関するガイドライン」を参
考にしてください。URL:
http://www.jemima.or.jp/assets/files/kankoubutsu/guideline/SimpleMeasurementOfRadiation_Guideline.pdf
また、外部へ放射性濃度等を測定依頼する場合は、(一社)日本環境測定分析協
会の会員に依頼することを推奨します。(下記URL参照) http://www.jemca.or.jp/info/top/attach/radiation_list.pdf 4.補償に関して 4-① Q.原発事故による、放射線の作用などにより損害が生じたものは請求
できるのでしょうか A.東京電力のホームページに原発事故による賠償金の請求に関する内容が掲載さ
れております。詳細につきましては、下記URLをご参照ください。
http://www.tepco.co.jp/comp/faq/index2-j.html 10
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