日本と東アジア貿易専題研究(一)
日本對東亞貿易專題研究(一)
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今日の内容
第10章 経営革新と雇用問題
Ⅰ.1. 変革期を迎えた企業経営
Ⅰ.2. 動き出したM&A
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教科書の構成
企業の経営指標、経営分析⇒Ⅰ.1.
M&A戦略⇒Ⅰ.2.
日本の労働市場⇒Ⅰ.3.
企業の労働需要⇒Ⅱ.1.
企業行動の理論⇒Ⅱ.2.
財務諸表⇒Ⅲ.1.
企業の経営指標、経営分析⇒Ⅲ.2.
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Ⅰ.1. 変革期を迎えた企業経営
●株主の立場からの経営指標
⇒自己資本利益率(ROE:Return on Equity)
Return=利益、Equity=株主資本、自己資本
⇒ROE=当期純利益/自己資本
(1) 株主にとっては、自分が出資した資本が効
率的に運用されているかどうかに関心があ
る。
(2) ROEだけでは企業経営を判断できない。
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財務諸表
●損益計算書
(1) 一国のGDP のようにflowの面からの企業
の成果。
(2) 企業の毎期毎期の収入、費用、利益を記録。
●貸借対照表
(1) 企業のstockの面からの記録。
(2) 設立時から蓄積された資産、負債、資本の
記録。
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財務諸表
●損益計算書
売上高
←自動車の販売収益
売上原価
←自動車の生産費用
売上総利益
販売費
←自動車の販売手数料、広告費など
営業利益 ←本業(自動車の生産)で稼いだ事業利益
営業外損益 ←借金の利息、株の配当金、売却利益など
経常利益 ←非本業も含めた毎期繰り返される事業利益
特別損益 ←災害、リストラなど臨時的な費用
税引前当期純利益
法人税等
当期純利益
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財務諸表
●貸借対照表
資産の部
流動資産
固定資産
負債の部
流動負債
固定負債
資本の部
株主資本など
⇒流動資産:一年以内に現金化できる資産。
固定資産:機械や建物など長期にわたり保有する資産。
⇒流動負債:一年以内に返済できる負債。
固定負債:投資のための負債など長期にわたり回収、返済する
負債。
⇒株主資本:株主が保有する部分。
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企業価値と株主価値
負債
債権者価値
資産
株主資本
自己資本
株主価値
企業価値=株主価値(stock)+事業価値(flow)
事業価値=毎期の純利益の割引現在価値
=毎期の純利益/利子率
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経営指標
●収益性分析
(1) 売上高利益率=当期純利益/売上高
(2) 総資本回転率=売上高/総資本
●安全性分析
(3) 財務レバレッジ=総資産/自己資本
*総資本=資産=負債+自己資本
● ROE=当期純利益/自己資本
=(1)×(2)×(3)
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経営指標
(1)売上高利益率=当期純利益/売上高
⇒企業の収益性分析の第一歩は、売上高利益
率の分析から始める。
⇒百貨店の1Fに化粧品売り場があるのは、売
上高利益率が高いからである。
⇒製造業の平均は約25%、卸売業の平均は
20%前後、小売業の平均は40%前後。
⇒小売業は利益率が平均的に高い。
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経営指標
(2) 総資本回転率=売上高/総資本
⇒総資本(負債と株主資本)一単位当りいくらの
売上高を生み出しているかを表す。
⇒総資本10億円で1億円の売上高を生み出し
えいる企業よりも総資本1000万円で1000万
円の売上高を生み出している企業の方が効
率的であると考える。
⇒企業の資産効率を表す指標。
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経営指標
(3)財務レバレッジ=総資産/自己資本
⇒自己資本に対してどのくらいの資産または事
業規模を作り出しているかを表す。
⇒財務レバレッジが大きいことは、負債が大き
いことを意味する。
⇒企業の健全性、財務体質を見る指標。
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Ⅰ.1. 変革期を迎えた企業経営
●マクロ経済の変動(GDP)と企業業績
⇒表10-1、表10-2(教科書429ページ)
⇒2001年にはGDP成長率は実質、名目ともに
マイナス。
⇒2001年度(2002年度3月期)の売上高利益率
は製造業ー0.1、非製造業ー0.2なので、
ROEもマイナスとなった。
⇒同時期の総資本回転率、財務レバレッジはそ
れほど変化がない。
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Ⅰ.1. 変革期を迎えた企業経営
●小泉景気と企業業績
⇒表10-1、表10-2(教科書429ページ)
2002年度(2003年3月期)以降
(1) 売上高利益率が上昇し、収益性が回復。
(2) 総資本回転率が上昇し、資産効率が改善。
(3) 財務レバレッジが低下している。これは、企業は
事業規模を縮小させ、負債を減少させていること
を意味する。
(4) 収益性と資産効率の改善によってROEが上昇。
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Ⅰ.1. 変革期を迎えた企業経営
●収益性(売上高利益率)が改善した理由?
⇒売上高利益率=(売上高ー費用)/売上高
売上高=価格×販売量
(1) 販売量の拡大と規模の経済性によると単位
生産費用の低下。
(2) 人件費の削減効果(非正規雇用)。
(3) デフレ下なので販売価格の上昇はないと考
えられる。
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Ⅰ.1. 変革期を迎えた企業経営
●財務レバレッジが低下した理由は?
⇒財務レバレッジ=総資産/自己資本
=(負債+自己資本)/自己資本
(1) 90年代以降、新規投資を控え、負債を返済
する経営が実行されたため、自己資本比率
の上昇。
(2) 製造業の自己資本比率は40%、非製造業
は30%超まで回復。
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三つの過剰
(1) 雇用の過剰
⇒労働の収益性の低下
⇒売上高利益率を低下させる。
(2) 設備の過剰
⇒資本の収益性(資産効率)の低下
⇒資本回転率の低下
(3) 借り入れの過剰
⇒不健全な経営
⇒財務レバレッジを上昇させる。
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日本的経営の評価
(1) コスト削減
⇒トヨタ生産方式などのProcess Innovationによって
製造原価、販売費などの費用削減を実現。
(2) 高い労働生産性
⇒新たな技術を組み込んだ設備の導入によって労働
生産性が向上。
(3) 低い資産効率
⇒(1)、(2)が効率的であっても(3)の資産効率が上昇す
るわけではない。
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Ⅰ.2. 動き出したM&A
●M&A(合併と買収:Mergers and
Acquisitions)
●水平的M&A
(1) 競争回避
(2) 市場シェアの拡大(規模の利益)
●垂直的M&A
(1) 補完的技術の獲得
(2) 市場取引費用の削減。
●多角化M&A
(1) 経営の多角化(ビジネスリスクの分散)
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M&Aの目的
●競争回避、市場シェアの拡大(規模の利益)
⇒例. 06年に日清食品による明星食品の買収。
⇒同業者が競争相手の会社を買収し、競争を
回避する。
⇒さらに、市場シェアを拡大し、規模の利益を獲
得する。
例. ビール、鉄鋼、自動車業界など。
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M&Aの目的
●補完的技術の獲得
⇒自動車を生産するとき、エンジン、車体がい
ずれも必要となります。このように相互に必
要な性質を補完性といいます。
⇒したがって、エンジンの生産技術と車体の生
産技術は自動車にとって補完的な技術であ
る。
⇒エンジンと車体の会社が合併すると補完的技
術が獲得されます。
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M&Aの目的
●市場取引費用の削減
⇒エンジンを作る会社と車体を作る会社が別々である
場合、これらを市場取引で手に入れて自動車を組
み立てる必要があります。
⇒市場取引には取引費用が掛かります。
取引費用:安い製品や欲しい機能を備えた製品を見
つけるためのSearch Cost(探索費用)など。
⇒エンジンと車体が同じ会社で生産されたら市場取引
費用をなくすことができます。
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M&Aの目的
●経営の多角化(ビジネスリスクの分散)
⇒例. 主に会社を中心に取引をする文具会社
が写真立てを生産する企業を買収(経営の多
角化)。
⇒法人中心と個人の両方の顧客を獲得するこ
とによってビジネスリスクを分散させる。
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