サプリメントと子どもの食事
サプリメントの利用が、大人だけでなく、幼児に
も拡大しているようです。右図に示したように、国
立健康・栄養研究所が幼稚園・保育所に通う幼児
の保護者を対象に実施した調査(回答者数1,533
名)によると、幼児の15%がサプリメントを利用して
いるという結果が得られています(J Nutr Sci Vitaminol.
55:317, 2009)。ちなみに米国での子どものサプリメン
ト利用率は 30∼50%と報告されています。
幼児がサプリメントを利用する背景には、保護
者自身によるサプリメントの利用、子どもの食事
に対する保護者の不安や誤解、さらにそれを助
長するような不確かな情報の氾濫があるようです。
このパンフレットは、上記のアンケート調査の際
に保護者の方から質問を受けた事項の解説をま
とめものです。
目次
Ⅰ.サプリメントを正しく理解しよう!・・・・・1
1.サプリメントの基本
2.子どものサプリメント利用について
Ⅱ.子どもの食の不安は何?・・・・・・・・・・4
1.子どもの食事の特徴について
2.食の安全について
3.参考になる情報源
Ⅰ.サプリメントを正しく理解しよう!
健康食品やサプリメントと呼ばれるものが大量に販売され、多くの人達に利用されていますが、中には事実と違う
誇大な宣伝や、危険な商品も潜んでいます。あふれる情報に振り回されない様に、サプリメントについての正しい理
解と適切な対応を身につけましょう。
1.サプリメントの基本
「サプリメント」という言葉には日本では定義がなく、「サプリメント」ときいて思い浮かべる食品は人によって違います。こ
の項では、健康に良いとされる食品のうち、カプセル・錠剤・粉末・エキスの形態のものをサプリメントと呼ぶことにします。
サプリメントの分類
薬?それとも食品?
「医薬品」や「医薬部外品」と表示のあるものは、薬
です。サプリメントは食品ですから、これらと違い、同
じような名称・形の商品でも厳密な規格・基準などの
審査を受けていませんし、効能や効果を宣伝すること
も原則禁止されています。薬と食品をはっきりと区別
して考えてください。
保健機能食品?いわゆる健康食品?
サプリメントは、「保健機能食品」とそれ以外の「い
わゆる健康食品」に分類されます。保健機能食品は
国で認められているものですが、いわゆる健康食品
(国が認めていない健康食品)は、必要なのか、効く
のか、安全なのか、の根拠が乏しいものが多くを占
めます。保健機能食品とそれ以外のサプリメントも
きちんと区別してください。
薬
食品
保健機能食品
医薬品
(医薬部外品 栄養機能 特定保健用
を含む)
食品
食品
栄養機能食品って?
「保健機能食品」の中のひ
とつです。ヒトでその有効性
や安全性の根拠が確立して
いるビタミンとミネラル17種
のいずれかについて、国の
基準を満たしている食品で
す。個別に審査されている
わけではないため、「栄養機
能食品」と称して、表示や品
質に問題がある商品が流通
している可能性はあります。
一般食品
(いわゆる健康食品
を含む)
トクホって?
「保健機能食品」の中
のひとつ、特定保健用食
品のことです。その有効
性や安全性がヒトで試験
されている食品で、個別
に審査を受け許可・承認
されています。そのため
商品として信頼性は高い
と考えて良いでしょう。
サプリメントの利用
病気の治療には使わない!
サプリメントは薬ではないので、病気の治療や治癒
を目的に利用するものではありません。過度な期待
はせず、病気の場合は医療機関を受診しましょう。
安全性は慎重に。
サプリメントは、特定の成分を取り出して濃縮したり、
なじみのない動植物が原料に使用されていたりするこ
とがあります。一般の食品で培った食経験を当てはめ
ることができませんから、その安全性は、一般の食品
よりも慎重に考えるようにしましょう。
あくまでも、補助的に。
サプリメントは、日々、健全な食生活を実践した上で、そ
の補助として利用するものです。サプリメントさえ摂れば、
毎日の食生活が乱れても大丈夫というものではありません。
高価ならいいとは限らない。
高価だから効果があるとは限りません。高価だから安全
であるとも限りません。類似品と比較して、適正な価格か
どうか、判断してください。
天然・自然なら安全?
何を、どれだけ使った?
サプリメントを利用しているときは、何を、どれだけ摂
取したか、メモをとるようにしてください。もし、からだに
異常を感じたら、すぐに使用を中止して、最寄の医療機
関や保健所に連絡してください。
「天然」や「自然」のものは安全で、合成品は危険とす
る風潮がありますが、そのようなことは決してありません。
天然や自然のものにも有害物質が含まれている可能性
は充分にありますし、成分が不明であるというデメリット
もあります。
サプリメントに関する制度や、注意点、だまされやすい情報などについて、こちらで紹介していますので、ご
参照ください。
→ 「健康食品」の有効性と安全性情報 (http://hfnet.nih.go.jp/)
「基礎知識」(「健康食品」に関する制度の概要 、健康食品Q&A集)
1
2.子どものサプリメント利用について
サプリメントの普及に伴い、子どもにもその利用が広まっている可能性が懸念されています。子どもにサプリメン
トを与える際には、大人よりもさらに、その影響を充分に考慮し、慎重に対応する必要があります。
子ども用サプリメントって?
最近「子ども用」というサプリメントが販売されています。また、「子どもでも利用できる」とうたったも
のもあります。特にインターネット販売サイトでは数多くの子ども用製品が販売され、その数は数百種
に及びます。
しかし、これらの製品が子どもにとって安全で、必要なものなのか、きちんと科学的な根拠があるの
か、確認できません。そのほとんどの製品が、国が安全性・有効性を科学的に評価した保健機能食
品ではないからです。
必要なの?
「今の子どもはストレスにさらされているから」とか、
「今の野菜は栄養が少ないから」などと言ってサプリメ
ントの必要性が強調されています。しかし、その根拠は
ほとんどなく、単なるイメージに過ぎないことがかなり
多いというのが実情です。毎年、国が行っている栄養
調査からも、今の子ども達に、急な対策が必要な栄養
素不足はみられないと言えます。
毎日、3食の食事(+適切な間食)をきちんと食べてい
れば、ほとんどの子どもには特別なサプリメントは必要
ないと考えられます。むしろ安易にサプリメントに頼る
ことは、子どもが将来健全な食生活をしていくことの障
害になるおそれがあります。
効果はあるの?
ビタミンやミネラル等の欠乏症に対
する効果以外は、有効性の根拠が
はっきりしないものがほとんどです。
特にサプリメントの有効性は、成人や
中高年で得られた情報が大部分で、
子どもで得られたものは極めて少な
いのが現状です。
安全なの?問題はないの?
サプリメントは特定成分を大量摂取することが容易にできます。たとえ体に必要な成分でも、過剰に摂
れば有害な作用が出る可能性があり、注意が必要です。同じ「必要」でも、「大量に必要」と「適量が必要」
は意味が全く違います。特に、小さな子どもは大人の様に体が出来上がっていませんから、影響を受けや
すいと考えられています。また、子どもで安全性を評価したサプリメントはほとんどありません。
子どもにとって、サプリメントの利用は、良い効果よりも悪い影響の方が多いと判断するのが妥当であり、
大人と同じように考えて対応するのは正しいとは言えません。
偏食があるけど、使用した方がいい?
ひとつの食材が食べられないからといって、それだけですぐに栄養不足になることはありません。たとえば
牛乳がだめならヨーグルトやチーズ、シイタケがだめならエノキタケやシメジやエリンギなど、多くの食材をバ
ラエティ豊かに食べることで、健全な食生活を維持することは可能です。どうしても食事だけでは足りなくて
困っている場合は、まず保健所等の栄養士に相談し、さらに問題があれば、かかりつけのお医者さんと相談
して対処するようにしましょう。自分自身で判断せず、保健医療の専門家に相談することが重要です。
2
サプリメントを利用する前に!!
サプリメントを利用する前に、ちょっと考えてみましょう。
その情報は確か?
本当に必要?
身体に必要な栄養成分は、
普段の食事から十分摂取する
ことが可能です。
食事バランスガイドを参考に、
食生活をチェックして、
本当に補給する必要があるか
どうかを冷静に判断しましょう。
脳の発達に!
集中力UP!
いろいろな情報が出回っています。「体
験談」「専門家の推薦」「最新科学」など
という言葉だけでは当てになりません。
科学的に確立した根拠があるのかどう
か、チェックしてみましょう。
→「健康食品」の有効性と安全性情報
(http://hfnet.nih.go.jp/)
身長UP!
おねしょ予防!
リラックスに!
丈夫な体に!
免疫力UP!
表示は?
製品を選ぶときは、表示を確認しま
しょう。特定保健用食品・栄養機能食
品かどうかを意識してみましょう。
また、以下の表示がある製品を選ぶ
ようにしましょう。
・製造者や販売者 ・原材料名
・栄養成分
・適切な利用方法
・お客様相談室などの連絡先
販売者は、誰?
個人輸入やインターネットオー
クションを利用して購入した製
品については、購入者個人が
安全性の確認を行わなければ
なりません。
誰と、どの様な方法で取引を
しているのか、注意しましょう。
小さなお子様は大人よりもサプリメントによる影響を受けやすいので、注意が必要で
す。これからの長い将来のためにも、安易にサプリメントを利用するのは避けましょう。
基本はいろいろな食材から必要なものをバランスよく摂取することです。食事のバラン
スが取れていれば、おのずと栄養のバランスもとれてきます。
3
Ⅱ.子どもの食の不安は何?
多くの情報が氾濫する中で、お子様(幼児)をお持ちの皆様は、子どもの食事に対して様々な不安を抱かれているこ
とでしょう。子どもの食事に関する基本的な事柄を、下記に示します。今後の参考としてご活用ください。
1.子どもの食事の特徴について
幼児にとって食事は、単に健康の維持・増進、発育のために栄養を摂るだけの行為ではなく、生活の中の大きな楽
しみであり、情緒や社会性を養う場でもあります。また、この時期に得る食習慣は、その後の生涯の食習慣の基礎とな
るため、望ましい食習慣を身につけることが大切です(1)(2)(3)。
成長に必要な栄養
どんな栄養素がどのくらい必要?
どの栄養素がどのくらい必要であるか、1ヶ月程度の習慣的な摂取量の目安を示すものとして、「食事摂
取基準」があります。食事摂取基準は、健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、エ
ネルギー・栄養素欠乏症の予防、生活習慣病の予防、過剰摂取による健康障害の予防を目的として作成さ
れています。エネルギーと主な栄養素について、3∼5歳の幼児の食事摂取基準は以下の通りです(5)。
栄養素
男児
女児
栄養素
男児
女児
エネルギー
1,300kcal
1,250kcal
ビタミンB2
0.8mg
0.8mg
たんぱく質
25g
25g
ビタミンC
45mg
45mg
総脂質※
20以上30未満
20以上30未満
カルシウム
600mg
550mg
ビタミンA
450μgRE
450μgRE
鉄
5.5mg
5.5mg
ビタミンB1
0.7mg
0.7mg
食塩
5g未満
5g未満
※総脂質はエネルギーに対する割合(%エネルギー)
それぞれの栄養素の特徴やはたらきについては、こちらをご参照ください。
→ 「健康食品」の有効性と安全性情報 (http://hfnet.nih.go.jp/)
「基礎知識」(ビタミンの解説、ミネラルの解説)
不足しがちな栄養素は?
「平成20年国民健康・栄養調査」によると、子
ども達の実際の摂取状況はカルシウムや鉄の
不足という結果が出ています。
カルシウムは骨や歯の主な構成成分であり、
鉄は血液に必要な栄養素で、どちらも生命を
維持する上で重要な生理機能の調節を担って
います。カルシウムは乳・乳製品、魚介類、大
豆製品、種実類、藻類などに、鉄は豆類・種実
類・藻類・肉類に多く含まれます。食事の他に
もおやつなどで積極的に摂取することが大切
です。
摂りすぎに注意するものは?
「平成20年国民健康・栄養調査」では、食塩が摂
りすぎでした(平均値5.9g)。また、脂質については
27.6%で、幼児に望ましいとされる目標量(20%以
上30%未満)の後半という結果となっており、食の
洋風化傾向を反映していると思われます。
食塩や脂質の過剰摂取は、生活習慣病の早期
発症を促す一因です。米を主食とし、魚介類や野
菜、大豆製品などの多様な食品を組み合わせた薄
味の和食の良さを見直し、食塩や脂質の過剰摂取
に注意しましょう(1)(2)(5)(6)。
4
バランスのよい食事
何をどれだけ食べればいいの?
「何を」「どれだけ」食べたらよいか、イラストを用いてわかりやすく示したものが「食事
バランスガイド」です。1日の適切な食事内容および量を、主食・副菜・主菜・乳製品・果
物の順に、コマのイラストを用いてあらわしています。コマは食事のバランスが悪くなると
倒れてしまうこと、運動(コマの回転)によって安定すること、水やお茶などの水分が大切
な軸であることなど、現代の食事についての注意点が盛り込まれたものとなっています。
また、お菓子やジュースなどの嗜好品はコマを回す紐として描かれており、「楽しく適度
に」と注意書きがあります(7)。
幼児についての食事バランスガイドは、こちらをご参照下さい。
→東京都幼児向け食事バランスガイド(9)
少食なのですが・・・。
少食、食が細いという悩みが多く聞かれますが、幼児の食事量に個人差があることは普通です。病的なやせ、発達
の遅れ等がなく元気に過ごしているならば、食事量が周囲より少なくても問題ではありません。このような場合には、
少なめに盛り付けて気持ちよく完食させ、達成感を得る経験を大人が増やしてあげることが大切です。最初は「よく食
べられたね」「完食できたね」とほめて、まず自信をつけてあげましょう。自信がついたら、少しずつ盛り付ける量を増
やしてあげます。成長とともに食べる量も増え、食の細さは問題にならなくなることがほとんどです(1)(2)(3)。
偏食への対応
好き嫌いがあるのですが・・・。
幼児は精神の発達が目覚しく、食べ物に対する好き嫌いの感情もはっきりとしてきます。好き嫌いは自己
主張の現われであり、この時期に好き嫌いがあることは珍しいことではありません。
どう対応すべき?
好き嫌いの原因には、単にその食べ物を食べ慣れていない、以前食べたときに嫌な思いをした、親自身がその食
べ物が苦手、ということ等が考えられます。
決して無理強いはせず、調理法や味付けを工夫したり、時には子どもと一緒に苦手な食べ物を調理するなど、子
どもの意欲を引き立てながら好き嫌いを克服しましょう。そして、少しでも食べられたらたくさんほめましょう。
周囲の大人は、「ある食品が食べられなくても、欠ける栄養素は他の食品で補える」、「成長に従い、好き嫌いも減
る」というように、気持ちをおおらかに持つことが大切です。
克服方法は?
幼児が苦手とすることが多い食品と、克服方法について以下にまとめました(1)(2)(3)(4)。
●野菜が苦手
しっかりゆでて、アクを除いてから
調理しましょう。
うまみのある肉やベーコン、油揚
げと組み合わせたり、ダシを効かせ
たり、ゴマやしょうゆなどの香ばしさ
を利用すると、野菜そのものの味
がやわらぎ食べやすくなります。
初めのうちは少量を刻んで調理し、
徐々に形を残して味付けなどを工
夫すると、子ども自身「食べられる
ようになった」と自信がつき、野菜
嫌いを克服できるかもしれません。
5
●魚が苦手
●肉が苦手
生臭さや内臓・血合いの苦さを
苦手とすることが多いので、新鮮
な魚を使い、下味や味付けで臭
み・苦味を抑えます。
また、骨ごと食べて嫌な思いを
したことが原因となって魚嫌いに
なることもあるので、幼児のうち
は骨や皮は取り除いて調理しま
しょう。
塩焼き・照り焼き・煮魚・フライ
など、魚の持ち味にあった調理
法や味付けを試してみましょう。
肉の噛み切りにくさを苦手と
する幼児が多いようです。
肉の繊維を短くするように
切ったり、ひき肉を使って食べ
やすく調理しましょう。
肉のにおいが苦手な場合は、
ケチャップやカレー粉など
で味付けすると食べ
やすくなります。
おやつについて
何で必要?
幼児にとっておやつは大きな楽しみであるとともに、大切な食事の一部です。幼児の胃
は大人の1/3∼1/4程度の大きさなので、1日3回の食事だけでは必要な栄養が摂りきれ
ません。そこで「補食」の意味合いを持つおやつが必要となります。
どんなものがいい?
適量は?
おやつの量は、必要なエネルギーの
10∼20%程度が適量といわれています
ので、3∼5歳では200kcal前後が適量
となります。
次の食事に影響しない程度の消化の良いものを用意しましょう。
不足しがちなカルシウムを補うため、乳製品や豆類を使ったおや
つもおすすめです。
また、幼児にとって水分補給も大切ですが、麦茶や牛乳など、甘
くないものを選び、糖分の摂りすぎに注意しましょう。
与え方は?
市販品をおやつとして与える場合、袋ごと渡すのではなく、適量をお皿に分けてあげましょう。スナック菓子
や甘いジュースは子どもの好きな食べ物・飲み物でもありますが、これらは量の割にはエネルギーや糖分、
塩分が多いので、袋や包装に記載してある栄養成分表示を見ながら適量を与えましょう。
「おやつはよく食べるけれども、食事は少食」という声がよく聞かれますが、おやつを食べ過ぎれば食事の
時間にはおなかが空かず、食事量は少なくなってしまいます。そして食事の時間が終り、少し時間が経つと
おなかが空いて、おやつを食べる、という悪循環に陥ってしまいます。足りない栄養を補うためのおやつでお
なかがいっぱいになり、十分な食事が食べられないのでは本末転倒です。おやつは適量を守りながら楽し
みましょう(1)(2)(3)(4)(8)。
エネルギーの目安
おにぎり(小1個100g)
168kcal
ホットケーキ(50g)
130kcal
柏餅(1個50g)
103kcal
焼き芋(中1/2本100g)
163kcal
板チョコレート(1枚70g)
みたらし団子(1本50g)
390kcal
101kcal
あめ(1個)
10kcal
ポテトチップス
(幼児の両手いっぱい10g)
55kcal
塩せんべい(1枚10g)
37kcal
スポーツドリンク(100ml)
20kcal
炭酸飲料(100ml)
40kcal
参考文献
1.食育の時代∼楽しく食べる子どもに:第一出版
2.子どもの心と体を育てる食事学:第一出版
3.子どもの栄養・食教育ガイド:医歯薬出版
4.好き嫌いをなくす幼児食:女子栄養大学出版部
5.日本人の食事摂取基準2010年版:第一出版
6.平成20年国民健康・栄養調査報告:厚生労働省
7.食事バランスガイド:第一出版
8.新ビジュアル食品成分表:大修館書店
6
2.食の安全について
食の安全性について様々な情報が出ており、保護者のみなさまの関心も高くなっているようです。食品添加物や輸入
食品に対する不安がクローズアップされることが多いですが、基本的な事をきちんと理解して、情報に振り回されないよ
うにしましょう。
食品添加物について
食品添加物とは?
水以外の原料のうち、素材となる食品のほかに、一定の目的を持って意図的に使用されるものを言います。具体的
には、製造加工に必要な製造用剤、風味や外観を良くするための甘味料・着色料・香料、保存性を良くする保存料・酸
化防止剤、栄養成分を強化する栄養強化剤などです。製造中に使用され、途中で除去されるなど、出来上がった食品
には残っていないものも食品添加物と呼ばれます。
食品衛生法では、食品添加物として指定添加物・既存添加物・天然香料・一般飲食物添加物の4種類が使用できる
とされていますが、ここでは指定添加物について説明を進めます。平成21年6月現在、使用を認められている指定添
加物は393品目ですが、ほとんどの食品添加物は食品中にもともと含まれている成分や天然成分を、高純度で、経済
的に作ったものです。
どんな種類があるの?
「食品添加物」というと様々なイメージを持つ方が多いかと思いますが、とても身近なところで使用されて
います。豆腐を作る際、豆乳を固めるために加える「にがり」や、アイスクリームにおいしそうな香りをつける
「バニラ香料」、中華めんに欠かせない「かんすい」も食品添加物の一種です。
以下に、食品添加物の種類と使用目的についてまとめました。
目的
食品添加物の分類
主な食品添加物
製造や加工に必要
豆腐用凝固剤、かんすい、抽出溶剤
塩化マグネシウム、炭酸カリウム
保存性を高める
保存料、酸化防止剤、防かび剤
ソルビン酸、ジフェニール
着色料、発色剤、漂白剤
β―カロテン、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸ナ
トリウム
色
香り 香料、香辛料抽出物、
嗜好性や品質を高める
オレンジ香料、バニラ香料
甘味料、酸味料、調味料、苦味料
キシリトール、クエン酸、
L−グルタミン酸ナトリウム
食感 乳化剤、増粘・安定・ゲル化剤、膨張剤
植物レシチン、ペクチン、
炭酸水素ナトリウム(重曹)
味
栄養成分を強化する
ビタミン、ミネラル、アミノ酸類
ビタミンC、乳酸カルシウム
食品添加物って危険?
食品に使用される食品添加物の量は、科学的な根拠に基づき、十分な安全率を
見込んで決められています。国際的な機関が「無害」と確認した量(無毒性量)の
1/100を、人が一生涯毎日食べても安全な量(1日摂取許容量)としていますが、
法律で「使用してもよい」と定めている量は、この量よりもかなり少なく設定
されていますし、実際の使用量はそれよりもさらに少ないとされています。
無毒性量
使用基準
1日許容摂取量
無添加食品ってどう?
7
実際の使用量
加工食品の製造中に使用され、途中で除去されるなど、出来上がった食品には残っていない
もの(加工助剤といいます)も食品添加物と呼ばれます。この他、加工食品に直接添加していなくても、
使用する原料(調味料など)に食品添加物が使用されている場合もありますが、加工助剤や原料の製造に
使用された食品添加物については表示が免除されています。そのため、食品添加物をいっさい使用していない
「無添加の加工食品」は現在の日本ではほとんど存在しません。
食品添加物は無くなればいい?
食品添加物は、法律や厳しいチェック体制・管理の下で使用されています。また、食品添加物を使用すること
により、食卓が豊かになったり、食中毒やカビなどのリスクを避けることが出来ます。必要以上のマイナスイ
メージは持たず、口にする機会が多い食品添加物について、正しい理解を持ちましょう。
食品添加物について、詳しくはこちらをご参照ください。
→日本食品添加物協会(http://www.jafa.gr.jp/)
輸入食品や農薬について
輸入食品の安全性は?
現在、日本の食卓に並ぶ食品の約6割は輸入
食品でまかなわれており、輸入食品なしでは日
本人の食生活が成り立たないのが現状です。
そのため輸入食品は、食品衛生法に基づいた
厳しい検査を受け、食品添加物や農薬などの基
準に違反したものや、大腸菌など食品の規格に
違反したものなどは輸入が認められておらず、
国をあげて安全性の確保に努めています(3)。
残留農薬って?
残留農薬とは、農作物を病害虫や病害菌から守り、収
穫量を高めるために使われ、その結果、収穫された農作物
に残った農薬をいいます。残留農薬についての基準は食
品衛生法により定められており、基準を超えるものに関して
は輸入や販売などが許可されません。平成15年の食品衛
生法改正(平成18年施行)により、残留農薬に対する規制
が厳しくなり、残留基準が設定されている農薬等はそれま
での283品目から799品目に増えました(3)。
国による食品の安全性への取組みについての詳しいパンフレットは、こちらをご参照ください。
→ 「健康食品」の有効性と安全性情報 (http://hfnet.nih.go.jp/)
「基礎知識」(行政機関発行のパンフレット集)
不安を煽る情報への接し方
情報化社会と呼ばれて久しく、生活していく中で私たちの意志とは関係なく、様々な情報が耳に入ってきま
す。特に、生活や健康に密接した食品、食生活については多くの人々が関心を持つ事柄であり、その分、非常
に多くの情報が玉石混淆の状態にあります。中には病気や不安など、消費者の弱みに付け込む悪質な商品、
業者もありますので注意が必要です。情報に接する際は、冷静な目と耳と心を忘れず、少しでも不安や疑問を
感じたときは、専門家や信頼できる公的機関 などに助言を求めるなど、リスクを回避する姿勢を持ちましょう。
科学的根拠のある情報について、詳しくはこちらをご参照下さい。
→ 「健康食品」の有効性と安全性情報 (http://hfnet.nih.go.jp/)
「基礎知識」(科学的根拠のある情報とは?)
参考
1.改訂新版 よくわかる 暮らしの中の食品添加物 :光生館
2.日本食品添加物協会ホームページ
3.厚生労働省ホームページ
8
3.参考になる情報源
食品や食生活、健康について正しい情報を知りたいときに参考になりそうなホームページ、雑誌、書籍を紹介します。
ホームページ
・「健康食品」の安全性・有効性情報
・厚生労働省ホームページ
・健康食品ナビ(東京都)
http://hfnet.nih.go.jp/
http://www.mhlw.go.jp/
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/anzen/supply/
・農林水産省ホームページ
http://www.maff.go.jp/
・(財)食生活情報サービスセンター
http://www.e-shokuseikatsu.com/
・e-ヘルスネット
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/
・i-子育てネット
http://www.i-kosodate.net/eating/index.html
書籍
大人向け
・食品成分表(写真やイラストが豊富で、あまり厚くなく、読み物的なもの)
「ビジュアルワイド 食品成分表」
:東京書籍
「New & visual食品成分表」
:教育図書
「新ビジュアル 食品成分表(増補版)食品解説つき」 :大修館書店
「 カラーグラフ五訂増補食品成分表」
:実況出版
「新食品成分表〈2007〉」
:一橋出版
・「食育」ってなに?
:武見ゆかり
コープ出版
・「図解 食育」
:藤沢良知 全国学校給食協会
・病気予防百科−100歳まで元気人生!−
:日本医療企画
子ども向け
・「やさいをたべると」
:女子栄養大学出版部
・「たべたものはどうなるの」
:女子栄養大学出版部
・「もうすぐごはんなのに」
:女子栄養大学出版部
・「やさしいやさいのオイシンピック」
:農村漁村文化協会
・「たべもののたび」
:童心社
雑誌
・「ボンメルシィ」
ベネッセ
・「食育活動」
農文協
・「食生活」
(社)全国地区衛生組織連合会
・「栄養と料理」
女子栄養大学出版部
・「食べもの文化」 芽ばえ社
(独)国立健康・栄養研究所 情報センター 健康食品情報プロジェクト
ホームページ
http://hfnet.nih.go.jp/
メールアドレス [email protected]
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本文 - 「健康食品」の安全性・有効性情報