JVNによる
低光度AGNサーベイ
の提案
秦和弘(総研大)
共同研究者
土居明広(宇宙研)
内容

低光度AGNのイントロダクション

低光度AGNの電波性質
 わかったこと、わからないこと

JVNへの観測提案
低光度AGNs(Low-Luminosity AGNs)
LHα < 1040erg/s ⇒
Low-luminosity AGN
LINER
Seyfert
High-luminosity AGN
Quasar
L  LEdd
Low
LLAGNs
L  LEdd
質量降着率/ 放射効率
High
LLAGNはありふれた存在
近傍銀河の~40%を占める
Ho+ 1997
近傍銀河の統計
LLAGN
40 %
Normal
galaxy
LLAGNの数 > HLAGNの数
・近傍宇宙の描像
・AGNの普遍的な描像
をトレースする存在
Kohler+ 1997
LLAGN研究の中心テーマ
極めて質量降着率が低い環境にあるセントラル
エンジンの物理状態を明らかにすること
干渉計/VLBI観測では
高い分解能を利用してBH近傍における
電波放射の性質や起源を調査する
ことでこの課題にアプローチすることができる
VLBIで検出可能な降着円盤の存在
理論:輝度温度~1010Kの高温降着流(ADAF)を予言
Narayan + 1998
ADAF理論SED
~100Rg以内からの
熱的シンクロトロン
Log(νLν)erg/s

VLBI
周波数
LLAGNはVLBIを用いて直接円盤研究ができる舞台
干渉計/VLBIによる主なLLAGN研究

干渉計






VLBI





Filho+ 2000, 2002, 2006 (1.4, 8GHz, 37天体)
Nagar+ 2000, 2002, 2005 (15GHz, 162天体)
Ulvestad+ 2001 (1.4, 5GHz, 45天体)
Doi+ 2005 (100GHz, 20天体)
Anderson+ 2005 (8GHz, 20天体)
Ulvestad+ 2001 (1.4~43GHz, 4天体)
Anderson+ 2004 (1.4~43GHz, 6天体)
Nagar+ 2005 (5GHz, 44天体)
比較的最近になって系統的に行われるようになってきた
15GHz以下がメイン
LLAGNの電波の性質
LLAGNの電波性質:VLBIでみた姿
すべてのLLAGNは
以下のいずれかの姿であることがわかった
Unresolved core
パワー弱
個数多
FR I のCore + jet
Core + weak jet
Anderson + Nagar +
Ly +
パワー強
個数少
LLAGNの電波性質:電波コア



Tb > 106K~1011K
Flat ~ inverted スペクトル(α= -0.2~0.2)
ADAFだけでは足りない電波強度
観測
ADAF
非熱的降着流 ?
ジェット/アウトフロー ?
未だに謎
Anderson +2004
LLAGNの電波性質:variability
Anderson +2005
数日のタイムスケールは当たり前
1日以内の変動も多くの
LLAGNで一般的に観測される
放射領域が
非常にコンパクト
~100Rg
であることは分かったが、
やはり起源(jet or disk)は不明
ほぼすべてのLLAGNが”Radio loud”
Normalized SED (Ho+ 2008)
RQQ
LLAGN
電波
R  1000
RLQ
LLAGN
RQQ
Ho+ 2001
log(Lbol / LEdd )
可視
典型的SEDを見るとわかる
(ADAF理論のモチベーションの一つ)
ただ、低光度になればなるほど
Radio loudが強くなる原因は不明
現状のLLAGN電波観測のまとめ

これまでのサーベイ




その結果わかった電波性質






干渉計:15GHz以下が中心
VLBI:5 GHzが中心
22,43GHzを含めて多波長で(しかも同時に)観測した天体は多くない
Compact core 支配
High brightness temperature
Flat – inverted spectrum
Rapid variability
Radio loud
未解決問題






コアの起源 : accretion flow支配 ? or outflow 支配 ?
Flat –invertedスペクトルをどう作るか
弱いジェットの性質
なぜ暗ければ暗いほどRadio loudなのか
なぜFR IIに存在しないのか
…
JVNへの観測提案
やりたいことはいろいろある…
円盤イメージング、コアスペクトル調査、光度変動、偏波、
弱ジェットモニター、コアシフト、電波-X線相関…
この中で、JVNの能力である
周波数の多さ・1masに迫る分解能・感度(大望遠鏡)
を存分に発揮できるテーマとして提案したいのは
masスケールで電波コアの多周波(2.3, 8.4, 22, 43 GHz)
同時スペクトルを測定して電波コアの起源に迫る
今まで測定されてきたコアスペクトルはそのほとんどがVLAコア
VLBIで、22、43 GHzも含めて、同時にスペクトルを測定した
LLAGNは3天体ほど。
候補天体
VLA15GHzサーベイから5mJy 以上の天体をセレクト
31天体
これは8GHzにおいて

臼田なしでの位相補償観測(オンソース1時間、8アンテナ、256MHz)

フラットスペクトル

ファクター2の光度変動
ミッシングフラックス比 VLBI/VLA = 70 %
を仮定した状況で計算上イメージSN > 10を達成できる天体に対応

2.3GHz
8GHz
22GHz
43GHz
PR 大望遠鏡無
15
31
19
14
PR 大望遠鏡有
31
31
31
19


高周波まで検出できるサンプルを増やすため、野辺山を入れて2.3
~22 GHzは全天体を、43GHzはできる天体で観測したい
平均的には1周波あたりオンソース1時間
 トータル : 150 ~ 200時間
 野辺山 : ~50時間
VSOP2に向けて


LLAGNは降着円盤が初めて直接撮像されるであろう、VSOP2の最重要
ターゲットの1つ
今回の観測提案はその事前準備としての位置づけもある

撮像候補天体を選定する材料になる可能性
円盤撮像候補リスト(土居さん作成)
まとめ

LLAGN研究
 低質量降着システムの物理状態
 電波の性質:系統的研究は最近から。分かっていること
はまだまだ少ない

JVNへの提案
 電波コア起源に迫る多周波同時観測

VSOP2に向けて
 円盤検出に向けた事前準備
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JointWS_Hada