インターネットの進化と可能性
第10回
「報道とメディア」
2001年度 春学期
村井純とすてきな仲間たち♪
OHP 編集: egichan, ks91, chika
今週の授業ログ担当

各キャンパスで 1名ずつ


やりたい人は手を挙げて



バックアップは万全、遠慮せずに議論にも参加しよ
う!
本日出題する課題は免除となります
もちろん、提出してもOKです
ログには、「主要なイベントの時刻」と「各自の所
感」を入れてください
課題 9. 報道とメディア


TV局がインターネットで情報を提供すると、新聞
社にとって不利益となるという指摘があります。こ
の指摘は妥当でしょうか。
逆に新聞社がインターネットを利用して競争力を
付けるには、どのような方策があるでしょうか
(800字以内)。
提出状況と気づいたこと



131人中 30人が提出 (6/24 現在)
十人十色のレポート
共通点は、「新聞社は新しい情報提供の形を模索し
ていくべき」という視点





長年培ってきた文字情報作りのノウハウや過去のニュース
を、インターネットに生かす
新聞社は情報収集に徹する
販売代理店の形態を変革する
携帯電子メディアによる新聞購読
紙ならではの便利さを指摘する人も
今週の表彰台

清水 隆俊さん 「メディア間の“縄張り争い”は、
新しいメディア像を創る上では意味がない」

丹羽 順子さん 「新聞社は“情報収集局”とし
ての役割に徹するべき。アウトプット方法は多面
的に」

西村 慶太さん 「新聞社の生き残る道は、“地
域の情報コーディネータ”」
(次ページへ続く)
今週の表彰台(2)

吉川 昌宏さん 「販売代理店を使い、宅配モ
デルをパラダイムシフトする」

金島 隆弘さん 「紙であるべき理由があれ
ば、読者は違った方法で新聞と接するようにな
るのでは」
報道とメディア

発表はこの 3人





金島 隆弘さん
清水 隆俊さん
西村 慶太さん
(SFC)
(三田)
(三田)
割り込みは IRC で。
IRCでも質問を受け付けています。

チャンネルは #soi
メディアとしての「紙」
政策・メディア 修士2年
金島 隆弘
新聞社のこれから

今のままの方法(ただ情報を伝える手段として新
聞に依存すること)では、インターネットに
とって変わられてしまうことは間違い
ない。

平面性/即時性

有料/無料
今使っているメディアを見なおす


新聞社にはアナログではあるものの、
紙というメディアを使って情報を伝える
ためのネットワークインフラが素晴らしく
整備されている。
そのインフラを活かす為に紙メディアの
性質を見なおす作業を試みました。
CDというメディアを例に


CDがオンラインコンテンツ配信にとっ
て変わられてしまいそうな現状。
CDそのものに所有欲をそそるようなデ
ザインがなされている。(例:ピチカートファイブ)
カメラというメディアを例に



フィルム型からデジタルカメラへ
デジタルは「情報」として、フィルム型カ
メラは「作品」として。
ものそのものに作品としての意味を見
出すこと。
紙メディアにはどんなものが?




折り紙/和紙
カレンダー/ノート/手帳
ショッピングバック
電車の中刷り広告
(例:レゴ)
(例:蚊)
「新聞」という紙メディア






リサイクルでトイレットペーパーに
ぺらぺらしている
毎日朝と夕方に手に入れられる
持ち運べるメディアの中では最大面積
文房具を使うことが出来る
ハプニング性
新聞をリノベイト

トイレットペーパーだけじゃない
新聞を折り紙に
読む → 切る → 折る → 飾る
 新聞をうちわに
読む → 折る → あおぐ → また読む

ニュースペーパーアート

インスタントなアート
(例:手塚治虫)
毎日手に入れる、携帯できる最大面積なメディア

所有欲をそそる
文房具を使わせるメディア

単行本のサイズで記事が構成されれば、
毎日1ページずつ増えていく本になる。
編集のしやすさが重要
(切りやすく、綴じやすく、チェックしやすく)

レイアウトのさらなる工夫

インターネットは能動的メディアだが、
新聞は受動的メディア。

つまりハプニング性が内在。

新しいレイアウトによるシナジー効果を。
オンライン・ジャーナリズムによる新聞メディアの変革
清水隆俊
新聞発行の歴史と社会的役割
誕生期:アクタ・セナートス、アクタ・ディウルナ・ロマーニ(伊:BC61)の発行
「新聞は、統治の手段であった。」(手書き新聞)
●グーテンベルグの活字印刷術の誕生:「42行聖書」の出版(1455)
第1期:カナール(仏)、ガゼット(1536),フッガー家の通信紙(伊:1565)の発
行
「新聞は、政府の広報誌」
「商品、財貨を伝えるメディア」
「マーケット情報を伝えるメディア」
第2期:「公共の出来事」(米:1690),タイムズ(英:1788)の発行
「社会的システムの変化を察知し、大衆に伝えるメディア」
「時の権力を監視し、その力を制限する機構」
そして、現在・・・
第3期:メディア乱立の時代
「今、新聞は、メディアの多元化、多様化の中で、その役割が定義できないまま、
新しい時代の中で、その存在意義が問われている」
例えば、かつて・・・
テレビ→「何が、どこで起こったのか」という速報性、同時性による存在意義
新聞→「なぜ、どうして、どのように起こったのか」という背景情報や解説による
存在意義があった。
★それが揺らいでいる・・・!
その揺らぎとは何か・・・?
揺らぐ新聞メディアの不安と不満・・・でもその前に
テレビを中心としたメディアが、オンライン・ジャーナリズムを展開
↓
「背景情報や解説、社説までも、TVメディアが担ってしまうのではないか」
という不安
↓
関係者が総務省に乗り込み、不安と不満を訴える→でもその前に・・・
↓
★インターネットによって、新聞メディアの新しい可能性を引き出し、
新たな新聞メディアを創造することは、出来ないか!
↓
★そのために、まず世界の、「新聞社によるオンライン・ジャーナリズム」を
考察してみたい。
Washingtonpost.comを考察・・・その特徴は
1、ニュースビデオ・アーカイブの設定
2、Live-onlineという名の解説番組を配信。アーカイブに保存される。
3、専門性、地域性を強調: on Politicsというサイトの設定
4、Today’s Columnists というサイトを設定:日替わりで人気コラムニストが
執筆
5、膨大なエンタテイメント情報を配信、そして日々、更新
6、テキスト、デザイン,写真、映像という1つひとつのコンテンツの質が高い。
★新聞社のオンライン・ジャーナリズムは、新聞というより、雑誌の感覚に近く、
エディトリアルのセンスが非常に優れている!
★そして、これらの特徴は、完成形ではないものの、新しい新聞メディアの未来
を予感させるものだ。
わが国の状況は・・・
日本を代表する3社、A社、Y社、M社は、各々、online配信を行っている。
↓
映像(動画)の配信は、Y社とM社だけ。その内容は、あまりにPOOR・・・
・提携しているTVニュースをそのまま配信し、画面粒子の状態もひどく悪い。
・小画面で、テレ・アナを登場させるなど、TV番組の制作マニュアルを流用。
・CMアーカイブを設定しているところもあるが、本数も貧弱でこれがアーカイ
ブ?
・全体として、エディアトリアルとしてのセンスが希薄。
新聞メディアによるオンライン・ジャーナリズム、構築のための提案
1、ニュースビデオ・アーカイブの設定
2、Live-onlineという名の解説番組を配信。アーカイブに保存される。
3、専門性、地域性を強調: on Politicsというサイトの設定
4、Today’s Columnists というサイトを設定:日替わりで人気コラムニストが
執筆
5、膨大なエンタテイメント情報を配信、そして日々、更新
6、テキスト、デザイン,写真、映像という1つひとつのコンテンツの質が高い。
+
A、双方向による「読者の声」欄の拡大
B、編集の開放:プロ・アマを問わず、ジャーナリスト、映像作家、ライターなどの
プレゼン、売り込みを可能にする窓口の設定(webで告知と作品の募集)
C、新聞本誌との連携:Web版では、出来る限り広範囲な情報を素早く配信し、
新聞本誌では、その中のピックアップした記事を詳しく報道する。
D、全体をシャープにまとめるエディトリアルのセンス
最後に・・・
以上のように、インターネットの新しい技術とその応用、そして創造的な発想に
よって、新聞メディアを大きく変革し、発展させることは可能である。
そして、その目的は、
「ジャーナリズムとして、世界の市民に、いかに広く、深く、そして、
未来を見据えた貢献をしていくか、ということである」
その目的に対して、私自身、主体的に考え、さらに研究していきたいと思う。
地方新聞社の持つ“底力”と
生き残り戦略
~地域の情報コーディネータとしての新聞社~
慶應義塾大学政策・メディア研究科
修士課程1年 西村慶太
窮地の地方新聞社

参入障壁(紙面の印刷・輸送にかかる時間的・経
済的コスト)


ITの技術進展、普及によって崩れ去りつつある
コンテンツ面(紙面)



国際ニュース:10~20%
国内ニュース:30~50%
(中島洋研究室で1999年末に12地方紙を対象に実施
した調査より)
少なく見積もっても40%近くは再送信。当然、通信社
などのサイトでも得られる情報
窮地の地方新聞社

各社のIT対応



必死で図っている
しかし、
百人規模のIT専門部署を持つ中央紙に比べ、
地方紙は未だに10人未満というところも多い。

地方紙は存在意義を根底から
揺さぶられている
地方新聞社の強み

域内における信頼、影響力


発行部数:10~100万部
域内(都道府県単位)での普及率は全国紙を圧倒




2000年12月に日経地域情報が実施した調査によると徳島新
聞の85.07%をはじめとして調査対象の41紙中24紙が50%
以上のシェアを持っている。
http://www.nikkei.co.jp/rim/tiiki/dr/357dr.htm
100年近い歴史を持つところが多い
域内での親近感の高さ(一県一紙制のなごりも)
域内における情報網

10~20前後(面積に比例)の支局、通信局
地方新聞社の強み(2)

域内をカバーする販売店網


使い方次第(新聞紙以外の配達、情報の収集も行う
など)で大きなアドバンテージとなる可能性も
コンテンツ作成

出版、テレビ、ラジオ、広告、文化事業なども手がけて
いるところが多い
⇒こうした強みはインターネットに
おいても十分活用可能
例えば

域外向けの情報発信

新聞やTV番組をそのままWEBに載せて
も意味は薄い


新聞紙が宅配され、電波が届くエリア内の人はそ
ちらの方が慣れ親しんでいる上に、(今のところ)安
価なため必要がない
ITの強みである空間的距離の克服を活用するた
め、域外にいるその地域に関心のある人々(出身
者、旅行者、出張者など)への情報発信を行う
地域の情報コーディネータとしての新聞社

個人や小規模なグループが作成、発信する(動
画像を含む)情報を活かす社会的システム


地方新聞社を中核にできるのではないか
国際、国内ニュースを扱う意味が薄れつつある
中で、域内に関するニュース、情報量の厚みを
増すことは生き残りのために不可欠

有力な担い手が個人
⇒地方新聞社の持つ編集力を通すことでより魅力的
なコンテンツへと変貌
より良い情報社会形成の礎に

人々が情報発信を行う意義

レン・マスターマン


「メディア・リテラシーは重大で意義深い活動である。その中
心となるのは、多くの人が力をつけ、社会の民主主義構造を
強化することにある」
「民主的な制度や真の参加民主主義は、どれだけ多くの人
が主体性を持ち、メディアの送り手に必要に応じて変化を迫
り、合理的な選択をし、メディアに積極的に関わることで、効
果的にコミュニケーションをはかることができるかにかかって
いる」
(論文「メディア教育の理論的根拠」より)
中島洋研究室のORF展示

COMPRESS



情報流通を最適化し、特に個人レベルでのスムーズな情報発信、
編集、受信を支援するシステム。同時に訓練されていない個人
が情報を自由に発信できることによって起こりうるデータの氾濫
や表現力の問題もカバーできるようになっている。
入力はPCはもちろん、PDA、携帯電話などを用いて、5W1H
(When,Where,Who,What,Why,How)とキーワードを入力するだ
けで、自動的に文章(記事)と見出しを作成し、データベースとの
連携により過去の出来事を反映させた記事を作成することがで
きる。
表示(出力)に関しても端末に依存しない形態で情報を登録して
あり、紙に印刷するのはもちろん、PCやPDA、携帯電話など様々
な機器から容易にブラウジングすることが出来る。
ORF2


COMPRESS(次世代情報流通支援システム)が目指すもの
極論すれば地球上に存在する物は全て、データ
として表すことができる。そして驚異的な技術の
進展に比例して潜在していたものが顕在化してく
ることによりその量は膨張し続けるであろう。そ
の中から、いかに一人一人に役に立つ情報を収
集、蓄積するのか?そして、それを生活シーンに
応じて配信するのか?を情報通信技術と社会的
ニーズの両面からアプローチし、研究するのが、
我々の最大のテーマである。
ORF3



技術的な視点からみた
入力、出力ともにPC、PDA、携帯電話を用いる点ですぐにでも実現可
能
5W1H(When,Where,Who,What,Why,How)とキーワードを入力す
るだけで、自動的に文章(記事)と見出しを作成し、データベースとの
連携により過去の出来事を反映させた記事を作成することができる。


COMPRESSの実現可能性
シドニーオリンピック、相撲、事件事故のデータベースを用意
表示(出力)に関しても端末に依存しない形態で情報を登録してあり、
紙に印刷するのはもちろん、PCやPDA、携帯電話など様々な機器か
ら容易にブラウジングすることが出来る。
ORF4

今後の展望


単純なリアルタイムの情報のやり取りだけで
はなく、集まった情報の中から有用なものを選
別、編集するシステム。
現在はテキストデータ中心(写真も実験してい
る)であるが、ブロードバンド(FTTH、IMT2000など)を視野に入れた動画や音声データ、
GPSと連動した位置データなどを対象に含め
ていく。
現在

ビジネスとして成立させることの難しさ
 人々のボランタリーな情報提供のあり方を模索中




小さな規模の組織(最小単位は個人)でも始められる
←→市場規模が小さい
模 範 と な る モ デ ル を 容 易 に 模 倣 で き る
←→コピーコストが安いデジタルの世界では容易に模倣され
てしまう
ボランタリーな活動からも利益が上げられる
←→十分な利益が見込めない
ネックをプラスに転換できるようなNGO活動に関心

木目細かい取材網と販売店網を持つ地方新聞社にはこれら
を喚起する力が十分にある。

意見、提案などがあれば
[email protected]
<参考>地方新聞社間の連携

AREA21


ふるさとサイバーワールド



http://jpi.kyodo.co.jp/
全国新聞ニュース網


http://www.j-news.or.jp/
PRESS9
共同通信、加盟新聞社(47社)


http://www.area21.net
http://www.jwn.ne.jp/
LATODAY

https://www.latoday.ne.jp/latoday/
課題の出題
第10回課題
映画を超える

SONY のハンディカムのキャッチコピーに、「あなた
の撮った映像が、世の中みんなのエンターテインメ
ントになる」というものがあります。本当にそうなるた
めには、どのようなメカニズムが必要でしょうか。



世界がその映像の存在を知るには?
世界がその映像の価値を認めるには?
ビジネスモデルは?
などのことを考えてみてください (800字以内)。
 締め切りは、29日(金)23:59まで
(次ページに重要なお知らせがあります)
懇親会のお知らせ




7/16 (最終回) は村井先生不在のため、授業は
行いません。
同日19:30頃より、横浜 (もしくは都内) で、村井
先生を交え、履修生参加による懇親会を開催す
る予定です。
予算は一人 5,000円程度を考えています。
お手数ですが、レポートを SOI で提出す
る際、コメント欄に、この懇親会に出席され
るかどうかを書いてください。
ダウンロード

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