JVO (Japanese Virtual Observatory) の研究開発
~プロトタイプの開発 ~
本田敏志、白崎裕治、田中昌宏、大石雅寿, 水本好彦(国立天文台)
安田直樹(東京大学)、増永良文(お茶の水大学)
http://jvo.nao.ac.jp/
概要 : 近年の天文観測では、望遠鏡や検出器の発展により非常に精度の高いデータが大量に生産されており、これらのデータの多くが、世界中の観測所や研
究機関でデータベース化され公開されている。Virtual Observatory(仮想天文台)はこれら世界中に分散して存在している天文データベースを、GRID技術とネット
ワークを使うことによって、ひとつの巨大データベースとして連携させ、計算機の中に構築した数値宇宙を観測することを目指したものである。国立天文台では
2000年よりJVO構築プロジェクトを開始し、現在プロトタイプの作成を行っている。ここでは、JVOの紹介と現在開発中のプロトタイプを使って実際にデモを行う。
はじめに
天文学と情報学の融合が進んでいる。
近年の天文観測では膨大な
データが生み出されている。
野辺山 : 年間~1TB
世界のデータ
すばる : 年間~20TB + 衛星のデータ
ALMA : 年間~?PB
etc.
JVOの開発
イ
ン
タ
ー
フ
ェ
イ
ス
ユ
ー
ザ
ー
ユーザ認証
• ユーザ登録
DBナビゲータ
JVOQLパーサ JB
Registry
(XMLDB)
観測指示書
Parsed JVOQL, 実績
スケジューラ JB
天文DB
Grid サービス
RFT
メタDB
天文DB
RFT
Grid サービス
メタDB
コントローラー JB
スケジューラ JB
エクゼキュータ JB
検
索
命
令
結
果
渡
しに
よ
る
OAI-PMH
メタDB
結
果
渡
しに
よ
る
OAI-PMH
Grid サービス
検
索
命
令
解析実行状況
SOAP
OAI-PMH
エクゼキュータ JB
結
果
渡
しに
よ
る
に
よ
る
デ
ー
タ
転
送
実績
観測指示書
検
索
命
令
GSI-SFS
Grid サービス
Parsed JVOQL
状態確認
JSP
検索結果 (XML)
OAI-PMH
研究者のみならず、一般教育、アマチュア
天文家、一般家庭からも利用できる。
に
よ
る
デ
ー
タ
転
送
JVOQL
シンプル解析機能
• 天体検出(Sextractor)
• HyperZ
• 画像演算
• Photometry
特殊解析機能
• 重力レンズ
• 銀河ダスト
• 化学組成の進化
解析指示
DBメタデータ検索
SOAP
• 観測装置によらない統一的な操作性に
より、多波長にわたる研究が容易になる。
JSP
検索文 (XPath)
OAI-PMH
• データ解析もJVO内部で行うため、大量
のデータを転送しなくてもよい。
検索実行状況
状態確認
SOAP
• いつでも、どこでも観測できる。
・
解
析
部
• リソースファインダによるDB検索
• UCDファインダー
• 天体名レゾルバー
• 実行状況表示
コントローラー JB
GSI-SFS
VOができると…
Viewer
JSP
• Plotter
• 画像データ Viewer
• スペクトルデータ Viewer
• 複数カタログの重ね合わせプロット
• 異なる波長画像の重ね合わせ表示
Servlet
シ
ス
テ
ム
部
DB
VOはこれらの情報学の技術を用いて、計
算機の中に宇宙を構築し、利用者は計算
機の中の宇宙を観測するシステム。
JSP
解析 interface
• VOTable
• JVOQLエディタ
JSP
• ユーザ認証
検索指示
(JVOQL)
天文学において、情報学の果たす
従来の方法では処理しきれなくなる! 役割は非常に大きくなっている!
データ表示
検索 interface
• リソースファインダーによるDB検索
JVO
データの処理には、観測装置ごとにデータの
検索、転送、解析といった作業が必要。
•Webサービス
•GRID技術
•データマイニング技術
•データベース技術
•可視化技術
•etc…
JVOの開発は、まず機能を限定したプロトタイプの開発
をおこない、採用した技術の有効性や機能を評価する
方法で進められている。プロトタイプ第1版はすでに評価
を終了し、第2版を作成した。
Grid サービス
ユーザDB
JVOで実装される機能
1.Globus Toolkitを使ったグリッド環境
プロトタイプ第1版ではGlobus ToolkitVer2を用いて、グリッド機能を実現したが、
第2版では最新版であるVer3(OGSA)を採用し、そこで新たに導入された「グリッド
サービス」を遠隔実行に用いた。コントローラとデータベースサーバとの間のデータ転
送にはGSI-SFSを利用している。
2.連携データベース検索言語JVOQL
JVO プロトタイプ
ここではJVOを実際に使った研究の一例とし
て、すばる望遠鏡で得られたデータから重力
レンズ天体を探す一連のプロセスを示す。
複数のデータベースを連携検索する問い合わせ言語としてJVOQLを定義した。
リレーショナルデータベース操作言語として一般的に利用されているSQL言語を基礎
として、JVO固有の機能を拡張し、SQLとできるだけ互換な文法となるように設計した。
利用者操作画面
認証を行った後、JVOQLエ
ディターで必要なカタログを
選択し、カタログの内容か
ら検索条件を指定する。
従来の手法では何時間もかかった作業。
JVOを使えばわずか5分程度で候補
天体を見つけて表示することが可能!
利用者認証機能(シングルサインオン機能)を持たせ、複数の利用者の各利用者
番号とJVOシステム用利用者番号との対応機能を持たせる。また,GRID上で複数の
利用者が互いに干渉することなく計算機資源を利用できるように,利用者ごとのジョブ
管理,データ管理機能を持つようにする。
4.メタデータの管理
重力レンズ天体探しのワークフロー
1.すばるのカタログから指定した領域
のデータを取ってくる。
↓
2.取ってきたデータをもとに明るさを
計算する。
↓
3.クエーサーを選ぶ条件を決める。
↓
4.取ってきたデータからクエーサー候
補のペアリストを作成する。
↓
5.ペア天体の周辺の画像データを検
索する。
↓
6.画像データを解析し、さらに候補を
絞り込む。
3.複数の利用者への対応
観測データが保管されているデータベースサーバの情報や観測データなどのメタ
データを、レジストリとしてXMLデータベースに登録した。これによって、現在利用可
能なアーカイブデータとそれらからどのようなデータを取得できるか等、利用可能な
サービスの登録情報をJVOQLで検索できるようになり、アクセスできるデータベース
のリストなども動的に生成することができる。
指定した検索条件
はJVOQLエディター
に反映される。
検索結果表示画面
検索して得られた結果は、天文
学データをXML形式で記述した
VOTableと呼ばれる国際的に標
準化された形式で得られ、
HTMLに変換して表示される。
重力レンズとは?
検索は、入力された検索条件をもとに
XPathを生成し、レジストリへ渡される。
レジストリでの検索結果はXML形式で
出力され、パーサおよびスケジューラが
それをもとに実行手順を作成し、エクゼ
キュータによって各サーバへ問い合わ
せる。
得られた結果を使って新たに解析
を行ったりできるように、特定のサ
イエンス専用の機能を組み込んだ
ページを追加することも容易な設
計になっている。
NASA/STScI
巨大質量天体の強大な重力によ
り空間がひずみ,天体の向こうに
ある別の天体の像がその巨大天
体の周囲に複数見える現象。
ダウンロード

ポスター - JVO