「確かな学力」の向上
「 基礎・
基礎 ・ 基本」
基本 」 の 定着
教育基本法・学校教育法の改正において,教育の目標・義務教育の目標が定められる
とともに学力の重要な三つの要素が明確に示された。
学校教育法の一部改正(平成 19 年6月公布)において第 30 条第2項に,「前項の場
合においては,生涯にわたり学習する基盤が培われるよう,基礎的な知識及び技能を習
得させるとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表
現力その他の能力をはぐくみ,主体的に学習に取り組む態度を養うことに,特に意を用
いなければならない」と定められた。
【学力の重要な要素】
1
①
基礎的・基本的な知識・技能
②
知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等
③
学習意欲
「 確 かな学力
かな 学力」
学力 」 の 育成
( 1 ) 基礎的・
基礎的 ・ 基本的な
基本的な 知識・
知識 ・ 技能の
技能 の 習得
【具体的な方策】
○ 指導内容の増加は,社会的な自立の観点から必要な知識・技能や学年間で反
復することが効果的な知識・技能等に限ることが適当である。
○ 発達や学年の段階に応じて徹底して習得させ,学習の基盤を構築していくこ
とが大切である。
例えば,
【小学校低・中学年では】
体験的な理解や具体物を活用した思考や理解,反復学習などの繰り返し学習
といった工夫による「読み・書き・計算」の能力の育成の重視
【小学校中・高学年では】
体験と理論の往復による概念や方法の獲得や討論・観察・実験による思考や
理解を重視するといった指導上の工夫
( 2 ) 思考力・
思考力 ・ 判断力・
判断力・ 表現力等の
表現力等の 育成
○ 観察・実験,レポートの作成,論述など知識・技能を活用する学習活動を発達
の段階に応じて充実させる必要がある。
○ 思考力・判断力・表現力等の基盤となるのは,言語に関する能力であり,その
育成のために,小学校低学年・中学年の国語科において音読・暗唱,漢字の読み
書きなど基本的な力を定着させた上で,各教科等において,記録,要約,説明,
論述といった学習活動に取り組む必要がある。
○ 言語に関する能力育成に当たっても,発達の段階に応じた指導が重要である。
幼児期から小・中・高等学校へと発達の段階が上がるにつれて,具体と抽象,感
覚と論理,事実と意見,基礎と応用,習得と活用と探究など,認識や実践ができ
るものが変化してくる。このことを踏まえ,言語活動を発達の段階に応じて行う
ことが重要である。
( 3 ) 学習意欲の
学習意欲 の 向上や
向上や 学習習慣の
学習習慣の 確立
○ 家庭学習も含めた学習習慣の確立に当たっては,特に小学校の低・中学年の
時期が重要である。
○ 補充的な学習といったきめ細かな個に応じた指導などを行うことにより,子
どもたちがつまずきやすい内容をはじめ基礎的・基本的な知識・技能の確実な
定着を図り,分かる喜びを実感させることが重要である。
○ 体験的な学習やキャリア教育などを通じ,学ぶことの意義を認識させること
が必要である。
参 考:
「 幼 稚 園 ,小 学 校 ,高 等 学 校 及 び 特 別 支 援 学 校 の 学 習 指 導 要 領 等 の 改 善 に つ い て( 答 申 )」
2
学力調査等の
学力調査等 の 活用
各学校においては,児童生徒の「確かな学力」の向上を図るために,様々な取組
が行われている。これらを一層充実させるため,客観的なデータや指標に基づいて
取組の成果や課題を分析し,授業研究を繰り返して,授業の質を一層高めることが
重要である。
各種学力調査等の趣旨や調査内容等を十分に理解するとともに,調査結果を詳細
に分析し,各学校においては指導内容や指導方法の改善に,各市町教育委員会にお
いては各学校への指導や支援等に十分活用することが大切である。
分
析
共
有
活
用
① 分析の
分析 の 目的と
目的 と 方法
・ 課題を明らかにするためにどのような分析が必要でどのような方法が適切かを
検討する。
② 課題の
課題 の 明確化・
明確化 ・ 焦点化
・ 課題の大きい教科の領域や設問を取り出し,児童生徒のつまずきの傾向を調べ
る。
・ 定着の不十分な児童生徒のつまずきや生活,学習への意識や実態の傾向を調べ
る。
③ つまずきや課題
つまずきや 課題となっている
分析 ・ 考察
課題 となっている原因
となっている 原因の
原因 の 分析・
・ 学習内容の定着状況と学習実態,意識の関係を分析し,考察する。
・ 学習内容の定着状況と生活実態の関係を分析し,考察する。
① 分析についての
分析 についての校内研修
についての 校内研修
・ 調査対象学年を担任する教師や教科担当の教師などの一部の教師だけではなく,
全ての教師が分析結果や課題の共通理解を図る校内研修を行う。(ワークショッ
プ型研修等)
② 校内研修における
校内研修 における指導
における 指導の
指導 の 見直し
見直 し
・ 年間指導計画,課題のある領域や単元の指導計画,シラバスなどを見直し,改
善案を作成する。
・ 児童生徒の生活や学習の実態,意識を改善するための取組案を作成する。
・ 指導改善の成果を検証できるように仮説や検証の視点,目標値等を設定する。
③ 分析結果の
分析結果 の 共有
・ データをグラフ化するなど,分かりやすく理解しやすい方法を工夫する。
・ 分析結果は記録に残す。
① 学力定着・
学力定着 ・ 向上のための
向上 のための指導改善
のための 指導改善
② 家庭への
家庭 への啓発
への 啓発
・ 児童生徒の個人のデータを個人面談や家庭訪問の際の資料にする。
③ 小中連携
④ 学校評価
⑤ 次年度の
次年度 の 学校教育計画の
学校教育計画 の 作成
3
平成 22 年度「
年度「 基礎・
基礎 ・ 基本」
基本 」 定着状況調査の
定着状況調査 の 概要
○ 調査期日及び
調査期日及 び 調査対象
調査期日 平成 22 年6月8日
調査対象 小学校(小学部)第5学年 中学校(中学部)第2学年
・ 基礎的・基本的な学習内容は,おおむね定着。
・ 中学校英語「書くこと」の領域の定着が不十分。
○
各教科の
各教科の 課題と
課題 と 指導改善の
指導改善 の ポイント
課
題
■
一3
(54.9%)
要点の聞き取り
■
15( 2 )
( 4 7 .6 % )
伴って変わる数量
■
11
( 5 4 .2 % )
直角三角形の作図
■
9
( 5 5 .4 % )
ひし型の判断
■
四2
(50.0%)
段落相互の関係の把握
■
三3(3) (51.4%)
登場人物の心情の把握
■
二6
行書の基礎
小
学
校
国
語
小
学
校
算
数
中
学
校
国
語
(54.3%)
指導の
指導 の 改善
○ 基本的なメモの取り方を教える。(短い言葉で書
く,箇条書きで書く,「はじめに」,「次に」といった
順序を示す言葉に注意して聞く等)
○ 「何のために聞くのか」という目的を意識させた上
で,何を聞き取らなければいけないのかを考えさせな
がら聞かせ,必要なことだけをメモに取らせる。
○ メモを取った後は,メモを修正させながら話の内容
を整理させる。(重要な順に番号を付けて整理する,
関連する内容を線で囲んだり,線や矢印で結んだりす
る等)
○ 問題文を読み,自分で図をかかせ,問題の意味を正
しくとらえさせる。
○ 図で表された考え方が,式ではどのように表されて
いるかを説明させる。
○ 言葉,図,式を互いに関連付けながら数量の関係を
帰納的に考えさせ,規則性を見付けさせる。
○ 図形を写し取る作図とともに,与えられた条件から
作図する活動をさせる。
○ 図形を示し,それがどのような図形であるか,辺,
角,直角などの用語を使って説明させる。
○ 平行四辺形の性質を見付け,まとめる学習では,辺
の長さや角の大きさが違う様々な形や向きの平行四
辺形を用いて考えさせる。
○ 四角形の辺や角,対角線について,表にまとめるな
どして,共通点や相違点に着目させ,それぞれの四角
形の関連を考えさせる。
○ 既習の教材等を利用して,段落相互の関係には,ど
のような関係があるのかを押さえる。
○ 段落相互の関係を図や表にして,矢印などの記号を
使って段落の対応関係を整理させる。
○ 文章のあらすじをおおまかにとらえさせる。
○ 直接的な心情表現や間接的な心情表現を手掛かり
に,登場人物の心情やその変化をとらえさせる。更に読
み取ったことを自分の言葉でまとめさせ,友だちと交流さ
せる。
○ 教科書教材と関連する作品を読ませ,生徒の読む能
力を向上させる。
○ 楷書からどのように行書に変化するかを明確にし
て行書の特徴をとらえさせ,その合理性や効率性を理
解させる。
○ 漢字の指導や「書くこと」の領域における言語活動
の際などに,書写で学んだ行書の特徴を踏まえさせて
文字を書かせる。
中
学
校
数
学
■
9 (2)
(47.0%)
関係を文字式で表す
■
7 (2)
(48.9%)
相対度数の意味
■
6( 2 )
比例の意味
( 5 1 .6 % )
■
6 4
(30.4%)
適切な語を用いた会話文の
組立
中
学
校
英
語
■
9
(45.1%)
話の流れの理解
■
12
(45.9%)
つながりのある英文を書く
こと
○ 操作活動や図,表をかく活動を取り入れ,具体的な
数を用いて帰納的に考えさせる。
○ 「規則的に変化する部分」と「変化しない部分」に
着目して規則性を見付けさせ,それを式で表させる。
○ 表した文字式に簡単な数値を代入し,文字式が確か
かどうかを吟味させたり,文字式で表された関係を読
み取り,文字式の表す意味を説明させたりする。
○ 階級や度数,中央値,平均値などの用語の意味を,
度数分布表や式などにある具体的な数値と関連させ
て指導する。
○ 度数分布表から分かること,考えたことなどを数学
的な用語を使って説明させる。
○ 事象を図で表したり,その中にある数量の関係を表
にしたりする活動を充実させ,比例・反比例の関係の
特徴を考えさせる。
○ 与えられた数量関係が,比例であるか,反比例であ
るかを判断させ,その理由を表,式,グラフ等を使っ
て説明させる。
○ 関連のある文法事項は,より大きなカテゴリーとし
て,共通点と相違点を比較対照しながら整理して理解
させる。(be 動詞と一般動詞の指導の後,「動詞」と
して,do と does の違いや are と do の違いを整理す
る等)
○ 代名詞,副詞のはたらきを理解させた上で,代名詞
we, it, our や副詞 there 等が何を示しているのかを
考えさせ,文の意味やつながりを正しくとらえさせ
る。
○ 年間指導計画の読むことの指導の中に,話の流れを
とらえることをねらいとして英文を読ませることを
位置付ける。
○ トピックを与えるなどして,まとまりのある文章を
書かせる学習課題を計画的に設定する。
○ モデル文を提示し,まとまりのある文章を書くため
の視点をとらえさせ,それを使って文章を書かせる。
(「英文の展開の仕方が適切か」「前の英文を受けて,
接続詞,副詞及び代名詞を適切に使っているか」等)
○ 語順を視覚的にとらえさせる板書の工夫をしたり,
主語や動詞を様々な語(句)に置き換えながら文のき
まりにしたがって文を作らせたりする。
参 考 H P : ホ ッ ト ラ イ ン 教 育 ひ ろ し ま 「 平 成 22 年 度 『 基 礎 ・ 基 本 』 定 着 状 況 調 査 報 告 書 」
4
平成 22 年度全国学力・
年度全国学力 ・ 学習状況調査の
学習状況調査 の 概要
○ 調査期日及び
調査期日及 び 抽出調査
抽出 調査を
調査 を 実施した
実施 した学校
した 学校・
学校 ・ 児童生徒数(
児童生徒数 ( 県内公立学校)
県内公立学校 )
調査期日 平成 22 年4月 20 日
調査対象 小学校(小学部)第6学年 137 校 6,276 人
中学校(中学部)第3学年 121 校 11,297 人
<主として「知識」に関する問題(A問題)の結果>
出題された学習内容の知識・技能については,おおむね定着。
<主として「活用」に関する問題(B問題)の結果>
知識・技能を活用する力に課題。
5
○
平成 21 年度広島県高等学校共通学力テスト
年度広島県高等学校共通学力 テスト
調査期日及び
調査期日及 び 調査対象
調査期日 平成 2 年
月 日
調査対象
立高等学校
校 ,特
1 11 9
全公
(96 ) 別 支援学校 ( 6校 )1 ・ 2 年 次 生
国語,数学,外国語の各科目について,課題のある設問があるものの,基礎的・
基本的な学習内容についてはおおむね定着していると考えられる。
○
各教科の
各教科 の 分析と
分析 と 指導改善の
指導改善 の ポイント
分
析
○
国
語
説明的文章を読むことにつ
いて,叙述に即して的確に読
み取ることはB問題で改善。
● 説明的文章を読むことにつ
いて,叙述に即して的確に読
み取ることはA問題で課題。
● 古典における文語文法につ
いての理解に課題。
● 古典を読むことについて,
叙述に即して的確に読み取る
ことはB問題で課題。
○
数
学
放物線の対称性についての
理解は改善。
● グラフの特徴や巻数の性質
について理解することや,グ
ラフを読み取り活用して考え
ることに課題。
● 解の公式を用いることや三
角形の面積の公式を活用する
ことについてB問題で課題。
○ 説明的な文章を読むことについ
て,論の展開を確認しながら筆者
の考えを読み取る学習活動を取り
入れること。
○ 文語文法について,読むことの
指導に即して繰り返し指導するこ
と。
○ 古典を読むことについて,前後
関係や指示する内容などを考えさ
せながら読み取らせる指導をする
こと。
○ 生徒自身にグラフをかかせる学
習場面を設け,グラフから読み取
れることを発表させるなどグラフ
を活用すること。
○ 用語の意味を正確に理解させる
とともに,公式や定理について,
反復練習等により習熟させるとと
もに,それらが成り立つ理由やど
のように活用したのかを振り返ら
せること。
○
外
国
語
3文以上のまとまった内容
を正しい英語を用いて書くこ
とは改善。
● まとまりのある英文を読ん
で情報を正確に読み取ること
に課題。
● まとまりのある英文を読ん
で概要や要点を把握し,日本
語でまとめて表現することに
課題。
● 指定された状況や文脈に応
じた内容を書くことに課題。
指導の
指導 の 改善
○ 書き手の意向などを理解するた
めに文章の流れや構造に注意しな
がら,文章全体の展開を把握し,
読む活動を取り入れること。
○ 読む過程で得た情報や書き手の
意向などを日本語でまとめて表現
させる活動を取り入れること。
○ 自分の考えなどを整理して英語
で書く活動を取り入れること。
参 考 H P:ホ ッ ト ラ イ ン 教 育 ひ ろ し ま「 平 成 21 年 度 広 島 県 高 等 学 校 共 通 学 力 テ ス ト 報 告 書 」
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1 「基礎・基本」の定着