授業支援型ユーザインターフェイスを有する
CEAS/Sakai連携システムの開発と評価
-SCORM教材学習支援機能の場合-
冬木正彦* 矢野敏也** 植木泰博*** 花田良子****
*関西大学環境都市工学部 **関西大学大学院
***関西大学先端科学技術推進機構 ****関西大学システム理工学部
発表内容
1.背景
CEASについて、大規模利用状況、開発経緯と問題点
2.CEASバージョン3系の開発
CEAS3(J2EE版)系の開発、第2段階はシステム連携アーキテクチャ
3.授業支援型ユーザインターフェイス
CEAS2系からの継承
4.CEAS/Sakai連携システムの設計と実装
実装例:SCORM教材学習支援機能
5.性能評価
学生の学習状況の一覧把握
6.今後の展開
連携システムの提供、関西大学での運用、国際化機能の活用
授業支援型e-LearningシステムCEAS(シーズ)
Web-Based Coordinated Education Activation System
LMS(Learning Management System)、CMS (Course MS)
‘e-Learning’のプラットフォーム
学習コンテンツ、授業データなどの管理
ブラウザから利用するWebアプリケーション
の一つ
授業資料(スライド、文献)掲載・閲覧、予習課題
出席確認(PC教室、携帯電話)、小テスト実施
レポート課題配布・回収、アンケート実施
採点、履修管理
コミュニケーションツール
お知らせ、FAQ、電子掲示板、チャット
eラーニングコンテンツの掲載・閲覧
商用:Blackboard, WebCT, Campusmate/CourseNavig, It’s Class
オープンソース: Moodle, Sakai, CEAS, exCampus, CFive, Sui2
3
CEASの目的と特徴
• 毎回の「授業」の実施を軸とした担任者、学生の
教育/学習に含まれる諸活動を統合的に支援
授業支援型
1) コンテンツ制作の前提なし
通常教材の利用、授業進行に伴い蓄
積
2) 教務管理的な負担の軽減に
配慮
成績評価の簡便さ、採点/提出の一括
確認、出席確認、テスト一斉実施、自
己採点
3) 基本機能の洗練と使い方の
「工夫」重視
多機能化、自動化を避ける
CEASの全学利用(関西大学)
5
利用規模と関連システム
システム
理工学部向けと文系・総情向け2つのCEAS用サーバ群
履修環境の登録
教員(含非常勤)2,000名、学生(含院生)29,000名
全開設科目 9,700 (文・総情)+1,800 (工)科目 登録
高大接続・入学前教育(科目と高校生などの登録)
LDAPサーバ
ID認証
教務システム
3月-4月 利用者更新・科目登録
科目履修登録/変更データ
毎日
学籍移動データ
学期末 成績データ
学籍管理システム
履修登録システム
インフォメーションシステム
授業支援/成績管理システム
6
関西大学でのCEAS利用の推移
正課教育
利用教員数
文系
理系
非常勤
利用科目数
300
600
250
500
200
400
150
300
100
200
50
100
0
文系
理系
0
H16
H17
利用学生数
H18
文系
H19
H16
理系
入学前教育
H17
H18
H19
1172名
法学部(182)、文学部(98)、
社会学部(294)、総合情報学
部(161)、理工系3学部(437)
12000
10000
8000
6000
高大接続(全学部)
4000
192名
会計専門職大学院
2000
0
H16
H17
H18
H19
全授業ビデオ配信
7
CEASの開発経緯と問題点
2002.4 企業向けLMSの言語変換
着手
PLS(Panasonic Learning System) ASP => PHP言語
2002.9 授業支援機能の追加開発
着手
ユーザインターフェイス全面変更
分析モデル <= データモデル部分修正
2002.11 CEASバージョン1.1 試行利用開始
(登録 1800科目、6000ユーザ)
2003.9 CEASバージョン2.0 (現行GUI)
CEAS Community Pageで公開、無償提供
2004.4 工学部で正式運用開始
2005.4~ 全学部で正式運用開始
機能改善・追加(携帯電話、個別学習教材、・・・)
2.CEASバージョン3系の開発
CEASの新バージョン開発
CEASバージョン2系の問題点
 ソースコードが複雑 <= 学習支援用のデータモデルを
部分修正して、「授業」明示モデルを実装している。
 ソースコードの保守性・機能拡張性の考慮が不十分
 メニューやメッセージの国際化対応が困難
2003.9 新バージョン(CEAS3系)の開発検討開始
J2EEアーキテクチャ
2005.4 設計確定、開発開始
2005.12 Javaフレームワークを利用した開発報告
JSF+Spring+Hibernate
2006.4 機能テスト=>開発中断、再検討
CEASの新バージョン開発(続)
2006.8 再構築開始
2007.9 CEAS3.0 実際の授業での試行開始
実行環境でのバグ修正
2008.7 CEAS3.0.1 公開
国際化対応(日本語、英語、中文簡体字、中文繁体字)
.9 CEAS/Sakai連携システムとして全学利用可
授業支援型BBS機能
.12 授業支援型SCORM学習支援機能
2009.3 CEAS3.0.8 リリース
CEAS3系とは
実装モデル
「授業」明示モデル を反映したデータモデル
ユーザインターフェイス
CEAS2系を継承 :
「授業支援型ユーザインターフェイス」
アーキテクチャ
Javaフレームワーク
JSF+Spring+Hibernate
CEAS3系とは(続)
機能
第1段階 基本的にはCEAS2系と同じ
機能整理(小テストの形式)
リッチクライアント的機能の部分的採用
CEAS3.0.8
第2段階 機能強化・拡張
SCORM教材学習支援機能
フォーラム機能、(Wiki、ライブラリ)
=> Sakai CLEとの連携により実現する
CEAS/Sakai連携システム
連携システムの設計
要件:CEASからログインし、Sakaiの当該機能を
シームレスに利用可能
=> ユーザインターフェイス
授業支援型ユーザインターフェイスを順守
• 利用するSakaiツール
– SCORM学習教材学習支援機能:
⇒Contrib ToolsのSCORM Player
– トピック機能(授業支援型BBS機能):
⇒Worksite ToolsのForums(sakai.forum)
3.授業支援型ユーザインターフェイス
「授業支援型ユーザインターフェイス」
CEAS2系のユーザインターフェイスの抽象化・
汎用化の試み
ユーザインターフェイス
システムの諸機能の配置と遷移に関する表現
=> 外部設計の指針
授業支援型ユーザインターフェイスとは、
担任者の教育実施の活動フローを反映した表現
活動フローを反映した機能関連
機能の分類配置
16
ユーザ、インターフェイス、ドメインモデル
教育実施の
プロセスモデル
授業実施の
活動フロー
担任者
学生
内部モデルの
外部表現
ユ
ー
ザ
イ
ン
タ
ー
フ
ェ
イ
ス
CEASのモデル
授業明示モデル
役割や権限
状態の遷移
暗黙の
教育環境ドメインモデル
CEAS
17
教育実施の諸活動とフロー
学期前
活動S
シラバス作成
授業準備
学期中
学期末
授業前
活動A
授業中
活動B
教材作成
教材割付など
出席,テスト
アンケート
レポート課題
など
活動E
成績作成
成績提出
学期毎に繰り返し
授業後
活動C
各種管理
レポート評価
など
授業回毎に繰り返し
活動D
常 コミュニケーション
時
お知らせ
FAQなど
活動とフローを反映した機能関連
A
授業前
機能A
授業中
機能B
教材作成
教材割付など
S
B
出席,テスト
アンケート
レポート課題
など
C
授業後
E
D
機能D
常 コミュニケーション
時 お知らせ
FAQなど
機能C
各種管理
レポート評価
など
機能の分類配置
教材作成/登録作業の表現
教材割付の表現
『ワークフロー反映
機能グループ表現』
授業実施支援の表現
・「授業回数順教材配置一覧表現」
・「授業回数毎教材割付表現」
授業データ管理の表現
・「連結表現」
・「一覧表現」
コミュニケーション支援ツールの表現
実装例1 CEASでは・・・
授業資料登録
《毎週の作業》
教材割付画面
担任者Topページ
授業実施一覧
各授業回実施一覧
アンケート一覧表
レポート一覧表
SCORM学習教材連結評価一覧
各授業回分
ワークフロー反映機能グループ表現の実装例
実装例:担任者TOPページ
教材の作成/登録
教材一括更新
授業へ割付
履修の評価
連結評価一覧表
(成績表)
授業実施画面へ
22
授業回数順教材配置一覧表現の実装例
科目の授業実施一覧画面
23
授業回数毎教材割付表現の実装例
特定の授業回の授業実施画面
24
実装例2 CEASでは,・・・
教材一括更新
《学期前/学期末》
担任者Topページ
連結一覧評価表
4.CEAS/Sakai連携システムの
設計と実装
授業支援型ユーザインターフェイスを
有するシステムの実現方式
a. 一体型システム
a1. CEASに機能追加・拡張
a2. 多機能のシステムに
授業支援型ユーザインターフェイスを実装
b. ハイブリッドシステム(密結合、疎結合)
b.1 CEAS主導連携システム
(CEASに多機能なシステムをシームレスに連結する)
CEAS/Sakai連携システム
27
連携システムのアーキテクチャ
CEAS
トピック機能
モジュール
SCORM機能
モジュール
CAS対応
(CAS Java Client)
認証
疎結合
Webサービスで
データ連携
SSOが可能
Sakai
CAS対応
(CASifying Sakai)
認証
CAS(JA-SIG Central Authentication Service)
認証ソース:LDAP(Sun Java Directory)
SCORM学習教材の登録(1)
SCORM学習教材
登録を選択
SCORM学習教材を登録
する科目を選択
SCORM学習教材の登録(2)
SCORM学習教材の
タイトルを新規に登録
SCORM学習教材を
選択し、自分のPCから
アップロード
登録済みの
SCORM学習教材
の一覧
SCORM学習教材の授業への割付
第12回目の
授業を選択
「Protect ・・・」を割付ける
SCORM学習教材の利用
第12回目の授業実施画面
SCORM学習教材を選択
阪大現代GP成果物
先端科学技術分野ESP
コンテンツ
SCORM学習データ管理
SCORM学習データ管理
を選択
SCORM学習データがある科目に
ついて、
1.学習教材一覧表
2.学習データ連結一覧評価表
3.学習記録分析(Sakai)
が選択できる
1.SCORM学習教材一覧表
SCORM学習教材ごとに、確認する
(a) 学習要素一覧
(b) 学習要素学習進捗一覧表
を選択できる
(a) SCORM学習要素一覧
これら一つ一つが
学習要素
(b) SCORM学習要素学習進捗一覧表
学習回数ごとの詳細の表示
SCORM学習データ管理
SCORM学習データ管理
を選択
SCORM学習データを管理する
科目について、
1.学習教材一覧表
2.学習データ連結一覧評価表
3.学習記録分析(Sakai)
が選択できる
2.学習データ連結一覧評価表
連結
SCORM学習データ管理
SCORM学習データ管理
を選択
SCORM学習データを管理する
科目について、
1.学習教材一覧表
2.学習データ連結一覧評価表
3.学習記録分析(Sakai)
が選択できる
3.学習記録分析
SakaiのSCORM Playerの画面に遷移
ある学生の特定の問題の解答状況
5.性能評価と改善
性能評価
SCORM学習データ管理にボトルネックあり
一覧表、連結表の表示所要時間
○技術英語(冬木クラス) 履修者75名
・学習教材一覧表
6分25秒
・学習要素学習進捗一覧表 第12回
2分38秒
学習回数計:215 学習済み教材要素数:821
・SCORM学習要素一覧
第12回
2分35秒
学習回数計:215 学習済み教材要素数:821
・学習要素学習進捗一覧表 第13回
3分51秒
学習回数計:392 学習済み教材要素数:1137
・学習データ連結一覧評価表
6分30秒
数秒に
できるか
集計処理の高速化
• パラメータチューニングは効果なし
OS、サーバの設定、DB(MySQL)設定
• 集計値を取得するために、SCORM Playerの学習記
録を取得するAPI(getActivitySummaries)を、
学習者×学習回数 実行する箇所が問題
getActivitySummaries()では、今回のデータでは883回SQL文が
実行されていた。
=>
• 学習時に集計データに学習記録を保存
• 集計データを元に学習記録を取得するAPIを追加
• CEAS/Sakai連携(Sakai側)では、集計データを元に学
習記録を取得するAPIを利用
改善後の性能
SCORM学習データ管理にボトルネックあり
一覧表、連結表の表示所要時間
○技術英語(冬木クラス) 履修者75名
改善前
・学習教材一覧表
6分25秒
・学習要素学習進捗一覧表 第12回
2分38秒
学習回数計:215 学習済み教材要素数:821
・SCORM学習要素一覧
第12回
2分35秒
学習回数計:215 学習済み教材要素数:821
・学習要素学習進捗一覧表 第13回
3分51秒
学習回数計:392 学習済み教材要素数:1137
・学習データ連結一覧評価表
6分30秒
改善後
4秒
2秒
2秒
3秒
4秒
6.今後の展開
1)関西大学での利用
 全学利用 現在は、CEAS2系
=>CEAS/Sakai連携システムへの移行
2009年度 並行運用
2010年度 CEAS/Sakai連携システム
業者による保守・運用サポート
教育GPでの利用
2)CEAS Community Pageでの公開
CEAS/Sakai連携システムのインストール用パッ
ケージ、ソースコード掲載(3月末予定)
3)eポートフォリオシステムとの連携
4)ユーザインターフェイスのリンチクライアント化、
機能の追加
CEAS Community Page
http://ceascom.iecs.kansai-u.ac.jp/
50
ダウンロード

授業支援型ユーザインターフェイスを有するCEAS