6月18日 第8回発表
藤井 海太
国の競争優位
マイケル・E・ポーター
今回の概要

前回までに、国の優位の決定要因を個々に説明した。

しかし、「ダイヤモンド」は部分同士が強化し合う相互作用システムで
ある。

今回は、このダイナミックスについて説明していく。
国の優位の決定要因
1. 要素条件
ある任意の産業で競争するのに必要な熟練労働またはインフラストラ
クチャーといった生産要素における国の地位
2. 需要条件
製品またはサービスに対する本国市場の需要の性質
3. 関連・支援産業
国の中に、国際競争力をもつ供給産業と関連産業が存在するかしない
か
4. 企業の戦略、構造およびライバル間競争
企業の設立、組織、管理方法を支配する国内条件および国内のライバ
ル間競争の性質
補足(チャンスと政府)
4章;国の優位のダイナミックス

国の優位の決定要因はシステムを形成している

このシステムを通じて、たくさんの国の特性が競争の成功を左右する

システムはつねに変化し、ひとつの決定要因が他の要因に影響を与
える

国としてのシステムは、個々の要因と同じか、それ以上に重要である

個々の決定要因がどのように組み合わされて動態的システムになる
のかを示す
決定要因間の関係


それぞれの決定要因が他の要因からどのように影響を受けるか
4つの決定要因それぞれについて見ていく
1. 要素創造のパターン
2. 需要の構成と規模に対する影響
3. 関連・支援産業の発展
4. 国内ライバル間競争への影響
要素創造のパターン

要素には種類があった
 一般的で基本的な要素
 高度で専門的な要素

一般的要素は、技術水準の高い国の優位にとって十分な基礎にはな
らないが、高度で専門的な要素を生むための基礎として役立つ

競争優位にとって重要なのは、高度で専門的な要素を創造しグレード
アップするための、効率的なメカニズムである

高度で専門的な要素の創造に、他の決定要因はどのような役割を果
たすのか
要素創造のパターン
要素創造のパターン


最も強く影響を与えるのは、国内ライバル間競争
国内のライバル群が、政府その他の機関による要素創造を刺激する
 学校や大学の特別訓練機関
 政府援助の技術研究所や訓練センター
 業界専門ジャーナルその他の情報誌

多数のライバルの存在が、産業がいかに重要で将来性があるかの信
号となり、専門の設備や熟練を創造するための投資リスクを下げるこ
とになる

要素創造は威信が高く、国が重視する産業で急速に進む

関連・支援産業
 要素のいくつかは、他の産業でも利用可能
 共通の原料、熟練、インフラを利用する数種の産業からなるクラスターが
あると、政府、教育機関、企業および個人が適切な要素創造または要素
創造メカニズムに投資する刺激となる

需要条件
 需要が極端に高いか、要求の厳しい、高水準な需要があると、公共と民間

の投資を関連要素の創造に導く
高級で専門的な生産要素が、要求水準の高いニーズを満たそうとして成
長するのである
需要の構成と規模に対する影響

産業にとっての国内の需要条件とは、人口、気候、社会規範、および
他の産業の構成などのような、その国の多数の特性の反映である

需要条件に対して、他の決定要因はどのような役割を果たしているの
か
需要の構成と規模に対する影響
需要の構成と規模に対する影響

最も重要な影響力は、ここでも、国内ライバル間競争

激しい競争と国内市場への注意に促され、マーケティングに投資する

国内の買い手を教育し、洗練度を高め、要求水準を上昇させる
 多くの製品化から選別ができるように、製品知識を深め、目を肥やしていく

国内のライバル間競争が活発になると、外国の需要まで上昇させる
 国の産業イメージを確立する
 他の供給企業からも購入できることが、この国から購買するときに感じるリ
スクを小さくする

成功している関連・支援産業があると、評判が転用されることなどによ
り、その産業の製品に対する国際需要を高める
 スイス;腕時計→精密機械製品
 日本;家庭用エレクトロニクスからの「メイド・イン・ジャパン」

国内需要の国際化は、要素条件にも影響される
 特定産業と結びついた、洗練された要素創造メカニズムを持つ国は、それ


を学び、観察したいという外国の学生や企業を引きつける
こうした学生や企業が、自国の製品に対する外国の需要を提供することが
多い
アメリカで訓練を受けた外国の医師が、本国に帰った後も、アメリカの医療
機器や薬品を使用することが多い
関連・支援産業の発展
関連・支援産業の発展

ここでも最大の影響を与えるのは、国内ライバル間競争

国際的に成功した国内企業グループが、グローバルな需要を供給産
業へと橋渡しする
 日本;半導体企業→半導体製造機器供給企業

ライバル競争が激しいと、供給産業から注目されやすく、顧客産業に
合わせた製品やサービスを創造する
 ハリウッド;映画制作→特殊効果会社、制作保険会社

ライバル間競争は、供給企業に革新への圧力をかける

既存の供給企業をグレードアップさせるだけでなく、新規参入を促し、
競争基準を引き上げる
関連・支援産業の発展

要素条件、とくに要素創造メカニズム
 産業で創造された熟練、知識、技術が波及して、関連・支援産業に恩恵を
与える

国内需要の大きさと成長力
 支援産業の幅の広さと専門化度合いを高める
 国内需要がかなり大きいと、より多くの専門的供給企業があらわれて、い
まだ満たされていないニーズを対象とし、輸入品にとって代わり、今まで社
内でやっていた活動を、さらに効率よく効果的に行うようになる
国内ライバル間の競争

国内の産業構造も、他の決定要因から影響を受ける

とくに、国内ライバルの数、技能、戦略に影響する他の決定要因の役
割は重要である
国内ライバル間の競争
国内ライバル間の競争

需要条件
 要求水準の高い国内の買い手が多数の購買先を求め、新規参入を促す



場合に、競争を激しくする
高度に洗練された買い手自身が、産業に参入することもある
例;日本のロボット産業のメーカーには、もともと大口のロボットユーザー
が多い
関連・支援産業
 直接または間接に、産業への新規参入が促進される
 とくに投資やイノベーションを盛んにする
 中核事業から技能と資源を持ち込む
 供給企業がスピンオフまたは他の参入企業の源泉になる

要素条件
 専門的要素創造メカニズムの役割を果たす
 世界クラスの研究所、大学の学部、教育機関が産業に参入した企業家た
ちの源泉となる
国内ライバル間競争と国の「ダイヤモンド」

調査結果のなかで最も目立つ点は、国が国際優位をもつ産業では、
数社の国内ライバルがいる点

ライバル間競争は、向上とイノベーションを刺激する直接的役割を果
たす

ライバル間競争の恩恵
 スピンオフにより新しいライバルを刺激する
 要素を創造し、または引きつける
 国内需要をグレードアップし、拡大する
 関連・支援産業を鼓舞し、グレードアップする
 政府を政策をもっと効果的な方向へ誘導する
まとめ

国の競争優位にとって、国内のライバル間競争というのは非常に重要
である

というのも、激しいライバル間競争が、他の要素へと競争力を強くする
ように圧力をかけるからである
次回に向けて
 本を読み進めると同時に、基礎固めもしていきたい
 統計学?経済学?
以上で発表を終わります