劉志昱
平成27年11月18日
第三回
名詞、副詞、連体詞
名詞――
一、名詞の特質

活用がない

自立語

それだけで主語となる

助詞「ガ」「ハ」などを伴って主語文節を作る
ことができる

体現とも言われる
二、名詞の種類
①普通名詞
 犬 虫 魚 山 桜 川 紙 家など
 事物における同類に共通する名称・呼称を表す
語
 ②固有名詞
 大阪 京都 聖徳太子 夏目漱石 源氏物語
 地名・人名・書名・山の名・川の名
 そのものに固有の名称・呼称を表したり、ほか
に同じようなものがあっても、他と区別する意
義の元に用いられる語

二、名詞の種類
③数詞
 一人 二つ 三グラム 四日 七つ目
 事物の数を表す語、数によって順序や等級を
表す語
 ④代名詞
 私 彼 これ それ どれ どこ どちら
 事物の名を言う代わりに、話し手、聞き手の
関係に基づいて直接事物を指し示す語

三、形式名詞

名詞⇔形式名詞

一定の実質概念を持たず、名詞としての形式
概念しか持たないものを形式名詞(不完全名
詞)という
①私の言うとおりにしなさい。
 ②ここは風の通りが悪い。
 ③ぼんやり立っているところを写真に取られ
た。
 ④ところ変われば品変わる。
 ⑤友人のために努力した。
 ⑥ためにならない。

形式名詞









①とおり
②ところ
③ため
④はず→確かに帰ったはずだ。
⑤とき→勉強するときは、一生懸命やりなさい。
⑥わけ→そこへいけないわけがあるのです。
⑦まま→服を着たまま、眠ってしまった。
⑧こと→すばらしいことが起こりました。
⑨うち→考えているうちに、時間がたってしまっ
た。
四、複合名詞
①名詞+名詞
 山道、本箱、柱時計
 ②動詞+名詞
 忘れ物、出口、つり橋
 ③名詞+動詞
 月見、火消し、芋ほり
 ④動詞+動詞
 立ち話し、受け取り、書置き

四、複合名詞
⑤形容詞の語幹または語幹相当形+名詞
 遠山、浅瀬、嬉し涙
 ⑥形容詞の語幹+動詞
 苦笑い、長患い
 ⑦名詞+形容詞の語幹
 足早、気短、夜長
 ⑧形容詞の語幹が重なる
 遠浅、細長

四、複合名詞
⑨接頭語+名詞
 お菓子、ご飯、小山
 ⑩接尾語のついたもの
 親たち、五本、高さ
 ⑪名詞+名詞=畳語
 人々、我々、誰々
 ⑫三語からなるもの
 茶の間、竹の子

副詞と連体詞
一、副詞の特質
 自立語
 活用がない
 主語となることができない
 単独で用言や用言を含む文節を修飾する連用
修飾語となることのできる語

副詞
 すっかり、きわめて、めっきり、しば
らく、にっこり、ほのぼのと、そっと、
けっして、たぶん、どうか…
副詞
①私は今朝帰ったばかりです。
 ②弟は、参考書を二冊買った。
 ③文法の本を、繰り返し読んだ。
 ④桜の花が美しく咲いた。
 ⑤廊下は、静かに歩きなさい。


副詞は連用修飾語になるが、連用修飾語にな
るものがすべて副詞であるとは限らない
二、副詞の種類
(一)、状態の副詞
 ①彼女はしくしく(と)泣いた。
 ②生徒たちは、がやがや(と)話した。
 ③佐藤君が、にっこり(と)と笑う。
 ④富士山がはっきり(と)見えた。
 ⑤旅の一行はゆっくり(と)歩いていた。
 用言の動作、作用の状態を詳しく定めている
――状態の副詞

擬声語、擬態語

「しくしく」「がやがや」は、音声をまねて
いるところから、擬声語という。
「にっこり」「はっきり」「ゆっくり」は、
状態、態度を模していっているところから、
擬態語という。
 「しくしく」「がやがや」は、同じ音を言う
ところから、畳語ともいう。







語尾に「に」「と」のついた、次の状態の副詞は、
その「に」「と」がなくても副詞として使えるも
のである。
直ぐにできる→直ぐできる
たちまちに完成した→たちまち完成した
ぽっかりと浮かんでいる→ぽっかり浮かんでいる
「に」「と」は助詞ではなく、副詞の一部である。
状態の副詞は、その一般的傾向として、「に」
「と」を省略して使う場合が多いようである。
程度の副詞
①今日はずいぶん寒い。
 ②これはたいそう立派だ。
 ③体がめっきり衰えた。


用言の動作、作用の程度を詳しく定めている
――程度の副詞

①もっとゆっくり歩こう。

②よほどはっきり見える。

③至極のんびりしている。

下線の副詞は他の副詞を修飾する

①もっと前を見なさい。

②ずっと昔のことだ。

③もう三日待ってください。

体言(場所・方向・時間に関するもの)を修飾
する
状態の副詞と程度の副詞の識別法
①大変美しい。
 ②大変静かだ。
 ③かなり早い。
 ④かなり異常だ。
 ⑤きわめて厳しい。
 ⑥きわめて健康だ。
 形容詞、形容動詞の前に位置することができ
るのは程度の副詞である

①しばらく待っていた。
 ②×しばらく遅い。
 ③×しばらく遅鈍だ。
 ④たちまち消えてしまった。
 ⑤×たちまち速い。
 ⑥×たちまち俊敏だ。


動詞の上にしか位置しないのは状態の副詞で
ある。
叙述(陳述)の副詞
①あの人はうそを決してつかない。
 ②まさか、そんなことはないだろう。
 ③お会いできるとは、まるで夢のようだ。


述語となる文節に対して、一定の言い方(表
現、叙述)を要求している。このような副詞
を叙述の副詞、陳述の副詞とも言う。
三、副詞の呼応
副詞の呼応(副詞の照応)とは、すでに述べた
ように陳述の副詞と呼応して、次のようない
ろいろな意味の表現を要求して導くことを言
う。
 (1)肯定の表現を要求するもの
 ①明日はきっと雨だ。
 ②もちろん、僕も行く。
 →必ず、ぜひ

(2)否定の表現を要求するもの
 ①決して、そんなことは許さない。
 ②とうてい、そんなことはできない。
 →少しも、ちっとも
 (3)推量の表現を要求するもの
 ①たぶん、明日は晴れるでしょう。
 ②おそらく、来ないだろう。
 →さぞ、まさか

(4)疑問の表現を要求するもの
 ①なぜ行かないのか。
 ②どうしてこなかったのか。
 →なにゆえに、どうして
 (5)希望の表現を要求するもの
 ①どうか、写真を撮ってください。
 ②どうぞ、おいでください。
 →ぜひ、なにとぞ

(6)比況の表現を要求するもの
 ①まるで絵のようだ。
 ②ちょうど海みたいだ。
 →あたかも、さも
 (7)仮定の表現を要求するもの
 ①もし失敗したら、大変だ。
 ②たとえ(たとい)おいでになっても、無駄
足になるだけです。
 →万が一、仮に

(8)禁止の表現を要求するもの
 ①断じて行ってはならない。
 ②決して負けるな。
 →絶対に
 (9)反語の表現を要求するもの
 (*反語=本来の意味とは反対の意味を強く
にじませる表現法)
 ①どうして心配せずに要られようか。
 →なぜ

(10)否定、推量の表現を要求するもの
 ①まさかそんなことはあるまい。
 ②とてもそんなことはできない。
 →よもや

連体詞
特質
 ①自立語
 ②活用なし
 ③主語、述語にならない
 ④それだけで連体修飾語となるもの

連体詞の種類
①「~の」
 この、その、あの、どの、わが
 ②「~る」
 ある、いわゆる
 ③「~な」
 大きな、小さな
 ④「~た」
 たいした、たった

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第三回 名詞、副詞、連体詞