第2学年理科学習指導案
日
時
平成22年10月27日(水)5校時
学
級
2年(男子22名 女子14名
場
所
理科室
指導者
1
2
単元名
教諭
計36名)
松浦武彦
東京書籍「新しい科学」
1下
P12
化学変化と原子・分子
1章
物質の変化
単元について
(1)教材について
本単元は「新中学校学習指導要領」における「第 1 分野(4)化学変化と原子・分子」の
項である。ここでは、
「化学変化について の観察・実験を通して、化合、分解などにおける物
質の変化やその量的な関係について理解させるとともに、これらの事物現象を原子や分子の
モデルと関連付けてみる見方や考え方を養う。」ことがねらいである。
小学校では、6学年で、
「燃焼のしくみ」について学習している。また、中学校では、1学
年で「身の回りの物質」について学習しており、物質にはそれぞれ固有の性質があることを
学習している。ここで扱う化学変化については、日常の生活の中に見られる「物質が別の 物
質に変化してしまう」自然現象に注目させ、物質や化学変化に対する興味・関心を高め なが
ら、
「身の回りの物質」で学習した物質の調べ方や物質の性質を活用できるように配慮するこ
とが大切である。変化前の物質と化合・分解によって生成した物質の性質を比較して、性質
が異なることから違う物質が生成したことを科学的にとらえさせたい。
「身の回りの物質」では、水溶液や状態変化を粒子のモデルと関連付けて学習している。
本単元では、はやい段階から原子・分子のモデルを提示し、微視的概念と巨視的な化学現象
との関連を図りたい。 ここでは、物質は原子・分子からできていることを理解させることが
主なねらいとなる。
原子については、初歩的な概念を導入し、原子は質量をもった非常に小さな粒子として取
り扱う。また、分子については、いくつかの原子が結びついて一つのまとまりになったもの
であることを扱う。こうした微視的概念を養うために「ものづくり」の時間を利用して、分
子模型を作ることで化学変化の原理や法則の理解を深めさせたい。モデルを用いることで、
物質が原子・分子からできていることや化学変化とは原子の種類や数が変化するのではなく、
その組み合わせの変化によるものであることを実感をもたせながら理解させていきたい。
物質の構造について、原子を粒として説明すること に限界がくる。また、結合の仕方のち
がい(共有結合・金属結合・イオン結合など) に触れずに学習を進めることは、思考性の強
い生徒ほど釈然としないものを感じさせることがある。しかし粒子概念の初期 としては、よ
りイメージしやすいモデルとして原子を粒ととらえ、立体的にその構造を理解せることが、
化学変化について興味・関心を高めさせ、科学的に思考する基礎となると考える。
「新中学校
学習指導要領」における「指導計画作成上の配慮事項(3)ものづくりの推進」において、
原理や法則の理解を深めるためのものづくりを適宜行うこととある。実際に分子模型をつく
ることで、興味・関心を十分に持たせながら、 抽象的な粒子概念である原子・分子について
実感をもたせたい。
(2)生徒の実態について
知識・理解に関しては、学習状況調査テスト・NRT・校長会テストなどの結果から全国
平均・市内平均を上回っている。4月に実施した NRT 検査では全国平均を5,2ポイント
上回っている。
しかし、小学校からの観察・実験をともなった問題に対しては課題を 残す。
実験の基本的操作はできている生徒が比較的多い。しかし、初めての操作には消極的で
手を出そうとしない面もある。
対象学級は、与えられた観察・実験をその手順に従い、まとめの段階で「形に残ったも の」、
「(当然予想される)結果のとおりに 実験が成功する。」 ことに満足感を得る 傾向が強い。
しかし、根拠を持って予想したり、仮説を立てたり、自分の考え を説明したりすることは
苦手である。表現力に課題があり、考察など論理的に思考する場面では、思考を閉じてし
まい、知識としての結論だけを求める傾向がある。 また、知識・理解は低くはないが、 平
面的な理解に止まってしまい、日常生活の具体的現象やこれまで学習した知識 を活用する
力や統合的に物事を考えようとする力が不足している 。特に、目に見えないものへの考察、
抽象的概念の理解は不十分である。
3
単元の指導目標
化学変化について観察・実験を通して、化合・分解などにおける物質の変化や量的な関係
について理解するとともに、これらの事象を原子・分子のモデルと関連付ける見方や考え方
を養い、物質の成り立ちや化学変化のしくみについての興味・関心を高める。
4
単元指導計画と評価規準
学習
時
内容
数
ガイダ
ンス
興 味・ 関 心
(13時間)
科 学的 思 考
技 能・ 表 現
知 識・理 解
家 庭学 習
習得
活用
身の回りの化学
金属の共通の
習
第
変化に興味を持
性質と気体の
得
1
ち 、物 質 の成 り 立
性 質を 調 べ る 。
時
ちについて考え
よ うと す る 。
第
1
2
カルメ
時
焼きは
なぜふ
第
くらむ
3
のか。
時
第
ふくらし粉を熱
ふ く らし 粉 を 熱
実験結果をレ
習
したときの変化
し た とき 生 じ る
ポートにして
得
を調べることが
3 つ の物 質 を 指
提 出。
で きる 。
摘 でき る 。
化学変化と状態
化 学 変化 と 分 解
変化の違いを説
に つ いて 例 を 上
明 でき る
げて説明でき
ワ ーク
習
得
る。
酸化銀を熱した
酸 化 銀の 分 解 に
指示薬についてま
習
4
ときの変化を意
つ い て説 明 で き
時
欲的に調べよう
る。
とめる。
得
と する 。
水がさらに分解
電気分解装置を
水 に 電流 を 流 し
実験結果をレ
習
得
2
第
できるかに興味
安全に正しく使
た と きに 水 素 と
ポートにして
物質は
5
をもって調べよ
う こと が で き る 。
酸 素 が発 生 す る
提出
どこま
時
う とす る 。
こ と を指 摘 で き
で分解
る。
できる
か
塩化銅水溶液を
水 素 、酸 素 、 銀
ワ ーク
習
第
電気分解したと
な ど それ 以 上 分
小 テス ト
得
6
きに発生する物
解 で きな い 物 質
時
質 を予 想 で き る。
で あ るこ と を 指
摘 でき る 。
第
物質をつくる最
全 て の物 質 は 原
原子の記号を
習
7
小の粒子につい
子 か らで き て い
覚 える
得
時
て関心をもつこ
る こ とを 指 摘 で
と がで き る 。
き る。
第
8
原 子の 大 き さ、質
原 子 の記 号 を 指
原子説をまと
習
量、種 類 に つい て
摘 でき る 。
め 、原 子 の記 号
得
説 明で き る 。
を 覚え る 。
時
第
9
時
3
単体の分子模型
分子の考え方を
酸 素 、水 素 の 化
単体で分子を
習
を興味をもって
モデルで説明で
学 式 を書 く こ と
つくる物質の
得
作ることができ
き る。
が でき る 。
化 学式 を 書 く 。
る。
物質は
第
二 酸化 炭 素 、 水 、
分 子 をつ く る 物
単体と化合物
習
何から
10
アンモニアの分
質 の 化学 式 を 正
の違いをまと
得
できて
時
子模型を進んで
し く 書く こ と が
め 、化 学 式を 覚
作 ろう と す る 。
で きる 。
え る。
いるか
化学式を見て単
主 な 単体 、 化 合
物質を単体と化
習
本時
第
体か化合物かを
物 を 化学 式 で 書
合 物 、分 子 を つ く
得
10/13
11
指 摘で き る 。
くことができ
る・つ く ら な い 物
る。
質 に 分 類 し 、そ れ
時
を化 学 式で 書 く。
意欲的に結晶模
結 晶 模型 を 作 る
第
型を作ることが
こ と で化 合 物 で
12
で きる 。
も 分 子を つ く ら
ワ ーク
習
得
な い こと を 理 解
時
す る。
状態変化と化学
小 テス ト
習
第
変化の違いを粒
13
子概念を用いて
時
説 明で き る 。
得
5
本時の指導
(1)目標
・二酸化炭素、水、アンモニアの分子模型を進んで作ろうとする。【興味・関心】
・分子をつくる物質の化学式を正しく書くことができる。
【知識・理解】
(2)本時の評価規準と具体の評価規準
評価規準
十分満足できる
お おむ ね 満 足 でき る
(A)
(B)
努力を要する生徒
への支援(C)
二酸化炭素、水、アン 酸素、炭素、水素、窒素 酸素、炭素、水素、窒素 切断面が波打たないよ
モニアの分子模型を進 の原子の組み合わせを の原子の組み合わせを う演示しながら、作業を
んで作ろうとする。
理解しながら、進んで分 理解しながら、分子模型 進める。
【興味・関心】 子模型を作ろうとする。 を作ることができる。
分子をつくる物質の化
化学式とは何かを説明 こ れ ま で 学 習 し た
宿題プリントを取り組
学式を正しく書くこと
できる。物質の化学式を 物 質 の 化 学 式 を か
ませ、次時の導入で再
ができる。
かける。
度、暗唱する。
ける。
【知識・理解】
(3)本時の指導の構想
これまでに、物質は非常に小さな粒子である原子からなること や原子の記号を学習した。
また、分子という、いくつかの原子が結びついた粒子からできている物質があることを学
習した。微視的な粒子概念ができつつあり、それを化学式であらわすことについて慣れて
いく段階にある。しかし、生徒によってはまだ物質を構成する粒子というイメージが持て
ていなかったり、モデルのイメージが不十分なまま機械的に記号として化学式を暗記して
いたりする生徒もいる。新学習 指導要領でものづくりの推進 が求められている。これまで
もモデルなどを使い、視覚的にイメージしやすい指導の工夫がなされてきたが、本時では、
どの生徒もより粒子のイメージをつかめるよう 発泡スチロール球を使って立体的に分子模
型を作製し、実感を伴う粒子概念を育成したい。
生徒にとって、原子・分子の理解で混乱をしやすい点として、 同じ化合物でも分子をつ
くる物質とつくらない物質の理解がある。たとえば、塩化ナトリウムの化学式は答えられ
るが、分子をつくらないという意味がわからない生徒が多い。原因として、物質の分類の
仕方として「分子をつくる物質とつくらない物質」と「単体と化合物」の二つがあいまい
になっていることが考えられる。この違いを分子・結晶模型をつくりながら、自然と身に
つけさせていく必要がある。
本時では、家庭学習との関連を図るために、導入で分子の定義や、水素や酸素など単体
の分子のつくりを確認し、化学式について反復して全員に覚えさせたい。 そして、新たに
単体と化合物の定義を習得させ、学習課題の設定につなげたい。
二酸化炭素、水、アンモニアの分子構造と模型の作り方を説明し、製作の時間を十分に
取りたい。製作にあたっては、 机間指導しながら、電熱線の使い方など安全面に配慮し な
がら進める。また、スチロール球の使用は、立体的な模型をつくることで興味・関心を高
めながら、分子構造を実感をもって理解させるためである。よって、 原子の大きさや結合
面積、結合の角度は理論値に近い形で作りたい と考えるが、その構造がいろいろなモデル
でもイメージできればよいので、結合する角度などの精密さは求めない。また、本 時のま
とめとして、生徒の作品をみせ、気付いた点や感想を発表させ、達成感をもたせながら、
表現力を育てたい。最後に化学式での表し方を習得させ、次時のための家庭学習につなげ
たい。
(4)家庭学習との関連
基本的には、前時の復習と問題演習を中心に家庭学習を取り組ませている。 化学式は化
学の初歩にあたる。粒子概念がしっかりと身に付いている必要がる。それには、実感を伴
う確かな理解とともに、反復練習による慣れも また必要である。原子の記号と化学式のち
がいを整理しながら、反復して家庭学習に取り組ませたい。また、物質名⇔モデル⇔化学
式
といった、イメージと言語の双方から習得しやすいよう トレーニングさせていく。
本時の導入では、家庭学習の確認として 原子の記号・単体で分 子をつくらない物質と分
子をつくる物質の化学式を復習する。終末では、分子をつくる化合物の化学式とモデルの
反復練習を家庭学習とする。
(5)本時の展開
学習内容
導
入
1
前
時
の
習
学習活動
復
指導上の留意点
・原子の記号を答える
・家庭学習を前提に、個別に生徒に
・分子の定義を確認する。
答えさせる。
・ 単体の物質の化学式を答える。
8
分
1 億倍の分子模型をつくろう
2 学習課題の設定
3 製作の説明
・全体で反復を行う。
パート2(化合物編)
・二酸化炭素、水、アンモニアの分子の構造
を確認し、製作の手順を聞く。
4 ものづくり
展
・電熱線カッターの使い方など、安
全に配慮する。
・結合面積、結合する角度を明示し、
・二酸化炭素→水→アンモニアの順に製作す
正しく作業が進むよう机間指導す
る。
る。
【興味・関心】
開
・特に作業の遅い生徒には、教師が
演示し、予備の電熱線を渡す。
35
5 まとめと発表
分
・単体と化合物、化学式の説明を聞く。
・作品をみせ、感じたこと、疑問に思ったこ
・学習プリント
と、もっと知りたいことを発表する。
・作品はカメラでモニターに映し紹
・物質名から、化学式を答える。
介する。
【知識・理解】
終
6 家庭学習の指示
末
・これまで学習した物質の化学式を練習す
7 次時の予告
7
分
・単体と化合物、分子の定義を書く。
る。
・次時の学習内容を理解する。
もしも食塩の原子がみえたなら・・
・学習プリント配布
6
単元構造図
≪小学校≫
≪1章
≪定性的見方
電流と静電気≫
回路と明るさの違い
≫
≪定量的見方≫
2年
化学変化と原子・分子
(粒子の概念)
3年
電流の通り道
直列・並列回路を
(回路を作る)
流れる電流
4年
電流の働き
直列・並列回路に
(電流はモー
加わる電圧
ターを回した
オームの法則
り、電球をつけ
ることができ
る。)
電気抵抗
→ 全体の抵抗
3年
原子とイオン
原子の構造
電気分解
電池の仕組み
電流による発熱
5年
電磁石
熱量
← 電力
⇒
電力量
コイルに電流
を流すと磁化
≪2章
電流と磁界≫
する)
3年
エネルギー
エネルギーの概念
力学的エネルギー
磁界
・
電流による磁界
エネルギーの保存
エネルギーの有効活用
電流が磁界から受ける力(モーターの原理)
6年
電流の利用
(電流は蓄え
たり、光や熱・
力に変えるこ
とができる)
交流電流
←
電磁誘導
→(発電機の原理)
科学技術と人間
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