9月19日(水)9:45~10:45
於:東洋大学
本
本日の講演内容
講演 容
1. 問題意識
1-1.
1-2.
1 3
1-3.
1-4.
日本心理学会第71
日本心理学会第
本
第71回大会・小講演
回大会・小講演
回
講演
青年期固有の文脈を考慮した自己形成
のダイナミクス
研究全体の「問い」と「目的」
問題意識(①~③)
本研究における自己形成の包括的定義
研究全体の「視点」
2. デ
データから捉える自己形成ダイナミクス
タから捉える自己形成ダイナミクス
2-1. 過去体験に対する認知的再構成
2-2. 大学生活経験のゆらぎと構造化
3. 青年期自己形成論構築に向けて
青年期自
成論構築 向
山田剛史/島根大学 教育開発センター・講師
3-1. 青年の自己形成(発達)を捉える際の視点転換
3-2 アナロジ
3-2.
アナロジーとしてのシステム論
としてのシステム論
3-3. 青年期自己形成論の仮構
E-mail: [email protected]
[email protected]
Personal HP: http://yamatuyo.com
Center HP: http://cerd.shimane
http://cerd.shimane--u.ac.jp
1
4. まとめと課題
5. 引用・参考文献
2
1 1 研究全体の「問い」と「目的」
1-1.
研究全体の「問い と「目的
■研究全体の「問い」:どういう現象を扱うのか?
研究 体
問 」 う う現象を扱う
y 高等教育機関に在籍する青年(学生)が,学生生活という日
常生活の中で成長・発達するとは一体どういうことなのか?
長
y また,何が,どのように発達しているのか?
■研究全体の「目的」:何を明らかにするのか?
y 青年期発達現象としての「自己形成(Self-development)」に着目し,
青年期固有の文脈を考慮した自己形成のダイナミクスについ
て示すこと を目的とする
て示すこと,を目的とする。
青年の顔が見える研究
を!(by 白井先生)
3
4
1-2 問題意識
1-2.
題目に「自己形成」を含む心理
系学術誌掲載論文数(CiNii)
(2006年10月現在)
1980年代:1本
1990年代:1本
2000年代:6本(内4本は山田)
■問題意識③:なぜ,自己形成なのか?
■問題意識①:なぜ,青年期固有の文脈なのか?
◆自己形成 言葉はよく聞くけど
◆自己形成,言葉はよく聞くけど…
◆青年期の社会的構成
一般用語(多) ⇔ 学術用語(少)
概念(多) ⇔ 現象(少)
cf. 産業革命など
◆青年期心性(主として否定性)の状況・文脈性
*青年発達において重要なテー
*青年発達において重要なテ
マであるにもかかわらず,研究レ
ベルで捉えようとする試みは圧
倒的に少ない。
◆自己の「構造論」から「形成論」へ
cf. 疾風怒濤をめぐる論争など
1.「自己(形成)」論・・・What/Static
∴ 勤労青年と学生青年,ひいては児童や成人と学生青年とでは置かれる文脈・社会
的役割は大きく異なり,それ故,経験の仕方・内容も意味づけ方も全く異なる。
*自己概念,認知的自己,自己知,様々なSelf-研究 → 研究量多,細分化
2 「(自己)形成」論・・・How/Dynamic → 研究量少
2.「
■問題意識②:なぜ,自己なのか?
◆自己形成における「主体」の位置
◆青年期課題
◆「自己」という概念を想定することによって,さまざまな感情状
態や青年期テ マを総括的・包括的に扱うことが可能になる
態や青年期テーマを総括的・包括的に扱うことが可能になる。
◇自己を生み出す主体の在/不在
1.I-Me図式(cf. James),階層的自己論(cf. Shavelson)
2 多元的自己(cf.
2.多元的自己
( f Gergen)
G
) ,対話的自己
対話的自己(cf.
( f Hermans)
H
)
5
1-3. 本研究における自己形成の包括的定義
本 究 お る自
成 包括的定義
“日常場面における行為や経
験といった外的環境との関
わりをベースとして
わりをベ
スとして,その
その
外的活動と内的活動(諸感
覚や評価,意味づけ)との
相互作用によ てもたらさ
相互作用によってもたらさ
れる自己の発達およびそ
の過程(cf. 山田,2003)”
1-4. 研究全体の「視点」
全
「
多次元的な視点の導入
experience X
①「全体性」
②「力動性」「過程性」「関係性(行為)」「文脈性」
③「内在的視点」
④「時間性(過去-現在-未来)」
action
sense-making
Table1 自己形成研究における重要な視点と本研究の評点
自 形成研究 おける重要な視点 本研究 評点
X’
X
z
y
自己は経験によって
創られる。
6
* 自己の世界で,xという経験を
自己の世界で xという経験を
reaction
した「私」(x’)が,自己内の複数
の「私」(yやzなど)とつながってい
く。この絶え間ない往復運動に
よって自己形成がなされていく。
自
成がなされ
く
視点
本研究
2-1
2-2-a
2-2-b
対象
全生活空間
特定領域(2)
4
4
5
力動性
非線形連環
線形連関(1)
3
3
4
過程性
動的連続性
静的非連続性(1)
3
3
4
過去次元
(1)
4
4
5
現在次元
(2)
4
4
5
未来次元
(4)
3
3
5
内的側面のみ(2)
4
4
5
抽象度高(2)
4
4
5
質的質問紙
縦断質問紙
インタビュー
時間性
7
関係性
他者含む環境
文脈性
意味づけ
従来の研究
調査方法
8
2-1. 過去体験に対する認知的再構成
◆目的:
過去体験に対する意味づけの変化(肯定化)を構成する諸要素とその構造および変
容過程について検討すること。
◆対象者:
近畿圏内の専門学校生47名。
◆調査用紙の構成:
①ライフヒストリーグラフの作成
①ライ
リ グラ
作成
②グラフに対する質問
a. 重要な過去体験
b 体験当時の評価
b.
c. 現在の評価
d. 評価変化の理由
9
■肯定化構成要素の抽出
■3層の肯定化構成構造モデル
クロノロジカルな時間経過に
よってもたらされる変化で,これ
は普遍的で大きな規定力を持っ
普遍的 大きな規定 を持
ており,個人の意志の力とは無
関係に働くものである。
過去体験に対する意味づけの肯定化構成要素
カテゴリー
個数(%)
1.時間経過
20(21.3)
2.環境変化
6(6.4)
特徴
1. 時間経過
物理的な時間経過によってもたらされる変化
2. 環境変化
不可避的な環境変化によってもたらされる変化
第2層(メゾレベル:中円)
3.体験
体験から 離脱
a.体験からの離脱
5(5.3)
( )
当該体験から離れた とによ
当該体験から離れたことによってもたらされる変化
もたらされる変化
b.新たな体験の付加
16(17.0)
新たな体験が加わったことによってもたらされる変化
克服・達成
達成
4.克服
4
10(10 7)
10(10.7)
当該体験を乗り越え,目標達成されたことによる変化
5.獲得
11(11.7)
当該体験によって得られた結果からもたらされる変化
体験 自己
3. 体験:自己
a.体験からの離脱/b.新たな体験の付加
克服 達成
4 克服・達成
4.
5 獲得
5.
6. 体験:他者
6.他者
a.他者の存在
13(13.8)
他者の存在への気づきによってもたらされる変化
b.他者との相互行為
13(13.8)
他者との交流によってもたらされる変化
他者の存在/b 他者との相互行為
a.他者の存在/b.他者との相互行為
a
11
第1層(マクロレベル:外円)
環境の変化によってもたらされ
る変化で,これは個人の置かれ
ている状況や個々の内容によっ
て影響の受け方などは異なるも
のの,ある程度不可避的な要素
をも有している。
第3層(マクロレベル:内円)
様々な体験によってもたらされ
る変化で,これは個人が自らの
置かれた状況・文脈に応じて主
体的に取り組んできたことに依
存するもので 自由度は高く 自
存するもので,自由度は高く,自
己の体験と他者を介した自己の
体験とから構成される。
12
2-2. 大学
大学生活経験のゆらぎと構造化
活経験 ゆ ぎ 構造
■肯定化の変容過程
a. 重要活動の変化と意味づけから捉える
◆第1段階
◆目的
◆目的:
時間経過(マクロレベル)や環境変化(メゾレベル)の中で,当該体験の克
服や新たな体験(自己),他者との相互行為や他者の存在(他者)といっ
た肯定化促進要素(ミクロレベル)が加わる。
た肯定化促進要素(ミクロレベル)が加わる
学業やアルバイト,部活など,
個別領域の個別の特徴や
構造に関する研究は散見さ
れるが,個々の領域間の力
動関係や個人内変化につい
ては検討されていない。
大学生が日常的に経験する諸活動が,個人の中でどのように変化し(ゆらぎ),意味づ
けられ(構造化)ているのか?
◆対象者:
◆第2段階
近畿圏内の私立大学1回生50名中,3回の調査全てに回答している23名
上記の諸要素と(過去時点あるいは現在の)状況がマッチングし,そのこ
とによって対象化/相対化といったメタレベルのポジショニングが誘発さ
れる。
◆調査用紙の構成:
第1回(4/12)
◆第3段階
第2回(7/5)
第3回(1/24)
大学生活経験(山田,2004bの6つの活動領域 )に関する重要度評定
現在充実感(白井 1994の時間的展望体験尺度から5項目抜粋)
現在充実感(白井,1994の時間的展望体験尺度から5項目抜粋)
そこで生じている意識的・無意識的変容が,日常(or面接)場面で語られ
そ
で生じている意識的 無意識的変容が 日常( 面接)場面で語られ
たり,調査などによって文章化されたりすることによって外在化/顕在化
される。
職業未決定尺度(下山,1986から各因子4項目計24項目抜粋)
中高時代の学習態度
1年間の満足度と理由
入学後の変化と内容
*6つの活動領域(1.授業,2.授業外学習,3.部活,4.バイト,5.遊び・友人関係,6.趣味)
13
■事例①:「学業活動中心から学外活動への移行」
■事例②「単一活動の重視」
Table2-2 大学生活経験と意味づけの変遷および充実・満足度
大学 活経験
味 け 変遷お
充実 満足度
Table2 1 大学生活経験と意味づけの変遷および充実・満足度
Table2-1
大学生活経験と意味づけの変遷および充実 満足度
第1回
第2回
1.授業(17)
1
授業(17)
6 趣味(17)
6.趣味(17)
ここでの勉強は,私に
とって将来への仕事の力
や知識を身につけさせて
くれるものだと思っている
からです。
1つの事に打ち込める物
があるというのは,とても
素晴らしいことだと思うし
素晴らしいことだと思うし,
大切なことだと思うから
です。
第3回
第1回
全体満足(4件法)
4.アルバイト/5.遊び・
友人関係(16)
2 あまり満足していない
2.あまり満足していない
アルバイトは社会に出て
行くための準備期間だと
思 ています
思っています。・・・友人
友人
関係は,とても大切だと
思います。一人では何も
出来ないし,助け合いが
必要だからです
必要だからです。
もう少し大学以外の場で,
本を読んだり,勉強した
り出来たんじゃないかな
り出来たんじゃないかな,
と思いました。もっと知識
を自分自身に吸収させた
いという意味では満足で
はないです
はないです。
注)カッコ内の数値は,「現在充実感」得点(range5-25)
⇒この事例では,最初授業の重要性を職業と関連づけていたが,時期を経て学
外活動へと比重が移っていく。しかし,活動の拡がりを積極的に意味づけること
で,経験と自己が構造化され,そのことを通じて,さらに学業の重要性が再認識
されている
されている。
14
肯定的な
不満足感
15
第2回
第3回
全体満足(4件法)
4.アルバイト(10)
4.アルバイト(12)
4.アルバイト/5.友人
関係/6 趣味(7)
関係/6.趣味(7)
2.あまり満足していない
一人で暮らしていくため
にバイトは頑張る。
生活をする上で,アルバ
イトは重要だ。
社会とのつながりを持
つことによって自分の
役割を見つけようと
思ったから。
充実感がなかった。
注)カッコ内の数値は,「現在充実感」得点(range5-25)
⇒この事例では,単一活動(アルバイト活動)への傾倒が顕著である。特に,生活のためと
事例
単 活動(
バ 活動)
傾倒が顕著 ある 特
生活 ためと
いった外発的な要因によって活動が支えられることは低い充実感をもたらすことが示されて
いる(山田,2004b)。最後には,その中で「自分の役割」を見出すというより内在的なベクト
ルへと意識が向かうが その試みがこの時点では成功していないことからも 活動が自己の
ルへと意識が向かうが,その試みがこの時点では成功していないことからも,活動が自己の
中で意味づけられ(構造化され)なかったと推察される。
⇒単純に個別の活動の構造をみていても,総体としての自己形成ダイナ
単純 個
動 構造を
も 総体
自
成ダ
ミクスを捉えることは出来ない。
16
b 大学生活展望の語りから捉える
b.
■事例の特徴と語りにみられる自己形成ダイナミクス
近畿圏内の私立大学2・3回生30名を対象にしたインタビュー調査
入学から現在までの自己形成の語り(Bさん)
A(筆者):受験勉強や入学試験は,あなたにとってどのようなものでしたか。
B(学生):すごく辛いもの1でした。授業とか毎日あったり,すごい追い込まれる感じ2がして,すごいし
んどかったです。
ど
す
A:大学に入学するまでの間,大学という所に対して,どのようなイメージとか期待を持っていましたか。
B:第一志望じゃなかったんで,行くのがすごい嫌3でした。
A:でも行こうかなっていう風に決めた理由とかってありますか。
A:でも行こうかなっていう風に決めた理由とかってありますか
B:留学のシステム4が他の大学とかに比べて良かったってのもあるし,心理学勉強できたらいいかなぁ5と。
A:入学後,興味を持ったこととか新しく始めたことはありますか。
B:ESLっていう留学生対象のクラスがあって,そこに毎日行ってて6,それで英語力はついた7かなぁと思
います。それで,興味もやっぱり出てきた8し,入学する前よりも,もっと行きたいなぁっていう意志が
はっきり9しました。
A:そこで1年やってきて,得たものってありますか。
B:色んな年代の人が来てるんで すごい誰とも話せるようになった10し,性格が変わった
B:色んな年代の人が来てるんで,すごい誰とも話せるようになった
し 性格が変わった11っていうか,
っていうか
結構すごい引っ込み思案だったんですけど,色んな人としゃべったり,自分から話しかけたりとかできる
ようになりました。
A:(今の学生生活に満足していると)答えた理由について教えて下さい。
B 友達もすご 1年生と比べて増えた12こともあるし,ESLのクラスが上がってまた新しい人と出会った
B:友達もすごい1年生と比べて増えた
こともあるし ESL クラ が上が てまた新し 人と出会 た
りできる13しってので。それであと,心理学の勉強とかも増えてきた14ので,それが楽しい15なと思ってい
ます。
17
事例の特徴
Bさんは辛い受験期を送り波線1・2,
入学に対し強い不本意感を抱いてい
たが波線3,
,一方で学問
方で学問(心理学/留学)
に対する期待も抱いていた波線4・5。入
学後,留学への期待をより具現化す
るために特殊クラスに参加し波線6,そ
そ
こで語学力の向上を実感するととも
に波線7,より一層興味が増し波線8,結
果入学当初の留学への漠然とした期
待が明確な目標へと移り変わって
いった波線9。そこでの活動をきっかけ
に 友人関係の幅が広がり波線10・12,
に,友人関係の幅が広がり
引っ込み思案だった性格もより積極
的なものに改善され波線11・13,現在の
学生生活が肯定的なものへと捉え直
されていった波線15。
語りにみられる自己形成ダイナミクス
自己形成ダイナミクスは,個人内に
閉ざされたものではなく(閉鎖系システ
ム),①明確あるいは漠然とした目標
①明確あるいは漠然とした目標
や理想といった個人が有しているで
あろう認知的側面(志向性)に加え,②
日常的な生活空間の中での具体的
な行為(action)とそこでのreaction(た
とえば,遂行の結果や他者からの働きかけな
ど)が,③
が ③“意味づけというメタ行為”に
意味づけというメタ行為 に
よって“位置づけられ(positioned)”,
④それらを通して目標・理想の明確
化や接近および副次的な(予期していな
い部分での)成長が可能となる,といっ
た⑤内界と外界との複雑な相互行為
を経 達
を経て達せられる営み
れる営 (開放系システム
≒複雑系)であると考えられる。
18
3-1. 青年の自己形成(発達)を捉える際の視点転換
青年 自
成
達 を捉 る際 視点転換
①
②
③
発達軸
時間軸
*従来的な自己形成(発達)の捉え方(①)からより
詳細なレベルを捉えようとしても(②→③),ア・プリ
オリな分析(記述)枠組みへのはめ込みでは,本
来的な自己形成(発達)のゆらぎ(④)を捉えること
は限りなく困難である。
④
*青年の自己形成(発達)ダイナミクスを捉えるため
には ゆらぎを前提とした視点へと転換する必要
には,ゆらぎを前提とした視点へと転換する必要
があり,そのための理論的枠組みが求められる。
19
20
3-2. アナロジーとしてのシステム論
ジ
論
■概念装置①:自己システムの構成素
■理論装置①:創発(emergence)
◆第1の構成素「行為」(開放系)
・人間は身体的存在(身体システム) → アクション⇔リアクションの作動ループ
・人間は社会的存在(社会システム) → 言語を含む外界との相互行為
■理論装置②:オートポイエーシス(autopoiesis)
◆第2の構成素「思考」(閉鎖系)
・人間の覚醒時の内的作動ループ(精神システム)
間 覚醒時 内的作動
(精神シ テ )
・自己「~としての私(Hermans)」を産み出す源泉
対象化以前
(純粋経験)
気づき
(自覚)
様々なレ ル
様々なレベル
の思考が混在
自己を形作る構
成素としての思考
思考の「強度」
考 「
■概念装置②:ハイパーサイクル
■概念装置②
イ
サイクル((hypercycle)
ype cyc e)
(山田(2005d)のp.188より抜粋)
山田(2005d)の 188より抜粋)
21
22
23
24
3-3. 青年期自己形成論の仮構
青年期自
成論 仮構
“精神/心的システムとしての「思考」の継続的な産出的作動に
よって創発された「自己(複数の私)」同士の内的対話によって
閉域(円環構造)をなした時 より高次の自己( f アイデンティ
閉域(円環構造)をなした時,より高次の自己(cf.アイデンティ
ティやパーソナリティ)が発現する。産出された自己は,新たな自
己を産出するための構成素となり ここに自己言及システムが
己を産出するための構成素となり,ここに自己言及システムが
成立している。一方で,身体的・社会的システムとしての「行為」
続
動
創
振舞 」
の継続的な産出的作動による創発(「大域的な秩序(振舞い)」)
が生じている。この身体的・社会的システムとしての行為の産出
的作動と,精神/心的システムとしての思考および自己の産出
的作動とが相互に連動(カップリング)することによって自己形成
が成立する。”(山田,2005d,p.198)
ま
まとめと課題
課
y 個人における重要性を考慮した最ボトムの自己現象を扱い,具象(学生
世界)と抽象(タイプ,モデル,理論)の往復運動によって捉えた。
y 自己形成を外的側面(経験)と内的側面(意味づけ)の相互作用的視点か
ら捉え,時間軸を未来次元のみならず現在次元,過去次元へと拡張して
ら捉え
時間軸を未来次元のみならず現在次元 過去次元へと拡張して
捉えた。
↓
y 自己形成は“過去の自己(経験)を踏まえた未来に対する自己(理想や志
向性)が現在の自己(文脈,状況,活動,意識)において有機構成(構造
化)されることによって創発する発達現象 である。
化)されることによって創発する発達現象”である。
y 今後の課題として,広範な事象を含み込む青年期自己形成ダイナミクス
を更に多角的かつクリアーに捉えていくために,最ボトム(学生世界)から
トップ(理論)へと急激な往復運動の間をつなぐ(埋める)ミッドレベルの認
識論,方法論,諸概念の精緻化を図らなければならないと考えている。
25
*本発表内容に直接触れているものをボールド体で示しています。
【著書・論文】
・山田剛史 2002a 理想-現実自己不一致における適応的・自己形成的側面に関する研究 神戸大学発
達・臨床心理学研究, 2, 23-37.
・山田剛史 2002b 理想自己に対する認知と行動の関連 大阪教育大学大学院教育学研究科修士論文.
・山田剛史 2003 青年期の自己形成に関する研究の概観と展望-現象(リアリティ)理解のためのトライア
ンギュレーション-
ンギュレ
ション
人間科学研究 11,
人間科学研究,
11 165-177
165 177.
・山田剛史 2004a 理想自己の観点からみた大学生の自己形成に関する研究 パーソナリティ研究, 12,
59-72.
・山田剛史 2004b 現代大学生における自己形成とアイデンティティ-日常的活動とその文脈の観点から
- 教育心理学研究,
教育心理学研究 52,
52 402
402-413.
413
・山田剛史 2004c 過去-現在-未来にみられる青年の自己形成と可視化によるリフレクション効果-ライ
フヒストリーグラフによる青年理解の試み- 青年心理学研究, 16, 15-35.
山 剛史 2005a 青年
青年と自己形成を捉える視点-白井・橋本氏のコメントに対するリプライ-
自 形成を捉える視点 白井 橋本氏
ン
対するリ ライ
青年心理学
・山田剛史
研究, 17, 83-88.
・山田剛史 2005b 過去体験に対する意味づけの肯定化構成要素とその構造および変容過程-ライフヒス
トリーグラフによる青年理解の試みⅡ 神戸大学発達・臨床心理学研究, 4, 13-24.
・山田剛史 2005c 青年期固有の文脈を考慮した自己形成の構造とプロセスに関する研究 神戸大学大学
院総合人間科学研究科博士学位論文.
・山田剛史 2005d システム論的自己形成論-複雑系とオートポイエーシスの視点から- 梶田叡一(編)
自己意識研究の現在2 ナカニシヤ出版.(Pp.183-202)
27
26
【学会発表 その他】
【学会発表・その他】
・山田剛史 2002 理想自己から捉えた自己形成に関する研究 日本青年心理学会第10回大会発表論文
集, 48-49.
山田剛史 2003a 大学生における自己形成に関する研究(Ⅰ)
大学生における自己形成に関する研究(Ⅰ)-全体性から抽出された活動内容と認知
全体性から抽出された活動内容と認知
・山田剛史
的評価およびその文脈からの検討- 日本発達心理学会第14回大会発表論文集, 46.
・山田剛史 2003b 大学生における自己形成に関する研究(Ⅱ)-諸活動領域を支える文脈の質的区分-
日本教育心理学会第45回総会発表論文集, 255.
・山田剛史
山田剛史 2003c
2003 大学生における自己形成に関する研究(Ⅲ)-日常的活動の遂行を妨げる葛藤内容の
大学生における自己形成に関する研究(Ⅲ) 日常的活動の遂行を妨げる葛藤内容の
分析- 日本心理学会第67回大会発表論文集, 1212.
・山田剛史 2004a 大学生の語りにみられる否定的な過去体験の認知的再構成-契機としての自己と他者
のダイナミクスに着目して- 日本発達心理学会第15回大会発表論文集, 232.
・山田剛史 2004b 入学形態の異なる大学生は自己をどのように意味づけるのか 日本心理学会第68回
大会発表論文集, 1103.
・山田剛史 2004c 青年の自己形成現象としての認知的再構成-ライフイベントと意味づけ,その変容過程
に着目して- 日本青年心理学会第12回大会発表論文集, 26-27.
に着目して
26 27.
・山田剛史 2004d ボトムアップの青年心理学 日本青年心理学会ニューズレター, 34, 2-3.
・山田剛史 2005 就職問題への自己システム論的把握 若松養亮・下村英雄(企画シンポ) 就職と自己-
「自己分析」という迷宮- 日本教育心理学会第47回総会発表論文集, S44-45.
・山田剛史
山 剛史 2006a 創発する自己-自己形成の原理探求(1)-
創発する自
自
成 原理探求( )
日本心理学会第70回大会発表論文集,
本心理学会第
大会発表論文集
15.
・山田剛史 2006b 「関係性の観点から見たアイデンティティ形成:再考」(杉村発表)へのコメント 青年心
理学研究会例会.
・山田剛史 2007 大学生活経験のゆらぎと構造化-1年次生3地点縦断調査の質的検討- 日本発達心
理学会第18回大会発表論文集, 717.
28
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られましたら,ご連絡頂ければと思います。
29
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青年期固有の文脈を考慮した自己形成 のダイナミクス