第3回 「国境離島の保全、管理及び振興のあり方に関する有識者懇談会」
議事概要
【日 時】 平成25年6月3日(月)11:00~12:00
【場 所】 内閣府本府3階特別会議室
【出席者】 奥脇座長、秋山委員、磯部委員、久保委員、渡邊委員
白川全国離島協議会会長(壱岐市長)
○概要
白川全国離島協議会会長(壱岐市長)から、離島の保全、管理に係る現状と課題について、
説明が行われ、質疑応答及び自由討議が行われた。
○白川全国離島協議会会長(壱岐市長)の説明概要
1.壱岐市の概要
・壱岐市には4の有人離島、19 の無人離島が存在(0.001km2 以上)
。
・対馬海峡東水道、西水道が特定海域となっており、若宮島には海上自衛隊の警備所も
所在。
・平瀬という低潮線保全区域も存在、国有化の措置も実施。
2.離島に期待される役割
・海での治安維持(密漁、密航、密輸の監視)に漁船操業が大きな役割。
・外国漁船の緊急入域も多い。
・島は国土総面積の 2%を占めるのだが、自然公園面積では 4.8%を占める。
3.昨今の情勢変化やこれに伴う課題
・離島の人口は昭和 35 年から平成 22 年にかけ離島の人口は半減以下に。日本全体の人
口も減少に転じており、離島の人口減少はさらに加速度的に進むことを懸念。
・離島振興法の適用関係市町村数について、市町村合併が進み、離島の自治体数は約 4
割減。平成 15 年当時は全域が離島の市町村と一部が離島の市町村とがほぼ半々であっ
たが、現在は前者が約 1/3、後者が 2/3 に。離島が市町村の一部になることが進めば保
全・管理上も問題に。
・離島は第 1 次産業が主産業であるが、人口減少等が進み、非常に厳しい。
・生産額も農業、水産業とも昭和 60 年当時と平成 20 年当時を比較すると約半分に。
・交通、輸送コストも大きな負担。輸送コスト高が離島の産業、発展を阻害。
・ガソリンについては国から 10 円~70 円/L 補填されているが、その他の燃油は補助な
し。ガソリンでも本土と比べ 15 円/L の差。
・漂着ゴミ等の問題について、清掃~処理~搬出には大きな負担。離島は海洋のゴミ問
題ではフィルタの役割。
・無人島化が進み(戦後 50 島以上)
、離島では密航事案等も懸念。公的機関などの合理
化(灯台の無人化、郵便局の無集配化等)が進展。
・近年、五島市のある無人島においては、民有地が売りに出され、外国資本による購入
を不安視する声もあった。
4.離島の保全等に係る自治体の取組
・離島は海の治安維持(密漁、密航の防止)
、国防に大きな役割。
・海域に漁船がおり、異常をすぐに察知できるのは、海の安全確保上重要。
・離島での漂流・漂着ゴミ処理費用も、自治体の大きな負担。
・壱岐市の事例として、無人島の景観保全、密漁・不審船などの監視活動として、漁協
で監視船、監視委員会を組織。海上保安署に連絡。市では漁協への財政支援の実施。ま
た、市民による無人島の灯台監視も実施。
・五島市の事例として、平成 22 年に市が無人島所有者調査を実施。52 無人島(0.001km2
以上)のうち、行政所有が 14 島、民有地が 15 島、官民混在が 14 島、無主地が 9 島。
・五島市の事例として、平成 24 年に国境離島ツアーを開催。以前、肥前鳥島付近では外
国船によるサンゴ密漁も。燃油高騰により漁船が出漁できず、監視が行き届いていない
懸念。
・五島列島や隠岐島前の事例として、多くの外国船が緊急避泊入域。
5.国民に対する普及啓発事例
・離島の存在や役割を国内外に紹介する小冊子を発行、国境離島切手を発売。離島の振
興を図るためには、海洋にどれほどの財産があるかを普及啓発し、離島の果たす役割を
PR することが重要。
6.その他
・今回離島振興法改正では離島における定住促進が謳われているが、航路・航空路運賃
が高いのが問題。離島振興の促進(産業の育成)のためには、標準運賃設定の導入など
を国にはお願いしたい。
○委員からの主な意見等(
「・」は委員からの意見等、
「→」は白川会長(市長)からの回答)
・今後、漁業の減少、高齢化、無人離島化が進む中で、離島の市町村が本土の市町村と合併
することが好ましくないとの話があったが、本土・本島と一体化する方が良いかとも思う
が、この点どのように考えられているか。
→一島一町、一島一市だと小回りが利き、自主財源もある。一方、市町村の一部となった
離島は人口減少率も激しい。議会議員が出せなくなるかもしれず、住民の声が行政に届
かなくなる。また、自治体全体に占める離島の人口比率も低くなり、行政の手が届かな
くなる。本土側自治体との一体化はプラスの面もあるが、人口減少にもみられるように、
マイナス面が大きい。ある地域で本土の大都市と合併した島、しなかった島があるが、
合併した島の元気がなくなったという事例もある。
・全ての島に定住促進を進めるというのではなく、
(国境離島の管理・保全施策を進めるため
には)定住促進以外の方法・目標があってもいいかと思うがいかが。
→定住促進については、島全体が限界集落になっているところもあるが、各首長は無人島
化すべきではないと考えられていると思う。
・漁船がパトロールの機能を担っており、公的な性格を有するのであれば、いくつかの目的
を兼ねた資格や補助というのは考えられるか。また、特区により税を安くして産業振興を
図るなどの考え方もあると思うが、どういう方法が良いと考えるか。
→国境離島については、そもそも定義が難しい。燃油代が高すぎるため、操業漁船も少な
くなっており、漁協も経営危機に陥っている。国境離島だけではなく、漁業を救う、育
てる施策を進めないといけない。
・自衛隊の基地機能が経済的にも島を支えているとの話があったが、基地は騒音等のマイナ
ス面もある。基地と市民社会との共存問題について、壱岐市の場合は中長期的に見て、プ
ラス、マイナスどちらか。
→壱岐の若宮島には海上自衛隊の基地があるが、家族は(壱岐の)本島にいて、隊員の子
供達が通う小学校では複式学級化を免れている。自衛隊の職員は若く、地区のイベント
等へも積極的に参加してもらっているなど、自衛隊との関係は良好である。
・私の勤務する大学では夏休み(6 月~8 月)ボランティア、体験学習を勧めているが、一定
期間、島に行ってもらってボランティア等してもらおうとも考えるがいかが。
→学生のボランティア等について、学生に離島の現状を知って欲しいと考えている。その
ためにはボランティア等、特に漂着ゴミ問題に関心を持って欲しい。壱岐には「チーム
防人」という民間組織があり、年 2 回ボランティアツーリズムを開催、多くのボランテ
ィアが活動している。
・市町村合併した所としなかった所で元気さの度合いが違うという話があったが、元気が出
るところとそうでないところの分かれ目はあるのか。また、無人島化、公的機関の合理化
について、国に対する要望はあるか。
→壱岐のように島内四町あったものが一市になった自治体は、スケールメリットも発揮で
き、大きな効果があったと考えている。一方、一島一町だった自治体が本土側の大きな
市と合併し、一地域化すると元気がなくなってしまう。感覚的には、小学生がいれば持
続可能な島と認識。国に対する要望としては、国民は等しく(同じコストで)移動でき
る権利を有していると思っており、交通基本法が成立すればと思う。離島は、ただでさ
え所得が低いのに運賃・輸送コストが高いようでは本土と同じ土俵には立てない。是非、
国に何とか実現して欲しい。
・五島市の島の所有者調査の話があったが、所有者不明の土地は壱岐にもあるのか。
→壱岐では調査は行っていないが、所有者不明の土地があると思われる。所有者調査は必
要だと思う。
・国境離島も基点となっている国際海峡において、国境管理に重要な働きをする漁民の活動
に制約が生じないよう、領海を 3 海里から 12 海里に拡大再設定することについて、検討し
てはどうか。
以上
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