○山梨県警察山岳遭難防止対策要領の制定について
平成27年3月17日
例規甲(地救)第79号
山梨県警察における山岳遭難防止対策については、これまで山岳遭難防止対策要領の
改正について(平成19年3月12日付け、通達(地救)第111号。以下「旧要領」
という。)により運用してきたところであるが、この度、山岳遭難の防止のための諸施
策及び諸活動を総合的に推進するとともに、山岳遭難発生時における捜索救助体制の強
化等を図るため、山梨県警察山岳遭難防止対策要領を別添のとおり定め、平成27年4
月1日から実施することとしたので、運用上誤りのないようにされたい。
なお、本要領の実施に伴い、旧要領は廃止する。
別添
山梨県警察山岳遭難防止対策要領
第1
目的
この要領は、山岳遭難の防止のための諸施策及び諸活動を総合的に推進するととも
に、山岳遭難発生時における捜索救助活動を的確に行うため、安全登山のための広報
啓発活動、山岳遭難救助体制その他必要な事項について定めるものとする。
第2
1
山岳遭難発生実態の把握及び資料の整備
発生実態の把握等
警察署長は、山岳遭難の発生形態に応じた的確な広報啓発活動、パトロール活動
及び捜索救助活動を行うため、平素から、過去において管内で発生した山岳遭難の
態様及び危険箇所等の実態を把握・分析し、資料として整備しておくものとする。
2
基礎資料の整備
警察署長は、1の資料その他山岳遭難防止施策及び捜索救助活動の基礎資料とす
るため、次の資料を作成し、整備しておくものとする。
ア
おおむね次の事項を記載した管内の山岳及び周辺地域の図面(縮尺は、おお
むね5千分の1から5万分の1)
(ア)
登山口からの最寄り駅、バス停及び駐車場までの距離及び所要時間
(イ)
登山口、下山口及び登山コースの途中にある山小屋その他の宿泊又は退避
施設の名称、管理者及び連絡手段の有無並びに登(下)山口から当該施設ま
での距離
(ウ)
過去における山岳遭難の発生地点及びその概要
(エ)
その他必要と認められる事項
イ
山岳遭難防止施策及び捜索救助活動を警察に協力して効果的かつ円滑に推進
することのできるおおむね次の機関・団体等の組織、構成員、連絡窓口等の事
項を記載した書面
第3
(ア)
山岳遭難防止対策協議会
(イ)
山梨県内の森林管理者その他山林又は山岳の管理者
(ウ)
山岳会その他の民間の登山関係団体
(エ)
登山者が多数利用する鉄道、バスその他の交通事業者
(オ)
登山経路等にある観光業者、旅行業者、山小屋等の関連事業者
(カ)
山岳遭難発生時に民間救助隊として活動可能な者
登山シーズンの前における調査及び実態把握
1
登山危険箇所、山岳遭難防止施設等の実態把握
警察署長は、各登山シーズンの前に、山岳関係機関・団体等と協力し、登山道及
び山岳遭難防止のための諸施設について実地踏査を行い、管内の山岳遭難多発地域
の地形・地物、登山道、登山危険箇所並びに登山道標、危険表示板等の山岳遭難防
止諸施設の老朽及び破損状況を点検し、補修等を要し、又は新たに設置すべき施設
等の実態把握を行うものとする。
2
気象条件、登山者数等の事前調査
警察署長は、1のほか、山岳遭難の多発が予想される登山シーズンの前に、管内
の山岳に係る気象条件、登山者の予想数等を調査するものとする。
第4
山岳遭難防止施設の整備拡充
警察署長は、第3の1による実態把握の結果等に基づき、山岳関係機関・団体等と
協力及び連携をして、次に掲げる山岳遭難防止施設の整備拡充に努めるものとする。
(1)
登山口、登山コース等の重要地点に、山小屋、登山コース、地形、危険箇所等
を明示した登山道標を設置すること。
(2)
旅館、山小屋、駅、停留所、登山口等登山の拠点となる場所に、登山上の注意
事項等を告知するための情報を掲示すること。
第5
1
広報啓発活動
安全登山、遭難防止等の広報啓発活動の推進
(1)
警察署長は、次に掲げる事項について、各登山シーズンごとに、その特徴的傾
向を踏まえた重点的な広報啓発活動を実施するものとする。
ア
最近の山岳遭難の原因及び身近な遭難事例
イ
山岳遭難防止のための心得及び留意事項
ウ
経験豊富なリーダーの下でのパーティーの編成
エ
単独登山その他無謀な登山の回避
オ
無理のない登山計画の策定
カ
遭難の実態からみた安全な登山のための気象条件、装備、食料、体力及び体
調並びに登山の経験、山岳の選び方、登山コース、日程その他安全な登山計画
を立てるための心得
(2)
広報啓発活動の実施に当たっては、山岳関係機関・団体及び報道機関と連携し、
地域の実情に応じて次に掲げる方法により効果的な広報啓発活動を推進するもの
とする。
ア
新聞、テレビ、ラジオ等の報道機関に積極的に情報提供するほか、市町村広
報紙(誌)、町内会の回覧板、有線放送、インターネット、警察署ホームペー
ジ、交番・駐在所等のミニ広報紙等あらゆる広報媒体を活用すること。
イ
登山に関する専門雑誌その他の出版物に情報提供すること。
ウ
ポスター、パンフレット、リーフレット等の広報資料を作成し、登山者の出
発駅、登山口の最寄りの駅、案内所、交番・駐在所その他登山者が集中する場
所において、これらを掲出し、又は配布するほか、リーフレット等の配布時に
ワンポイントの現場指導を行うこと。
エ
2
旅館、山小屋、交通機関等の協力により一般登山者に対する注意を促すこと。
登山計画書等の提出指導
登山者が、登山をする前に、登山日程又は行程、登山者の氏名、年齢、住所、連
絡先等に関する情報及び携行する装備品、食料等の内容を記載する書面(以下「登
山計画書等」という。)については、山岳遭難発生時に遭難者の捜索救助活動が迅
速かつ合理的に行われるばかりか、安全登山のための自己点検の機会にもつながる
ことから、あらゆる広報媒体、広報資料等を活用して、登山者に対し事前に登山計
画書等を作成し、家族、知人、警察等に提出するよう周知及び指導に努めること。
第6
1
山岳遭難救助体制の構築等
山岳遭難救助隊の設置等
山岳遭難救助体制の整備及び確立を図り、山岳遭難が発生した場合、迅速的確に
救助活動を実施するため、次により山岳遭難救助隊を編成するものとする。
ア
設置及び編成
(ア)
生活安全部地域課に、救助隊の本部(以下「救助隊本部」という。)を設
置し、警察本部及び警察署に、それぞれ本部直轄救助隊及び警察署救助隊を
設置する。
(イ)
救助隊本部、本部直轄救助隊及び警察署救助隊の編成は、山梨県警察山岳
遭難救助隊編成表(別表)のとおりとする。
イ
本部直轄救助隊員の指定
(ア)
警備部機動隊長又は警察署長(以下「警察署長等」という。)は、原則と
して山梨県警察山岳遭難救助技能検定に関する訓令(昭和47年山梨県警察
本部訓令第4号)で定める山岳遭難救助技能検定のうち、第3種山岳遭難救
助技能検定以上の資格を取得している警察官の中から、身体強健で平素から
山岳遭難救助活動に強い意欲を持っている者を本部直轄救助隊員(指定・解
任)上申書(第1号様式)により、生活安全部地域課長(以下「地域課長」
という。)を経由して警察本部長に上申するものとする。
(イ)
警察署長等は、(ア)により山岳遭難救助技能検定未取得者を本部直轄救
助隊員に上申する場合は、指定年度内に実施される山岳遭難者救助研修を受
講させるものとする。
(ウ)
警察署長等は、配置換え、昇任、病気その他の理由により本部直轄救助隊
員の指定を解除する必要があると認めたときは、本部直轄救助隊員(指定・
解任)上申書により、速やかに地域課長を経由して警察本部長に上申するも
のとする。
(エ)
警察本部長は、(ア)の上申を受け、本部直轄救助隊員として適格性を有
すると認められる場合には、その職員に対して指定書(第2号様式)を交付
するとともに、警察署長等に通知するものとする。
(オ)
警察本部長は、(ウ)の上申を受け、本部直轄救助隊員の指定を解除する
ことが適当であると認められる場合には、その職員に対して指定解除通知書
(第3号様式)を交付するとともに、警察署長等に通知するものとする。
ウ
警察署救助隊員の指定
(ア)
警察署長は、所属警察官の中で、身体強健で平素から山岳遭難救助活動に
意欲を持っている者の中から適任者を警察署救助隊に指定するものとする。
(イ)
警察署長は、警察署救助隊員を指定した場合は、警察署救助隊員指定簿(第
4号様式)により、地域課長に報告するものとする。
エ
救助隊長の指定
救助隊の隊長は、本部直轄救助隊については救助隊本部長が、警察署救助隊
については警察署長が救助隊員の中から、人格及び識見に優れ、山岳遭難救助
活動のリーダーとして必要な技能知識を有する者を指定するものとする。
2
出動の基準
(1)
本部直轄救助隊
ア
本部直轄救助隊は、次の場合に、警察署長から要請があったとき、又は救助
隊本部長が必要と認めたとき、その命により出動するものとする。
(ア)
厳寒期等の山岳遭難で、捜索救助に高度の登山技術を必要とするとき。
(イ)
遭難者が複数であるとき。
(ウ)
捜索救助が広範かつ長期にわたるとき。
イ
警察署長は、本部直轄救助隊の出動を要請するときは、本部直轄救助隊派遣
要請書(第5号様式)により、地域課長を経由して救助隊本部長に要請するも
のとする。
ウ
警察署長等は、アによる出動を命ぜられたときは、速やかに自所属の本部直
轄救助隊員を派遣するよう努めなければならない。
エ
アにより出動した本部直轄救助隊員は、出動先の地域を管轄する警察署長の
指揮下において活動するものとする。
(2)
警察署救助隊
警察署救助隊は、次の場合に、警察署長の命により出動するものとする。
3
(ア)
山岳遭難の発生を知ったとき。
(イ)
遭難関係者の要請により救助隊の活動を必要とするとき。
地域課長の責務
地域課長は、救助活動を行う関係機関・団体と連携を緊密にし、次に掲げる事項
を重点に、救助活動の効果的推進を図るものとする。
ア
本部直轄救助隊の編成及び出動に関すること。
イ
警察署救助隊との連携に関すること。
ウ
本部直轄救助隊員の教養訓練に関すること。
エ
本部直轄救助隊に必要な装備資機材の整備に関すること。
オ
警察航空機の出動に関すること。
カ
本部直轄救助隊の救助活動に協力する民間人に対する出動要請に関するこ
と。
キ
4
その他救助活動に必要な事項
警察署長の責務
警察署長は、平素から関係機関・団体との連絡を密にし、救助体制の整備を図る
とともに、所属する救助隊を統括し、次の事項について推進するものとする。
5
ア
救助隊本部との連絡に関すること。
イ
遭難関係者との連絡に関すること。
ウ
救助計画の立案及び実施に関すること。
エ
所属救助隊に必要な装備資機材の整備に関すること。
オ
管内の救助活動に協力する民間人の出動要請に関すること。
カ
所属救助隊員に対する教養訓練に関すること。
捜索打切りの決定
警察署長は、捜索の長期化、気象の変化等により捜索を打切る場合には、関係機
関・団体及び遭難関係者の意見を考慮して、救助隊本部長の指揮を受けて決定する
こと。
別表及び様式
略
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