平成20年7月3日
日本生命保険相互会社
弊社に対する行政処分について
本日、弊社は金融庁より保険業法第132条第1項の規定に基づく業務改善命令を
受けました。
これまで弊社は、平成18年7月26日付の保険業法第132条第1項の規定に基づく
業務改善命令に対する業務改善計画(お客様サービス革新プロジェクト)に沿って、
再発防止に取り組んでまいりましたが、今回の処分を厳粛に受けとめ、更に、この取組を
定着・浸透させ、全社を挙げてお客様からの信頼回復に取り組む所存でございます。
お客様に大変ご迷惑をおかけしましたことを、改めて深くお詫び申し上げます。
今回の行政処分の内容等は下記の通りです。
記
1.業務改善命令の概要
(1)経営管理(ガバナンス)態勢の改善及び強化
経営陣が、保険金等の支払漏れ(保険事故が発生し、主たる保険金等の支払は
行われているにもかかわらず、保険会社が他の保険金等について保険契約者等から
請求がなかった等のため支払っていなかったことをいう。以下同じ。)等を未然に
防止するための保険金等支払管理態勢の整備について、主体的かつ統一的に関与
する態勢の改善及び強化を図ること。
(2)内部監査態勢等の改善及び強化
保険金等の支払漏れ等に係る再発防止策等の実施状況やその実効性を自ら検証
していくための内部監査態勢等の改善及び強化を図ること。
(3)保険金等の支払漏れ等に係る再発防止策等の必要な見直し及び改善
保険金等の支払漏れ等の発生原因分析に基づき策定した再発防止策等を確実に実施
するとともに、その実効性を自ら検証し、必要な見直し及び改善を図ること。
(4)上記(1)から(3)について、具体策及び実施時期を明記した業務改善計画を
平成20年8月1日(金)までに提出し、以後、業務改善計画の実施完了までの間、
計画の進捗及び実施並びに改善状況をとりまとめ、6ヶ月毎に報告すること。
2.処分の理由
(1)事実関係
次のような多数多額の保険金等の支払漏れ等が認められた。
1
①保険金等の請求に必要な診断書等(以下「診断書等」という。)に記載された入院、
手術等に関する情報の見落とし又は見誤り等により、本来、支払われるべき保険金等
が支払われていなかった事例
②診断書等に記載された内容から、請求を受けた保険金等以外にも支払える可能性が
ある保険金等があったにもかかわらず、契約者等へ請求が可能な保険金等があること
を 案 内 し て い な か っ た こ と か ら 、 他 に 支 払 可 能 で あ っ た 保 険 金 等 が 支 払 わ れて
いなかった事例
③複数の保険契約の加入がある契約者等から、一部の契約について保険金等の請求を
受けた場合に、当該契約以外の契約に基づいて支払える可能性がある保険金等が
あったにもかかわらず、契約者等へ請求が可能な保険金等があることを案内して
いなかったことから、他の契約に基づき支払可能であった保険金等が支払われて
いなかった事例
④失効契約に係る返戻金について、契約者等への案内が不足していたことから、当該
返戻金が支払われていなかった事例、遅延利息について、計算誤り等により支払金額
が過少となっていた事例等
(2)発生した要因
①経営陣をはじめ会社全体として、保険金等の支払漏れ等の発生を防止することの
必要性の認識が不十分であったこと。
特に、契約者等に対して請求案内を行うことの重要性についての認識が不十分で
あったこと。
②保険金等の支払漏れ等に焦点を当てた実効性のある内部監査が実施されていなかった
こと。このため、多数多額の保険金等の支払漏れ等が発生している事実を内部監査
部門が把握していなかったこと。
③保険金等の支払漏れ等を未然に防止するために必要なシステムの整備、漏れなく請求
案内を行う事務プロセスの整備、支払査定者間の相互チェックなど人為的ミスを排除
するための態勢整備に不備があったこと。
④保険金等の支払事由の特性等を考慮した支払担当者等に対する研修及び教育態勢が
不十分であったこと。
⑤保険金等の請求漏れを未然に防止するための契約者等に対する注意喚起や具体的な
保険金等の請求方法についての情報提供といった契約の保全業務態勢が不十分で
あったこと。
保険金等の支払漏れ等の発生原因分析に基づく再発防止策等が策定され、その実行に
着手するなど一定の業務改善は認められたが、再発防止策等についての内部監査部門等に
よる実効性の検証を終えていないなど、未だ業務改善は途上段階にある。
したがって、業務改善プロセスの定着を図っていく必要があると認められた。
2
3.再発防止策
弊 社 は こ れ ま で 、 再 発 防 止 策 ( 別 紙 ) を 策 定 し 、 計 画 通 り 着 実 に 取 組 を 進 める
とともに、経営改善プロセスの中で、新たに把握した課題についても、解決に向け、
取り組んでおります。
今般の業務改善命令の趣旨を踏まえ、経営管理(ガバナンス)態勢や内部監査態勢等
の改善・強化の観点から、今後、再発防止策の更なる定着・浸透を図ってまいります。
経営として、上記の点が最も重要な責務であると考えておりますが、今般の問題により、
お客様へ多大なるご迷惑をお掛けしたことを踏まえ、経営責任の明確化についても、
今後検討してまいります。
(ご参考)お客様への対応
対象となるお客様に対して、複数回にわたる通知や電話に加え、営業職員の直接訪問に
よる請求勧奨など、考えうる対策を尽くした結果、平成20年5月末時点で、お支払いを
要する保険金等、約134億円のうち、96.9%にあたる約130億円について、
お支払いを完了しました。残るお客様についても、引き続き、お支払いに向けた対応を
進めております。
以
3
上
別紙
現在取り組んでいる再発防止策
1.経営管理(ガバナンス)態勢の改善及び強化
① 社外取締役・社外監査役の増員【平成19年7月】
・経営に対する牽制機能を強化するとともに、広くお客さまの視点に立った客観的な
ご意見を頂き、経営に反映していくため、平成19年7月3日の総代会にて、社外
取締役を1名から3名に増員いたしました。また、同日、さらなる監査態勢の充実
を図るため、常勤の社外監査役を1名増員いたしました。
② 監査役監査の充実【平成18年8月より】
・監査役による監査について、監査方針・計画の明確化や、事務・システム領域に
専門知識を有したスタッフの増配置等、保険金・給付金等の支払実務に関する監査
の充実・強化に加え、常勤監査役の社外からの招聘による増員等、全社に跨る
監査役の監査機能について充実を図っております。
③ 「業務監視委員会」の設置【平成19年1月】
・取締役会の監督機能をより強化するため、取締役会からその監督機能の委嘱を受け、
社外取締役、社外者である社員3名、及び検査部担当取締役から構成される
「業務監視委員会」を平成19年1月1日付で設置しました。「業務監視委員会」は、
保険金等の支払漏れ等に対する再発防止策を含め、法令等遵守の状況及び内部管理
態勢等について審議し、その結果をその都度、取締役会に報告しております。
④ 「資源・企画担当役員会議」の設置【平成18年9月】
・総合企画部、人事部、主計部等の経営資源配分に関わる所管を担当する役員の他、
新統合推進部や営業企画部、法人営業企画部、財務企画部を担当する各役員から
構成される「資源・企画担当役員会議」を設置し、全社的な経営資源配分に関わる
方向性の確認及び役員間の情報共有化の徹底を部門横断的に図っております。
⑤ 「事務体制発展推進本部」の設置【平成18年10月】
・事務・システム・サービス管理態勢の強化に向けた、資源配分、事務態勢構築に
関する集中的な審議を行う「事務体制発展推進本部」を設置致しました。「事務体制
発展推進本部」は、社長を本部長とし、総合企画部、人事部、主計部等の資源配分
に関わる所管の担当役員や保険契約管理・支払業務を専管する役員から構成し、
随時開催しております。
⑥ 「新統合システム推進特別委員会」の設置【平成20年5月】
・新統合システム開発の一層の推進を図るため、事務・システム、商品開発等に係る
検討課題を共有化し、部門横断的な審議を通じた開発を推進する「新統合システム
推進特別委員会」を新設いたしました。
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⑦ 「総合事務本部(仮称)」の設置【平成21年3月(予定)】
・適正な事務の構築とお客様サービスの向上といった観点から、現在大阪地区にて
分散している事務部門の今後の中長期的な組織態勢のあり方について検討し、
「総合事務本部(仮称)」を立ち上げます。
⑧ 苦情対応態勢の整備【平成18年5月より】
・苦情の未然防止や迅速な対応に向けた態勢の整備として、お客様サービス部への
要員増強のほか、「重大苦情対策会議」や「支払サービス審査会」の設置、その審議
内容の経営陣への報告、苦情件数やその内容についての四半期毎の開示等を実施
しております。
⑨ 本店(大阪)での取締役会・経営会議開催の増加【平成19年3月より】
・事務・システム部門が所在する本店(大阪)において、事務部門に対する
経営陣の関わりを高め、状況を的確に把握するため、取締役会・経営会議の本店
開催を増加しております。
⑩ 「社長意見交換会」「事務部門タウンミーティング」の開催【平成18年9月より】
・事務部門に対する経営陣の関わりを高め、状況を的確に把握するため、社長自らに
よる事務担当者との意見交換会や、経営陣と事務部門の職員とが、直接声・提言を
交換する場である「事務部門タウンミーティング」を開催しております。
2.内部監査態勢等の改善及び強化
① 検査要員増強・検査手法の見直し等、検査部検査の充実【平成18年10月より】
・業務監視委員会の設置とあわせて、検査部担当取締役を専管配置することにより、
検査部の業務執行ラインからの独立性を確保するとともに、「検査要員の増強」、
「検査手法の見直し」を行い、内部監査機能を強化・拡充しております。
② 「契約検査室」の設置及び支払管理部門への検査の強化【平成17年10月より】
・平成17年10月に、支払査定の適正性等を検証する「契約検査室」を検査部内に
設置し、その後も要員体制の強化を図っております。
・契約検査室では、全ての保険金・給付金等支払部門に年4回無予告検査を行うなど、
支払管理態勢への内部牽制機能を強化しております。
③ 自己点検の強化【平成18年11月より】
・各所属で定期的に行う自己点検においても、範囲を拡大し、全社の全業務について
「お客様の視点」という観点から、規程の整備状況・事務取扱等について点検を
行うとともに、相互牽制機能の強化を図っております。
④ リスク管理態勢の強化【平成18年7月より】
・平成18年7月より、給付金誤払い事象等の重要案件について、運営面での対策等
を含めた総合的な対応策を「事務リスク管理専門委員会」で審議する運営を実施
するほか、平成19年1月より「リスク管理統括部」を新設するなど、リスク管理
態勢の強化を行っております。
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3.保険金等の支払漏れ等に係る再発防止策等の必要な見直し及び改善
(1)お客様への説明態勢の充実
① 教育の充実と営業職員制度改正【平成19年3月より】
・営業職員の職務は「ご加入からお支払いまで責任をもってお客様へのサービスに
努めること」であるという価値観を徹底し、ご契約のアフターサービスに関する
研修の充実を図っております。
・また、契約成立にいたるプロセスや契約後のアフターフォローなどの「基本職務」
を評価の基軸とする制度改正を実施いたしました。
② お支払いに関する説明の充実【平成19年8月より】
・全てのご契約者様を訪問のうえ、ご加入の契約の保障内容についてご説明を行うと
ともに、保険金・給付金等のお支払事由に該当していないか確認を行う「ご契約
内容確認活動」を実施しております。
③ お客様宛情報提供の充実【平成19年7月より】
・毎年1回全てのご契約者様に郵送しご契約内容をご確認いただく「ご契約内容の
お知らせ」に、注意喚起ビラを同封し、保険金・給付金の請求対象となる代表的な
事例のご理解を深めていただけるようにいたしました。
・さらに、平成19年12月からは、将来のご請求に備え、ご請求漏れに関する注意
喚起の小冊子「ご契約を充分にお役立ていただくために」も同封しております。
④ 支払サービス審査会の開催等、苦情対応態勢の充実【平成18年6月より】
・支払査定に関する長期未解決苦情案件や、社外弁護士が中立的な立場で、お客様
からお申出内容をお伺いする「お申出制度」を通じて再査定が必要とされた案件等
について、社外弁護士を審査会長とする「支払サービス審査会」にて審議・再査定
を行うなど、苦情対応態勢の充実を図っています。
・また、保険金・給付金等のお支払いに関して、担当者等の説明にご納得いただけ
ない場合に、フリーダイヤルで直接ご相談をお受けする窓口である「異議申出
窓口」を開設しております。
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(2)お客様の視点に立った事務態勢の再構築
① 「セルフチェックシート」によるお客様へのご案内ルールの新設【平成19年9月】
・保険金・給付金の請求受付時やご相談時に、ご請求いただくために必要な情報を
お客様よりお伺いし、お支払い出来る可能性がある保険金・給付金を漏れなく
ご案内するための「セルフチェックシート」を導入し、ご請求に漏れがないかを
お客様にもご確認いただける仕組みといたしました。
② 社内連携ルールの見直し【平成19年3月より】
・入院給付金の請求内容から3大疾病保険金等の請求を案内すべきと考えられる
ケースなど、お客様への請求のご案内が漏れることのないよう、査定担当者間の
連携態勢を整備・強化しております。
③ 通院給付金に関するご案内の充実【平成19年7月】
・通院特約が付加されているご契約における入院給付金支払の際に、「支払明細書」の
送付とあわせ、通院給付金に関する注意喚起を行い、ご請求漏れにご留意
いただけるようにご案内を充実いたしました。
④ 診断書取得費用相当額の当社負担【平成19年12月】
・個人保険・個人年金保険の保険金・給付金をご請求の際、弊社所定の診断書を
お取寄せいただいたにもかかわらず、お支払いの対象とならなかったお客様に、
その診断書取得費用相当額として、一律5,250円(通院証明書は3,150円)
をお支払いする取扱いを開始いたしました。
⑤ 「支払サービス部」の新設 【平成19年7月】
・保険金・給付金等を、正確・迅速、かつ、わかりやすくお支払いするために、
お客様へのサービスを企画・推進する部署として、「支払サービス部」を新設
いたしました。
⑥ 失効契約に関するお客様対応の強化【平成19年8月より】
・お客様への通知回数の拡大(失効時、1年経過時、2年6ヶ月後の3回)、及び
2回目、3回目における営業職員等による説明活動を平成19年8月より順次実施
しております。さらに、保険料払込猶予期間満了時点で、訪問・電話による「復活」
「解約」及び「自動振替貸付制度」についてのご説明も実施することといたし
ました。
※なお、上記のご案内を行ってもお客様の意思が不明なご契約については、復活
可能期間(原則失効後3年間)経過後に、ご請求をいただかなくても、当社から
解約払戻金をお支払する仕組みを導入してまいります。
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(3)お客様サービスを支えるインフラの整備
① 診断書フォームの改訂【平成19年12月】
・保険金・給付金のお支払いが不足しているケースの大部分が、査定担当者による
診断書の見落としや見誤りによるものでした。社団法人生命保険協会で定めた
ガイドラインに沿って、診断書フォームを、医師が記入しやすく、支払査定実務に
即した形式に改めました。(例.手術欄の記入箇所充実、注釈の追加 等)
② 診断書の電子化の推進【平成18年10月より】
・今回の調査では、診断書に起因する問題が多数明らかになりました。今後は、医療
機関のご協力も得ながら、社団法人生命保険協会とも歩調をあわせ、診断書の
電子化推進に努めてまいります。
③ 大規模システム開発の推進【平成23年度を目処】
・保険のご提案、お申込みから保険金・給付金のお受取りに至るまで、お客様への
サービスの全領域・全工程に亘る基幹システムを抜本的に再構築すべく、
1,500億円規模のシステム投資枠を設定し、平成23年度を目処に「新統合
システム」を開発してまいります。とりわけ、支払領域については、正確・迅速
かつわかりやすい事務の構築に向け、「次世代アンダーライティングシステム」を
先行的に開発してまいります。
(4)お客様の視点に立った商品開発態勢の整備
① 新商品開発・発売ルールの策定【平成18年10月】
・新商品開発にあたり、適切な支払管理態勢の構築を通じたお客様の利益保護の観点
から、保険金等支払管理部門の事務負荷に関する十分な検証を行うべく、新商品に
係る保険金等の支払態勢の整備状況について確認・検証し、整備未了の場合に発売
延期も含めた措置を取るルールや、発売後のシステム対応の内容等を判断するため
のルール(「商品開発時の事務・システム対応の確認に係る規程」)を策定いたし
ました。
② 商品ラインアップの見直し【平成18年4月より】
・販売量の僅少な商品や利用実績の低い制度については、順次、取扱停止を進めて
おります。引き続き、お客様ニーズにあった商品ラインアップの実現に取り組んで
まいります。
・約款の記載についても、ご契約者の視点から、より分かりやすい内容とすべく
見直しを進めてまいります。また、約款について、よりお客様にご理解頂けるよう、
平成19年4月より、約款の各条文ごとに図解で分かりやすく説明する等の工夫を
施した「約款のわかりやすい解説」を作成し、ホームページに掲載しております。
③ 商品開発部門と保険金等支払管理部門等との連携強化【平成19年3月より】
・商品開発部の基礎書類作成機能を事務・システム部門が所在する本店(大阪)に
移転することにより、商品開発部門と保険金等支払管理部門をはじめとする事務・
システム部門との連携を一層強化しております。
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ダウンロード

弊社に対する行政処分について