第10回 量子論の世界
・観測
・不確定性原理
・量子のための波動関数
・重ね合わせの原理
・シュレーディンガー方程式
・固有値方程式
今日の目標
1.物理量を観測することの意味を理解する
2.不確定性原理の意味を理解する
3.粒子の運動を理解するための物理量を把握する
4.量子の波動関数と古典物理の波動関数の違いを示せる
5.シュレーディンガー方程式をかける
6.固有値方程式の形式を理解して示せる
観測の意味
思考実験 Ⅰ
観
測
結
果
1回目
電子の質量me=9.11×10-31kg
波長663nmの光 6.63×10-34Js
運動量p=h/λ= 663×10-9m
=1.00×10-27kgm/s
p
1.00×10-27kgm/s
v= m =
-31kg
9.11×10
光
≒1000m/s
電子の軌跡を追うことはできない
2回目
・・・・
n回目
確率的
重ね合わせ
思考実験 Ⅱ
電子の速度 v=
L
T
顕微鏡の分解能
α
電子銃
L
時間T
観測前
顕微鏡
p
Δx
p = mv =
Δx = 0.6
λ
sinα
レンズに入ってきた光
λ=c/ν
hν
運動量 p=h/λ=
c
mL
T
hν
hν
px < p + c sinα
p sinα <
観測後
~
~
c
hν sinα = 2hν
0.6λ
2
×
運動量の曖昧さ Δpx =
c
c
Δx
h
≒ Δx
不確定性原理
ΔpxΔx
> h
~
時間の曖昧さ Δt =
ΔpyΔy
> h
~
ΔpzΔz
> h
~
Δx
vx
運動エネルギー ε = 1 m(vx2 + vy2 + vz2 )
2
運動エネルギーの曖昧さ
∂ε
Δx
Δε =
Δvx = mvx Δvx = vx Δpx =
Δpx
∂vx
Δt
ΔεΔt
>h
~
> h
~
座標と運動量又はエネルギーと時間は同時に誤差なしで
測定することはできない。
古典物理学における波動関数
波動
y = f (x + vt)
;物理量の変位を表現する手段
y(x,t)=Asin(ωt±k・x)
波数:k=2π/λ
∂2 y
2f "
=
v
∂t2
∂2 y
=f"
2
∂x
2y
∂2 y
∂
= v2 2
2
∂t
∂x
波動方程式
古典物理学における粒子
頻度
均
一
衝立
的
量子のための波動関数
頻度
回
折
電子銃
スリット
ド・ブロイ波
スクリーン
2
p2
1 h2
1
h 2π
1
E= 2m = 2m λ2 = 2m 2π λ = 2m
hk
原子の系を表現する
エネルギー
角運動量
電子の分布密度
物
理
量
原子の状態
状態を表現する道具
波動関数 Ψ(x,y,z,t)
物理系の状態を表す
2
粒子の存在確率
Ψ(x,y,z,t)
dz
dy
dx
体積dxdydzの中に粒子を見いだす確率 p(x,y,z,t)
p(x,y,z,t) ∝ |Ψ(x,y,z,t)|2dxdydz
|Ψ(x,y,z,t)|2dxdydz
p(x,y,z,t) =
+∞
∬∫-∞ |Ψ(x,y,z,t)|2dxdydz
回折と干渉
別々にスリットを開いたとき
回折はしている
電子銃
干渉はしていない
|Ψ1(x,y,z,t)|2 + |Ψ2(x,y,z,t)|2
電子銃が作る干渉縞
スリットを同時に開いたとき
干
渉
縞
電子銃
|Ψ1(x,y,z,t) + Ψ2(x,y,z,t)|2
重ね合わせの原理
|Ψ1(x,y,z,t) + Ψ2(x,y,z,t)|2
= {Ψ1(x,y,z,t) + Ψ2(x,y,z,t)}*{Ψ1(x,y,z,t) + Ψ2(x,y,z,t)}
= Ψ1*(x,y,z,t) Ψ1(x,y,z,t) + Ψ2*(x,y,z,t) Ψ2(x,y,z,t)
+ Ψ1*(x,y,z,t) Ψ2(x,y,z,t) + Ψ2*(x,y,z,t) Ψ1(x,y,z,t)
干渉項
自由粒子の平面波
波動関数; Ψ(r,t)
粒子系の状態を表す
平面波; Ψ(r,t) = Ae i(k・r-ωt)
=A{cos(k・r-ωt) + i sin (k・r-ωt)}
k・r = kr cosθ
k = 2π
;波数
λ
y
x
θ
0
k
r
z
波動関数から求まる物理量
平面波; Ψ(r,t) = Ae i(k・r-ωt)
∂Ψ
∂t
k = 2π
λ
ω = 2πν
= -iωAe i(k・r-ωt)
i h ∂Ψ
∂t
-i h ∂Ψ
∂x
h
2π
h
= h ωΨ
hν
∂Ψ
∂x
= -iωΨ
×i
;エネルギー
= i kx Ae i(k・r-ωt) = i kx Ψ
× -i
= h kxΨ
px ;運動量のx成分
h
2π
∂Ψ
∂x
= h kx Ψ
-i h ∂Ψ
∂y
= h kyΨ
-i h
-i h ∂Ψ
∂z
-i h∇Ψ
= h kzΨ
=
hkΨ
∂
∇= i
∂x
∂
+j
∂y
2
-i h∇
-i h∇Ψ
= -i h∇
- h 2∇2Ψ = p2Ψ
2m
2m
2
1
2m -i h∇ Ψ = εΨ
hkΨ = hk Ψ
p2
ε=
p2
2m = h ω
= h ωΨ
= i h ∂Ψ
∂t
∂
+k
∂z
2
1
2m -i h∇ Ψ = εΨ
px
py
pz
ε
物
理
量
= i h ∂Ψ
∂t
= h ωΨ
-i h ∂
∂x
-i h ∂
∂y
-i h ∂
∂z
i h ∂
∂t
演
算
子
運動量
エネルギー
∇2
=
∂2
∂x2
2
∂
+
∂y2
2
∂
+
∂z2
:ラプラシアン(Laplacian)
古典物理におけるハミルトニアン
1
H = 2m (px2 + py2 + pz2) + V(r)
運動エネルギー
;系の全エネルギー
ポテンシャル
エネルギー
物理量(実数)
量子力学的ハミルトニアン
2
h
H=∇2 + V(r) ;系のエネルギーを表す演算子
2m
∂Ψ(r,t)
i h ∂t
= HΨ(r,t)
;シュレーディンガー方程式
(時間に依存した)
1925 E. Schrödinger
固有値方程式
波動関数
iE
t
h
Ψ(r,t) = φ(r)e
∂Ψ(r,t)
i h ∂t
HΨ =
例: 平面波; Ψ(r,t) = Ae i(k・r-ωt)
= Eφ(r) e
h2 2
2m ∇ + V(r)
h2 2
φ(r)
∇
+
V(r)
2m
iE
t
h
φ(r) e
iE
t
h
= Eφ(r)
時間に依存しないシュレーディンガー方程式
Hφ(r) = Eφ(r)
演算子
固有値
固有関数
演習
1.電子が原子の大きさ1Åの範囲に束縛されて、その範囲では
位置が特定できない場合、電子の速度は最低どのくらいか。
今日の用語
思考実験、重ね合わせ、分解能、不確定性原理、波動関数、
波数、波動方程式、確率密度、平面波、演算子、ラプラシアン、
ハミルトニアン、シュレーディンガー方程式、固有方程式、
固有関数、固有値
戻り
• 和田義親
• [email protected]
• 講義のページへ戻る
• 和田のホームへ戻る
• 明薬のホームへ戻る
ダウンロード

量子論の世界(ppt)