The 20th Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2006
2E3-3
登場人物の履歴情報からの物語ネットワークの構成とそれを利用した物語の作成
−ハイパーコミックの一般化と自動化に向けて−
Making of a Narrative Network from Characters Histories and Making of Stories by the Tracing
Towards the General and Automat Processing of the Hyper-Comic System
石井 理恵*1
小方 孝*2
Rie Ishii
*1
Takashi Ogata
*2
富士ゼロックス情報システム(株)
Fuji Xerox Information Systems Co., Ltd.
岩手県立大学ソフトウェア情報学部
Faculty of Software Information, Iwate Prefectural University
ABSTRACT: This paper proposes the concept and prototypes of a system that makes a “narrative-net”, which is a kind of
hyper-text structure of events by the knowledge of story and narrative discourse, based on characters’ histories. The process
of tracing (or reading) this narrative-net means a kind of processing of making narratives. Originally, this research was
aiming at the generalization of our hyper-comic research, but we would like to consider it as a mechanism of narrative
generation system.
情報)を整理する.なお試作の主要部分は Common Lisp で開
発し,ユーザインタフェースは Java で開発した.
1. はじめに−ハイパーテキストナラティブ,ハイパ
ーコミック,物語生成システム−
2.1 全体枠組み
ハイパーテキスト形式の中に物語自体の構造を埋め込もうと
するハイパーテキストナラティブの研究や実作は従来から盛ん
に行われているが,文学的な成功には至っていないとも評価さ
れている[Glassner 2004].[森田 2005]はハイパーテキスト形態
の物語を作品とするのではなく,それを起源なき作品の一種の
保管庫とする“フローティングハイパーテキスト”の概念を提出し
ている.筆者らの研究プロジェクトにおいて[遠 藤 2004][森
2005]はハイパーテキスト形態のマンガ表現である“ハイパーコミ
ック”の概念と試作を提案したが,この研究はいわゆるハイパー
テキストナラティブそのものを目指すのではなく,“物語生成シス
テム”[小方 2003]における一機構としてのあり方を模索する方
向に徐々に移行して来ている.筆者らの物語生成システムは
様々なレベルでの多重性ないしは多元性を基礎的思想として
おり[小方 2005],読者がその中の一つの筋道を選択して物語
を辿るハイパーテキストナラティブ的なあり方ではなく,コンピュ
ータが多様な物語の可能性を作り出し音楽における対位法のよ
うにそれらが一つの物語に圧縮して表現されるようなあり方が本
当に目指されているところである.このような企図への一つの方
法としてハイパーテキスト的形態を取り上げている.
ハイパーコミックでは,ストーリー(物語内容)のリンクと物語言
説のリンクを同一平面上に対等に構成するという意味で従来の
ハイパーテキストナラティブとは異なる方法を示したが(物語内
容と物語言説との関係に関する一視点として[小方 2000]),本
稿では予め与えた複数の登場人物の年表風の情報をハイパー
テキストの構成に再編集してそれを辿ることにより物語とするシ
ステムの概念を簡単なシステムの試作により示す.上述のような
様々な可能性の圧縮としての物語という観点からは中途半端な
過程を示すものでしかないが,議論のための一つの種として提
示する.
システムは,登 場人物の履歴情報と描写・説明用知識を使い
物語内容と物語言説の知識に基づき事象どうしをネットワーク
状に結合したハイパーテキストを作り出す.これをここではナラ
ティブネットと呼ぶ.このナラティブネットを辿って事象の連鎖を
作り出すことを物語の作成と考えることが出来る.
2.2 用意する情報
2.2.1 登場人物の履歴情報
一つ以上の事象を時系列順に並べた登場人物の履歴情報
をユーザが与える.これは次のようなフレーム形式を取る.
(event
date <値>
;その事象が起きた日時
action <値>
;その事象の動詞
agent <値>
;その事象の主体
counter-agent <値> ;その事象の受け手
location <値>
;その事象が行われている場所
object <値>
;その事象で使われる物
weight <値>
;その事象の重要度(事象)
)
ユーザは図 1 のような入力用インタフェースを通じて情報を
入力する.次は帳遼という一人の登場人物の具体例である.(な
おシステムの試作において,正史三国志[陳寿 1992, 1993ab]を
題材とした.これは 2 世紀後半から 3 世紀中期までの中国の歴
史であるが,その中でも合肥の戦いの中で,呉という国が魏領
内の合肥を攻めた時に,魏の武将が奮戦する話の部分を扱
う.)
(帳遼
(215060201 0 (命令される) (張遼 李典 楽進) (許昌) (命令)
nil)
(215080202 0 (開く) (張遼) (命令書) (合肥) nil nil)
2. 試作の概要
試作システムの全体構成と動作のために必要な三種類の情
報(登場人物の履歴情報,描写・説明用知識,重要度に関する
*1
連絡先: 石井 理恵, 住所: 東京都渋谷区桜丘町 9-8
mail: [email protected]
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抜き出された単語に対して,視点の数だけ重要度を設定するよ
うにユーザに求める.
ここで視点とは,物語が語られる(あるいはユーザが物語を読
む)場合の視点のことで,全知視点(全てを語る事のできる視
点)と使用した年表の人物の個数(つまり各登場人物の内的視
点)の合計である.登場人物によって重要になる概念が異なると
考えられるので内的視点のための重要度(単語)も設けた.例え
ば将軍のような国の役職に就いている人物なら自分の上司や
部下について良く知っているであろうし,逆に農民のような平民
は戦争が起きた事は知っていてもその詳細までは知らない,と
いった処理の必要性と可能性を考慮した.
重要度(単語)は,3(最重要)/2(重要)/1(普通)/0(無視)の 4
段階でユーザが設定する.重要度(事象)は各事象内の重要度
(単語)の総計を事象内の単語の数で割って求める.重要度
(事象)も重要度(単語)の対応した視点の重要度を用いて視点
の数だけ計算される.重要度(単語)から求めるため,重要度
(事象)の値は 2 以上が大,1 以上が中,0 より大きければ小,0
は無視となる.
(215080203 0 (ためらう) (将軍達) nil (合肥) (命令書) nil)
(215080204 0 (説得する) (張遼) (将軍達) (合肥) nil nil)
(215080211 0 (決心する) (張遼) (戦争) (合肥) nil nil)
(215080301 0 (攻める) (張遼 李典) (呉軍) (合肥) (兵士)
nil)
(215080302 0 (殺す) (張遼) (敵) (合肥) nil nil)
(215080303 0 (突き破る) (張遼) (砦) (合肥) nil nil)
(215080306 0 (怒鳴る) (張遼) (孫権) (合肥) nil nil)
(215080313 0 (攻撃する) (張遼) (敵) (合肥) nil nil)
(215080314 0 (突破する) (張遼) (敵) (合肥) nil nil)
(215080320 0 (引き返す) (張遼 兵士) (城) (合肥) nil nil)
(215081306 0 (追撃する) (張遼) (孫権) (合肥) (兵士 軍隊)
nil))
2.2.2 描写・説明用知識
登場人物の履歴情報に現れる名詞的な情報(人物,物,場
所)を描写・説明する補足情報をそれぞれ階層的な知識ベース
として保持する.これらは,ナラティブネットにおける特定の種類
のリンクにおいて必要になる.
描写用フレームは対象の概観や外見を保持する.人物‐全
身・上半身・下半身・顔・目・口,物‐大きさ・色・形状,場所‐大き
さ,景色としている.次は「帳遼」という登場人物の描写用フレー
ムに入る情報の一部を示す.
3. 網羅的なリンクによるハイパーテキスト化
すべての事象について他のすべての事象との間に物語関係
を見つけたらリンクを作って事象どうしを結ぶ.実際に作られるリ
ンクは大きく分けて,基本・時間・叙法の 3 種類である.基本リン
クとはストーリーのリンクのことで,事象間の時間関係のリンクで
ある.時間・叙法それぞれのリンクは物語言説に分類されるリン
クで,時間は物語の時間の処理に基づく行うリンク,叙法は物語
の情報の制御に関するリンクである.表1に,利用しているリンク
関係の種類と概要の一覧を示す.
次のリストは 「孫権-1」という事象が持つリンク情報を表してい
る.これらリンク情報は構造体であり,その次のリストのようなリン
クを保存するデータベースlink-db に保管され る.
(put-db '張遼 '(外観 1) now-db)
(put-db '外観 1 '(全身 1 目 1 顔 1) now-db)
(put-db '目 1 '(細い 鋭い) now-db)
一方説明用フレームには,登場人物,物,場所に関する抽象
的な情報を保持する.基本的なデータ,歴史的なデータ,逸話
的なデータの三種類に分けている.歴史的データと逸話的デ
ータには,年表の時間中には直接含まれないが関連する歴史
的事象や,その人物に関する逸話が含まれる.基本的データは
次のように分類する.人物‐名前・出身地・性別・年齢・性格・身
分・特徴,物‐種類・用途・生産地・所有者・特徴,場所‐位置・
気候・特徴としている.次は上と同じく「帳遼」という登場人物の
説明用フレームに入る情報の一部を示す.
("孫権-1"
(#S(link eve 合肥 relation 11 agent 0)
#S(link e ve 合肥 relation 10 agent 0)
#S(link eve 呉軍 relation 10 agent 0)
#S(link eve 孫権 relation 11 agent 0)
#S(link eve 孫権 relation 10 agent 0)
#S(link eve "張遼-3" relation 5 agent 4)
#S(link eve "張遼-3" relation 6 agent 4)
#S(link eve "孫権-2" relation 5 agent 3) …… 以下省略)
(put-db '張遼 '(基本 1 逸話 1 歴史 1) info-db)
; 基本 1
(put-db
'基本 1 '(名前 1 出身 1 所属 1 身分 1 年齢 1) info-db)
; ……….. 省略
; 基本 1 の下位概念
(put-db '名前 1 '(張遼 昔の姓は聶 字は文遠) info-db)
(put-db '身分 1 '(将軍) info-db)
(#S (link
eve 名前1
lelation n
ent name
))
;繋がる先の事象名
;リンクの種類
;そのリンクが使える視点人物
2.2.3 重要度:
これはリンクのうち適当な基準でスキップが必要なもの(主に
後述する「速度」に関するもの)にとって必要な処理と位置付け
る.
事象の重要度(「重要度(事象)」)は単語の重要度(「重要度
(単語)」)によって計算する.ユーザはシステムに重要度(単語)
のみを与える.
重要度(単語)は入力された個人年表の中の事象に登場する
単語(agent, counter-agent, location, object より)の,物語におい
て果すとユーザが決めた任意の値を意味する.個人年表がシス
テムに入力された時,システムは事象内の単語を全て抜き出し,
4. リンクを辿ることによる物語の作成
ナラティブネットを辿る方法として,以下の方法が考えられる‐
(1)ユーザがパラメータを入力する方法:生成されたナラティブネ
ットに対して,1 つのリンクを辿るごとにユーザがリンクの種類を
指定して,ナラティブネットを探索する方法.(2)ランダムに行う
方法:システムがランダムにリンクを選択する方法.この方法は
終了条件(例えば事象の個数を決める等)を指定しないと,
延々とナラティブネットを辿るという欠点がある.(3)中間的な方
法:上記の 2 つの方法の中間的な方法.制御的な知識を使用
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して探索方法に制限をかける.例えば特定の人物の内的事象
のみを辿ったり,時間順でのみリンクを辿るといった制限が考え
られる.このうち,ユーザがパラメータを指定する方法とランダム
に行う方法を実装した.
実際の短い出力例であるが(探索開始事象は「張遼は命令
書を開いた」という事象にし,出力結果を手作業で自然言語化
したものを示す),最初はすべて「李典」の視点で要約リンクの
みを辿った場合である‐「将軍達は命令書にためらった.張遼は
将軍達を説得した.張遼は李典と楽進のことを考えた.李典は
張遼に賛成した.張遼は戦争を決心した.張遼,李典は呉軍を
兵士で攻めた.」 次はすべて「孫権」の視点で要約リンクを辿
った場合である‐「張遼は戦争を決心した.張遼,李典は呉軍を
兵士で攻めた.」 次は毎回異なる技法を適当に選択した例で
ある‐「(date 215080202) 張遼は命令書を開いた.[全知視点・
先説リンク](date 215080306) 張遼は孫権を怒鳴った.[農民視
点・情景リンク](date 215080409) 農民は田で農具で種を植えた.
[全知視点・要約リンク](date 215081201) 孫権は城を呉軍を使
って包囲した.[全知視点・距離大リンク](説明)孫権は酒癖が
悪い.[全知視点・距離小リンク](描写) 孫権は目が青い.」
[森田 2005] 森田均:文学テクストのハイパーテキスト変換‐コ
ンピュータを利用したテクスト研究の新展開‐,大分大学博
士(工学)学位論文,2005.
[中嶋 2006] 中嶋美由紀,小方孝:
多元的な intertextuality を巡
る試作と考察,情処学会全国大会予稿集,5N-11,2006.
[小方 2000] 小方孝:物語内容と物語言説について,情報処理
学会人文科学とコンピュータ研究会 47-1,1-8,2000.
[小方 2003] 小方孝:拡張文学理論の試み−システムナラトロ
ジーに向けて−,吉田雅明編,複雑系社会理論の新地平,
専修大学出版局,127-181,2003.
[小方 2005] 小方孝:∼でないものとしての物語生成:物語
の多重性から−情報と物語・文学を巡る共同討議(1)の
ための話題提供−,人工知能学会ことば工学研究会(第
20 回)資料,75-80,2005.
5. おわりに
ハイパーコミックの研究との関わりでは,画像データを本研究
の事象データに対応させると,ハイパーテキスト形式のマンガの
構成をある程度自動的に作成する支援的なシステムが可能に
なると考えられるが,より一般的に考えれば,マンガだけでなく
様々なメディアによるハイパーテキストナラティブ のための機構
として本研究の方法を応用することが可能であろう.
そのような方法への研究の発展を目指すことが今後の課題の
一つであるが,同時により一般的に考えて,物語生成システム
における一機構としてこの試みを考えることも可能である.例え
ば ,筆者らが現在始めている物語生成システムにおける
intertextuality(間テクスト性)の研究[中嶋 2006]と結び付けて考
えてみると,入力した原物語を加工して保存するための一形式
としてハイパーテキストが考えられる.これは,ハイパーテキスト
ナラティブそのものではなく様々な物語がそこから発生しまたそ
こに流れ込む“フローティングハイパーテキスト”を提案する[森
田 2005]のアイディアとも通じるものかも知れず,更なる考察を
要する.
参考文献
[陳寿 1992] 陳寿,井波律子訳:正史三国志1,ちくま学芸文庫,
1992.
[陳寿 1993a] 陳寿,今鷹真訳:正史三国志3,ちくま学芸文庫,
1993.
[陳寿 1993b] 陳寿,小南一郎訳:正史三国志6,ちくま学芸文
庫,1993.
[遠藤 2003] 遠藤泰弘,小方孝:マンガの言説技法を統合する
枠組みとしてのハイパーコミック,マンガ研究,Vol.4,113132,2003.
[Glassner 2004] Glassner, A.: Interactive Story Telling
Techniques for 21st Century Fiction, A K Peters, 2004.
[Genette 1972] Genette, G.: Discours du recit, essai de
methode,FiguresIII, Seuil, 1972.(花輪光 ,和泉涼一訳 ,物
語のディスクール,水声社,1985.)
[森 2005] 森雄一郎,小方孝:ハイパーコミックの構想とハイパ
ーリンク及びコマ合成の自動化,人工知能学会第二種研究
会 ことば工学研究会(第 19 回)資料,1-11,2005.
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表 1:リンクの種類と方法
大分類
内訳
リンク名
時間順リンク
方法の概要
全く同じ事象へのリンク.全く同じ事象の他,一部意味的な判断も可能にする(事象の受身表
現等).
時間が未来の事象へのリンク.現在注目している事象にとって未来の事象にリンクする.
逆時間順リンク
時間が過去の事象へのリンク.現在注目している事象にとって過去の事象にリンクする.
同時間リンク
同じ時間に起きている事象へのリンク.事象内の時間記述が同じ事象にリンクする.
速度は物語の語る速さを操作する.例えば物語を読み進めていく上で時間が数行で一
気に過ぎ去ってしまったり 100 ページを使って 10 分間の事を語ったり,というのはこ
の速度の技法によるものである.
省略リンクは,物語上省略できない事象へのリンク.物語を省略して速く進めるためのリ
ンク.このリンクを使って物語を読み進めると 1 番短い物語となる.事象データの
weight に格納されている重要度(事象)を用いる.この重要度(事象)の値が 2 以上
で,尚且つ日時のデータ date の値が,注目事象に 1 番近い値の事象にリンクを貼る.
この省略リンクは重要度(事象)の数だけ,つまり視点の数だけ作ることになるが,
もし当てはまる事象が無い場合(重要度(事象)の中に 2 以上のものがない等)は,
このリンクは作成しない.
物語上,省略可能でも要約は不可能な事象へのリンク.省略リンクの次に物語を速く進め
るリンクで,ある程度の話の粗筋を掴むことが可能になる.省略リンクの場合と同様
の方法で,異なる部分は weight の重要度(事象)が 1 以上の事象に対してリンクを作
成するという部分である.また同じように当てはまる事象が無い場合は作成しない.
物語上,詳細に語るための事象へのリンク.最も遅い速度で物語を進めるリンクで,詳細
な話の流れを掴むことが可能になる.作成方法は基本的に省略リンク,要約リンクと
同様であるが,異なるのは重要度(事象)の値が 0 よりも大きい場合にリンクを作成
する部分である.
物語の時間を止めるための知識フレームへのリンク.このリンクを用いると,物語の時間
を止めて代わりに注目している事象に関する説明が挿入される.注目事象内の単語
(agent,counter-agent,location,object)に関する説明用フレームへのリンクを作る.
後説リンクは,挿入的に語るための過去の事象へのリンク.過去の回想を挿入するといっ
た物が挙げられる.注目事象内の単語と同じ単語を 1 つでも持っている過去の事象に
対してリンクを作成する.
挿入的に語るための未来の事象へのリンク.未来の関連ある事象を挿入的に語るリンクで
ある.後説リンクと同じ方法で作成する.
頻度は語る回数を操作するリンクを指す.頻度には毎日繰り返されることを 1 度きり
しか語らないものや,または同じ事象を何度も語るものがある.リンクにはこの前者
にあたる括復リンクと後者の反復リンクがある.
括複リンクは,同じような事象を1 度で語るためのリンク.注目事象自身に対してリンクを
作成するだけである.このリンクを辿っている限り,注目事象は常に一定である.
1 つの事象をn 回反復させるためのリンク.例えば「毎朝遅刻した」という文章があった
場合,遅刻という動作を毎日しているにもかかわらず,語る回数は 1 度きりである.
方法は,事象内のデータに注目し,date(日時)以外のデータが一致するものに対して
リンクを作成する.つまり,日時が違っても,全く同じ条件の事象を対象にする.
物語を語る上でどの視点で語るかを表す.例えば物語に登場する人物の誰かの視点を
使ったり,また全知視点(全ての事を知っている視点)を用いたりする.
全知視点は全ての事象が語られ得ることを表すリンク.全ての事象に対してリンクを貼る.
視点人物が知っている範囲のリンク.登場人物ごとの語る範囲を制限する.例えば 1 人の
登場人物が物語の全てを認知していることは無く,普通は知っている事象・知らない
事象を分ける事が出来る.知っている事象を繋ぎ合わせる事によって,その視点人物
が語れる範囲を作り出す.方法はその視点人物の重要度(事象)を用い,この重要度
(事象)が 0 よりも大きい事象に対して全てリンクを貼る.
語り手の介在度を表す.距離が遠いとは語り手の介在度が高い場合,例えば全く関係
のないことの説明や,時間を止めて延々と説明をするといったことが当てはまる.逆
に距離が近いとは語り手の介在度が低く現在の物語をさらに忠実に,例えば事象に描
写を交えて詳細に語るといったことに相当する.
距離大リンクは説明フレームの挿入のためのリンク.注目事象の中の単語に注目し,その
単語の説明用フレーム内の情報に対してリンクを作成する.
描写フレームの挿入の為のリンク.距離大リンクと類似した方法で,描写用フレーム内の
情報に対してリンクを作成する.
同一事象リンク
基本
省略リンク
速度
要約リンク
時間
情景リンク
休止リンク
後説リンク
順序
先説リンク
括復リンク
頻度
反復リンク
全知リンク
視点
内的視点リンク
叙法
距離大リンク
距離
距離小リンク
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